ランサムウェアは、被害者のデータを暗号化して、復号するための身代金を要求するサイバー攻撃です。なかでも2023年に初確認されたRhysida(リサイダ)は、アメリカ、イギリス、チリ、中国の組織に、攻撃を立て続けにおこない、被害を拡大させています。
このランサムウェアに感染すると拡張子が「.rhysida」に書き換わり、データが暗号化されるだけでなくデータ漏えいのおそれもあるため、個人情報保護の観点から被害企業は専門家の支援が必要になる場合があります。
この記事では、Rhysidaランサムウェアの特徴と、被害に遭った場合の対処法などを解説します。ぜひ参考にしてください。
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目次
Rhysidaランサムウェア(拡張子「.rhysida」)の特徴
Rhysidaランサムウェアの特徴は次のとおりです。
- ランサムノート「CriticalBreachDetected.pdf」が表示される
- 攻撃グループが自らを「サイバーセキュリティチーム」として位置付けている
- 侵入テストツール「Cobalt Strike」を悪用する
- 二重恐喝をおこなう
- 暗号化方式「ChaCha20」を悪用している
ランサムノート「CriticalBreachDetected.pdf」が表示される
Rhysidaランサムウェアに感染すると、ファイル名が「.Rhysida」に変更され、同時に「CriticalBreachDetected.pdf」というランサムノートが生成されます。このノートには身代金の要求額や支払い方法が詳細に記載されていますが、身代金を支払うことは、必ずしもデータの復号につながるわけではありません。
画像出典:Avast
また、身代金を支払うことで、犯罪者を助長することになるという倫理的な問題もあります。そのため、ランサムウェアに感染した場合は、まずは被害状況を把握し、サイバーセキュリティ専門家に相談することが重要です。また、データのバックアップを定期的に取っておくことで、データの損失を最小限に抑えることができます。
私たちデジタルデータフォレンジックは、緊急性の高いインシデントにもいち早く対応できるよう24時間365日体制で相談を受け付けており、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験があります。
お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
攻撃グループが自らを「サイバーセキュリティチーム」として位置付けている
Rhysidaは自分たちを「サイバーセキュリティチーム」と位置付けており、ターゲットとなる企業や組織のネットワークやシステムのセキュリティ弱点を見つける支援を提案します。
なぜ、このような回りくどい手段をとるのでしょうか? 理由としては、自らを「サイバーセキュリティチーム」として位置付けることで、被害者を「サイバー攻撃の被害者」ではなく「サイバーセキュリティ対策を怠った企業」と思い込ませ、心理的ゆさぶりをかけようとしていることが考えられます。
もちろん、ランサムウェア攻撃者が自らを「サイバーセキュリティチーム」として位置付けるのは、あくまでも方便です。ランサムウェア攻撃者の目的は、あくまでも身代金の獲得であり、被害者を保護することではありません。
出典:Trendmicro
侵入テストツール「Cobalt Strike」を悪用する
Rhysidaは、侵入テストツール「Cobalt Strike」などを用いてシステムに侵入し、ペイロード(ランサムウェアなどの悪意のあるコード)をシステム上にばらまきます。これにより、データの送受信や悪意ある操作の実行を可能にしてしまい、攻撃者が遠隔からランサムウェアの実行を制御できるようになってしまいます。
なお、侵入テストツールとは、攻撃者が行う手法を模倣して、システムやネットワークのセキュリティ強度を評価するものですが、サイバー攻撃に悪用されることも珍しくなく、ランサムウェア攻撃から身を守るためには、以下の対策が有効です。
- 最新のセキュリティパッチを適用する
- 不審なメールやリンクを開かない
- 信頼できるセキュリティソフトをインストールし、常に最新の状態に保つ
- ネットワークの監視を強化する
また、ランサムウェア攻撃の被害を受けた場合は、すぐに警察やサイバーセキュリティ専門家に相談するようにしましょう。
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二重恐喝をおこなう
従来のランサムウェアは、被害者のデータを暗号化して、復号キーと引き換えに身代金を要求するという手口でした。しかし、二重恐喝型ランサムウェアは、暗号化に加えて、盗み出したデータを公開すると脅迫します。Rhysidaも、盗んだ情報をもとに二重恐喝をおこなうことから、被害者は身代金の支払いに応じる可能性が高くなります。
漏えいしたデータの種類や量によっては、専門家に調査を依頼することも検討しましょう。専門家は、最新の技術とノウハウを駆使して、漏えいしたデータの有無や範囲を迅速かつ正確に調査することができます。
暗号化方式「ChaCha20」を悪用している
Rhysidaというランサムウェアは「ChaCha20」という非常に高速な暗号化手法を採用しています。この方法は、暗号化されるデータと特定の鍵を64ビット単位で組み合わせて処理する特性があります。このため暗号化されたデータのみを第三者がサルベージしても、特定の鍵がわからなければデータを復号化することは原則として不可能になります。
Rhysidaランサムウェア(拡張子「.rhysida」)感染時に有効なフォレンジック調査とは
ランサムウェアに感染し、適切な対処ができる企業はほとんどありません。むしろ自社だけで対応を判断するのが一番のリスクです。ランサムウェアに感染した場合、情報漏えいや更なるサイバー攻撃被害が疑われるため、まずはサイバーセキュリティの専門家と提携して感染原因の究明や被害範囲の特定を行うことが重要です。
