パソコンがハッキングされると、機密情報の盗難、データ改ざん、なりすまし、マルウェア感染、犯罪行為の加担、でっち上げ、データリーク(晒し)など、犯罪に悪用される可能性があります。とくに次のような症状があらわれた場合、パソコンがウイルス感染しているか、第三者にハッキングされている可能性があります。
- 「パソコンの動作が遅くなった」
- 「パソコンがクラッシュしたりフリーズしたりする」
- 「不要なポップアップや広告が表示される」
- 「パソコンが勝手に再起動したり、電源が切れたりする」
- 「知らない人からのメールが届く」
もしパソコンにこれらの兆候が見受けられる場合、適切な対処を行わなければ、被害が拡大し、第三者にも被害が及んでしまう可能性があります。この記事では、ハッキングの原因から具体的な対処法までを紹介します。
目次
パソコンがハッキングされるとどうなるのか?
パソコンがハッキングされると、いくつかの重大な影響が生じる可能性があります。パソコンがハッキングされた場合の被害事例は次のとおりです。
これらの被害に遭遇した場合、被害者の個人情報がどのようにアクセスされ、流出したかを解析し、被害の拡大を防ぐための対策を取る必要があります。
しかし、端末から漏えいした情報の調査には、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器の内部構造や、セキュリティに関する専門的な知識と技術が必要とされるため、専門知識と技術を持ったサイバーセキュリティの専門家に調査を依頼することを検討しておきましょう。
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個人情報の漏えい
パソコンがハッキングされると、下記の個人情報が盗まれる可能性があります。
- 個人識別情報
- ログイン情報
- クレジットカード情報
- 銀行口座情報
- 医療情報
- プライベートなメッセージや写真
- 職場関連情報
これら情報は個人はもちろん、組織のプライバシーやセキュリティに深刻な影響を及ぼすため、パソコンのセキュリティ対策を強化し、不正アクセスから身を守ることが重要です。
以下に盗まれやすい個人情報の代表例を列挙します。
個人識別情報
氏名、住所、生年月日などの基本的な個人情報は身元を特定するのに十分な情報となり、不正利用される危険性が高まります。
ログイン情報
オンラインアカウント=SNS、メール、銀行口座などのログインIDやパスワード情報が盗まれると、攻撃者がアカウントに不正アクセスし、個人情報を改ざんしたり、あるいは金銭的被害を引き起こしたりする可能性が高まります。
クレジットカード情報
オンラインショッピングや決済サービスに登録したクレジットカード情報が盗まれると、不正な取引や不正利用が行われる可能性があります。
銀行口座情報
銀行口座番号や暗証番号、振込情報などが盗まれると、攻撃者はあなたの銀行口座から資金を盗み出すか、不正な取引を行う可能性があります。
医療情報
健康診断結果、病歴、保険情報などの医療情報が盗まれると、偽の保険請求や医療関連の詐欺が行われる可能性があります。
プライベートなメッセージや写真
メッセージアプリやクラウドストレージに保存されたプライベートなメッセージや写真が盗まれると、プライバシーが侵害される可能性があります。
職場関連情報
仕事関連の文書、メール、プロジェクトの詳細が盗まれると、企業の機密情報が漏えいし、競争上の問題や法的なトラブルが発生する可能性があります。
不正アクセス
不正アクセスとは、許可なく他人のシステム、ネットワーク、コンピュータなどにアクセスする行為を指します。
この行為は、他人の情報や資源にアクセスすることであり、違法行為とされます。不正アクセスの目的は、情報の窃取、改ざん、破壊、悪意ある活動の実行などが挙げられます。
マルウェア感染
マルウェア(Malicious Software)は、悪意を持って設計されたソフトウェアの総称です。その目的は、コンピュータシステムやデバイスに侵入し、被害を与えることです。
マルウェアの種類は様々ですが、もっとも有名なものが「トロイの木馬」です。
これは有益なアプリケーションを装い、ユーザーが意図せずにダウンロードや実行することで、マルウェアがコンピュータに侵入するものです。これにより、個人情報の窃取やバックドアの設置などが行われることがあります。
