インターネットを使用していると「あなたのPCは感染しています」と警告文が表示されたことはありませんか?
このような警告文は偽物で、実際はウイルスに感染していない場合がほとんどです。しかし偽の警告文は有名企業の通知そっくりに作成され、時には警告音やカウントダウン表示を用いることで、ユーザーを騙します。
もしも警告文に従うと、アプリのダウンロードやソフトウェアの購入を促され、最悪の場合は情報漏えいや、不正送金などの被害を受ける恐れがあります。
この記事では「あなたのPCは感染しています」と警告が表示される原因と対処法について紹介します。
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目次
「あなたのPCは感染しています」とは
「あなたのPCは感染しています」とはパソコンの使用中に表示される偽物の警告表示です。以下の画像は偽警告の一例です。

パソコンに表示された偽警告 出典:山口県警察
前提としてウイルス警告には、ウイルス感染などを検知した「本物」の警告と、実際は何も異常がないのにウイルス感染を警告する「偽物」があります。その中でも以下の警告メッセージは、偽物である可能性が高いです。
偽の警告表示の文例
- あなたのPCは感染しています
- あなたのパソコン(PC)はウイルスに感染しています
- あなたのPCは脆弱な状態にある可能性があります
- お使いのPCは(7)ウイルスに感染しています
- あなたのpcはウイルスに感染しています
- コンピューターがウイルスに感染しています
- トロイの木馬e.tre456_wormに感染しています
- Windowsセキュリティシステムが破損しています
- あなたのpcは5つのウイルスに感染しています
- お使いのコンピュータが危険にさらされる可能性があります
- ウイルスに感染している可能性があります。
紹介したもの以外にも偽警告表示はあります。中には本物にここでは警告の真偽を見分けるポイントとして、本物と偽物の相違点を解説します。
本物の警告
たとえば次のような画面は本物の警告です。

本物のウイルス警告は、ユーザーに特別な行動を求めません。悪意のある活動を検出した場合、「有害なサイトをブロック」「アクセスは危険」と事実を提示するのにとどまります。
このあとはセキュリティソフトなどでウイルスに感染していないか確認しましょう。ウイルス感染によって何かしらの被害が出てしまった場合は、現在進行形でウイルス感染や情報漏洩が行われていないか専門家に端末を調査してもらいましょう。
偽警告

偽警告は「スケアウェア」とも呼ばれ、ウイルス感染やシステムの破損などを口実に脅して恐怖心をあおり、金銭や個人情報を奪うことなどを目的としたマルウェアです。
ウイルス感染やハッキングの警告画面の内容に従うと、「更新」ボタンなどからアプリやマルウェアをインストールさせる別サイトに飛ばされる、サポートセンターを装った電話番号に電話させられてしまいます。
偽警告には巧妙に作られたものも多く、たとえばGoogle chrome・Windows・Microsoft・McAfee・Norton・Avastの警告を装ったり、クリック先のページも、公式そっくりのデザインになっていたりすることが多く、見分けることが少し難しい場合があります。
偽警告かどうかを判断するためのポイントは以下のとおりです。
- 警告音が鳴る
- 日本語が不自然
- 恐怖を煽る文章で書かれている
- カウントダウンが設けられる
- 「更新」など不自然なボタンを押させようとする
- 電話をかけさせようとする
- 不審なURLに誘導させようとする
- URLの先頭が「http://」
- URLに含まれるドメインが公式のものでない
- クリック先のリンクが公式ページと少し異なる
そもそも、公式サイトやセキュリティソフトが出すメッセージでは、危機感を煽るような手法が使われることはまず考えられません。必要以上に不安をかきたてるような演出がみられたら、偽物の情報だと判断しましょう。
なお「あなたのPCは感染しています」などの偽警告の指示に従い、アプリやソフトウェアのダウンロード、警告文に記載された電話番号に電話してしまった場合は、遠隔操作や偽のサポートセンターによって個人情報が外部に漏えいしている可能性があります。
放置すると不正アクセスや不正送金などの原因となる場合がありますので、専門家に相談し、端末に異常がないか調査してもらうことをおすすめします。
>>不正アクセスとは|よくある手口や被害事例・対応方法を解説
「あなたのPCは感染しています」と表示された時の注意点
「あなたのPCは感染しています」と偽の警告文が表示された時は警告文の指示に従わず以下の点に注意しましょう。
- 「今すぐにスキャン」をクリックしない
- アプリやソフトウェアをダウンロードしない
- 警告文に記載された電話番号に電話しない
- クレジットカード番号など個人情報を入力しない
既に警告文の指示に従い、アプリのダウンロードの実行や個人情報をオペレーターに伝えてしまった場合は、クレジットカードの停止など必要な手続きを行った後に、セキュリティの専門家まで相談しましょう。
個人情報漏えいの有無や、インストールしたアプリやソフトウェアがどのような被害を与えているか詳細に知ることができます。
「あなたのPCは感染しています」と偽警告が表示された際の対応

