「F5アタック」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。これは特定のサイバー攻撃の一種で、ウェブサーバーに大量のリクエストを送り、サーバーの機能を停止させたり、著しくパフォーマンスを低下させる攻撃です。
F5アタックは、DDoS攻撃(分散型サービス拒否攻撃)の一種であり、企業や個人が運営するウェブサイトに大きな影響を与える可能性があります。この記事では、F5アタックがどのように機能するのか、被害を受けた場合のリスク、そして効果的な対策方法について詳しく解説します。
目次
F5アタックの仕組みとそのリスク
F5アタックは、特定のウェブサイトやサーバーに対してF5キー(ページのリロードボタン)を押し続ける行為に由来しています。しかし、実際には人間の手ではなく、ボットネットや自動化されたツールを使用して、短時間に何千、何百万ものリクエストを送信することで、サーバーに過剰な負荷をかけます。
これにより、サーバーが正常にリクエストを処理できなくなり、結果として次のような問題が発生します。
サービスの停止や遅延
F5アタックはウェブページのリロードを大量に繰り返すことで、サーバーに過剰な負荷をかけます。このため、サーバーがリクエストに応答できなくなり、サイトがダウンしたり、応答速度が極端に遅くなったりします。結果として、ユーザーが正常にサイトを利用できない状態が続きます。
他からサイバー攻撃の被害を受けやすくなる
F5アタックによってサーバーリソースが消耗されると、サーバーの応答時間が遅くなったり、セキュリティ監視ツールが正常に動作しなくなる可能性があります。これにより、通常であれば検知できるマルウェアや不正アクセスが見逃されることがあります。
またサーバーに過剰な負荷がかかると、システムが不安定になり、通常時には隠れていた脆弱性が明らかになることがあります。攻撃者はこの機会を利用して、追加の攻撃を行うことがあります。
F5アタックの兆候
F5アタックが行われている場合、まずはサーバーがF5アタックを受けているかどうかを特定することが重要です。以下の兆候が見られた場合、F5アタックの可能性があります。
- サーバーの負荷が急激に増加: 通常よりも多くのリクエストがサーバーに送信され、処理能力が低下します。
- ウェブサイトの応答速度が遅い: ページの読み込みが極端に遅くなる、またはアクセスができなくなる。
- サーバーのダウンタイムが頻発: サーバーが頻繁にダウンし、再起動が必要になる。
2. F5アタックに対する対策方法
F5アタックを受けた、または兆候が見られる場合、速やかに適切な対策を講じることが重要です。以下に、具体的な手順と対策方法を詳しく説明します。
Web Application Firewall (WAF) の導入
Web Application Firewall(WAF)は、ウェブサーバーに対する攻撃をフィルタリングし、悪意のあるトラフィックをブロックするための重要なツールです。WAFを導入することで、F5アタックのような大量のリクエストをサーバーに到達させずにブロックすることができます。
WAFの設定手順
- 信頼できるWAFソリューション(例: Cloudflare、Impervaなど)を選択し、サービスを契約します。
- サーバー設定でWAFを有効化し、設定画面にアクセスします。
- 攻撃トラフィックをフィルタリングするルールを設定します。特定のIPアドレスやリクエスト数の上限を指定し、悪意のあるトラフィックを遮断します。
- 設定が完了したら、WAFの動作を監視し、適切に機能していることを確認します。
Rate Limitingの実装
Rate Limiting(レート制限)は、特定のIPアドレスからのリクエスト数を制限することで、過剰なトラフィックがサーバーに到達するのを防ぐ手法です。F5アタックは、短時間に大量のリクエストを送るため、この対策を施すことで、攻撃の影響を軽減できます。
Rate Limitingの設定手順
- サーバーの管理画面にログインし、Rate Limitingのオプションを見つけます。
- 特定のIPアドレスまたは全体のトラフィックに対して、1分間に許可するリクエスト数を設定します。
- 設定後、トラフィックが制限を超えた場合にそのIPを一時的にブロックするルールを有効化します。
キャッシュを有効にする
サーバーへの負荷を軽減するためには、キャッシュを有効にすることも効果的です。キャッシュを利用することで、同じページのリクエストが複数回サーバーに到達することを防ぎ、サーバーリソースの消費を減らします。
キャッシュを有効にする手順
- サーバーまたはCDN(Content Delivery Network)の設定にアクセスし、キャッシュのオプションを探します。
- キャッシュの有効期間を設定し、頻繁にアクセスされるページをキャッシュに保存します。
- キャッシュの動作を確認し、不要なリクエストがサーバーに到達していないかをモニタリングします。
詳しく調べる際はハッキング・乗っ取り調査の専門家に相談する
F5アタック、ハッキング、不正アクセス、乗っ取り、情報漏えいのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、ハッキング調査の専門家に相談することが重要です。
ハッキング調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。
法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しております。官公庁・上場企業・捜査機関等まで幅広い調査対応経験を持つ専門の担当者が対応させていただきます。
まずは、お気軽にご相談ください。
調査の料金・目安について
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
機器を来社お持込み、またはご発送頂ければ、無料で正確な見積りのご提出が可能です。
まずはお気軽にお電話下さい。
F5アタック後の復旧手順と再発防止策
フォレンジック調査が完了したら、次に必要なのはシステムの復旧と再発防止策の実施です。ここでは、具体的な復旧手順と再発防止策を説明します
以下の手順でシステムを復旧しましょう。
- 攻撃によってダウンしたサーバーを再起動し、正常に動作しているか確認します。
- フォレンジック調査で特定された脆弱性を修正し、ソフトウェアやサーバー設定を最新の状態にします。
- 必要に応じて、セキュリティパッチを適用し、攻撃に対する耐性を強化します。
F5アタックの再発防止策
F5アタックを受けた後は、再発防止のために適切なセキュリティ対策を行う必要があります。代表的な再発防止策は以下の通りです。
- WAFの定期的な更新: WAFの設定やルールを定期的に見直し、新たな攻撃に対しても対応できるようにします。
- トラフィック監視の強化: 常にサーバーのトラフィックを監視し、異常な動きを検知できるようにします。
- 攻撃シミュレーションの実施: 定期的に攻撃シミュレーションを行い、セキュリティ体制をテストし、改善点を洗い出します。
よくある質問
対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。
もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。