「トロイの木馬ウイルスが検出されました」と警告が出た場合の対処方法は下記をご参照ください。
またこれ以外にも、ユーザーの活動や情報を監視・収集する「スパイウェア」などが存在しますが、いずれにせよ感染すると個人情報や認証情報が盗まれる恐れがあります。
この際、フォレンジック調査を行うことで、感染経路やマルウェアの挙動を解析し、被害を最小限に抑えることができます。不安な場合は調査を検討しておきましょう。
スパムメールやDDoS攻撃の中継地点として悪用
ハッキングされると、スパムメールやDDoS(Distributed Denial of Service)攻撃の中継地点として悪用されることがあります。
「スパムメール」とは、偽広告や詐欺的内容を含む大量の電子メールです。これらのメールは受信者の同意なく送られてくることが多く、しばしば「迷惑メール」とも呼ばれます。
また「DDoS攻撃」は、複数のコンピュータやデバイスを利用して、ターゲットのウェブサイトやオンラインサービスを過剰なトラフィックで混乱させる攻撃です。これによって、システムは一時的に利用不可能になり、正規のアクセスを妨げることがあります。
いずれも、被害を受けた端末のシステムがスパムメールの送信に関与していることを知らないケースが多く、場合によっては信頼性や評判が損なわれるリスクがあります。これらのリスクを軽減するためにも不正アクセスの早期発見と原因の調査が重要となります。
パソコンがハッキングされたか調べる方法8選
パソコンがハッキングされたか調べる方法としては次のものがあります。
- セキュリティソフトを使用する
- イベントログを確認する
- ファイルの検索
- ネットワークの監視
- CPUの使用率を確認する
- オンラインツールを利用する
- セキュリティーツールを利用する
- 専門家によるフォレンジック調査を受ける
対処法① セキュリティソフトを使用する
セキュリティソフトは、パソコンが感染しているマルウェアやウイルスを検知し、駆除するために非常に有効です。そのため、パソコンのセキュリティソフトを最新の状態に保ち、スキャンを実行することで、ハッキングによる被害を防ぐことができます。
対処法② イベントログを確認する
ハッキングされた場合、異常なログが記録されていることがあります。この際、イベントログを確認することで、パソコンの動作や、システムに何が起こったかを調べることができます。もし不審なアクティビティが見つかった場合には、適切な対処を行うことが重要です。
以下にWindowsでイベントログを確認する手順を示します。
- 「スタートメニュー」をクリックして、「イベントビューアー」を検索します。
- 「Windowsログ」をクリックし、表示される「システム」や「セキュリティ」、「アプリケーション」の項目をクリックします
- 表示されたログを調べ、不審なアクティビティがないか確認します。例えば、システムログには「システム起動」の情報を調べることで、パソコンの起動時について確認できます。
- 情報の欄に表示されている「イベントID」をクリックすると、詳細な情報を確認することができます。
ただし、イベントログだけでは具体的な被害は特定できません。正確な解析・調査が必要ならば、フォレンジック調査の専門家に相談する必要があります。
官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデント対応経験をもつデジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応・対策方法、お見積りを無料でご案内いたします。お気軽にご相談ください。
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対処法③ ファイルの検索
パソコンがハッキングされた場合、不正なファイルが内部に作成された可能性があります。
ダウンロードフォルダ、一時フォルダ、システムフォルダなど、不審なファイルが存在する可能性があるフォルダを手動で検索しましょう。並行して、コントロールパネルから不審なプログラムがインストールされていないかを確認します。
対処法④ ネットワークの監視
パソコンがハッキングされた場合、外部との不正な通信が行われることがあります。そのため、パソコンが接続しているネットワークのトラフィックを監視することが重要です。
トラフィック監視には、ネットワーク監視ツールを使用することができます。不審な通信があった場合は、それが何らかのマルウェアや攻撃である可能性が高いため、速やかに対処する必要があります。
