「スマホがハッキングされました」等の警告表示に戸惑っていませんか?このような警告は詐欺などに悪用されるフェイクアラートであることが多いです。
しかし、警告文に従ってしまった場合や、本物の警告であった場合には注意が必要です。
この記事では「スマホがハッキングされました」等の警告の真偽と対処方について解説しています。
目次
「スマホがハッキングされました」の警告文は本当なのか?
「スマホがハッキングされました」等の警告メッセージが表示された場合、そのほとんどが不正なアプリのインストールや、個人情報の入力などを誘導するフェイクアラートです。
フェイクアラート
フェイクアラートの例は以下の通りです。
- ハッカーに追跡されています
- あなたのシステムは3つのウイルスに感染しています
- あなたのシステムは、トロイの木馬ウイルスによって侵害されています
- ご使用のiPhoneがハッキングされました
- 2分以内に解決されない場合、ハッカーに身元が明かされます
- アカウントをハッキングする試みが〇回見つかりました
- セキュリティ強化のため、今すぐアップデートしてください
フェイクアラートは、ユーザーに偽のセキュリティ警告やウイルス感染の通知を表示する詐欺的な手法です。
一般的に、ウェブサイトの閲覧中やアプリのインストール時に、突然ポップアップウィンドウが表示され、スマートフォンがウイルスに感染したというメッセージが表示されることがあります。
このようなフェイクアラートは、ユーザーを不安に陥れ、詐欺サイトへ誘導したり有料のサポートサービスを購入させたりすることを目的としています。
▶「iPhoneがハッキングされました」ウイルスチェックの方法を紹介
本物の警告表示
本物の警告は以下の通りです。フェイクアラートと見分けて正しく対処することが重要です。
マルウェアWebサイトの警告
赤い画面で表示される「マルウェアWebサイトの警告」は、悪意のあるウェブサイトへのアクセスを検知した際に、ウェブブラウザがユーザーに対して表示する警告メッセージです。
これは、ウェブサイトがマルウェア(悪意のあるソフトウェア)を配布したり、詐欺行為を行ったりする可能性があることをユーザーに警告するためのものです。
マルウェアWebサイトの警告が出た時点ではまだ被害が発生している訳ではないため、ページを閉じる・またはブラウザバックをしてください。
このパスワードはデータ漏えいで検出されたことがある
iCloudキーチェーンのパスワード監視によって、パスワードが漏えいした可能性のある時に「このパスワードはデータ漏えいで検出されたことがある」と表示されます。
この警告が出た場合は、早急にパスワードを変更してください。
iCloudキーチェーンのパスワード監視は、Appleが提供するセキュリティ機能の一つです。この機能は、保存されたパスワードが流出したことがあるかどうかを自動的にチェックし、ユーザーに警告を表示します。
具体的には、iCloudキーチェーンは複数のウェブサイトやオンラインアカウントのログイン情報を保存し、これらのパスワードがAppleのデータベースに保存されます。データベースには世界中で流出したパスワードのリストが保管されており、これらの情報と照合されます。
スマホハッキングの可能性が高い症状
スマホハッキングの可能性が高い症状は、以下の通りです。
急激なバッテリー消費
スマホがハッキングされると、マルウェアや不正プログラムがバックグラウンドで動作し、バッテリーを急速に消耗します。
通常の使用パターンに比べてバッテリーの持ちが悪化し、短時間で充電が必要になる場合があります。例えば、一日の間に通常の使用量よりも早くバッテリーが切れる・バッテリーの減りが突然加速するなどが挙げられます。
異常な動作・挙動
ハッキングされたスマホは以下のような異常な挙動を示すことがあります。
- 自動的にアプリが起動する
- 画面が点滅する
- 突然動作が遅くなる
- 操作が不安定になる
例えば、スワイプ操作がうまく機能せず、アプリがクラッシュする等です。
▶スマホが乗っ取り・ハッキングされたら際の正しい対処法、調査・相談窓口を解説
不審なアプリケーションのインストール
ハッキングされていると、「自分でインストールしていないアプリがホーム画面に現れる」等、ユーザーが認識せずに不審なアプリケーションがインストールされていることがあります。
偽のセキュリティアプリや迷惑広告を表示するアプリなど、ハッカーが不正な目的で利用するためにインストールされます。
通信の異常
ハッキングされたスマートフォンでは、通信が異常になることがあります。
- 通常よりもデータ使用量が増えた
- 通信が頻繁に途切れる
- 不審な通信が発生する
