パソコンを使用していると、「なぜか保存したファイルが勝手に暗号化されている」といった現象に直面することがあります。企業や官公庁などの業務環境においては、こうした事象が大規模なトラブルや業務停止に繋がることもあります。
暗号化が外部のサイバー攻撃の可能性がある、特にランサムウェアの場合は重大なインシデントのため緊急対処が必要になります。ランサムウェアに感染した可能性がある場合はすぐにフォレンジック調査会社に相談しましょう。
この記事では、ファイルが意図せず暗号化される主な原因と、それに対する具体的な対処法について詳しく解説します。

目次
ファイルが勝手に暗号化される主な原因
ファイルが勝手に暗号化されてしまう現象は、一見するとセキュリティの問題に思えますが、実はOSの標準機能やソフトウェアの仕様によるものが大半です。以下に主な原因をまとめました。
フォルダやファイルの「暗号化属性」設定
最も多く報告されているのが、この設定によるものです。Windowsには「EFS(Encrypting File System)」という機能があり、ファイルやフォルダのプロパティにある「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」にチェックが入っていると、そのフォルダ内に保存されるファイルは自動的に暗号化されます。
- 暗号化されているファイルを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「全般」タブ内の「詳細設定」ボタンをクリックします。
- 「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」のチェックを確認します。
- 不要であればチェックを外して「OK」→「適用」→「OK」で設定を保存します。
特にデスクトップやドキュメントフォルダなどでこの設定が有効になっていると、新規作成ファイルも暗号化され続けるため、まずはこの設定の見直しが重要です。
OSやソフトウェアの不具合・影響
まれに、Windows OSやインストールされているサードパーティ製ソフトウェアの影響で、意図せずファイルが暗号化属性になることがあります。これは特にレジストリやファイルシステムが破損している場合に発生しやすいです。
- Windowsキー + R を押して「cmd」と入力してコマンドプロンプトを起動します。
- 「sfc /scannow」と入力し、Enterキーを押します。
- システムファイルの整合性チェックと修復が始まるので完了を待ちます。
このように、システムチェックツール(SFC)やDISMコマンドを使用してOSを修復することで、意図しない暗号化現象を抑止できるケースがあります。
Windows UpdateやBitLockerの自動有効化
Windows 10や11では、特定のアップデートやPCメーカーの初期設定により、「BitLocker(ビットロッカー)」が自動的に有効化される場合があります。BitLockerはドライブ全体を暗号化するため、ファイル単位でなくドライブ単位での暗号化が進行します。
- 「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「BitLockerドライブ暗号化」を開きます。
- 「BitLockerの管理」で、各ドライブの状態を確認します。
- 不要な場合は「BitLockerを無効にする」を選択します。
特にWindows 11では、TPM(セキュリティチップ)対応PCで自動的にBitLockerがオンになることがあるため注意が必要です。
ファイルサーバや共有フォルダの設定
企業や組織においては、ファイルサーバの管理者が特定の共有フォルダに暗号化属性を付けている場合があります。これはセキュリティポリシーの一環として実施されることがありますが、ユーザーが意識せずに使っていると「勝手に暗号化された」と誤解しやすくなります。
- ネットワーク経由で保存されたフォルダのプロパティを確認します。
- 「セキュリティ」タブからアクセス許可の範囲も確認します。
- 暗号化設定が確認された場合、IT管理者にポリシー内容の説明を求めましょう。
個人での解除はできない場合が多く、社内IT部門への相談が必要です。
マルウェア(ランサムウェア)
最後に、極めて深刻な原因がマルウェア、特にランサムウェアです。ランサムウェアに感染すると、ファイルが強制的に暗号化され、復号のために金銭(仮想通貨)を要求されることがあります。
この場合は、通常の「プロパティ→暗号化解除」では対応できず、専門家に復号化の依頼が必要です。
さらには、ランサムウェア被害に遭った際は暗号化以外にも不正アクセスや情報漏洩が発生していると考えた方が良いです。法人の場合、個人情報保護法の観点からも詳しい調査・報告が必要になる可能性があります。
ランサムウェアについて詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