この際、有効なのが「フォレンジック調査」です。
フォレンジック調査とは、コンピュータやネットワークに保存されたデータやログを分析し、インシデントの原因や経緯、影響範囲を解明する調査手法です。ランサムウェアの感染調査では駆除・隔離に加えて、侵入経路や情報漏えいの有無を確認することができます。
私たちデジタルデータフォレンジックは、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験があり、攻撃に使用された侵入経路や漏えいデータを迅速に特定します。ご相談や詳細な情報については、いつでもお気軽にお問い合わせください。
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フォレンジック調査の詳細については下記の記事で詳しく解説しています。
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企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
2022年4月から改正個人情報保護法が施行されました
2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」では、個人データの漏えい、あるいは漏えいが発生する可能性がある場合、報告と通知が法人に義務付けられました。違反した企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。
もし、マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセス、社内不正、情報持ち出しのような情報セキュリティ上の問題が発生した場合、まずは感染経路や漏えいしたデータの有無などを確認することが重要です。
ただ、調査を行うには、デジタルデータの収集・解析などの専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難なため、個人情報の漏えいが発生した、もしくは疑われる場合は、速やかにフォレンジック専門家に相談し、調査を実施することをおすすめします。
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Rhysidaランサムウェア(拡張子「.rhysida」)感染時の対応
ランサムウェアに感染した場合は、以下のフローで被害を最小限に抑える必要があります。
感染時は慌てずに、過不足のないフローで適切な対応を取りましょう。 ランサムウェアに感染した場合の対応は次のとおりです。
- 端末をオフラインにする
- リストアする(バックアップから感染前のデータを復旧する)
- ランサムウェア感染調査に対応した専門業者を利用する
ランサムウェア感染時、企業がとるべき対応については下記でも詳しく解説しています。
①端末をオフラインにする
まずは、ネットワークから感染した端末を切り離す必要があります。これにより感染が広がることを防ぐことができます。
②リストアする(バックアップから感染前のデータを復旧する)
さらに、感染したサーバーのバックアップを確認し、最新のバックアップからデータを復元することができます(これをリストアと言います)。これにより、被害を回復することができます。
ただし、ランサムウェア感染時は、復旧だけではなく、攻撃経路の特定や、再発防止策の検討が必要となります。攻撃に遭った場合は「フォレンジック調査」を検討しておきましょう。
③ランサムウェア感染調査に対応した専門業者を利用する
ランサムウェア感染時は、感染経路を特定し、再発防止策を講じる必要があります。
たとえば「脆弱性」を悪用した攻撃を受けた場合、再攻撃を受けないよう、適切な対応を行うとともに、どの端末の、どのデータが被害に遭ったのかを確認する必要があります。
特に法人の場合、個人情報の漏えいが疑われる際は、関係各所に向けた「被害報告」が必要ですが、自社調査だけでは客観性や正確性が担保できないことがあります。セキュリティツールはマルウェアを検知・駆除できますが、感染経路や情報漏えいの有無を適切に調査することはできないからです。
したがって、ランサムウェア感染時は、感染経路調査に対応した「フォレンジック調査」を利用することが有効です。
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フォレンジック調査は、DDF(デジタルデータフォレンジック)までご相談ください。
累計32,377件のご相談実績(※1)があり、他社にはないデータ復旧業者14年連続国内売上No.1のデータ復旧技術(※2)とフォレンジック技術を駆使してお客様の問題解決をサポートします。
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※1 データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと
第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(集計期間:2007年~2020年)
※2 累計ご相談件数32,377件を突破(期間:2016年9月1日~)
Rhysidaランサムウェア(拡張子「.rhysida」)の感染経路とは
ランサムウェアの感染を防ぐためには、感染ルートを理解し、適切な対策を取ることが重要です。主要なランサムウェアの感染経路は下記のとおりです。
- VPN機器からの侵入
- RDP(リモートデスクトップ)からの侵入
- フィッシングメールや添付ファイル