月末になっても通常よりも多くのデータ使用量が記録されている、等はハッキングされている可能性があります。
カメラ・マイクが勝手に起動する
カメラやマイクが勝手に起動する場合、ハッキング(遠隔操作)の恐れがあります。
この場合、ユーザーが意図しない場面でカメラが起動し、写真や動画が撮影される可能性があります。スマートフォンのロック画面が表示されているにもかかわらず、カメラやマイクが起動している場合は注意が必要です。
Androidのハッキング(乗っ取り)手口や対処法は、下記の記事で詳しく解説しています。
スマホハッキングの手口とは
スマートフォンのハッキング手口は多岐にわたりますが、ここでは代表的な手法を挙ています。
Androidのハッキング(乗っ取り)手口や対処法は下記の記事で詳しく解説しています。
フィッシング
フィッシングは偽のウェブサイトやメールを用いて、ユーザーの個人情報やアカウント情報を盗む手法です。メールやSMSなどを通じて偽のリンクを提供し、ユーザーを偽のサイトに誘導することで情報を盗みます。
フィッシングの特徴は以下の通りです。
- 偽のウェブサイトへのリンクや、感染したファイルを添付した電子メールなどを通じて、攻撃サイトに誘導する。
- 本物の企業や組織のように見せかけたり、身近な人物やサービスの名前を偽装することで、ユーザーの信頼を得ようとする。
- 時間的な制約や緊急性を強調して、迅速な対応を促します。これにより、冷静な判断が難しくなります。
マルウェア
悪意のあるアプリケーションやウイルスをインストールすることで、ハッカーがスマートフォンに侵入し、データを盗みます。マルウェアは無害なアプリケーションに偽装されており、ユーザーが気付かずにインストールしてしまうことがあります。
普段から信頼できないソースからのファイルやプログラムのダウンロードを避け、セキュリティソフトウェアを定期的に更新することが大切です。
Wi-Fiスニファリング
Wi-Fiスニファリングとは、公共のWi-Fiネットワークや不正なアクセスポイントを利用して、ハッカーが通信を傍受し、ユーザーの情報を盗む手法です。ユーザーが不正なWi-Fiに接続すると、通信内容がハッカーに盗み見られる可能性があります。
ソーシャルエンジニアリング
ソーシャルエンジニアリングは技術的な手法を使わずに、人間心理を利用して情報を盗む手法です。ハッカーは、ユーザーに偽の情報を与えたり、信頼を得ることで、個人情報やアカウント情報を盗み出します。
ソーシャルエンジニアリングは技術的なセキュリティ対策では防ぎきれない攻撃であり、デジタル端末にハッキングなどのログが残らないため、古典的ですが調査困難な手口といえます。
これらは一部の手法ですが、端末がハッキングされた場合は、民間のサイバーセキュリティの専門家に被害を報告することも重要です。専門家に相談することで、被害範囲の把握などに役立ちます。
「スマホがハッキングされました」と表示された際の対処法
「スマホがハッキングされました」といった偽の警告が表示された場合の適切な対処法は以下の通りです。
ウィンドウやブラウザ閉じる
警告が表示されたウィンドウやブラウザを直ちに閉じましょう。偽の警告には通常、閉じるオプションが用意されています。
ウィンドウを閉じるだけで十分な場合もありますが、ブラウザ全体を閉じることも検討してください。
ブラウザのキャッシュやクッキーをクリアする
偽の警告がウェブページからのものである場合、ブラウザのキャッシュやクッキーをクリアしてみてください。
これにより、偽の警告を表示するスクリプトが削除され、次回以降の表示を防ぐことができます。
セキュリティソフトウェアをスキャンする
スマホに対応しているセキュリティソフトウェアがインストールされている場合、スキャンを実行してください。悪意のあるプログラムやウイルスが検出される可能性があります。代表的なセキュリティソフトウェアには、Avast、McAfee、Nortonなどがあります。
スマホがハッキングされているか確認する方法
スマホがハッキングされているか確認する方法は以下の通りです。
▶スマホがハッキングされたか調べる方法と対策はこちらの記事でも紹介しています。
不審なアクティビティを確認する
スマートフォンの不審な挙動やアクティビティを確認しましょう。
例えば、急激なバッテリーの消耗、不明なアプリのインストール、急速な動作の遅延などが見られる場合は注意が必要です。
また、不審な動作を示すアプリがあるかどうかもチェックします。例えば、アプリが自動的に権限を要求する場合や、不審な広告が表示される場合があります。
セキュリティソフトウェアのスキャン
スマホに対応しているセキュリティソフトウェアでスキャンを実行しましょう。
セキュリティソフトウェアは不正なプログラムやマルウェアを検出し、削除することができます。
