ReadTextは、主にWindowsをターゲットとしたランサムウェアです。このランサムウェアに感染すると拡張子が「.readtext4」などに書き換わり、データが暗号化されてしまいます。
ランサムウェアに感染した場合、適切な対処が必要です。また個人情報保護の観点から、被害に遭った企業は専門業者の支援が必要になる場合があります。
被害を最小限に抑えるためにも、適切な初動対応と調査を行いましょう。この記事では、ReadTextランサムウェアの特徴をはじめ、感染が疑われる場合の対処法、調査手法について解説します。
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目次
ReadTextランサムウェアの特徴
ReadTextランサムウェアの特徴は次のとおりです。
- 元のファイル名に「.readtext4」拡張子を追加する(末尾の値は「亜種」によって異なる場合がある)
- 悪意のある添付ファイルや不正なリンクを含む電子メールを開くと感染する
- システムに侵入し、指定のディレクトリにペイロードをインストールする
- ファイルを暗号化、身代金要求ファイル「readme.txt」「How_to_back_files.html」を作成する
- Torチャットでの連絡が72時間以上遅れると、身代金の額が増加する
- 規定の期限内に支払わないとデータ漏えいの恐れも
- RSA+AES暗号化を利用している
- Windowsを攻撃対象にしている
- MedusaLockerランサムウェアファミリーの一部
元のファイル名に「.readtext4」拡張子が追加される(末尾の値は「亜種」によって異なる場合がある)
ReadTextランサムウェアに感染すると、それぞれの元のファイル名の末尾に「.readtext4」という拡張子が追加されます。この結果、ユーザーはそのファイルにアクセスすることができなくなります。ただ、ランサムウェアのバリエーション(亜種)によっては、末尾の値が異なる場合があります。
出典:PCrisk
悪意のある添付ファイルや不正なリンクを含む電子メールを開くと感染する
ReadTextランサムウェアは、主にフィッシングメールによって感染します。フィッシングメールとは、攻撃者になりすまして送信されるメールで、悪意のある添付ファイルや不正なリンクが含まれています。
システムに侵入し、指定のディレクトリにペイロードをインストールする
ReadTextランサムウェアは、システムに侵入すると、指定のディレクトリにペイロードをインストールします。ペイロードとは、ランサムウェアの実行ファイルや暗号化ツールなどのことです。
ペイロードは、通常、次のディレクトリにインストールされます。
- C:\Users[ユーザー名]\AppData\Local\Temp[ランサムウェアの名前]
- C:\ProgramData[ランサムウェアの名前]
ペイロードがインストールされると、ランサムウェアの機能が実行され、ファイルが暗号化されます。
ファイルを暗号化、身代金要求ファイル「readme.txt」「How_to_back_files.html」を作成する
ペイロードが実行されると、すべてのファイルが暗号化されます。暗号化されたファイルは「.readtext〇」(亜種により〇に入る数字が異なる)という拡張子が追加されます。
このランサムウェアに感染すると拡張子が「.○○」に書き換わり、データが暗号化されてしまいます。また「readme.txt」という名前の身代金要求ファイルと「How_to_back_files.html」というHTMLファイルが作成されます。
ランサムノートには、主に以下のような内容が記載されています。
- 身代金の要求額
- 身代金を支払う方法
- 身代金を支払わない場合の警告
出典:PCrisk
ランサムウェアに感染した場合、適切な対処が必要です。また個人情報保護の観点から、被害に遭った企業は専門業者の支援が必要になる場合があります。被害を最小限に抑えるためにも、適切な初動対応と調査を行いましょう。
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Torチャットでの連絡が72 時間以上遅れると、身代金の額が増加する
ReadTextランサムウェアは、ファイルの拡張子を「.ReadText4」などに変更した上で、ネットワーク上にある端末やファイルを暗号化します。
またランサムノートでは、復号キーと引き換えに身代金を要求し、支払わなければ情報をWeb上に公開すると脅迫します。その内容によれば、連絡が72時間、すなわち3日以上返答がない場合、要求される身代金の額が増加するということが示されています。これは、迅速な対応が必須であることを示しており、放置するほど事態が悪化するリスクがあります。
身代金の支払いは、企業の判断に委ねられますが、身代金を支払ったとしても、データが復元されない可能性や、再び攻撃される可能性があることを理解しておく必要があります。
規定の期限内に支払わないとデータ漏えいの恐れも
ReadTextランサムウェアでは、規定の期限内に支払わないとデータ漏えいの恐れがあります。このようなランサムウェアは「二重脅迫型ランサムウェア」と呼ばれ、通常のランサムウェアと同様、ファイルを暗号化して復号化の引き換えに身代金を要求した後、さらに被害者の機密情報を窃取した上で、支払わない場合、その情報を公開すると脅します。
ただ、二重脅迫型ランサムウェアの攻撃を受けた場合、すでに何らかの情報が盗まれている可能性が高いため、具体的には、以下の調査を行う必要があります。
- 感染経路の特定
- 感染範囲の特定
- 盗まれた情報の特定
感染経路を特定することで、再発防止策を検討することができます。また調査の結果、盗まれた情報が公表された場合は、速やかに被害者への対応を行う必要があります。
正確な感染被害調査を行う場合、サイバーセキュリティ専門家に相談することが推奨されます。専門家に相談することで、ランサムウェアの種類や被害状況を正確に把握し、最適な対応策を検討することができます。
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RSA+AES暗号化を利用している
ReadTextランサムウェアは、RSAとAESという技術を用いた暗号化を利用しています。RSAは、公開鍵暗号方式の一種であり、非常に強力な暗号化方式です。
