現代社会では、PCやスマートフォンなど、デジタル機器をインターネットに接続して使う場合が多くなっています。その結果、マルウェアに感染するリスクも以前より高まっています。
マルウェアに感染するとパソコン内のデータが破壊されるだけでなく、大切なパスワードや個人情報が抜き取られてしまうことも珍しくありません。少しでもマルウェアに感染していることが疑われる場合、すぐに適切な対処をする必要があります。
本記事では、マルウェアの種類や被害例、感染してしまった場合の対処法を解説します。
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目次
マルウェア(Malware)とは
マルウェア(malware)とは、“malicious software”(悪意あるソフトウェア)の略です。マルウェアがデバイスに侵入してしまうと、プログラムやファイル、ネットワークの脆弱性を悪用し、パソコンやサーバーに感染・拡散して利用者や組織にさまざまな被害をもたらします。
マルウェアとウイルスの違い
マルウェアとウイルスの主な違いは動作の仕組みにあります。それぞれの特徴は以下の通りです。
分類 | 特徴 |
---|---|
マルウェア | ・端末の使用者が主導でインストール・実行することができる ・通常の場合、自己増殖しない |
ウイルス | ・端末の使用者がインストール・実行しなくても、ファイル等に寄生する ・自己増殖・感染(無断で複製・拡散)する |
つまり、マルウェアは悪意あるソフトウェア全般を指し、ウイルスはその中でも特に自己増殖する性質を持つタイプのマルウェアと言えます。
マルウェアの種類
マルウェアは、技術の進歩やデジタル環境の変化、そして犯罪目的の多様化により、手口や種類が年々増加しています。現在確認されているマルウェアの中でも、代表的なマルウェアは以下のような種類があります。
コンピュータウイルス
コンピュータウイルスとは、コンピュータやネットワークに被害を与えることを目的とし、自らを複製・拡散していくマルウェアです。
ウイルスは単体では機能せず、既存のプログラムに寄生する形で動作し、次々とコピーを作って感染を広げます。コンピュータウイルスについて下記の記事で詳しく解説しています。
https://digitaldata-forensics.com/column/cyber_security/17477/
ワーム
ワームとは、自己のコピーを拡散させる伝染機能を持ったマルウェアです。
独自に活動することができないコンピュータウイルスとは異なり、感染対象のない独立したプログラムのため、拡散を媒介するファイルを必要としません。システムに既存のプログラムを変質させるという被害事例も報告されています。
トロイの木馬
トロイの木馬とは、表面上は有益・無害なソフトウェアを装って相手をだまし、侵入後に様々な攻撃を実行するマルウェアです。
最近ではパソコンだけでなくスマートフォンに対応したトロイの木馬も活発化しており、個人情報の抜き取りや流出被害が拡大しています。
上記のマルウェアに加え、ランサムウェアやスパイウェア、Emotet(エモテット)なども多く確認されており、感染被害が拡大しています。
より詳しいマルウェアの種類や傾向については、以下の記事で解説しています。

マルウェアは種類によって挙動や対処法が異なります。焦って不適切に操作すると感染が広がったり、証拠が消失するリスクもあるため、冷静な対応と専門的な判断が重要です。
被害を最小限に抑えるためには、被害に遭った時点ですぐにマルウェアの侵入経路や被害の範囲を把握し、情報漏えいの有無を特定できる「フォレンジック調査」の専門家に対応を依頼することが重要です。
マルウェア感染時の被害例
2025年現在、マルウェアの手法はますます巧妙化し、企業・個人を問わず深刻な脅威となっています。マルウェアに感染した場合に起こりうる代表的な被害例を紹介します。
PC内部のデータ削除や改ざん
マルウェアに感染した場合は、PC内に保存されているあらゆるデータが危険に脅かされてしまいます。データの内容は攻撃対象としてはなにも関係ありません。
ブラウザで保存していた各サービスアカウントのログイン情報を窃取されたり、SNSや企業サイトの情報改ざん・なりすましにまで発展する可能性があります。
個人情報の流出
マルウェアに感染させることで攻撃者はPC内部にある情報を駆使し、被害者放任のみしか知らない情報を主な対象にします。
企業の場合は、顧客や取引先企業の個人情報が狙われ、流出によって信頼問題にまで発展する恐れがあります。
他者への攻撃の踏み台にされる
マルウェアの感染したPCを攻撃元として利用する攻撃者もいます。これをすることによって、本当の攻撃者を特定することが難しくなるため、攻撃者は多段階的に踏み台を利用するいことで犯罪捜査の難易度を上げてしまいます。
マルウェアにより上記の被害が起こる場合は、法的責任や信頼失墜、金銭的なリスクが発生する恐れがあります。
マルウェア感染が疑われ、上記の被害例に心当たりがある方は、フォレンジック調査専門業者にご相談することおすすめします。フォレンジック調査を行うことで、被害範囲の特定が可能になります。
マルウェアの感染経路
マルウェアは、人間がウイルスによって具合が悪くなるように、知らぬ間に感染をしていることも珍しくありません。ここでは、一般にマルウェアの感染経路として考えられるものを紹介します。
SMSや不正メールの添付ファイル・URL
送られてきたSMSやメール内に、添付ファイルのダウンロードやURLのタップを誘導させるものがあった場合、要注意しましょう。ウイルスに感染させられる恐れがります。
また知人から送られてきたメールでも知り合いがマルウェア感染し、勝手にウイルスメールを送信させられている場合もあります。安易に添付ファイルやURLを開くのは控えましょう。
SMS経由の詐欺メッセージについては下記の記事で詳しく紹介しています。