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ファイルの暗号化を解除・予防するための対処法
原因が明確になったら、次に行うべきは適切な対処です。以下のステップを順に確認することで、問題の解消に繋がります。
暗号化属性を解除する
まず確認すべきは、ファイルやフォルダに設定されている「暗号化属性」の解除です。この操作だけで、意図しない暗号化現象の大半を解決できます。
- 該当するファイルまたはフォルダを右クリックし、「プロパティ」を開きます。
- 「全般」タブの「詳細設定」ボタンをクリックします。
- 「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」のチェックを外します。
- 「OK」→「適用」→「すべてのサブフォルダーとファイルにも変更を適用」を選択し「OK」で完了します。
複数ファイルにまとめて適用する場合は、親フォルダのプロパティから設定変更を行いましょう。
EFSの継承設定を無効にする
「EFS」が継承される設定になっていると、フォルダに新たに作成されたファイルも自動で暗号化されてしまいます。継承設定を無効化することで、意図しない暗号化を予防できます。
- 暗号化された親フォルダを右クリックし、「プロパティ」を開きます。
- 「詳細設定」から「内容を暗号化して~」のチェックを外します。
- 「変更をこのフォルダー、サブフォルダーおよびファイルに適用」を選択し、継承を解除します。
これにより、今後そのフォルダ配下に作成されるファイルは暗号化されなくなります。
BitLockerの解除を検討する
BitLockerが自動で有効化されていた場合、そのままではドライブ全体が暗号化されてしまいます。解除が必要な場合、以下の手順で無効化可能です。
- 「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「BitLockerドライブ暗号化」を開きます。
- 暗号化が有効なドライブの「BitLockerを無効にする」をクリックします。
- 解除には管理者権限と、復号キー(Microsoftアカウントに保存されている場合もあり)が必要です。
BitLockerを無効にすると、ドライブ内のファイルはすべて平文で保存されます。セキュリティリスクを考慮し、用途に応じて判断しましょう。
マルウェアスキャンを実施する
ランサムウェアなどのマルウェアによる暗号化が疑われる場合、即座にネットワークを遮断し、ウイルススキャンを実行してください。
- ネットワークケーブルを抜く、またはWi-Fi接続を切断します。
- スタートメニュー →「Windowsセキュリティ」→「ウイルスと脅威の防止」を開きます。
- 「クイックスキャン」または「フルスキャン」でウイルスを検出・駆除します。
駆除後、復号が必要なファイルがある場合は、フォレンジック企業への相談を強く推奨します。
システムの整合性チェックを行う
Windowsシステムファイルの破損や設定の不整合によって、属性が意図せず変化する場合があります。以下のコマンドで修復が可能です。
- 「スタート」→「cmd」と検索し、右クリックで「管理者として実行」します。
- 以下のコマンドを入力:
sfc /scannow
- 終了後、必要に応じて
Dism /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
も実行してください。
この処理により、システム設定の整合性を回復し、意図しない暗号化が再発するリスクを低減できます。
フォレンジック調査の専門家に相談する
もし以下のような兆候がある場合はランサムウェアに感染している可能性があります。自己判断での対応は危険なので、すぐに専門の調査機関に連絡しましょう。
- ファイルが全て拡張子を変更されている
- 復号ツールの購入・身代金を求める文書が存在する
- 複数の端末で同時に暗号化被害が発生している
このようなケースでは、復元や原因追及にはフォレンジック調査(証拠保全・解析)が不可欠です。
社内や個人で調査を完結させるのは、証拠の観点からリスクが高いことを十分に理解したうえで、専門機関への相談を検討してください。
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ファイルが暗号化されたらフォレンジック調査会社に相談する

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>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
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まとめ
Windowsで「ファイルが勝手に暗号化される」問題の多くは、OSの設定やユーザー操作に起因しています。しかし、場合によってはランサムウェアなどの深刻な脅威による可能性もあり、原因特定と対処を早急に行うことが重要です。
最初に確認すべきは、フォルダやファイルの暗号化属性の設定です。それで改善されない場合は、BitLockerやシステム不具合、マルウェアの可能性も視野に入れて調査しましょう。
そして何より、企業内で発生した場合やランサムウェアが関与している可能性がある場合は、早急にフォレンジック調査会社への相談を行うことが最善の対応となります。
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