対処法⑤ CPUの使用率を確認する
お使いのパソコンがハッキングされた場合、いつもと違う動作をしたり、データ使用の急激な増加などの現象がよく見られます。その際、端末の通信異常を確認する、最も簡単な手段が、データ処理・動作を管理する「CPU」のチェックです。
CPUの使用率を確認する方法は以下の通りです。
Windowsの場合
Windowsの場合は、タスクマネージャーでCPUの使用率を確認することができます。
手順は以下の通りです。
- タスクバーの何もない部分を右クリックし、表示されるメニューから「タスクマネージャー」をクリックします。
- タスクマネージャーが表示されるので「詳細」タブをクリックし、「CPU」欄に表示されているCPU使用率を確認します。
Macの場合
Macの場合、手順は次の通りです。
- Finder>「アプリケーション」>「ユーティリティ」>「アクティビティモニタ」 の順序でクリックします。
- 画面で各アプリやプロセスのCPU、メモリなどの使用状況が確認できます。CPUの利用率を確認する場合、上部の 「CPU」 ボタンを押します。
- 確認したい項目をダブルクリックするとさらに詳しい情報が見られます。
もしインストールした覚えのないソフトウェアが存在し、それがCPUを異常に占有している場合は、パソコンのハッキングやウイルス感染の可能性が考えられます。
ただし、CPU占有率で分かる情報は、あくまで間接的な証拠に過ぎず、決定打になならいので、より確実な証拠を得るためには下記の手段で調査を行いましょう。
対処法⑥ オンラインツールを利用する
オンラインツールを利用してハッキングされている疑いがあるかを確認する方法があります。
「Have I Been Pwned(HIBP)」
ハッキングによって個人情報が漏れていないかを確認する手段の一つに「Have I Been Pwned 」(以下、HIBP)というオンラインツールを利用する方法があります。
HIBPは、メールアドレスや電話番号を打ち込むことで、既知のデータ漏えいに自分の個人情報が含まれていないかをチェックすることができます。
最近では、HIBPで検索可能なパスワードとして、FBIが捜査中に入手した流出パスワードも追加されたため、検出精度がより向上したとされています。
この方法では、ハッキングによる情報漏えいを間接的に推測することは出来ますが、確定した事実を特定することは出来ませんので、具体的な被害の調査については、専門業者まで相談しましょう。
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対処法⑦ セキュリティーツールを利用する
ここでは、ウイルスソフトを利用してハッキングの有無を確認する方法を紹介します。
セキュリティーツールの使用方法は以下の通りです。
Windows Defenderを使用する
Windows 10には、Microsoft純正のセキュリティ対策ソフト「Windows Defender」が標準搭載されています。
「Microsoft Defender」は、ランサムウェアやトロイの木馬を強力に遮断するため、それ以外のセキュリティソフトはいらない見方もあるほどです。
- スタートメニューの「更新とセキュリティ」からWindows セキュリティを起動します
- 次に、「ウイルスと脅威の防止」をクリックします
- 「クイックスキャン」をクリックし、ウイルススキャンを開始します
実行したクイックスキャンの他に、「クイックスキャン」の下にある「スキャンのオプション」をクリックすると、複数のスキャン方法を選択・実行することができます。
- クイック スキャン
システム内で脅威が検出されやすいフォルダーをチェックします。 - フル スキャン
すべてのファイルと実行中のプログラムをチェックします。 - カスタム スキャン
チェックするファイルをカスタムに選ぶことができます。
市販のセキュリティ製品を使用する
セキュリティ製品には、パソコンへの不審な挙動を監視したり、不正なハッキングを遮断してくれるものもあります。
ただし、セキュリティソフトによってはウイルスの検知しかできず、ウイルス駆除などの機能は持ち合わせていないものも多く存在します。セキュリティ製品を利用する際には、どのような機能を備えているのか確認してから選ぶようにしましょう。