ランサムウェア感染の被害を最小限に抑えるためには、被害に遭った時点ですぐにランサムウェアの侵入経路や被害の範囲を把握し、情報漏えいの有無を特定できる「フォレンジック調査」の専門家に対応を依頼することが重要です。
被害に遭った場合、速やかにフォレンジック調査を実施し、被害を最小限に抑えましょう。またランサムウェアは、アンチウイルスソフトを無効化して暗号化を行うため、EDR等で対策が必要です。
ランサムウェアの感染経路、症状・被害事例の詳細については下記の記事でも詳しく解説しています。
VPNの脆弱性
警察庁の調査によると、ランサムウェア感染において、VPN機器からの侵入は全体の71%を占めています。
企業は感染を防止するためにも、テレワークでVPNを使用する際には、適切なバージョンアップを行うことが重要です。またVPN以外のセキュリティ対策としてファイアウォールやアンチウイルスソフトウェアを導入し、強力なパスワードの使用や、適切なアカウント管理をおこなう必要があります。
出典:警察庁
RDP(リモートデスクトップ)の脆弱性
警察庁の調査によると、RDP(リモートデスクトップ)は、ランサムウェアの侵入経路として10%を確保しています。
RDPもVPNも、組織におけるシステム上重要な役割を担っていますが、重大な脆弱性も報告されており、ここから攻撃者はIDやパスワード情報を割り出し、不正ログイン、感染拡大を図っています。
被害を未然に防ぐためにも、パスワード更新、定期的なセキュリティチェックなどが必要です。またVPNも同様に、機密情報の暗号化や不正アクセスの監視などが必要です。
出典:警察庁
Rhysidaランサムウェア(拡張子「.rhysida」)感染時、感染経路調査を行うメリット
ランサムウェアに感染した場合、感染経路を調査することで、攻撃者の侵入方法を特定し、将来の攻撃から身を守るために対策を講じることができます。
ランサムウェア感染の調査を行う方法として「フォレンジック調査」を挙げることができます。フォレンジック調査とは、電子機器から証拠を収集・分析して、インシデントの詳細を解明する手法で、たとえば攻撃者がどのようにランサムウェアを侵入させたか、どのような手法や脆弱性が悪用されたかなど、感染経路や情報漏えいの特定に役立ちます。
ランサムウェア感染時の対処におけるフォレンジック調査のメリットは次のとおりです。
- 被害範囲を特定できる
- 感染経路や攻撃手法の解析・証拠が確保できる
- 専門エンジニアの詳細な調査結果が得られる
- セキュリティの脆弱性を発見し、再発を防止できる
①被害範囲を特定できる
フォレンジック調査は、感染したシステムやネットワーク内での攻撃の拡散範囲を特定するのに役立ちます。これにより、被害を受けたシステムやデータ、ネットワークの一部を迅速に特定し、対処を開始することができます。
②感染経路や攻撃手法の解析・証拠が確保できる
フォレンジック調査では、ランサムウェアの攻撃手法や感染経路を解析し、証拠を確保できます。また、証拠の確保は、法的な措置や法執行機関との連携に役立つだけでなく、被害の評価や保険請求のためにも重要な要素となります。
③専門エンジニアの詳細な調査結果が得られる
フォレンジック調査の専門会社には、正確にハッキング被害の実態を確認するために必要な高度な技術を持つ専門エンジニアがいます。
自社調査だけでは不適切な場合がありますが、フォレンジックの専門業者と提携することで、調査結果をまとめた報告書が作成でき、公的機関や法廷に提出することができます。
④セキュリティの脆弱性を発見し、再発を防止できる
フォレンジック調査では、マルウェアによる被害の程度や感染経路を特定することで、今後のリスクマネジメントに貢献することが出来ます。弊社では、解析調査と報告書作成の他に、お客様のセキュリティを強化するためのサポートも提供しています。
私たちデジタルデータフォレンジックは官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験があります。お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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Rhysidaランサムウェア(拡張子「.rhysida」)による被害の調査を行う場合、専門業者に相談する
マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセスのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しておりますので、お気軽にご相談ください。
官公庁・上場企業・捜査機関等まで幅広い調査対応経験を持つ専門の担当とエンジニアが対応させていただきます。
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ランサムウェア調査会社への相談方法
インシデントが発生した際、フォレンジック調査を行うか決定していない段階でも、今後のプロセス整理のために、まずは実績のある専門会社へ相談することを推奨しています。
取引先や行政に報告する際、自社での調査だけでは、正確な情報は得られません。むしろ意図的にデータ改ざん・削除されている場合は、情報の信頼性が問われることもあります。
インシデント時は、第三者機関に調査を依頼し、情報収集を行うことを検討しましょう。
DDF(デジタルデータフォレンジック)では、フォレンジックの技術を駆使して、法人/個人を問わず、お客様の問題解決をいたします。
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解析した結果は、調査報告書としてレポートを作成しています。作成した報告書には、調査で行った手順やインシデントの全容などが詳細に記載され、法執行機関にも提出可能です。
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