2025年8月21日、国土交通省関東地方整備局は、港湾物流システム「CONPAS」のメールサーバーが不正利用され、外部からスパムメールが送信されたことを公表しました。
国土交通省は、URLアクセスや個人情報入力に応じないよう注意を呼びかけました。当該サーバーには個人情報や非公表情報は保存されていなかったため、情報漏洩はないと説明しています。
本記事では、国土交通省の公式発表および日経の報道をもとに、今回の不正利用の経緯や影響、そして対応について解説します。
出典:日経XTECH
目次
国土交通省がメールサーバー乗っ取りによる被害を発表
国土交通省関東地方整備局は、2025年8月21日に公式発表を行い、港湾物流システム「CONPAS」のメールサーバーが第三者に不正利用され、スパムメールが送信されていたことを明らかにしました。
当該サーバーには個人情報や非公表情報が保存されていなかったため、情報漏洩は発生していないと説明しています。
2025年8月に国土交通省はメールサーバー乗っ取り被害を受ける
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2025年8月14日:港湾物流システム「CONPAS」のメールサーバーが不正利用され、スパムメールが送信される。
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2025年8月21日:国土交通省関東地方整備局が公式に不正利用を公表。
メールサーバー不正利用が発覚した経緯
不正利用が確認されたのは、港湾のコンテナ物流における効率化を目的としたシステム「CONPAS」のメールサーバーです。第三者がこのサーバーを悪用し、スパムメールを送信しました。
確認されたメールは「CONGRATULATION!!!」や「Recovery of Your Lost Funds」といった件名で、当選や資産回復を装って送金を求める典型的な詐欺メールでした。
国土交通省の対応
国土交通省は、不審メールを受け取った場合にはURLにアクセスしたり個人情報を入力したりしないよう注意喚起を行っています。また、今後も詳細な原因や影響について調査を継続し、必要な対応を進めるとしています。
不正アクセスを受けた場合はフォレンジック調査が有効
不正アクセスが発生した際は、被害範囲や侵入経路を正確に把握しなければ、適切な対応や再発防止策を講じることはできません。そのため、専門的な解析技術を用いるフォレンジック調査の実施が有効です。
フォレンジック調査とは、サイバー攻撃、情報漏えい、データ改ざんなどのセキュリティ関連インシデントが発生した際に、その原因を特定し、被害の範囲や影響を明らかにするための詳細な調査手法です。
もともとフォレンジック調査は、犯罪や事件が起きた時、その現場から犯行の手掛かりとなる「鑑識」を指していました。特にデジタルデータからの証拠収集・分析は「デジタル鑑識」あるいは「デジタル・フォレンジック」とも呼ばれます。
被害発生時にフォレンジック調査が有効な理由は次の通りです。
- 侵入経路の特定:攻撃者がどこから侵入したかを明確にする
- 被害範囲の可視化:影響を受けたデータやシステムを把握する
- 証拠となるデータ保全:法的対応や保険請求に備えて証拠データを安全に保存する
- 再発防止策の策定:調査結果を基にセキュリティ体制を強化する
インシデントの内容によっては、個人情報保護委員会など特定の機関への報告義務が発生する場合があります。自社のみで調査を行うと、報告書が認められないケースもあるため、第三者機関による調査が一般的です。

弊社デジタルデータフォレンジック(DDF)では、情報漏えい調査(ダークウェブ調査)、ランサムウェア、サイバー攻撃や不正アクセスの原因特定、被害範囲調査などを実施しています。官公庁、上場企業、捜査機関など、多様な組織のインシデント対応実績があり、相談や見積もりは無料、24時間365日体制でご依頼を受け付けています。
早期対応が被害拡大防止の鍵となりますので、まずはご相談ください。
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※2 データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと
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まとめ
今回の記事では、国土交通省関東地方整備局が運営する港湾物流システム「CONPAS」のメールサーバーが不正利用され、スパムメールが送信された事案について解説しました。
幸い、当該サーバーには個人情報や非公表情報は保存されておらず、情報漏洩は確認されていませんが、受信者への影響や信頼性低下につながりかねない深刻な問題です。
このケースからも分かるように、不正アクセスによるシステム悪用は企業や官公庁を問わず発生し得ます。被害を最小限に抑えるためには、外部機関と連携した迅速な調査体制の整備や、セキュリティ監視・メール送信の不正検知を含めた技術的対策の強化が重要です。
不正アクセスが発生した際には、速やかな公表と利用者への注意喚起、そして再発防止に向けた改善を徹底することが求められます。
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