Dropboxのようなクラウドサービスは業務の効率化に欠かせない一方で、マルウェアの拡散経路として悪用されるケースが増えています。特に正規リンクを装ったファイル共有を通じて、ユーザーが知らぬ間に感染してしまう事例も少なくありません。
気づかずに操作してしまうと、証拠が消失する恐れがあり、被害の拡大や原因の特定が難しくなります。ファイルの暗号化や個人情報の流出など、表面化するまでに時間がかかる場合もあります。
そこで本記事では、「Dropboxを狙うマルウェア」の基本的な特徴や攻撃手法、感染経路、そして初動対応で押さえておくべきポイントについて、実務担当者にもわかりやすく解説します。
\マルウェア感染の痕跡調査・感染経路の特定に対応/
目次
Dropboxを狙うマルウェアの主な手口
ここではDropboxが攻撃対象になりやすい理由や、マルウェアがどのように活用されているかを紹介します。
ファイル共有リンクを悪用した拡散
Dropboxのリンク共有機能は非常に便利ですが、この仕組みが攻撃者にも利用されています。正規ファイルに偽装されたマルウェア付きファイル(.zipや.exeなど)が共有され、受信者が開封することで感染が拡がります。
被害者が正規の共有通知だと誤解して操作してしまうと、攻撃を許してしまう結果になります。疑わしいリンクを開いてしまった場合は、証拠が消失する恐れがあるため、即時の対応が必要です。
Dropboxアカウントの乗っ取りによる再感染
マルウェアによってDropboxアカウントの認証情報が盗まれると、攻撃者がそのアカウントにログインし、社内外の他者へさらにマルウェアをばらまくことが可能になります。
特に法人アカウントの場合は、取引先や顧客との信頼関係にも影響するため、アクセス履歴や共有ファイルのチェックが不可欠です。認証情報が抜かれている可能性がある場合には、被害範囲の調査が求められます。
DropboxをC2(指令)サーバーとして悪用
一部の高度なマルウェアは、Dropboxを「C2(Command & Control)サーバ」として利用します。攻撃者はDropbox上のファイルやディレクトリを介して命令を送信し、マルウェアが定期的にそれを読み取って動作する仕組みです。
このような遠隔操作は一般的な監視では検知が難しく、通信ログや実行履歴を細かく調査しなければ痕跡を特定できません。技術的な調査と証拠保全の体制が求められます。
\マルウェア感染の痕跡調査・感染経路の特定に対応/
Dropboxを狙うマルウェア感染時の主な被害
Dropboxを通じてマルウェアに感染した場合、単なるファイル破損にとどまらず、広範な被害につながる恐れがあります。ここでは主な被害例を整理し、対応の優先順位を考えるための参考にしてください。
ファイルの暗号化と業務停止
ランサムウェア型のマルウェアに感染した場合、Dropbox内のファイルや同期されたローカルファイルが暗号化され、使用不能になります。復旧までの間、重要業務が停止し、納期遅延や顧客対応への支障が発生します。
個人情報・認証情報の流出
スパイウェア型のマルウェアは、端末に保存されたログイン情報や顧客データを収集し、外部へ送信します。Dropboxに保存された請求書・契約書なども対象になる可能性があり、二次被害が広がる恐れがあります。
Dropbox内の意図しない共有・拡散
乗っ取られたアカウントを通じて、不正ファイルが他のユーザーへ自動で共有されることがあります。共有フォルダを利用している場合は、社内外への感染拡大や信頼低下を招くリスクが高くなります。
\マルウェア感染の痕跡調査・感染経路の特定に対応/
Dropboxを狙うマルウェアに感染した場合の対処法
マルウェア感染の疑いがある場合は、拡大抑止と証拠保全を優先する必要があります。ここでは、被害の拡大を防ぎつつ、適切な調査や対応につなげるための基本的な対処の流れを紹介します。
不審な操作を中止し、現状を維持する
感染が疑われる段階では、端末の初期化やDropboxの同期解除などを急がず、ファイルや設定の現状を保持してください。証拠が消失すると、被害の範囲や原因を正しく把握できなくなります。
- 感染の疑いがある端末のネットワークを遮断
- Dropboxの同期を一時停止(ただし削除や初期化は避ける)
- 使用を控え、ログイン操作などを記録しておく
証拠となるファイルやログを保全する
Dropboxのアクセスログや共有履歴、端末のイベントログなどを保存します。フォレンジック調査の精度を高めるには、操作の記録や通信履歴の確保が不可欠です。
- Dropboxの管理コンソールからログイン履歴や共有履歴をエクスポート
- PCのイベントビューアーやウイルス対策ソフトのログを保存
- 共有リンクやメールの送信履歴もあわせて記録
被害範囲と感染経路を特定する
感染が疑われるファイルやリンクが、どこから共有されたのかを明らかにし、組織内のどこまで被害が広がっているかを把握します。誤った推測では再発を防げません。
- 疑わしいファイルやリンクの起点を特定