またAESはRSAよりも高速な暗号化処理が可能であり、それぞれを組み合わせることで、暗号化の強度を高めながら、暗号化の高速処理も可能になります。このような背景から、ReadTextランサムウェアもRSA+AES暗号化を採用していると考えられています。
Windowsを攻撃対象にしている
ReadTextランサムウェアは、主にWindowsを攻撃対象にしています。近年では、Mac OSやLinuxなどのオペレーティングシステムを標的とするランサムウェアも登場していますが、Windowsは、セキュリティの脆弱性が比較的多く、ReadTextランサムウェアも伝統的な手口を採用しているといえるでしょう。
MedusaLockerランサムウェアファミリーの一部
MedusaLockerランサムウェアは、2019年に初めて確認された、主にWindowsを標的とするランサムウェアであり、ReadTextランサムウェアも、そのグループに所属するランサムウェアとされています。
このようなランサムウェア同士の横のつながりは「ランサムウェアファミリー」と呼ばれ、同じ開発者によって作成された、あるいはソースコードを流用したものとして、Windowsの脆弱性を修正するなど、それぞれ対策する必要があります。
ReadTextランサムウェア感染時に有効なフォレンジック調査とは
ランサムウェアに感染し、適切な対処ができる企業はほとんどありません。むしろ自社だけで対応を判断するのが一番のリスクです。ランサムウェアに感染した場合、情報漏えいや更なるサイバー攻撃被害が疑われるため、まずはサイバーセキュリティの専門家と提携して感染原因の究明や被害範囲の特定を行うことが重要です。
この際、有効なのが「フォレンジック調査」です。
フォレンジック調査とは、コンピュータやネットワークに保存されたデータやログを分析し、インシデントの原因や経緯、影響範囲を解明する調査手法です。ランサムウェアの感染調査では駆除・隔離に加えて、侵入経路や情報漏えいの有無を確認することができます。
私たちデジタルデータフォレンジックは、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験があり、攻撃に使用された侵入経路や漏えいデータを迅速に特定します。ご相談や詳細な情報については、いつでもお気軽にお問い合わせください。
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フォレンジック調査の詳細については下記の記事で詳しく解説しています。
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企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
2022年4月から改正個人情報保護法が施行されました
2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」では、個人データの漏えい、あるいは漏えいが発生する可能性がある場合、報告と通知が法人に義務付けられました。違反した企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。
もし、マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセス、社内不正、情報持ち出しのような情報セキュリティ上の問題が発生した場合、まずは感染経路や漏えいしたデータの有無などを確認することが重要です。
ただ、調査を行うには、デジタルデータの収集・解析などの専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難なため、個人情報の漏えいが発生した、もしくは疑われる場合は、速やかにフォレンジック専門家に相談し、調査を実施することをおすすめします。
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ReadTextランサムウェア感染時の対応
ランサムウェアに感染した場合は、以下のフローで被害を最小限に抑える必要があります。
感染時は慌てずに、過不足のないフローで適切な対応を取りましょう。 ランサムウェアに感染した場合の対応は次のとおりです。
- 端末をオフラインにする
- リストアする(バックアップから感染前のデータを復旧する)
- ランサムウェア感染調査に対応した専門業者を利用する
ランサムウェア感染時、企業がとるべき対応については下記でも詳しく解説しています。
①端末をオフラインにする
まずは、ネットワークから感染した端末を切り離す必要があります。これにより感染が広がることを防ぐことができます。
②リストアする(バックアップから感染前のデータを復旧する)
さらに、感染したサーバーのバックアップを確認し、最新のバックアップからデータを復元することができます(これをリストアと言います)。これにより、被害を回復することができます。
ただし、ランサムウェア感染時は、復旧だけではなく、攻撃経路の特定や、再発防止策の検討が必要となります。攻撃に遭った場合は「フォレンジック調査」を検討しておきましょう。
③ランサムウェア感染調査に対応した専門業者を利用する
ランサムウェア感染時は、感染経路を特定し、再発防止策を講じる必要があります。
たとえば「脆弱性」を悪用した攻撃を受けた場合、再攻撃を受けないよう、適切な対応を行うとともに、どの端末の、どのデータが被害に遭ったのかを確認する必要があります。
特に法人の場合、個人情報の漏えいが疑われる際は、関係各所に向けた「被害報告」が必要ですが、自社調査だけでは客観性や正確性が担保できないことがあります。セキュリティツールはマルウェアを検知・駆除できますが、感染経路や情報漏えいの有無を適切に調査することはできないからです。
したがって、ランサムウェア感染時は、感染経路調査に対応した「フォレンジック調査」を利用することが有効です。
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※1 データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと
