職場ハラスメントは今や「特別な問題」ではなく、企業にとって日常的なリスクとなっています。パワハラ・セクハラ・カスハラといった言葉は一般化し、実際の相談件数も年々増加しています。
とくに近年では、TeamsやSlackなどのチャットや、社内メールといったデジタル上のやりとりが証拠となるケースが増えており、記録が残っているかどうかが調査対応の成否を左右します。一方で、「どこまで調べていいのか」「自社だけで判断できるのか」といった不安を抱える企業も少なくありません。
そこで本記事では、ハラスメントの基本的な定義や種類、企業が果たすべき調査義務と注意点、そしてログや操作履歴などの客観的証拠を用いたフォレンジック調査の活用方法についてわかりやすく解説します。
目次
職場ハラスメントとは
職場ハラスメントとは、職場内の地位や人間関係、業務上の優位性などを背景として行われる、嫌がらせやいじめ行為の総称です。
厚生労働省の指針では、パワーハラスメント(パワハラ)・セクシュアルハラスメント(セクハラ)・マタニティハラスメント(マタハラ)・カスタマーハラスメント(カスハラ)などが代表的な類型として挙げられています。
これらの行為は、相手の尊厳を傷つけ、就業環境を著しく害する点が共通しており、行為者に悪意があるかどうかに関係なく、ハラスメントとして認定される可能性があります。
企業にはハラスメント発生時の調査・対処義務があります
厚生労働省は、社内でハラスメントの訴えがあった場合、企業には事実関係の調査と適切な対応を行う義務があると明記しています。以下は、調査義務に関する正式な記述です。
ハラスメント等の相談窓口担当者、人事部門または専門の委員会等が相談者及び行為者の双方から事実関係を確認すること。その際は、相談者の心身状態や該当言動が行われた際の受け止め等、その認識も適切に配慮すること。また、相談者と行為者との間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合には、第三者からも事実関係を聴取する等の措置を講ずること。
出典:厚生労働省
ハラスメントの代表的な種類
以下は、厚生労働省が整理する職場ハラスメントの代表的な分類です。
- パワーハラスメント(優越的関係を背景とした言動)
- セクシュアルハラスメント(性的言動による環境悪化)
- マタハラ・パタハラ(妊娠・出産・育児を理由とする不利益扱い)
- カスタマーハラスメント(顧客からの暴言・強要)
- その他のハラスメント(モラハラ、スメハラ等)
ハラスメント防止に関する法律と企業の義務
これらのハラスメント行為について、企業には防止措置の実施が法的に義務づけられています。主な関連法と対象は以下の通りです。
- パワーハラスメント:労働施策総合推進法(第30条の2)
- セクシュアルハラスメント:男女雇用機会均等法(第11条)
- マタハラ・パタハラ・カスハラ等:男女雇用機会均等法(第11条の3)、育児・介護休業法(第25条)
これらの法律に基づき、事業主には次のような雇用管理上の措置が求められています。
- ハラスメントを許容しない方針の明文化と社内周知・教育
- 相談窓口の整備と、迅速・適切な初動対応
- 再発防止措置の実施、関係者のプライバシー保護、不利益な扱いの防止
なお、これらの義務は中小企業を含むすべての事業主に適用されており、違反があった場合には労働局による指導・勧告、あるいは民事訴訟リスクが発生する可能性があります。
社内調査の限界と第三者調査の意義
ハラスメントの初動対応では、社内の相談窓口や人事部門が調査を主導することが一般的です。しかし、体制やノウハウが不十分な場合、被害者・加害者双方にとって不利益な結果を招くリスクがあります。
実際に、過去には次のような事例が問題視されています。
- 相談対応を行った担当者の対応に過失があると認定され、企業が損害賠償責任を負ったケース
- 社内の調査担当者が主観や先入観に基づいて一方的な判断を行い、事実確認が不十分だったケース
こうした事態を防ぐためには、中立的な第三者による客観的な事実確認が重要です。調査の過程に偏見や感情が入り込むと、真実の見極めが難しくなり、関係者の信頼や社内秩序の維持にも悪影響を及ぼします。
フォレンジック調査のように、ログやデジタルデータに基づいて実施される第三者調査は、感情や人間関係に左右されにくく、組織の説明責任や再発防止にも有効です。
ハラスメント調査におけるフォレンジックの役割とメリット
ハラスメント調査では、「言った/言わない」だけでは真実にたどり着けないケースも多く、客観的な証拠に基づいた検証が重要になります。
