医療機器メーカーのオオサキメディカル株式会社は、2025年8月25日に発生したランサムウェア感染により、受注および出荷業務が一時停止したことを明らかにしました。
現在、外部の専門機関と連携し、原因調査と復旧作業を進めており、個人情報の外部流出は確認されていないと説明しています。
8月27日以降は出荷を順次再開する予定とされ、再発防止に向けた情報セキュリティ体制の強化にも取り組む方針が示されています。
本記事では、本件の経緯と企業の初動対応、今後の影響や注意すべき点についてわかりやすく解説します。
目次
オオサキメディカル株式会社がランサムウェア攻撃による被害を公表
2025年8月26日、医療機器メーカーのオオサキメディカル株式会社は、公式ウェブサイトを通じて社内システムがランサムウェアに感染したことを発表しました。この影響により、2025年8月25日以降の注文分の出荷が一時的に停止し、取引先や関係者に対し謝罪を行いました。
同社は専門機関と連携しながら原因調査と復旧作業を進め、8月27日には出荷を再開。初期発表では「個人情報の漏洩は確認されていない」としていましたが、その後の調査により一部個人情報が外部に漏洩した可能性があることが判明し、2025年12月15日に追加の公表と謝罪を行いました。
オオサキメディカル株式会社のランサムウェア被害の時系列
- 2025年8月25日: 社内システムがランサムウェアに感染し、出荷業務が停止。
- 2025年8月26日: 感染の事実を公式に公表。
- 2025年8月27日: 出荷業務を再開。
- 2025年12月15日: 外部調査の結果、個人情報が漏洩した可能性があると発表し、謝罪と注意喚起を実施。
漏洩の可能性がある個人情報
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 性別
- 電話番号
- メールアドレス
なお、金融情報(口座番号やクレジットカード情報)、パスワードは同社では保有しておらず、漏洩はしていないと報告されています。現時点では、漏洩情報の不正利用や二次被害は確認されていないとのことです。
再発防止に向けた同社の対応
オオサキメディカル株式会社は、以下のような情報セキュリティ体制の強化に取り組んでいるとしています。
- 社内システムの監視体制の強化と脆弱性対応の徹底
- 外部調査機関による継続的な監査
- 従業員向けのセキュリティ教育の強化
- 関係当局への報告と連携
相談窓口と注意喚起
現時点での二次被害は確認されていないものの、「オオサキメディカル」を名乗る不審なメールや連絡があった場合には、開封や返信を避けるよう注意が呼びかけられています。
心配や不明点がある場合には、以下の専用窓口まで問い合わせるよう案内されています。
- 電話番号:0120-15-0039
- メールアドレス:info@osakimedical.co.jp
- 受付時間:10:00~17:00(土日祝を除く)
出典:オオサキメディカル
ランサムウェア攻撃を受けた場合はフォレンジック調査が有効
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フォレンジック調査とは
フォレンジック調査とは、サイバー攻撃、情報漏えい、データ改ざんなどのセキュリティ関連インシデントが発生した際に、その原因を特定し、被害の範囲や影響を明らかにするための詳細な調査手法です。
もともとフォレンジック調査は、犯罪や事件が起きた時、その現場から犯行の手掛かりとなる「鑑識」を指していました。特にデジタルデータからの証拠収集・分析は「デジタル鑑識」あるいは「デジタル・フォレンジック」とも呼ばれます。
インシデントが発生した場合、内容によっては特定の機関への報告義務が生じることがあります。自社のみで調査を行った場合、報告書の内容が認められないケースもあり、第三者機関による調査が一般的です。
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まとめ
今回の記事では、オオサキメディカル株式会社が保有する社内システムに対してランサムウェア攻撃が行われ、ファイルの暗号化および外部への情報流出の可能性が示唆された事案について解説しました。
医療関連企業に対するサイバー攻撃は、患者や取引先への深刻な影響を及ぼすと同時に、社会的信頼を大きく損なうリスクを伴います。
今回のケースを踏まえ、ネットワーク分離やバックアップ体制の強化、外部専門機関との連携による早期検知・対応体制の構築など、総合的なセキュリティ対策が求められます。
ランサムウェアによる被害を防ぐためには、日常的なセキュリティ教育や脆弱性対応に加え、迅速な初動と的確な情報開示が企業にとって不可欠です。
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