対処法⑧専門家によるフォレンジック調査を受ける
Windows Defenderや市販のセキュリティ製品では、ハッキングやマルウェア感染の有無を確認できますが、「何の情報が漏えいしたのか」「どのような感染経路でハッキングされたか」までを調べることはできません。
セキュリティ製品に頼るだけでは不十分な場合がありますので、ハッキング被害を受けた可能性がある場合は、専門家に相談することが重要です。
この際、被害の範囲や内容を正確に把握することができる「フォレンジック調査」が有効です。
フォレンジック調査とは
フォレンジック調査とは、コンピューターや電子端末上のデータを保全、収集、分析する調査です。警察の捜査の手法にも採用されています。
例えば、フォレンジック調査でパソコンのハッキングを調査した場合、不正アクセスの有無や、マルウェア感染の有無、ハッキングの侵入経路、個人情報がどの程度の範囲で流出しているかなどを解明することができます。
また、調査会社にフォレンジック調査を依頼すると、詳細な調査結果を知れるだけでなく、調査結果をレポートにまとめてもらえる場合もあります。
フォレンジック調査会社であるデジタルデータフォレンジックでは、3.9万件以上の豊富な相談実績を元に、幅広いインシデントに対応いたします。
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パソコンがハッキングされているサイン
パソコンがハッキングされると現れやすいサインは次のとおりです。
- 動作が遅くなる・パソコンがフリーズする
- ファイルやデータの消失または変更
- 自分のアカウントにログインできなくなる
- ポップアップ広告が表示される
- 送り主不明のメッセージやメールが送信されている
- 状態表示ランプが点灯し、パソコンが遠隔操作される
- データ使用量が通常よりも大幅に増加している
- パソコンのセキュリティソフトから警告を受ける
- 利用した覚えのないサービスの請求や設定の変更通知が来る
- 知人や警察から個人情報が流出していると伝えられる
パソコンがハッキングされたときの症状については以下の記事でも紹介していますので是非参考にしてください。
動作が遅くなる・パソコンがフリーズする
ハッキングされたパソコンでは、不正なプログラムが実行されるため、動作が鈍くなったり、パソコンが頻繁にフリーズしたりすることがあります。大容量のデータを利用していないにもかかわらず、動作が遅い場合は要注意です。
ファイルやデータの消失または変更
突然、重要なファイルが見つからなくなったり、保存されていたデータが壊れている場合、ハッカーがパソコンに侵入し、重要な情報を削除したり、改ざんしたりしている恐れがあります。
これらの変更がある場合は、ハッキングの可能性を考慮して、他に被害が出ていないか確認し、必要に応じてハッキング調査やセキュリティ対策を行いましょう。
自分のアカウントにログインできなくなる
パソコンがハッキングされると、自身のアカウントに不正アクセスが発生し、アカウントにログインできなくなることもあります。他には自分の名前やメールアドレスを使用してなりすましが行われ、スパムメッセージが知人に送信される場合もあります。
不正なアカウントの活動がある場合は、まずはパスワードを変更し、関連するウェブサービスやプラットフォームに報告しましょう。これによって、ハッキングの被害を最小限に抑えることができます。
ポップアップ広告が表示される
ハッキングされたパソコンでは、不正な広告やポップアップウィンドウが頻繁に表示される場合があります。これらの広告は通常、迷惑な内容や不正なリンクを含んでいます。
送り主の不明のメッセージやメールが受信される
送り主が不明のメッセージやメールを受信した場合、フィッシング詐欺やマルウェアの配布を目的としており、リンクをクリックさせたり、添付ファイルを開かせたりすることで、情報漏えいやデータを暗号化するランサムウェアに感染してしまうケースもあり、企業が営業停止に追い込まれるなど被害が甚大となる恐れもあります。
まず送り主のアドレスを確認し、見覚えのないアドレスやドメインであれば破棄しましょう。また、リンクや添付ファイルを絶対にクリックしないように注意してください。これにより、マルウェアのインストールや個人情報の流出を防ぐことができます。
