退職者によって企業の機密情報や技術、顧客データなどが悪用される事例が後を絶ちません。もし、退職者が前職の技術を悪用すると、自社が他社と比較して、技術的に不利な立場に置かれてしまう可能性も想定されます。
いずれにせよ企業の情報資産を悪用する退職者の行為は、企業に損害を与え、競合力の低下はもちろん、情報管理意識の低さという点でも社会的信頼の失墜にもつながりかねません。
この記事では退職者によるデータの引き抜き発覚時の対応策・調査方法を解説します。
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※1 累計ご相談件数32,377件を突破(期間:2016年9月1日~)
※2 データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと
第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(集計期間:2007年~2020年)
目次
退職者による顧客の引き抜き行為とは
退職者による顧客データの引き抜きとは、退職者が自社の顧客データを引き抜き、転職先で悪用する行為を指します。
退職者によって顧客データが転職先の競合他社で悪用されると、企業の競争優位性が低下し、売上や利益が減少する可能性があります。また、競合他社が顧客データを悪用すると、企業の信頼性や品質が低下し、顧客満足度が低下する可能性もあります。
もし退職者が入社時の誓約や就業規則で、競業避止義務を定めた誓約書にサインしていた場合、競業避止義務違反として不法行為にあたります。これに該当する場合、企業は民事・刑事をとわず、必要な処置を退職者に対しておこなう権利があります。
この際、「フォレンジック」という技術により、詳細なデジタル証拠(不正な行為が行われた時間、操作内容、IPアドレスなど)を取り出すことができます。
フォレンジックとは、コンピューターやネットワークから証拠を取り出すための技術として広く知られており、この技術を用いることで、不正な活動に関与した者を特定することも可能です。またこの技術は、警察の鑑識や法執行機関、法廷闘争でも活用されています。
フォレンジック調査については下記の記事でも詳しく解説しています。
退職者による顧客データの引き抜き行為を禁止する際の注意点
雇用者が不当な禁止事項を従業員に定めることは、労働契約法の禁止事項違反に該当します。このため、不当な禁止事項を定めていた場合、元従業員側が反訴することで、むしろ企業イメージが悪化する場合もあります。
また入社時の誓約で具体性を欠いた抽象的な内容の契約が行われていた場合、法的追及が困難になる可能性があるため、この点は事前に確認しておきましょう。
退職者による顧客データの引き抜き行為が発覚した際に行うこと
退職者による顧客の引き抜き行為が発覚した際、証拠調査がマストとなります。
たとえば、退職者がメールサーバーなどを使用して顧客情報などのデータを引き抜いた場合、メールのログから引き抜きなど不正証拠を収集する必要があります。また、訴訟を検討している場合、司法の場でも通用する法的証拠を「法的に正しい手続き(Forensic)」で収集する必要があります(有効な技術として後述する「フォレンジック調査」が存在)。
具体的に企業が取れるアクションとしては次のようなものがあります。
- 損害賠償請求をおこなう
- 退職金の返還・減額を要求する
- 協力者を懲戒処分する
①損害賠償請求をおこなう
企業は、不正行為を行った退職者に対し、損害賠償請求をおこなうことができます。ただし調査・検証を行う際は、やみくもに行わず、何を調査するべきかを把握しておきましょう。
たとえば損害賠償請求時は、下記のような条件をあらかじめ証明する必要があります。
- 不正行為が原因で企業に損害が発生していること
- 不正行為、およびそれによる損害が証明できること
- 不正行為が退職者が行ったものであること
- 不正行為が企業の権利を侵害していること
認められる損害の範囲を確定するには?
退職者による不正行為が疑われる、もしくは明らかになった場合、被害が発生した時点から、どのような行動が行われたかを調査した上で、具体的な損害の範囲を把握します。たとえば不正行為によって被ったと思われる被害額に関しては、企業の財務諸表などと照らし合わせ、具体的な被害額を定量的に算出することが可能です。この際、当該行為が本当に不正行為であるかどうか企業のルールや規則を参照することも忘れず再確認しておきましょう。これらの調査を行って、はじめて損害の範囲を確定することができます。
②退職金の返還・減額を要求する
退職金の返還・減額を要求する場合、不正行為が確認できる場合に限ります。退職者が損害を与えた証拠を提示し、損害賠償を求めることができます。また、退職者が不正行為を認めた場合や、不正行為を行った可能性が高い場合などは、相手方に対して減額を要求することができるでしょう。
③協力者を懲戒処分する
退職者による不正行為が疑われる場合、協力者を懲戒処分しましょう。
ただし、協力者に対する懲戒処分は、事態を正確に把握し、どの程度の不正行為が行われたかを確認する前には行わないべきです。まず、協力者が不正行為を行ったかどうかを調査・検証し、その行為が適切なものかどうかを判断する必要があります。そして「事実」を確認した上で、公正な懲戒処分を行う必要があります。また、協力者が不正行為を行ったことを十分な証拠がある場合、協力者の懲戒処分を行うことも必要かもしれません。
退職者による不正行為の調査を行う手順
事実関係や証拠の有無を確認する
退職者による不正行為を調査する場合、オンライン・オフラインで行われます。
たとえばオンラインで調査を行う場合、退職者の使用していたコンピュータや携帯端末、インターネット接続などの情報を収集することで、退職者が行った不正行為を検証することができます。一方で、オフラインで行う場合は、元勤務先の出勤記録やシステム、元同僚との証言などを通して不正行為を確認することができます。
具体的な手順は次のようなものがあります。
- 社員から聞き取り
- 就業規則や秘密保持契約の確認
- 損益計算表から損害額を定量的に算出
手順1 社員から聞き取り