偽警告が表示される理由は、ほとんどの場合、個人情報や金銭の詐取を目的とした詐欺です。このような詐欺はサポート詐欺と呼ばれ、悪意ある第三者がネットユーザーに電話をかけさせ、粗悪なセキュリティソフトやサブスクリプションサービスを契約させようとします。
偽警告をタップしていない場合の初動対応は次のとおりです。
まずは落ち着いて偽警告を閉じましょう。✖マークを押しても消えない場合には、下記の対応を取りましょう。
タスクマネージャーで実行中のアプリケーションを強制終了
タスクマネージャーで実行中のアプリを強制終了するには、以下の手順で行います。
- Windowsの場合:Ctrl + Shift + Esc キーでタスクマネージャーを起動します。
- 強制終了したいアプリケーションを右クリックします。
- 「タスクの終了」をクリックします。
- 「はい」をクリックします。
- これで、アプリケーションが強制終了されます。
ブラウザバックする
「ウィルスが検出されました」と表示されたら、すぐにブラウザを閉じましょう。
✖マークを押しても警告が消えない場合、「Alt」キーに「←」キーでブラウザバック可能です。カウントダウンで不安を煽る警告であっても同様に無視してください。
キャッシュを消す
強制終了しても警告が消えない場合には、キャッシュデータ・閲覧履歴をすべて削除することで警告が消える場合があります。
偽警告(スケアウェア)はブラウザの設定やキャッシュ、閲覧履歴などを利用し、ユーザーの行動を監視したり、不正な広告を表示したりします。つまり、キャッシュや閲覧履歴をすべて削除すると、偽警告が参照していたデータがなくなり、警告が消える場合があります。
キャッシュデータ・閲覧履歴をすべて削除するには、以下の手順で行います。
- ブラウザの設定を開きます。
- 「プライバシーとセキュリティ」または「詳細設定」などのタブを開きます。
- 「キャッシュと履歴を消去」または「履歴を消去」などの項目をクリックします。
- 「キャッシュを消去」と「履歴を消去」のチェックボックスをオンにして、「消去」をクリックします。
具体的な手順は、ブラウザによって異なります。
以下に、主なブラウザのキャッシュデータ・閲覧履歴の削除手順を記載します。
- ブラウザの右上にある「三点リーダー」をクリックします。
- 「設定」をクリックします。
- 「プライバシーとセキュリティ」タブを開きます。
- 「閲覧履歴」をクリックします。
- 「閲覧履歴を消去」をクリックします。
- 「キャッシュを消去」と「履歴を消去」のチェックボックスをオンにして、「消去」をクリックします。
- ブラウザの右上にある「三点リーダー」をクリックします。
- 「設定」をクリックします。
- 「プライバシー、検索、サービスを管理する」タブを開きます。
- 「ブラウジングデータの消去」をクリックします。
- 「キャッシュと履歴」のチェックボックスをオンにして、「消去」をクリックします。
- 画面右上のメニューアイコンをクリックし、「設定」を選択します。
- 左側のサイドバーにある「プライバシーとセキュリティ」を選択します。
- 「キャッシュされた Web ページ」にある「今すぐ消去」をクリックします。
キャッシュデータ・閲覧履歴を削除しても警告が消えない場合は、セキュリティソフトや専用ツールを使用して、偽警告を表示しているマルウェアを完全に削除する必要があります。
セキュリティソフトを利用する
「あなたのPCは感染しています」と偽警告が頻繁に表示される場合、「アドウェア」と呼ばれるマルウェアの一種が何らかの理由でインストールされた可能性があります。
セキュリティソフトを利用し、偽警告に関連するマルウェアがないか端末をスキャンして駆除しましょう。
ただし、セキュリティソフトの性能次第では、マルウェアが検出されないこともあります。また偽警告が表示される原因や、偽警告の指示に従い漏洩させた情報の把握や対策までは、必ずしも対応しているとは限りません。
「あなたのPCは感染しています」の指示に従い、アプリのインストールや偽のサポートセンターに電話してしまった場合は、パソコンやスマホのハッキングや情報漏洩被害を受けた可能性があるため、専門家に相談することをおすすめします。
「あなたのPCは感染しています」と表示されないようにする方法
「あなたのPCは感染しています」などの偽警告が表示されないように対策する方法もあります。方法は以下の通りです。
もしも「あなたのPCは感染しています」といった警告文が表示されてしまった場合は、落ち着いて警告表示を確認し、アプリのインストールが促されている内容であれば、ブラウザを閉じましょう。
基本的なセキュリティ設定を見直す
パソコンには多くの場合、セキュリティ機能が付いています。セキュリティ設定を正しく行っていると、不審なサイトへのアクセスや、外部からの不正アクセスをブロックできます。
「ファイアウォールが有効になっているか確認する」、「パソコンのOSを最新版にアップデートする」「ウイルス対策ソフトが起動しているか確認する」など基本的なセキュリティ設定を見直し、パソコンのセキュリティが正常に起動しているか確認しましょう。
市販のセキュリティツールを導入する
パソコンに付属しているセキュリティでは不十分だという方は、市販のセキュリティソフトやセキュリティツールを導入し、パソコンのセキュリティを強化しましょう。
ただし、パソコンに付属しているセキュリティツールと重複するソフトを導入してしまうと、セキュリティの導入コストや維持費などが余計にかかり、結果的に損してしまう可能性があります。
フォレンジック調査を受ける