差出人不明のメッセージやメールには、「アカウントが不正使用されています」や「重要な更新があります」など緊急性の高そうな文言が使われます。URLなどに遷移してしまうと本物とそっくりな偽サイトに移動し、被害を受ける可能性があるため、注意しましょう。
同様に、突然パスワードに関するメールや2段階認証コードを求めるメールが届いた場合もハッキングによる不正アクセスを受けた可能性があります。誤って権限を許可しないように注意して下さい。
状態表示ランプが点灯し、パソコンが遠隔操作される
ハッキングされたパソコンでは、ハッカーが遠隔から制御し、個人情報の収集や監視、不正な操作などを行う可能性があります。この時、パソコンを操作していないにも関わらず、状態表示ランプと呼ばれる、パソコンの状態を示すランプが点灯することがあります。
その他にもパソコンを操作していない時にWebカメラが動作するなど、不自然な動作が頻繁にみられる場合は、パソコンの動作を監視するスパイウェアのインストールなどに感染している可能性があります。
パソコンが遠隔操作された場合の兆候から対策・対処法については下記の記事でも詳しく解説しています。
データ使用量が通常よりも大幅に増加している
ハッキングされたパソコンでよく見られるサインの一つは「データ使用量が通常よりも大幅に増加している」ことです。なぜならハッキングされたパソコンでは、不正なプロセスやマルウェアが実行されやすく、大量のデータが送信されたりするからです。その結果、通信回線が急激に肥大化し、通常よりもはるかに多くのデータ通信が使用されることがあります。
この時個人情報の盗み出しや不正なデータ送信、ボットネットへの参加などのために大量のデータを送信することがあります。
パソコンのセキュリティソフトから警告を受ける
パソコンがハッキングされている兆候の一つとして、セキュリティソフトから警告を受けることがあります。これは、セキュリティソフトが不正アクセスやマルウェアの存在を検出した際に表示されるアラートです。警告メッセージには、ウイルス感染の疑い、スパイウェアの検出、不正アクセスの試みなどが含まれることが多いです。
パソコンにインストールしたセキュリティソフトからの警告は無視せず、直ちに確認することが重要です。警告に従ってシステム全体をスキャンし、検出されたマルウェアなどを削除します。
なお、セキュリティソフトの警告の中には偽警告(フェイクアラート)と呼ばれるタイプのものもあります。
パソコンにインストールされていないソフトウェアから「あなたのPCは感染しています。」などと急に表示された場合、警告の内容は偽物である可能性が極めて高いです。
セキュリティソフトの警告が本物か偽物か見分けがつかない方は、以下の記事で対処法などを記載しています。ぜひ参考にしてください。
利用した覚えのないサービスの請求や設定の変更通知が来る
利用した覚えのないサービスの請求や設定の変更通知がパソコンに届いた場合、パソコンに保存した個人情報やクレジットカード情報が盗まれ、不正利用された可能性があります。
クレジットカードなどの不正利用や、端末の設定が勝手に変更された場合、クレジットカード会社や銀行の窓口に相談したり、自分のアカウントにログインして速やかにパスワードを変更しましょう。
知人や警察から個人情報が流出していると伝えられる
パソコンがハッキングされて個人情報が流出すると情報が悪用され、詐欺やなりすましが行われることがあります。
具体的には、被害者のメールアドレスを使用して知人にフィッシングメールを送信したり、SNSアカウントを乗っ取り、本人になりすまして発信を行うケースが考えられます。こうした不審なメッセージを受け取った知人本人や、捜査を行った警察によって情報流出が判明することがあります。
このように第三者から情報漏洩の事実を知った場合、再発防止を防ぐために、一度端末に不正アクセスや情報漏洩がないか調査するとよいでしょう。専門家によるフォレンジック調査なら、不正通信の有無や端末からの情報漏洩の有無、マルウェア感染の有無など詳細な調査を行うことが可能です。
ハッキング被害が想定される際の注意点
バックアップを用いた応急処置だけでは不十分
ハッキング被害が発生した場合、企業は迅速な対応が求められます。
しかし、単にバックアップを用いたシステムの再構築を行うだけでは、今後も同様の被害を受ける可能性があるため不十分です。
したがって企業はフォレンジック調査により、システムの脆弱性を評価し、データ漏えいの把握はもちろん、不正アクセス対策を講じる必要があります。
