「Safariでどのサイトにアクセスしたか記録として残したい」「履歴を証拠として保存しておきたい」そんなニーズに応えるため、macOS・iOSにおけるSafariの履歴エクスポート手順を専門的な視点から徹底解説します。
Safariは他のブラウザと異なり、閲覧履歴をそのままエクスポートする機能がありません。しかし、内部データベース(SQLite)やiOS標準機能を活用することで、CSVやJSON形式での履歴保存が可能です。
この記事では、実際の操作画面を想定したステップバイステップ形式で、履歴の抽出手順を解説します。併せて、不正アクセス・社内調査・情報漏洩時に重要となる「フォレンジック調査」の観点も紹介しています。
目次
Safariの閲覧履歴をエクスポートする方法
SafariはApple製ブラウザであり、Google ChromeやEdgeのような標準的な履歴エクスポート機能は搭載していません。しかし、macOSとiOSそれぞれにおいて、特定の操作を行うことで履歴データをエクスポートすることが可能です。
また、証拠を抽出したいなどの目的の場合は、証拠保全の観点からも自力で触らずにフォレンジック企業に依頼することをおすすめします。
Mac(macOS)の場合
macOS上でSafariの履歴をエクスポートするには、履歴データベース「History.db」を直接操作する必要があります。このファイルはSQLite形式で保存されており、コマンドラインまたはGUIツールを使ってCSV形式などで抽出できます。
履歴ファイルの保存場所
Safariの閲覧履歴は以下のパスに保存されています:
~/Library/Safari/History.db
このファイルを直接編集するのは推奨されないため、デスクトップなどにコピーして作業を行うことが重要です。
方法A:ターミナルで履歴をCSVにエクスポートする
- Finderを開き、
~/Library/Safari/
フォルダから「History.db」ファイルをデスクトップへコピー。 - ターミナルを起動し、以下のコマンドを実行:
sqlite3 -header -csv ~/Desktop/History.db \
"SELECT DISTINCT datetime(visit_time + 978307200, 'unixepoch', 'localtime') AS visit_time, coalesce(nullif(title,''), 'Unavailable') as title, url FROM history_visits INNER JOIN history_items ON history_items.id = history_visits.history_item;" > ~/Desktop/safari_history.csv
このコマンドにより、訪問日時・タイトル・URLが含まれたCSVファイル「safari_history.csv」がデスクトップに出力されます。
方法B:GUIツール「DB Browser for SQLite」を使用
- DB Browser for SQLite をダウンロードしてインストール。
- 「History.db」ファイルをデスクトップにコピーし、DB Browserで開く。
- 「SQL実行」タブに以下のSQL文を貼り付けて実行:
select datetime(v.visit_time + 978307200, 'unixepoch', 'localtime') as date, i.domain_expansion, v.title, i.url
from history_items i
left join history_visits v on i.id = v.history_item
order by date desc;
実行結果を右クリックし「CSVにエクスポート」を選択することで、履歴データが保存できます。
iPhone(iOS)の場合
iOS 18.2以降では、Safariの履歴を直接書き出す標準機能が追加されています。これにより、ブックマーク・履歴・リーディングリストなどを一括でZIPファイルとして保存可能です。
操作手順
- 「設定」アプリを開く。
- 下へスクロールし、「Safari」をタップ。
- 「履歴とWEBサイトデータ」の中にある「書き出す」を選択。
- 「履歴」「ブックマーク」など必要な項目をチェックし、「“ダウンロード”に保存」をタップ。
保存先はiCloud Driveの「ダウンロード」フォルダ内となり、ZIP形式で保存されます。履歴データ自体はJSON形式として含まれます。
補足事項
iOSデバイスにおける履歴はデバイス間で同期されるため、iCloudを有効にしていればMacとiPhoneで同一の履歴が抽出可能です。
履歴の調査はフォレンジック調査会社に依頼することがおすすめ
Safariの履歴ファイル「History.db」や、iOSからエクスポートされた履歴データは、高度な解析や証拠保全が求められる場面では専門家による対応が不可欠です。
- 社内PCで不審なアクセスがあった
- 履歴が消去・改ざんされている疑いがある
- 情報漏洩の可能性があり証拠保全が必要
- 裁判・調停のため、法的に有効な証拠が求められている
フォレンジック調査のメリット
デジタル・フォレンジック調査では、履歴ファイルの改ざん検知や、削除済みデータの復元など、通常のツールでは取得できない高度な解析が可能です。
- Safariの履歴ファイルの整合性検証と保全
- 削除・改ざんされた履歴の復元と時系列分析
- 閲覧時刻、回数、端末情報の抽出
- 裁判資料としてのエビデンス化(証拠力を維持)
注意:独自調査は証拠性を損ねる可能性も
証拠として扱う必要がある場合、自力で操作を行うとログの上書き・メタ情報の改変などにより証拠価値が失われるリスクがあります。
社内や個人でフォレンジック調査を完結させるのは、証拠の観点からリスクが高いことを十分に理解し、初動段階から専門家へ相談することが望ましいと言えます。

適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
当社では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
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まとめ
Safariの閲覧履歴をエクスポートするには、使用環境に応じた対応が求められます。
- Mac: SQLite形式のHistory.dbファイルから抽出。ターミナルまたはGUIツールを使用してCSV形式で保存可能。
- iOS(18.2以降): 設定アプリから履歴をZIPファイルでエクスポート(形式はJSON)。
業務上の証跡保全や、セキュリティ調査を目的とする場合には、信頼性の高い手順で記録を残すことが重要です。また、削除された履歴や改ざんが疑われる場合には、デジタル・フォレンジック調査会社への相談を検討しましょう。
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