Fogランサムウェアは、近年新たに確認されたランサムウェアの一種で、特に教育機関などを標的にしています。このランサムウェアは、脆弱性をついて侵入し、Windows Defenderを無効化することが判明しているため、一度侵入されると、セキュリティソフトによる早期発見が遅れ、感染規模が大きくなる恐れがあります。
本記事では、Fogランサムウェアの特徴や感染経路、そして感染時の具体的な対策について詳しく解説します。
目次
Fogランサムウェアの特徴
Fogランサムウェアの特徴は以下の通りです。
- 拡張子「.FOG」または「.FLOCKED」が追加される
- 「readme.txt」といった脅迫文が追加される
- Windows Defenderを無効化する
拡張子「.FOG」または「.FLOCKED」が追加される
Fogランサムウェアは感染したファイルに「.FOG」または「.FLOCKED」の拡張子を追加します。例えば、「document.docx」は「document.docx.FOG」または「document.docx.FLOCKED」に名前が変更されます。
この変更によりファイルは暗号化され、通常の方法ではアクセスできなくなります。これらの拡張子は、攻撃者が身代金を要求するための明確な目印として使用されます。
「readme.txt」といった脅迫文が追加される
画像出典:BLEEPING COMPUTER
Fogランサムウェアは感染後、「readme.txt」という脅迫文を生成します。このテキストには身代金要求の詳細が記載されており、Torネットワーク上のサイトや攻撃者への連絡手段が含まれています。
出典:PCrisk
Windows Defender を無効化する
攻撃者はWindows Defenderを無効化することで、セキュリティシステムによる検出を回避します。これにより、暗号化プロセスが妨害されず実行されるため、被害者が気付く前にファイルが暗号化されます。また、バックアップデータの削除も行われるため復旧が困難になります。
出典:PCrisk
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Fogランサムウェアの感染手口
Fogランサムウェアの感染手口として、VPNの認証情報を悪用することが判明しています。
過去にアメリカの教育機関で発生したFogランサムウェアの感染手口は以下の通りです。
まず盗んだユーザー名やパスワードなどの認証情報を使用してログインを試行し、管理者権限を奪取します。その後、PsExecと呼ばれるWindowsの遠隔操作ツールを使って、ランサムウェアを拡散します。
ランサムウェア感染の過程で、WindowsDefenderを無効化し、セキュリティ検知をすり抜けて暗号化を実行します。
そして、仮想マシンのVMDKファイルやバックアップ(Veeam・シャドウコピー)を削除し復旧を妨害。ファイルに「.FOG」または「.FLOCKED」拡張子を付与します。
その後、「readme.txt」という脅迫文の中で、復号キーと引き換えに身代金を要求します。
Fogランサムウェア感染時の対応
ランサムウェアに感染した場合は、以下のフローで被害を最小限に抑える必要があります。
感染時は慌てずに、過不足のないフローで適切な対応を取りましょう。 ランサムウェアに感染した場合の対応は次のとおりです。
- 端末をオフラインにする
- リストアする(バックアップから感染前のデータを復旧する)
- ランサムウェア感染調査に対応した専門業者を利用する
①端末をオフラインにする
まずは、ネットワークから感染した端末を切り離す必要があります。これにより感染が広がることを防ぐことができます。
②リストアする(バックアップから感染前のデータを復旧する)
さらに、感染したサーバーのバックアップを確認し、最新のバックアップからデータを復元することができます(これをリストアと言います)。これにより、被害を回復することができます。
ただし、ランサムウェア感染時は、復旧だけではなく、攻撃経路の特定や、再発防止策の検討が必要となります。攻撃に遭った場合は「フォレンジック調査」を検討しておきましょう。
③ランサムウェア感染調査に対応した専門業者を利用する
ランサムウェア感染時は、感染経路を特定し、再発防止策を講じる必要があります。
たとえば「脆弱性」を悪用した攻撃を受けた場合、再攻撃を受けないよう、適切な対応を行うとともに、どの端末の、どのデータが被害に遭ったのかを確認する必要があります。
特に法人の場合、個人情報の漏えいが疑われる際は、関係各所に向けた「被害報告」が必要ですが、自社調査だけでは客観性や正確性が担保できないことがあります。セキュリティツールはマルウェアを検知・駆除できますが、感染経路や情報漏えいの有無を適切に調査することはできないからです。
したがって、ランサムウェア感染時は、感染経路調査に対応した「フォレンジック調査」を利用することが有効です。
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ランサムウェア感染時、感染経路調査を行うメリット
ランサムウェアに感染した場合、感染経路を調査することで、攻撃者の侵入方法を特定し、将来の攻撃から身を守るために対策を講じることができます。
ランサムウェア感染の調査を行う方法として「フォレンジック調査」を挙げることができます。フォレンジック調査とは、電子機器から証拠を収集・分析して、インシデントの詳細を解明する手法で、たとえば攻撃者がどのようにランサムウェアを侵入させたか、どのような手法や脆弱性が悪用されたかなど、感染経路や情報漏えいの特定に役立ちます。
ランサムウェア感染時の対処におけるフォレンジック調査のメリットは次のとおりです。
- 被害範囲を特定できる
- 感染経路や攻撃手法の解析・証拠が確保できる
- 専門エンジニアの詳細な調査結果が得られる
- セキュリティの脆弱性を発見し、再発を防止できる
①被害範囲を特定できる
フォレンジック調査は、感染したシステムやネットワーク内での攻撃の拡散範囲を特定するのに役立ちます。これにより、被害を受けたシステムやデータ、ネットワークの一部を迅速に特定し、対処を開始することができます。
②感染経路や攻撃手法の解析・証拠が確保できる
フォレンジック調査では、ランサムウェアの攻撃手法や感染経路を解析し、証拠を確保できます。また、証拠の確保は、法的な措置や法執行機関との連携に役立つだけでなく、被害の評価や保険請求のためにも重要な要素となります。
③専門エンジニアの詳細な調査結果が得られる
フォレンジック調査の専門会社には、正確にハッキング被害の実態を確認するために必要な高度な技術を持つ専門エンジニアがいます。
自社調査だけでは不適切な場合がありますが、フォレンジックの専門業者と提携することで、調査結果をまとめた報告書が作成でき、公的機関や法廷に提出することができます。
④セキュリティの脆弱性を発見し、再発を防止できる
フォレンジック調査では、マルウェアによる被害の程度や感染経路を特定することで、今後のリスクマネジメントに貢献することが出来ます。弊社では、解析調査と報告書作成の他に、お客様のセキュリティを強化するためのサポートも提供しています。
私たちデジタルデータフォレンジックは官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験があります。お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
2022年4月から改正個人情報保護法が施行されました

2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」では、個人データの漏えい、あるいは漏えいが発生する可能性がある場合、報告と通知が法人に義務付けられました。違反した企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。
もし、マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセス、社内不正、情報持ち出しのような情報セキュリティ上の問題が発生した場合、まずは感染経路や漏えいしたデータの有無などを確認することが重要です。
ただ、調査を行うには、デジタルデータの収集・解析などの専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難なため、個人情報の漏えいが発生した、もしくは疑われる場合は、速やかにフォレンジック専門家に相談し、調査を実施することをおすすめします。
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