被害を受けた企業はデータ漏えいなどの可能性を考慮する必要がある
ハッキング被害を受けた企業は、単にシステムの再構築やデータの復旧に留まらず、データ漏えいや機密情報の流出の可能性を考慮する必要があります。
ハッカーによって取得された情報が不正利用されるリスクもあるため、被害の範囲や漏えいの有無を調査し、必要な対応を取ることが重要です。
パソコンがハッキングされやすい環境
下記の要素が組み合わさることで、ハッキングの標的となりやすい環境が生まれます。
- 脆弱性の存在
- 不適切なセキュリティ対策
- 社内の教育不足
- リモートアクセスの利用
脆弱性の存在
ソフトウェアのバグや設定ミスなどによって、システムやネットワークに脆弱性が存在する場合、ハッカーはそれを悪用して侵入しやすくなります。
不適切なセキュリティ対策
十分なセキュリティ対策が講じられていない場合、ハッカーは攻撃を成功させやすくなります。
攻撃リスクが高まる要因としては「不適切なパスワード」「ファイアウォールや侵入検知システムの不備」「セキュリティパッチやアップデートの未適用」などが含まれます。
社内の教育不足
従業員がセキュリティに関する教育や訓練を受けていない場合、ハッカーや産業スパイはセキュリティの脆弱性をついた攻撃や、ソーシャルエンジニアリング(のぞき見など)によって機密情報を入手し、不正アクセスなどを行うことがあります。
リモートアクセスの利用
リモートアクセス(RDP)やテレワークが増えた現代社会では、ネットワークへの外部からのアクセスが増えました。不正なアクセス経路が存在する場合、ハッカーはそこから侵入を試みることができます。
リモートアクセス経由でのハッキングについては、下記の記事で詳しく解説しています。
ハッキングの標的となりやすい業種
特定の業種は、ハッカーにとって魅力的な標的とされることがあります。以下に一部の具体的な業種の例を挙げますが、これらに限定されるものではありません。
- 金融業界
- 医療業界
- テクノロジー企業
- 政府機関
- エネルギー産業
金融業界
銀行や保険会社などの金融機関は、大量の金銭的価値や顧客の個人情報を保有しているため、ハッカーにとって魅力的な標的となります。銀行口座情報、クレジットカード情報、取引データなどは、攻撃者にとって貴重な情報です。
医療業界
医療機関は、患者の医療記録や個人情報を保有しており、これらの情報はダークウェブ市場で非常に高い価値を持っています。
また、医療機器や医療システムへの攻撃は重大な影響を及ぼしやすく、それを悪用して身代金を要求するランサムウェアの攻撃も相次いでいます。
テクノロジー企業
ソフトウェア開発企業やテクノロジー企業は、アプリケーションの設計図や、ソフトウェアコードなど、革新的技術や知的財産を数多く保有しているため、ハッカーはこれら企業から機密情報や研究成果を盗み出し、それを競合他社に販売されたりする可能性があります。
政府機関
政府機関は、国家の安全保障や行政活動に関わる重要な情報を保有しています。場合によってハッカーは政府機関を標的にし、機密情報や政府のネットワークに侵入しようとします。
エネルギー産業
電力会社や原子力発電所などのエネルギー産業は、インフラの一部であり、攻撃の標的にされる可能性があります。ハッカーはエネルギー供給の妨害やシステムの制御を狙うことがあります。
ハッキングが疑われる場合、企業はどう対応すべきか
企業のパソコンがのハッキングの被害が疑われる場合、組織として適切な対応は以下の通りです。
①担当者に報告する
ハッキングの疑いがある場合は、ITセキュリティチームや上級管理者に迅速に報告し、対応策を講じることが重要です。これが遅れると被害はより拡大し、問題の解決により多くの時間が必要になる可能性があります。なお報告時には、以下の情報を提供することをおすすめします。
- 攻撃の日時、頻度、および方法
- 攻撃の種類(例:マルウェア、フィッシング、DDoSなど)
- 攻撃が発生したシステムの場所、および被害が及んだ範囲
- その他の関連する情報
以上の情報を提供することで、報告先のチームや担当者は、より適切な対策を講じることができます。また、報告後は、被害の拡大を防ぐために、社内の関係者にも速やかに通知することをお勧めします。
②インシデントレスポンスプランの適用
インシデントレスポンスプランは、インシデント発生時において迅速かつ正確な情報収集を行い、適切に対応するために必要不可欠です。この計画により、調査と対応の手順が明確化され、迅速かつ効果的な対応が行えるようになります。