第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(集計期間:2007年~2020年)
※2 累計ご相談件数32,377件を突破(期間:2016年9月1日~)
ReadTextランサムウェアの感染経路とは
ランサムウェアの感染を防ぐためには、感染ルートを理解し、適切な対策を取ることが重要です。主要なランサムウェアの感染経路は下記のとおりです。
- VPN機器からの侵入
- RDP(リモートデスクトップ)からの侵入
- フィッシングメールや添付ファイル
ランサムウェア感染の被害を最小限に抑えるためには、被害に遭った時点ですぐにランサムウェアの侵入経路や被害の範囲を把握し、情報漏えいの有無を特定できる「フォレンジック調査」の専門家に対応を依頼することが重要です。
被害に遭った場合、速やかにフォレンジック調査を実施し、被害を最小限に抑えましょう。またランサムウェアは、アンチウイルスソフトを無効化して暗号化を行うため、EDR等で対策が必要です。
ランサムウェアの感染経路、症状・被害事例の詳細については下記の記事でも詳しく解説しています。
VPNの脆弱性
警察庁の調査によると、ランサムウェア感染において、VPN機器からの侵入は全体の71%を占めています。
企業は感染を防止するためにも、テレワークでVPNを使用する際には、適切なバージョンアップを行うことが重要です。またVPN以外のセキュリティ対策としてファイアウォールやアンチウイルスソフトウェアを導入し、強力なパスワードの使用や、適切なアカウント管理をおこなう必要があります。
出典:警察庁
RDP(リモートデスクトップ)の脆弱性
警察庁の調査によると、RDP(リモートデスクトップ)は、ランサムウェアの侵入経路として10%を確保しています。
RDPもVPNも、組織におけるシステム上重要な役割を担っていますが、重大な脆弱性も報告されており、ここから攻撃者はIDやパスワード情報を割り出し、不正ログイン、感染拡大を図っています。
被害を未然に防ぐためにも、パスワード更新、定期的なセキュリティチェックなどが必要です。またVPNも同様に、機密情報の暗号化や不正アクセスの監視などが必要です。
出典:警察庁
ReadTextランサムウェア感染時、感染経路調査を行うメリット
ランサムウェアに感染した場合、感染経路を調査することで、攻撃者の侵入方法を特定し、将来の攻撃から身を守るために対策を講じることができます。
ランサムウェア感染の調査を行う方法として「フォレンジック調査」を挙げることができます。フォレンジック調査とは、電子機器から証拠を収集・分析して、インシデントの詳細を解明する手法で、たとえば攻撃者がどのようにランサムウェアを侵入させたか、どのような手法や脆弱性が悪用されたかなど、感染経路や情報漏えいの特定に役立ちます。
ランサムウェア感染時の対処におけるフォレンジック調査のメリットは次のとおりです。
- 被害範囲を特定できる
- 感染経路や攻撃手法の解析・証拠が確保できる
- 専門エンジニアの詳細な調査結果が得られる
- セキュリティの脆弱性を発見し、再発を防止できる
①被害範囲を特定できる
フォレンジック調査は、感染したシステムやネットワーク内での攻撃の拡散範囲を特定するのに役立ちます。これにより、被害を受けたシステムやデータ、ネットワークの一部を迅速に特定し、対処を開始することができます。
②感染経路や攻撃手法の解析・証拠が確保できる
フォレンジック調査では、ランサムウェアの攻撃手法や感染経路を解析し、証拠を確保できます。また、証拠の確保は、法的な措置や法執行機関との連携に役立つだけでなく、被害の評価や保険請求のためにも重要な要素となります。
③専門エンジニアの詳細な調査結果が得られる
フォレンジック調査の専門会社には、正確にハッキング被害の実態を確認するために必要な高度な技術を持つ専門エンジニアがいます。
自社調査だけでは不適切な場合がありますが、フォレンジックの専門業者と提携することで、調査結果をまとめた報告書が作成でき、公的機関や法廷に提出することができます。
④セキュリティの脆弱性を発見し、再発を防止できる
フォレンジック調査では、マルウェアによる被害の程度や感染経路を特定することで、今後のリスクマネジメントに貢献することが出来ます。弊社では、解析調査と報告書作成の他に、お客様のセキュリティを強化するためのサポートも提供しています。
私たちデジタルデータフォレンジックは官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験があります。お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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ReadTextランサムウェアによる被害の調査を行う場合、専門業者に相談する
マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセスのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しておりますので、お気軽にご相談ください。
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【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
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ランサムウェア調査会社への相談方法
インシデントが発生した際、フォレンジック調査を行うか決定していない段階でも、今後のプロセス整理のために、まずは実績のある専門会社へ相談することを推奨しています。
取引先や行政に報告する際、自社での調査だけでは、正確な情報は得られません。むしろ意図的にデータ改ざん・削除されている場合は、情報の信頼性が問われることもあります。
インシデント時は、第三者機関に調査を依頼し、情報収集を行うことを検討しましょう。
DDF(デジタルデータフォレンジック)では、フォレンジックの技術を駆使して、法人/個人を問わず、お客様の問題解決をいたします。
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