化学メーカーの株式会社日本触媒は8月8日、自社サーバーへの不正アクセスについて外部専門機関および社内の調査が完了したとして、調査結果と再発防止策を公表しました。
本記事では、日本触媒の公式発表をもとに、事案の経緯や原因、今後の対応について解説します。
出典:日本触媒
目次
株式会社日本触媒が不正アクセスによる被害を発表
株式会社日本触媒は2025年8月8日、「当社サーバーへの不正アクセスに関する調査結果のご報告」を公表し、第三者による不正アクセスの形跡を確認したこと、従業員の個人情報197名分が外部へ漏えいした可能性があること、ならびに再発防止策を示しました。
2025年5月に株式会社日本触媒は不正アクセスを受け8月に調査結果を公表
2025年5月27日、株式会社日本触媒のグループサーバーに不正アクセスが発生していることを確認しました。その後、5月30日に「当社サーバーへの不正アクセスに関するお知らせ」を公表し、外部専門機関と連携して調査を実施しました。
そして8月8日、調査結果と再発防止策を取りまとめて公表しました。
不正アクセスが発覚した経緯
2025年5月27日、社内で不正アクセスの発生を確認しました。その後の調査で、第三者が複数のファイルサーバーにアクセスした形跡が判明しました。
一方で、ファイルサーバー以外の業務システムには不正アクセスは確認されず、侵入手法の詳細についても現時点では明らかにされていません。
株式会社日本触媒の対応
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報告:不正アクセス判明後、速やかに個人情報保護委員会に報告。
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調査体制:外部専門機関と連携して調査を実施し、8月8日に調査完了を公表。
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監視体制:不正アクセス検知センサーの拡充など監視体制を強化済み。今後も外部機関と連携してセキュリティ対策を継続。
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業績への影響:現時点で業績予想の修正は不要と判断
出典:日本触媒
不正アクセスを受けた場合はフォレンジック調査が有効
不正アクセスが発生した際は、被害範囲や侵入経路を正確に把握しなければ、適切な対応や再発防止策を講じることはできません。そのため、専門的な解析技術を用いるフォレンジック調査の実施が有効です。
フォレンジック調査とは、サイバー攻撃、情報漏えい、データ改ざんなどのセキュリティ関連インシデントが発生した際に、その原因を特定し、被害の範囲や影響を明らかにするための詳細な調査手法です。
もともとフォレンジック調査は、犯罪や事件が起きた時、その現場から犯行の手掛かりとなる「鑑識」を指していました。特にデジタルデータからの証拠収集・分析は「デジタル鑑識」あるいは「デジタル・フォレンジック」とも呼ばれます。
被害発生時にフォレンジック調査が有効な理由は次の通りです。
- 侵入経路の特定:攻撃者がどこから侵入したかを明確にする
- 被害範囲の可視化:影響を受けたデータやシステムを把握する
- 証拠となるデータ保全:法的対応や保険請求に備えて証拠データを安全に保存する
- 再発防止策の策定:調査結果を基にセキュリティ体制を強化する
インシデントの内容によっては、個人情報保護委員会など特定の機関への報告義務が発生する場合があります。自社のみで調査を行うと、報告書が認められないケースもあるため、第三者機関による調査が一般的です。

弊社デジタルデータフォレンジック(DDF)では、情報漏えい調査(ダークウェブ調査)、ランサムウェア、サイバー攻撃や不正アクセスの原因特定、被害範囲調査などを実施しています。官公庁、上場企業、捜査機関など、多様な組織のインシデント対応実績があり、相談や見積もりは無料、24時間365日体制でご依頼を受け付けています。
早期対応が被害拡大防止の鍵となりますので、まずはご相談ください。
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※2 データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと
第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(集計期間:2007年~2020年)
まとめ
今回の記事では、株式会社日本触媒において、社内システムが不正アクセスを受け、一部の情報が外部に漏えいした可能性があると公表された事案について解説しました。
企業に対する不正アクセスは、業務の停止や取引先への影響など深刻なリスクを伴います。今回のケースを踏まえ、外部専門機関との連携による調査体制の強化や、システムのセキュリティ対策を一層進めることが今後ますます重要となります。
不正アクセスや情報漏えいへの対応については、関連する解説記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご参照ください。
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