また、計画は継続的に見直し、改善される必要があります。特に、新しい脅威や攻撃法が現れるたびに、計画の見直しが必要になる場合があります。組織はプランの策定、適用、見直しについて、専門的な知識を持つスタッフを配置することが望ましいでしょう。
③システムの影響と被害の範囲を評価し、侵入経路を特定
攻撃手法や侵入経路、インシデントの影響範囲を特定することで、インシデントの詳細な調査と報告が可能になり、同様の攻撃を未然に防ぐための対策が打てます。またこれにより、法的手続きや保険請求に対応できます。
ただし、正確にインシデントの影響範囲や侵入経路を特定するには、多様な攻撃手法や脆弱性を理解する必要があります。そしてこれには高度な専門知識が必要です。これらの知識を持たない場合、被害の範囲を正確に評価することが難しいため、より正確かつ確実な調査をおこなう場合は、フォレンジック専門業者に対応を依頼することをおすすめします。
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④フォレンジック調査専門業者に依頼する
ハッキングが発生した場合は、フォレンジック調査の専門家に相談しましょう。
フォレンジック調査の専門家は豊富な知識と経験を持っており、どのデータや情報が漏えいしたか、あるいは被害の度合いを法的に評価し、損害額の評価を行うこともできます。これにより、具体的な被害範囲の把握に貢献できます。
ただし、フォレンジックには専門的スキルと法的知識が要求されるため、ハッキングが疑われる場合は、速やかにフォレンジックの専門家に連絡することが重要です。
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特に次のような疑問がある場合、専門家まで対応を依頼されることをおすすめします。
- 「漏えいによって個人情報が、どの範囲まで流出したのか?」
- 「漏えい情報が他の企業や組織にも影響を及ぼすのではないか?」
- 「インシデントの影響がどれくらい長期間にわたるのか?」
- 「漏えいした情報が悪用される可能性が知りたい?」
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※2 累計ご相談件数32,377件を突破(期間:2016年9月1日~)
⑤システムの分析と復旧
もしハッキングが疑われた場合、その原因を特定するために、システムの分析を行う必要があります。このプロセスには、システムのログファイルの確認、不正アクセスの証拠の収集、およびセキュリティホールの特定が含まれます。
⑥顧客や関係者への通知
ハッキングが発生した場合、関係者に速やかに通知しましょう。通知を怠ると、関係者が情報漏洩の危険性に気づかず、被害が拡大する可能性があります。そのため、通知は遅れることなく、速やかに行われるべきです。
また、通知には適切な方法があります。たとえば、関係者にメールや電話で直接通知することが考えられます。また、社内の掲示板や公式サイトを通じて、関係者に情報を提供することもできます。通知の方法は、情報の重要性や関係者の数に応じて適切に選択するべきです。
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ハッキング調査が必要なときは、専門業者へ依頼する
ハッキング、不正アクセス、乗っ取り、情報漏えいのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
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フォレンジック専門業者に相談するメリット
フォレンジック調査を行うことで、以下のことが可能になります。
- 不正アクセスの痕跡を特定して、攻撃者の手口を解明する
- 漏洩したデータや、データ漏えいの規模など被害範囲を把握する
- 被害を最小限に抑えるための対策を講じることができる
フォレンジック調査は、被害を最小限に抑えるための重要な手段です。パソコンがハッキングされた場合は、早めにフォレンジック調査を依頼することをおすすめします。
フォレンジック調査の詳細については下記の記事でも詳しく解説しています。
なぜフォレンジック調査が必要なのか
セキュリティインシデントの被害を最小限に抑えるためには、正確な調査と迅速な対応が必要不可欠です。
