パソコンやクラウドで誤ってフォルダを削除してしまった際、「もう元に戻せないのでは」と不安になる方も多いでしょう。しかし、多くのHDD環境では、削除直後のデータは物理的には消去されておらず、『見えない状態』になっているだけです。ただし、SSDの場合はTRIMコマンドによる消去で、復元が極めて困難になる場合があります。
WindowsやMacのOSでは、ゴミ箱に移動する形式や「以前のバージョン」として自動保存されていることもあります。一方、クラウドサービス(Google DriveやOneDriveなど)は、削除されたデータを一定期間保管し、ユーザーが手動で復元できる仕組みを持っています。こうした違いを理解しておくことが、迅速な復元と証拠保全の成否を分けるポイントとなります。
本記事では誤操作や証拠隠滅などによって削除されたフォルダの復元方法を解説します。
フォルダが削除される原因
フォルダが削除される要因には、操作ミスやシステムトラブル、不正行為など様々なケースが考えられます。特に以下のような事例が特によく見られます。
- 誤って「削除」キーを押してしまった
- 不要だと思ってフォルダを削除したが、後から必要になった
- 退職者や不正な第三者によって意図的に削除された
- ウイルスやランサムウェア感染によってフォルダが削除された
特に後半の退職者等による削除、第三者やウイルス感染による削除は、証拠隠滅の一環として行われることも多く、最悪の場合、削除されたフォルダ内のデータが外部に漏洩している可能性もあります。
この場合、通常のフォルダの復元では不十分で、復元方法の選択を誤ると、情報漏えいなどの被害規模がわからなくなる可能性があります。
調査によって情報が漏洩したことが判明した場合に必要な企業の対応については、以下の記事を参考にしてください。

削除されたフォルダの復元方法
最初に誤削除などによって削除されてしまったフォルダの復元方法を紹介します。
ゴミ箱から復元する(Windows/Mac)
WindowsやMacでは、削除されたフォルダが一時的に「ゴミ箱」に移動します。そこからの復元手順は以下の通りです。
- デスクトップの「ごみ箱」アイコンを開く
- 削除したフォルダを探す
- 右クリックして「元に戻す」を選択
- 元の場所にフォルダが復元される
クラウドサービス(OneDrive/Google Drive等)から復元する
クラウドサービスでは、削除後も一定期間「ゴミ箱」や「削除済みアイテム」として保存されていることがあり、以下の手順で復元が可能です。
- Google Driveにアクセス
- 左メニューの「ゴミ箱」をクリック
- 復元したいフォルダを右クリック
- 「復元」を選択して元の場所に戻す
「以前のバージョン」やバックアップを活用した復元法
Windowsには『以前のバージョン』、Macには『Time Machine』があり、自動保存されたバックアップから復元する方法があります。ただし、Windowsではシャドウコピー機能が有効になっている場合に限り利用可能で、環境によっては無効化されていることもあります。
- 対象のフォルダがあった場所を右クリック
- 「以前のバージョンの復元」を選択
- 表示された日付から復元ポイントを選ぶ
- 「復元」をクリックして完了
NASやサーバーのバックアップ機能を使う
共有フォルダはユーザーごとの権限やサーバー管理の影響を受けます。削除後はゴミ箱に残らないこともあり、NASやサーバーのバックアップ機能を使うことが重要です。
- NASの管理画面にアクセス
- 「バージョン管理」または「スナップショット」機能を選択
- 該当するフォルダの削除前状態を選び、復元を実行

データ復元ソフトを使う
市販または業務用のデータ復元ソフトを使えば、ゴミ箱やバックアップのない場合でも、削除されたフォルダの復旧が可能なケースがあります。
- 復元ソフトを公式サイトからダウンロードしインストール
- スキャン対象のドライブを選び、削除フォルダを検索
- 見つかったデータを確認し、保存先を指定して復元
ただし、SSD環境や暗号化されたフォルダの場合、復元が困難または不可能なこともあるため、過度な期待は禁物です。
フォレンジック視点でのフォルダ削除・復元
退職者や従業員による意図的なフォルダ削除、サイバー攻撃によるマルウェア感染などの影響によるフォルダ削除などの場合、パソコンなどの機能でフォルダを復元しただけでは、不正やサイバー攻撃の実態がわからず、再度被害を受けるリスクが放置されたままです。
こちらでは、意図的にフォルダが削除された場合、フォルダの復元を行うにはどうすればいいか解説します。
サイバー攻撃・社内不正調査での痕跡の削除とログ解析
外部からのサイバー攻撃、または社内不正が疑われる場合、単なるデータ復旧だけでなく「なぜフォルダが削除されたか」「誰がフォルダを削除したか」を明らかにする必要があります。Windowsのイベントログやアクセス履歴、操作ログなどを精査することで、削除行為の痕跡を特定できます。ログは自動で上書きされるため、早期の保全が鍵を握ります。