退職者による不正行為の調査を行う場合、事実関係や証拠の有無を確認するため、退職者の所属していた部署に在籍する社員などから口述での聞き取り調査を行いましょう(再現性という観点から録音しておくことをおすすめします)。
まずは当時の同僚など関係者と面談を行い、当時の仕事ぶりや作業内容を聞き取ることから始めます。その後、面談で得られた情報をもとに、不正行為が行われた疑惑を集めます。
手順2 就業規則や秘密保持契約の確認
退職者の不正行為が発覚した場合、入社時に結んだ就業規則や秘密保持契約を確認し、当該行為がそれらに反していた場合には、元従業員に対して該当する訴訟を行うなど、法的措置を取ることもあります。また、元従業員が退職後も当社の財産を不正に使用していた場合には、犯罪責任を問うために警察に通報したり、損害賠償の請求を行うなどの対応を行うこともあります。
手順3 損益計算表から損害額を定量的に算出
退職者によるデータ引き抜きで被害を受けた場合、損益計算表から具体的な損害額を定量的に把握することが可能です。この際、損害額を立証するためには、会計士などの専門家による詳細な検証を行うことが重要です。そのためにも、法執行機関でも客観的に評価できるレポートをあらかじめ作成しておくのが要となります。
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※2 データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと
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退職者調査は専門業者に相談する
法的な証拠収集・調査において、専門知識や専門技術が必要となった場合、専門業者に依頼することが望ましいです。この際、退職者の使用していた端末からデータを抽出・分析し、証拠を収集するなどの作業が必要となります。ただし、これは自力での対応が難しく、法的に正しい手続きで行わないと、データの証拠能力がなくなってしまうため、法的に適切な調査をおこなうには、フォレンジック調査の専門業者に相談するのが重要となります。
フォレンジック調査とは
フォレンジック調査とは、デジタル端末の調査・収集・解析を行い、端末内に残されたログから不正行為の法的証拠を調査する手法のことで、別名「デジタル鑑識」とも呼ばれます。
また、フォレンジック調査では、調査専門のエンジニアが報告書を作成することが可能です。この報告書は、法廷や監督官庁など行政機関に資料としても提出することも可能です。
退職者の事実調査や法的対応において、不正の客観的事実となる「証拠」をフォレンジック調査で正確に把握、調査することは非常に重要です。理由としては主に次の2つを挙げることが出来ます。
- 証拠となるデジタルデータは上書き・消去などで改ざんされていることも多く、法的対応を行うには改ざんの有無を正しい手続きで立証する必要がある
- 担当者が不用意に操作を行ってしまうと、外部記録媒体へのアクセスログなど、証拠となるデータが上書きされ、完全に失われてしまう恐れがある
上記を怠り、十分な証拠がなければ、第三者に事実を証明できず、法的正当性も確保できなません。法的責任の追及も「無効」となる可能性が高くなります。
このような事態を避け、最も安全かつ適切に証拠データを復元・調査するには、「フォレンジック専門業者」まで相談・依頼しましょう。
退職者にまつわるフォレンジック調査では、次のような調査を行うことができます
■Webブラウザの閲覧履歴の調査
■データの消去・改ざんの有無、復元
■外部記録媒体の使用履歴の調査
フォレンジック調査については下記の記事においても詳しく紹介しています。
フォレンジック調査会社への相談方法
フォレンジック調査会社の流れ
デジタルデータフォレンジック(DDF)では、フォレンジック調査、ならびにデータ復旧サービスで蓄積してきた豊富な経験・技術力をもとに、たとえ故意に削除・改ざんされたデータであっても復元・修復して、正確かつ安全に証拠を確保することが可能です。
また、証拠利用の場合、法定資料としても活用できる報告書の作成も承っております。詳細については、まず専門アドバイザーにまでご相談ください。
フォレンジック調査会社へ相談・依頼する際は以下のような流れで行います。なお、当社では作業内容のご提案とお見積りのご提示まで無料でご案内しております。
フォレンジック調査を行うかまだ決定していない段階であっても、一度専門会社へ相談するのをおすすめします。なぜなら専門的なノウハウを持たない中で自社調査を行っても、法廷や法執行機関では信憑性が疑われやすく、そもそも正確な実態把握ができなかったり、証拠となるデータが故意に改ざん・削除されている可能性も想定されます。
調査の実施が未確定の場合であっても、今後のプロセス整理のためにもまずは実績のある専門会社へ相談することを推奨しています。
DDFの退職者調査サービスで可能なこと
デジタルデータフォレンジックでは退職者調査に特化した調査が可能です。主な確認項目は次のとおりです。
- パソコンの基本情報の調査
- 最近開いたファイルに関する履歴の確認
- USB 機器の接続履歴の確認
- インターネットおよび社内サーバへのアクセス履歴の確認
- プログラムの実行履歴の確認
- 削除したファイルの調査
- 指定キーワードによる検索
- パソコン内の全ファイルリスト調査
- 特定ブラウザの調査
- 文書のプロパティ情報の調査
なお、フォレンジック調査を行う際には、法定資料としても活用できる報告書を作成します。報告書では詳細な検証データを体系的かつ詳細に記載することで、裁判官など第三者への可読性を確保するとともに、裁判所に提出可能な法定資料・証拠として活用できます。
\24時間365日 相談受付/
デジタルデータフォレンジックでは、国内売上シェアトップクラスのデータ復元技術を活用し、PCやスマートフォンなど、デジタル端末に残されたログの調査やマルウェア感染の経路調査を行っています。また、ご相談件数は警察機関や法律事務所、官公庁、上場企業から個人のお客様まで32,377件以上を数えます。
お困りの際はデジタルデータフォレンジックまでご相談ください。なお、証拠利用の場合、法定資料としても活用できる報告書の作成も承っております。