フォレンジック調査では、以下のようなデジタル情報を収集・解析することで、事実関係を明らかにすることが可能です。
- 社内チャットの発言記録:TeamsやSlackなどで交わされた発言の抽出・時系列整理
- メール送受信履歴:送信日時・件名・添付ファイルを含めた送受信データの検索・保全
- 操作ログ・アクセス履歴:誰がいつどのシステムやファイルにアクセスしたかを確認
- 削除済みデータの復元:誤って、または意図的に削除されたチャット・メール・ファイルの復元と証拠化
これらの調査は「誰かを処罰する」ためのものではなく、事実を科学的に明確化し、再発防止策を講じるための土台として活用されます。
たとえば、パワハラが「いつ」「どこで」「どのように」発生したかを正確に証明するためには、こうしたデジタル証拠が不可欠です。しかし、証拠が残っている機器を使い続けたり、社内で不用意にコピー・改変してしまうと、証拠性が失われてしまう恐れがあります。
実際、裁判や社外説明の場では、証拠データが不適切な方法で収集されていた場合に「改ざんされた可能性がある」とみなされ、証拠能力を否定されてしまうこともあります。
こうしたリスクを回避するには、機器の使用を止めたうえで、専門的な手順で証拠保全を行う「フォレンジック調査」が有効です。データの取得・保全・解析・報告までを一貫して実施できる専門業者に、できるだけ早期に相談することが重要です。
フォレンジック調査会社へ相談する
社内不正・横領・情報持ち出し・職務怠慢のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
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【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
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(※1)集計期間:2016年9月1日~
(※2)集計機関:2017年8月1日~
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ヒアリングの進め方と証拠の確保方法
ハラスメントに関する社内調査を進める上では、当事者・関係者からのヒアリングが重要です。以下に、役割ごとの基本的な進め方と注意点をまとめます。
被害者側
被害者へのヒアリングでは、対応自体に問題があったとされるリスクもあるため、信頼関係を築いたうえで慎重に進める必要があります。
ハラスメントの内容・日時・場所・関係者などを聞き取り、記録は本人と確認のうえ文書化し、署名を得て内容の正確性を担保します。
加害者側
加害者へのヒアリングは、被害者の同意を得たうえで実施するのが望ましいとされています。
事実確認は、被害者の申告内容をもとに項目ごとに確認し、加害者の発言も記録・文書化して署名を得ます。感情的対立を避けるため、冷静かつ中立的に進めましょう。
目撃者・関係者側
第三者の証言は、主観的な主張を補完するために極めて有効です。目撃者や関係者からもヒアリングを行い、内容を記録・文書化し、本人の確認を経て署名を得ましょう。
双方の言い分が食い違う場合
被害者・加害者・関係者間の証言に矛盾が見られる場合は、追加でのヒアリングを実施します。再度内容を整理・確認し、記録に残すことで、事実認定の精度が高まります。
被害者が退職してしまった場合
被害者が退職・休職中であっても、ヒアリングを拒否されない限りは、適切な手段での聴取が必要です。
電話・メール・書面など状況に応じた方法で連絡し、可能であれば内容確認と署名を得るよう努めます。無理に接触するのではなく、配慮を優先した対応が求められます。
まとめ
職場ハラスメントへの対応には、感情論や属人的な判断だけでなく、事実に基づいた客観的な対応が欠かせません。特にチャットやメールといったデジタル記録が残る時代においては、証拠の有無がその後の判断や再発防止策に直結します。
企業には、調査義務・再発防止措置義務が法的に課されており、対応を誤れば法的責任を問われるケースもあります。社内対応に限界を感じたときは、フォレンジック調査など第三者の力を借りることも重要な選択肢です。
「どこからがハラスメントなのか分からない」「記録は残っているが適切な扱い方が分からない」といったお悩みがある場合は、早めに専門家へ相談し、企業全体のリスクを最小限に抑える体制を整えていきましょう。
よくある質問
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