脆弱性診断は、セキュリティ対策の基本であり、組織のセキュリティ体制を強化するために重要な取り組みですが、実施基準についての認識は十分でしょうか?
定期的に脆弱性診断を実施することで、セキュリティインシデントの発生を未然に防ぎ、組織の重要情報を守ることができます。
この記事では、脆弱性診断の実施基準、タイミング、考慮すべきポイントを解説します。
目次
脆弱性診断とは
脆弱性診断とは、システムやネットワークのセキュリティ上の弱点(脆弱性)を特定し、詳細に評価する過程を指します。
この診断は、組織が自身の情報システムのセキュリティ状況を理解し、適切な防御策を講じるために非常に重要な工程です。脆弱性が存在すると、悪意のある攻撃者によってシステムに侵入され、重要な情報が盗まれたり、システムが損傷を受ける可能性があります。
脆弱性診断を実施するタイミング
脆弱性診断は情報セキュリティ管理の一部として、定期的に実施することが推奨されますが、特に診断を実施するべきタイミングは、以下のとおりです。
- システムやネットワークのリリース前
- システムやネットワークの運用中
- セキュリティインシデントが発生した後
具体的な頻度は、組織の重要度やリスクを考慮して決定します。特に重要な情報(顧客情報)を取り扱う組織では、定期的に脆弱性診断を実施することが求められています(2022年4月には「改正個人情報保護法」では法人に漏えいの通報義務が課せられています)。
①システムやネットワークのリリース前
オフィスの設立や移転時、システムやネットワークをローンチする前に、脆弱性を早期に発見し、適切な対策を実施することで、インシデントの発生を未然に防ぐことができます。
特に、新しいシステムやWEBアプリケーションを導入した際は、ローンチ前に必ず脆弱性診断を実施することが重要です。
②システムやネットワークの運用中
システムやネットワークを運用している間も、脆弱性は常に新たに発見されています。
そのため、定期的に脆弱性診断を実施することで、最新の脆弱性を漏れなく検出し、適切な対策を講じることが重要です。
③セキュリティインシデントが発生した後
セキュリティインシデントが発生した後には、原因となった脆弱性を早期に発見し、対策を実施することで、再発を防止することができます。
【注意】個人情報取扱事業者は漏えい防止に、必要な措置を講じるよう義務付けられている
個人情報保護法では、事業者は個人情報の漏えい防止のため必要な措置を講じ、リスクを認識し低減する義務があります。また、情報漏えいや権利侵害の可能性がある場合は個人情報保護委員会に報告する必要があります。このような課題を解決するためにも最新の脆弱性情報を把握するとともに、脆弱性診断を行うことで、そのリスクを評価し、適切な対応を行うことが求められます。
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脆弱性診断で考慮すべきポイント
脆弱性診断で考慮すべきポイントは次の通りです。
- 診断の対象範囲
- 脆弱性診断を実施する目的を明確にする
- 診断結果を適切に活用する
脆弱性診断は、セキュリティ対策の基本であり、組織のセキュリティ体制を強化するために重要な取り組みです。これらのポイントを参考にすることで、効果的な脆弱性診断を実施することができます。
診断の対象範囲
脆弱性診断を実施する対象範囲を明確にする必要があります。対象範囲は、組織の重要度やリスクを考慮して決定します。
一般的には、以下の範囲を対象とするのが一般的です。
- ネットワーク機器
- サーバ
- クライアント端末
- アプリケーション
- データベース
このように診断の必要性は、利用される端末、ネットワーク、提供されるサービスの種類によって異なりますが、特に診断すべき対象は、誰でもアクセス可能な一般公開システムです。たとえばインターネット上のWebサイトやアプリケーション、公衆無線LANなど、誰でも利用できるシステムがこれに該当します。
不特定多数が利用できる般公開システムは、悪意のある第三者によるアクセスが可能であるため、定期的なセキュリティ診断が必要で、広範囲に渡る脅威にさらされる可能性があります。
なお、社内システム/管理システム:など、接続元を制限している場合でも、マルウェア感染のリスクや重要情報の取り扱いがあるため、診断が重要です。この場合、内部からの脅威や、不正アクセスに対する保護措置の確認が必要になります。
脆弱性診断を実施する目的を明確にする
脆弱性診断には、自動診断と手動診断の2種類があります。自動診断はコストが安く、短時間で実施できますが、漏れなく脆弱性を検出できない場合があります。手動診断はコストが高く、時間がかかりますが、より深刻な脆弱性を発見できる可能性があります。
診断の実施目的は「脆弱性を早期発見し、適切な対策を講じてセキュリティインシデントの発生を未然に防ぐこと」であり、目的を明確にすることで診断の範囲や方法を適切に決定できます。
システムの運用開始前に脆弱性を検出する目的の場合
この場合、対象範囲はシステムの全機能を網羅する必要があります。
診断方法としては、自動診断と手動診断を組み合わせて実施することで、漏れなく脆弱性を検出することができます。
システムの運用中に最新の脆弱性を検出する目的の場合
この場合、対象範囲はシステムの運用に必要な機能に絞ることができます。
診断方法としては、自動診断を定期的に実施することで、最新の脆弱性を漏れなく検出することができます。
このように、目的を明確にすることで、診断の対象範囲や方法を適切に決定し、効果的な脆弱性診断を実施することができます。
診断結果を適切に活用する
診断結果を適切に活用することで、脆弱性の対策を効果的に実施することができます。たとえば脆弱性の深刻度を評価し、対策の優先順位を決めることで、セキュリティを効率的に強化することができます。
特に法人は不正アクセスなどのリスクをしっかりと評価し、対策を立てることが大切です。なぜなら、不正アクセスなどの被害により、顧客情報や機密情報が漏えいした場合、企業の信用は失墜し、顧客離れや取引先からの信頼低下などの損失につながる可能性があるからです。また、金銭的な被害が発生したり、業務に支障をきたしたりする可能性もあります。
したがって法人組織は想定リスクを正確に評価し、事前に備えることが重要です。
脆弱性診断は専門業者へ依頼する

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特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
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