フォレンジック調査とは、サイバーセキュリティインシデントの分析を通じて、攻撃の手法や経路を特定し、被害の範囲や影響を詳細に調査するプロセスです。偽警告が原因の不正アクセスやハッキングなども調査することができます。
フォレンジックの解説は下記の記事で詳しく解説しています。
>フォレンジック調査とは?メリットやインシデント別の調査事例を解説
フォレンジック調査には以下の利点があります。
- 攻撃手法の把握 :攻撃者の手法や侵入経路を理解することで、類似の攻撃を防ぐための対策を講じることができます。
- 影響の評価:被害の範囲や影響を正確に評価することで、復旧作業の優先順位を決定できます。
- 証拠の収集:攻撃の証拠を収集することで、法的手続きや保険請求時に活用できます。また、攻撃者の特定にも役立ちます。
- セキュリティ強化:攻撃を分析し、セキュリティを改善することで、同様の攻撃を未来に防ぐための対策を講じることができます。
特に専門家は、デジタル上の痕跡を分析し、被害範囲や侵入経路など攻撃の詳細を特定し、再発防止策を講じることができる専門知識を持っています。
もし次のような疑問がある場合、専門家まで対応を依頼されることをおすすめします。
- 「漏えいによって個人情報が、どの範囲まで流出したのか?」
- 「漏えい情報が他の企業や組織にも影響を及ぼすのではないか?」
- 「インシデントの影響がどれくらい長期間にわたるのか?」
- 「漏えいした情報が悪用される可能性が知りたい?」
- 「問題に対して今後どのような対策を取るべきか知りたい」
私たちデジタルデータフォレンジック(DDF)には、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験がある専門エンジニアが40名以上在籍しており、相談や見積もりを無料で受け付けています。
緊急の場合でも対応できるよう、24時間365日体制でご相談を受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
下記のような症状が起きている場合、マルウェア感染や不正アクセスが疑われます。
- 身に覚えのないログイン履歴がある
- 外部からの不正なアクセスが検出された
- セキュリティソフトが不正なファイルを検出した
- システムやアプリケーションが予期せぬ方法で動作する
- ファイルが暗号化されたり、削除されたりした
- 不審なメールを送信したり受信したりしている
- ネットワークのトラフィックが異常に増加している
- パスワードが変更されたり、アカウント情報が盗まれたりしている
上記に当てはまる場合、情報漏えいの恐れがあるため、被害範囲や感染経路を調べることが大切です。特に2022年4月施行の「改正個人情報保護法」では、金銭的被害が生じるおそれのある個人データの漏えい等が発覚した場合、法人に以下の義務が課せられました。
- 個人情報保護委員会への報告:当該企業は、個人情報保護委員会に漏えいの報告を行う。
- 当該個人に対する通知:当該企業は、個人情報漏えいの被害を受けた個人に通知を行う。
つまり、被害調査を行うことは、再発防止のためだけでなく、個人情報取扱事業者の義務でもあります。仮に措置命令違反や個人情報の不正流用が発生した場合、最高で1億円の罰金が科せられる可能性もあります。
そこで情報漏えい時、どの情報が、どのように漏えいしたのかを調査し、今後の対応や予防策を考える必要があります。

ただし、被害の調査を行う場合、法的知識や専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難であるため、フォレンジック専門家と提携して調査することをおすすめします。
フォレンジック専門家は、インシデントの原因や範囲を特定する検証作業に秀でており、感染源の特定はもちろん、公的に使用できる報告資料を作成でき、被害を未然に防ぐ有効な対策を講じることができます。
詳しく調べる際はハッキング・乗っ取り調査の専門家に相談する
ハッキング、不正アクセス、乗っ取り、情報漏えいのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、ハッキング調査の専門家に相談することが重要です。
ハッキング調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
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