セキュリティ対策

【WordPress必須のセキュリティ対策5選】脆弱性と合わせて専門家が解説

WordPressは世界で最も利用されているCMS(コンテンツ管理システム)ですが、その人気の高さゆえにサイバー攻撃の標的になりやすいというリスクがあります。適切なセキュリティ対策を講じないと、不正アクセスやマルウェア感染、データ漏洩などの深刻な問題が発生する可能性があります。

この記事では、WordPressの脆弱性と、それに伴うリスクを防ぐための必須のセキュリティ対策を5つ紹介します。

さらに、おすすめの追加対策や、万が一のトラブル対応についても解説するので、よりしっかり対策したい方は最後までご確認ください。

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WordPressの脆弱性に伴う危険性

脆弱性とは、コンピュータシステムやソフトウェアの中に存在する、セキュリティ上の弱点や欠陥のことです。これらの弱点は、悪意のある攻撃者に悪用される可能性があり、不正アクセスやデータ漏洩などの深刻な問題を引き起こす恐れがあります。

WordPressのセキュリティ対策が不十分だと、脆弱性に伴い以下のようなリスクが発生します。

特に、サイトの管理者や運営者が気を付けるべきポイントを解説します。

1. 不正アクセスされる危険性

不正アクセスの手口の例として、システムのセキュリティを突破するために、あらゆる可能性のあるパスワードを試すブルートフォースアタックという攻撃手法があります。

WordPressはブルートフォースアタックの標的になりやすく、特に管理者アカウントのパスワードが弱いと簡単に突破される危険性があります。
攻撃者は管理者権限を奪取し、サイトを乗っ取る可能性があります。

2. マルウェアに感染する危険性

WordPressでも様々な便利なプラグインやテンプレートが用意されています。

プラグインとは、既存のソフトウェアやアプリケーションに新しい機能を追加したり、機能を拡張したりするための小さなプログラムのことで、ユーザーが必要に応じて簡単に追加や削除ができ、ソフトウェアの基本機能を変更せずに、カスタマイズや機能強化が可能です。

セキュリティが脆弱なプラグインや、テーマで設定したWebサイト全体のデザインや機能を決定するテンプレートを通じてマルウェアが侵入し、サイトが改ざんされることがあります。

これにより、サイト訪問者のデバイスにも直接感染し、個人情報の窃取や金銭的被害をもたらす可能性もあり、サイトの評判が下がり、検索エンジンからブラックリストに登録されることもあります。

3. 情報漏洩する危険性

適切に保護されていないデータベースが攻撃されると、サイトのデータベースが不正アクセスを受けることによって、サイトを乗っ取られるだけでなく、顧客情報やクレジットカード情報等の個人情報を盗まれる深刻な事態を招きかねません。

WordPressのこれだけはおさえておきたい必須のセキュリティ対策6選

WordPressの脆弱性に伴うリスクを回避するために、必須のセキュリティ対策5つを紹介します。

1. 最新の状態を維持する

WordPress本体やプラグイン、テーマは定期的に発見された脆弱性を修正するためのプログラムであるセキュリティパッチが配布されます。これの更新を怠ると、古いバージョンのセキュリティホールを狙った攻撃を受けるリスクが高まります。

必ず定期的にセキュリティパッチの更新作業を行い、最新の状態を保ちましょう。

更新の手順

  1. WordPress管理画面にログインします。
  2. ダッシュボードの左側メニューから「更新」を選択します。
  3. 「WordPress本体」「プラグイン」「テーマ」のそれぞれに更新があるか確認し、「すべて更新」をクリックします。
  4. 更新後、サイトの動作確認を行い、問題がないかチェックします。

2. 強力な認証を使用する

弱いパスワードはブルートフォースアタックの標的になります。英数字や記号を組み合わせた強力なパスワードを使用し、サイトの安全を確保しましょう。また、ログイン時の二要素認証(2FA)を導入することで、パスワードが盗まれても不正アクセスを防ぐことができます。

二要素認証の設定方法

  1. WordPress管理画面にログインします。
  2. 「プラグイン」メニューから、二要素認証プラグインを選択し、インストールします。
  3. インストール後、プラグインを有効化します。
  4. ユーザー設定ページに移動し、二要素認証の設定を完了します。QRコードをスキャンして認証アプリを設定します。
  5. 次回のログイン時から、パスワードに加えて認証コードを入力する必要があります。

3. セキュリティプラグインを導入する

不正アクセスの監視やマルウェア対策を行うために、WordfenceやiThemes Securityなどのセキュリティプラグインを導入しましょう。セキュリティプラグインを導入することで、サイト全体の脆弱性をスキャンし、不正なアクセスやマルウェア感染をリアルタイムで防ぐことができます。

セキュリティプラグインの設定手順

  1. WordPress管理画面にログインします。
  2. WordPress管理画面から「プラグイン」メニューから、WordfenceやiThemes Securityを選択し、インストールします。
  3. インストール後、プラグインを有効化し、「設定」メニューに移動します。
  4. セキュリティスキャンやログイン防御など、必要な機能を有効にします。
  5. 定期的にセキュリティスキャンを実行し、脆弱性や不正アクセスの兆候がないか確認します。