不正なアプリのインストール
近年一番多い例は無料のアプリ・ソフトを入れた際、マルウェアに感染してしまうケースです。アプリやソフトウェアをインストールする際は、配信元の人物や団体をよく確認し、インストール後にもし連絡先や位置情報などが求められたときには、拒否するようにしましょう。
インストールしたら危ないアプリについては下記の2つの記事で詳しく解説します。


不正なWebサイトの閲覧
Webサイトの画像や動画、音楽などに埋め込まれ仕掛けられ、閲覧しているだけのコンピューターに気づかずに侵入するケースがあります。また、Webサイトからダウンロードしたファイルにもマルウェアが潜んでいることもあります。
感染経路となるのは、怪しいWebサイトだけではありません。実在企業のWebサイトが不正アクセスによって改ざんされ、意図せずマルウェアをダウンロードしてしまうケースもあるからです。Webサイトにアクセスする際には誘導リンクに注意するようにしましょう。
マルウェア感染による被害の拡散を最小限に抑えるためには、マルウェアの感染経路を把握することが重要です。
もし、上記の紹介した感染経路に心当たりがある方がいれば、フォレンジック調査専門業者にご相談することをおすすめします。フォレンジック調査を行うことでマルウェアの感染経路を調べられます。
マルウェアに感染した場合の具体的な対処法
マルウェア感染が疑われる場合は、適切な手順を踏んで被害の拡散を防ぐことが大切です。
マルウェアに感染した疑いがある場合、まず最初に取るべき行動は「感染した端末をすべてのネットワークから切断する」ことです。具体的には、以下の通信手段をすべて遮断してください。
- Wi-Fiをオフにする
- LANケーブルを抜く
- Bluetoothを無効化する
マルウェア感染時のより詳しい対処法の詳細については下記の記事で解説しています。

マルウェアへの感染や、会社の業務データが関わる場合、感染した端末をすべてのネットワークから切断したら、次は専門家の調査を受けることが重要です。個人や社内で独自に対応すると、証拠の消失や調査ミスにつながる恐れがあるため、注意が必要です。
フォレンジック調査では、パソコンやネットワークの使用履歴、アクセスログ、不審なファイルの痕跡などを専用ツールで解析し、情報漏えいの有無や被害の全容を調べることが可能です。調査結果は、企業内の対応指針や法的手続きにおいても非常に重要な役割を果たします。
特に企業や組織の場合は、信頼性と証拠能力が求められるため、マルウェアの感染が疑われる場合はフォレンジック調査会社への相談がおすすめです。
詳しく調べる際はハッキング・乗っ取り調査の専門家に相談する
ハッキング、不正アクセス、乗っ取り、情報漏えいのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、ハッキング調査の専門家に相談することが重要です。
ハッキング調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。
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マルウェアの予防対策
マルウェアに感染した端末では、個人情報や業務データが外部に流出するリスクが高まり、ファイルが勝手に暗号化されて開けなくなる被害も確認されています。マルウェアの感染をふさぐには事前に予防対策をすることが大事です。
- セキュリティソフトの導入と定期スキャン
- OSやアプリのアップデート
- 定期的なバックアップ
- クラウド利用時の暗号化
- 多要素認証(MFA)の導入
- 怪しいファイルやリンクを簡単にクリックしない
マルウェアに対する基本的なセキュリティ対策、また、企業におけるマルウェアのセキュリティ対策の詳細については下記の記事で詳しく紹介しています。

感染が疑われる場合は、迅速にフォレンジック調査を依頼し、被害拡大を防ぐ行動が求められます。
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