- Dropbox内の共有履歴をもとに、展開された範囲を洗い出す
- 必要に応じて第三者調査で通信履歴・アクセス権限を調査
Dropbox経由でマルウェアに感染した可能性がある場合は専門業者に相談を
マルウェアの感染経路や影響範囲を正しく把握するには、操作ログや通信履歴の専門的な解析が必要です。自己判断で削除や復元を試みると証拠が消失する恐れがあるため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
私たちデジタルデータフォレンジックでは、Dropboxを経由した感染事例に対応した調査体制を整えており、初動支援から報告書作成、再発防止策までを一貫して対応できます。法人様は最短15分で初動打ち合わせが可能です。
\マルウェア感染の痕跡調査・感染経路の特定に対応/
詳しく調べる際はフォレンジック調査会社に相談を
Dropboxを経由したマルウェア感染は、リンクの拡散や共有履歴の特定、アカウントの乗っ取り調査など、多岐にわたる視点からの検証が必要となるケースが多くあります。
自力での対処や調査に限界を感じた場合は、専門調査会社による「フォレンジック調査」を検討してください。フォレンジック調査とは、ログや証拠を破壊せずに保全し、技術的な解析を通じて事実関係を客観的に明らかにする調査手法です。
私たちデジタルデータフォレンジック(DDF)は、Dropboxに関連するマルウェア調査においても、アクセスログの取得・Dropbox内のファイル共有履歴・感染ファイルの拡散範囲まで、初動から一貫した対応が可能です。法人様向けには最短15分で初動打合せが可能で、24時間365日ご相談を受け付けています。
サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア感染のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
当社では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
デジタルデータフォレンジックの強み
デジタルデータフォレンジックは、迅速な対応と確実な証拠収集で、お客様の安全と安心を支える専門業者です。デジタルデータフォレンジックの強みをご紹介します。
累計相談件数39,451件以上のご相談実績
官公庁・上場企業・大手保険会社・法律事務所・監査法人等から個人様まで幅広い支持をいただいており、累積39,451件以上(※1)のご相談実績があります。また、警察・捜査機関から累計395件以上(※2)のご相談実績があり、多数の感謝状をいただいています。
(※1)集計期間:2016年9月1日~
(※2)集計機関:2017年8月1日~
国内最大規模の最新設備・技術
自社内に40名以上の専門エンジニアが在籍し、14年連続国内売上No.1のデータ復旧技術(※3)とフォレンジック技術でお客様の問題解決をサポートできます。多種多様な調査依頼にお応えするため、世界各国から最新鋭の調査・解析ツールや復旧設備を導入しています。
(※3)第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2017年)
24時間365日スピード対応
緊急性の高いインシデントにもいち早く対応できるよう24時間365日受付しております。
ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せを開催・即日現地駆けつけの対応も可能です。(法人様限定)自社内に調査ラボを持つからこそ提供できる迅速な対応を多数のお客様にご評価いただいています。
デジタルデータフォレンジックでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。今すぐ専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
調査の料金・目安について
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
機器を来社お持込み、またはご発送頂ければ、無料で正確な見積りのご提出が可能です。
まずはお気軽にお電話下さい。
【法人様限定】初動対応無料(Web打ち合わせ・電話ヒアリング・現地保全)
❶無料で迅速初動対応
お電話でのご相談、Web打ち合わせ、現地への駆け付け対応を無料で行います(保全は最短2時間で対応可能です。)。
❷いつでも相談できる
365日相談・調査対応しており、危機対応の経験豊富なコンサルタントが常駐しています。
❸お電話一本で駆け付け可能
緊急の現地調査が必要な場合も、調査専門の技術員が迅速に駆け付けます。(駆け付け場所によっては出張費をいただく場合があります)
よくある質問
対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。
もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。