フォレンジック調査で期待できる復元範囲
フォレンジック調査とは、電子端末のデータを証拠として保全し、解析することで、被害の実態などを明らかにするものです。
フォレンジック調査の一環で削除ファイルの復元に加え、アクセス日時・操作履歴・ユーザー権限などを詳細に解析することがあります。通常の復旧ソフトで取得できない「消された事実の裏付け」も可能となるため、法的証拠や社内調査の場面で強い力を発揮します。
SSD・TRIMコマンドなどフォルダ復元を難しくする要因
SSD環境では、ファイル削除後すぐにTRIMコマンドが実行されるため、復元が困難になります。物理的には痕跡が消去され、フォレンジック調査でも検出が難しいケースがあります。調査対象がSSDの場合、即時に使用を停止し、専門家のもとで読み込み専用の解析機器で処理を行う必要があります。
社内不正調査でフォルダ復元するならDDF

社内不正・横領・情報持ち出し・職務怠慢のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
当社では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
デジタルデータフォレンジックの強み
デジタルデータフォレンジックは、迅速な対応と確実な証拠収集で、お客様の安全と安心を支える専門業者です。デジタルデータフォレンジックの強みをご紹介します。
累計相談件数39,451件以上のご相談実績
官公庁・上場企業・大手保険会社・法律事務所・監査法人等から個人様まで幅広い支持をいただいており、累積39,451件以上(※1)のご相談実績があります。また、警察・捜査機関から累計395件以上(※2)のご相談実績があり、多数の感謝状をいただいています。
(※1)集計期間:2016年9月1日~
(※2)集計機関:2017年8月1日~
国内最大規模の最新設備・技術
自社内に40名以上の専門エンジニアが在籍し、14年連続国内売上No.1のデータ復旧技術(※3)とフォレンジック技術でお客様の問題解決をサポートできます。多種多様な調査依頼にお応えするため、世界各国から最新鋭の調査・解析ツールや復旧設備を導入しています。
(※3)第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2017年)
24時間365日スピード対応
緊急性の高いインシデントにもいち早く対応できるよう24時間365日受付しております。
ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せを開催・即日現地駆けつけの対応も可能です。(法人様限定)自社内に調査ラボを持つからこそ提供できる迅速な対応を多数のお客様にご評価いただいています。
デジタルデータフォレンジックでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。今すぐ専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
調査の料金・目安について
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
機器を来社お持込み、またはご発送頂ければ、無料で正確な見積りのご提出が可能です。
まずはお気軽にお電話下さい。
【法人様限定】初動対応無料(Web打ち合わせ・電話ヒアリング・現地保全)
❶無料で迅速初動対応
お電話でのご相談、Web打ち合わせ、現地への駆け付け対応を無料で行います(保全は最短2時間で対応可能です。)。
❷いつでも相談できる
365日相談・調査対応しており、危機対応の経験豊富なコンサルタントが常駐しています。
❸お電話一本で駆け付け可能
緊急の現地調査が必要な場合も、調査専門の技術員が迅速に駆け付けます。(駆け付け場所によっては出張費をいただく場合があります)
まとめ
削除されたフォルダの復元には、OSや保存先の特性を理解し、適切な手順を選ぶことが重要です。特に社内不正やトラブルに関連する場合は、証拠としての扱いも考慮し、慎重に対応する必要があります。
ゴミ箱やバックアップからの復元が難しい場合でも、削除の痕跡や操作ログをもとに、フォレンジック調査によって証拠を保全できる可能性があります。復元の必要性があると判断した時点で、速やかに専門家へ相談することをおすすめします。
\24時間365日相談受付/
よくある質問
対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。
もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。