4. 定期的なバックアップを取得する

バックアップを取得することで、万が一サイトが攻撃された際に復元が可能になります。

バックアップ方法は様々あり、プラグインを使用して手動で行ったり、レンタルサーバーの機能を利用するなどの方法があります。

5. SSL証明書を導入する

SSL証明書とは、Webサイトの安全性を確保するための電子証明書です。

SSL証明書導入の流れ

  1. SSL証明書導入のために必要なCSR(Certificate Signing Request:署名要求)を作成します。
  2. CSRを認証局(SSL証明書の発行元)に送信し、証明書発行申請をします。
  3. 認証局にて審査・認証が実施され、完了後、SSL証明書が発行されます。
  4. 発行されたSSL証明書をインストールします。
  5. サイトのURLがhttpsから始まっていれば導入完了です。

SSL証明書の2つの役割

  1. サイトの実在性証明: SSL証明書は、Webサイトの運営者が実在し、正当であることを第三者機関(認証局)が証明します。これにより、ユーザーはアクセスしているサイトが偽物でないことを確認できます。
  2. 通信の暗号化: SSL証明書を使用することで、ブラウザとWebサーバー間の通信データが暗号化されます。これにより、個人情報やクレジットカード情報などの機密データが第三者に盗み見られるリスクを軽減します。

SSL証明書の仕組み

  1. ユーザーがWebサイトにアクセスすると、サーバーは公開鍵とSSL証明書をブラウザに送信します。
  2. ブラウザはSSL証明書を検証し、サイトの正当性を確認します。
  3. 確認後、ブラウザとサーバー間で暗号化された通信が開始されます。

SSL証明書を導入することで、サイトの信頼性が向上し、ユーザーに安心してサイトを利用してもらえるようになります。また、最近のブラウザでは、SSL証明書がないサイトに対して警告を表示するため、SEOや顧客離れの防止の観点からもSSL証明書の導入が重要となっています。

SSL証明書発行後の安全なSSL管理方法についてはこちらをご確認ください。

>>SSLによる情報漏洩の原因と対処法

その他のおすすめのWordPressのセキュリティ対策

上記の基本的な対策に加えて、さらに強化できる方法を紹介します。

不要なプラグインやテーマを無効化または削除する

不要なプラグインやテーマは削除または無効化し、攻撃の可能性を減らしましょう。

プラグインを削除すると、プラグインが頻繁に残すジャンクデータ(主にユーザーにとって必要のないファイルやデータ)からデータベースをクリーンに保つことができます。完全に使わないプラグインは無効化ではなく削除をしましょう。

プラグインやテーマの無効化・削除の手順

  1. WordPress管理画面にログインします。
  2. 「インストール済みプラグイン」に移動し、対象プラグインの「無効化」または「削除」リンクをクリックします。

ファイルの権限設定

WordPressファイルの適切な権限設定も、セキュリティを強化するためには重要です。ファイルやディレクトリが不適切に設定されていると、第三者が不正にアクセスし、コードを改ざんすることが可能になります。

ファイル権限の設定方法

  1. FTPクライアント(例:FileZilla)を使用してサーバーに接続します。
  2. WordPressインストールディレクトリに移動します。
  3. ディレクトリの権限は「755」に、ファイルの権限は「644」などに設定します。
  4. 設定が完了したら、サイトの動作を確認し、不具合がないかチェックします。

ログイン試行回数の制限

ブルートフォースアタックを防ぐために、ワードプレスのログイン試行回数を制限することが重要です。これにより、一定回数以上のログイン失敗後に、IPアドレスがブロックされるようになります。

ログイン試行回数制限の設定方法

  1. WordPress管理画面から「プラグイン」メニューに移動し、Login Lockdownなどのプラグインをインストールします。
  2. インストール後、プラグインを有効化します。
  3. プラグインの設定メニューで、ログイン失敗の回数やブロック時間を設定します。
  4. 設定が完了したら、適用されていることを確認します。

WAFの導入

Web Application Firewall(WAF)は、サイバー攻撃からWebサイトを守る重要なツールです。導入することで、攻撃をブロックしサイトの安全性を高めることが可能です。

WAFの導入手順は、選択するタイプによって異なりますが、クラウド型WAFを利用すれば比較的簡単に導入できます。

クラウド型WAFの導入手順

  1. WAFサービスの選定と契約
  2. 初期設定(ルールセットの選択、防御ポリシーの構成など)
  3. DNSの設定変更(ユーザートラフィックをWAFにルーティング)
  4. 検知モードでの運用開始
  5. モニタリングと分析(誤検知の確認など)
  6. 遮断モードへの移行
ただし、効果的な運用のためには、初期設定の適切な調整や継続的なモニタリング、ルールの更新が必要となります。そのため、導入自体は簡単でも、最適な保護を実現するには専門知識や継続的な管理が求められます。

WordPressのセキュリティトラブルが発生した場合はフォレンジック調査の専門業者に相談する

DDFWordPressの情報漏洩などのセキュリティトラブルが発生した場合は、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。

このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。

フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出によって問題の解決を徹底サポートします。

デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。

法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しております。官公庁・上場企業・捜査機関等まで幅広い調査対応経験を持つ専門の担当者が対応させていただきます。

まずは、お気軽にご相談ください。

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調査の料金・目安について

まずは無料の概算見積もりを。専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
機器を来社お持込み、またはご発送頂ければ、無料で正確な見積りのご提出が可能です。
まずはお気軽にお電話下さい。

まとめ

WordPressのセキュリティ対策は、サイトを安全に運営するために不可欠です。本記事で紹介した対策を実施し、リスクを最小限に抑えましょう。

よくある質問

調査費用を教えてください。

対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。

土日祝も対応してもらえますか?

可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。

匿名相談は可能でしょうか?

もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。

この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数39,451件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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