不審なネットワーク接続を確認する
スマホが不審なWi-Fiネットワークに接続されていないかを確認しましょう。
不審なWi-Fiネットワークに接続されると、ハッカーがデバイスにアクセスしやすくなる可能性があります。
公共のWi-Fiネットワークの場合、不審なWi-Fiネットワーク名が表示される場合や、ネットワーク接続が不安定な場合に注意が必要です。
見覚えのないアプリがないか確認する
スマホにインストールされているアプリをチェックし、見覚えのないアプリが勝手にインストールされていないか確認します。
知らないアプリがインストールされていた場合、ハッカーが意図的にスパイウェアやその他の悪意のあるソフトウェアをインストールしている可能性があります。
また、自分で判断できない・ハッキングされているか不安な方は、専門家に相談することをおすすめします。
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スマホハッキングの被害にあった際の正しい対応
スマホハッキングの被害にあった際の正しい対応は以下の通りです。
オフラインにし、ネットワークから切断する
ハッキングが疑われる場合、スマートフォンをオフラインにし、ネットワークから切断します。これにより、ハッカーのアクセスを遮断し、被害の拡大を防ぎます。
この際、初期化すると被害状況が不明になるため、適切に調査をおこなう場合は、オフラインにした状態でハッキング調査の専門業者まで対応を依頼することをおすすめします。
パスワードの変更
ハッキングされた可能性がある場合、すぐにスマートフォンや関連アカウントのパスワードを変更しましょう。推測されにくい複雑なパスワードを使用し、セキュリティを強化することが重要です。
パスワードの変更後は、不正アクセスから自身を守ることができます。また、同時にセキュリティプライバシーの設定も見直し、二段階認証などの追加のセキュリティレベルを設定することを検討しましょう。
不審なアプリをアンインストールする
スマートフォンに不審なアプリがインストールされている場合、即座にアンインストールします。ハッキングが疑われる場合、アプリ発行元に問い合わせるか、決済代行会社に相談し、返金申請をしましょう。
情報漏えいが心配な方は、端末自体の調査を行うハッキング調査の専門業者まで対応を依頼しましょう。
アカウントやクレジットカードを利用停止する
ハッキングの目的は金銭詐取の場合が多いため、アカウントやクレジットカードの利用を停止することをおすすめします。
口座の凍結やクレジットカードの利用停止を行い、被害を最小限に抑えます。同時に、不正な取引が行われていないかを確認し、疑わしい取引を報告しましょう。
専門業者に相談する
もし上記の方法でも対応できない場合、感染経路やハッキング被害の調査を専門的に行っている業者まで相談しましょう。個人では対応できない領域まで作業することが出来ます。
専門業者では、マルウェアの侵入経路を解析し、どのような攻撃を受けたのかを明らかにするほか、被害の範囲や被害内容を調査し、調査結果をまとめた報告書を作成できます。
ハッキング調査を専門的に行っている業者は、以下のことができるとされています。
- 感染経路の特定
- ハッキング被害の状況把握
- 証拠の収集・保全
- 報告書の作成
特にネットワークや端末のログを解析するフォレンジック調査の専門会社では、高度な技術を持つ専門エンジニアが、正しい手続きで被害を調査することが出来ます。
スマホのハッキング調査は専門業者に依頼する
ハッキング、不正アクセス、乗っ取り、情報漏えいのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出によって問題の解決を徹底サポートします。
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まとめ
スマホがハッキングされた場合、冷静な判断と迅速な対処が不可欠です。異常な警告メッセージに動じず、正しい情報を得ることで、安全なデジタル環境を維持できます。
不審な警告メッセージが表示された場合は、パニックに陥らずに信頼できる情報源から情報を入手しましょう。オフィシャルなウェブサイトやセキュリティ企業のブログなど、信頼性の高い情報源から情報を収集し、状況を正しく把握します。
また、セキュリティアプリの導入や定期的なスキャンの実行、パスワードの変更など、自らでできる対策を実施することも大切です。
そして、状況が把握できない場合や、対処が困難な場合は、サイバーセキュリティやフォレンジック調査の専門業者に相談しましょう。専門業者ではより高度な診断を行い、適切な対処法を提案してくれます。