専門的なノウハウを持たない中で、個人ないし自社のみで調査を行うと、実態を正確に把握できない可能性が高まるだけでなく、取引先や行政等へ報告が必要な場合、 自社調査のみだと信憑性が疑われ、さらなる信用失墜につながる危険性があります。
もし組織や社内でサイバーインシデントが発生した際、調査の実施が未確定の場合でも、まずは信頼性の高いフォレンジック業者に一度相談することをおすすめします。
私たちデジタルデータフォレンジックは、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む累計3.2万件の対応経験があり、サイバー攻撃経路や漏えいしたデータを迅速に特定します。
緊急性の高いサイバー攻撃被害にも迅速に対応できるよう、24時間365日体制で相談、見積もりを無料で受け付けておりますので、お電話またはメールでお気軽にお問い合わせください。
企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
「ランサムウェア・マルウェアに感染した」、「ハッキングによる情報漏えいが疑われる」 このような場合、被害範囲や不正行為の経路を調べることが大切です。
特に2022年4月施行の「改正個人情報保護法」では、財産的被害が生じるおそれのある個人データの漏えい等が発覚した場合、法人に以下の義務が課せられました。つまり、被害調査を行うことは再発防止のためだけでなく、個人情報取扱事業者の義務でもあります。
- 個人情報保護委員会への報告:当該企業は、個人情報保護委員会に漏えいの報告を行う。
- 当該個人に対する通知:当該企業は、個人情報漏えいの被害を受けた個人に通知を行う。
仮に、悪質な管理体制で個人情報の不正流用が発生した、もしくは措置命令違反があった場合、最高で1億円の罰金が科せられる恐れもあります。したがって情報漏えい時、どの情報が、どのように漏えいしたのかを調査し、今後の対応や予防策を考える必要があります。
ただし、被害の調査を行う場合、専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難であるため、フォレンジック専門家と提携して調査することをおすすめします。
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インシデントが発生した際、フォレンジック調査を行うか決定していない段階でも、今後のプロセス整理のために、まずは実績のある専門会社へ相談することを推奨しています。
取引先や行政に報告する際、自社での調査だけでは、正確な情報は得られません。むしろ意図的にデータ改ざん・削除されている場合は、情報の信頼性が問われることもあります。
インシデント時は、第三者機関に調査を依頼し、情報収集を行うことを検討しましょう。
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主なハッキングの手法・手口
最後に、主なパソコンのハッキングの手口について解説します。一般的には以下のような理由が挙げられます。
- パスワードクラッキング
- フィッシング
- ソーシャルエンジニアリング
- マルウェア感染(Emotet、ランサムウェアなど)
- ゼロデイ攻撃
この際、ハッキングの原因となった脆弱性を修正しなければ、同様の攻撃に再びさらされる可能性があります。そのため、常に最新のセキュリティ対策の強化が必要となってきます。
パスワードクラッキング
パスワードクラッキングとは、ネットワーク上の認証画面で、ハッカーがシステムやアカウントのパスワードを解読する手法です。これには辞書攻撃(パスワードリスト攻撃)や総当たり攻撃などの方法が使われ、弱いパスワードを突破することで不正アクセスを試みます。
以下は、弱いパスワードの例です。
- パスワード:パスワードという単語そのものをパスワードにする
- 123456:数字の連続した単純なパスワード
- abc123:簡単に推測できる英数字のパスワード
- qwerty:キーボードの連続する文字列を並べたパスワード
- password1:一般的なパスワードで、数字が付いているだけ
- 111111:数字の連続した単純なパスワード
- admin:システム管理者の名前を使ったパスワード
- monkey:一般的な単語を使ったパスワード
これらのパスワードは、簡単に推測されたり、辞書攻撃などで破られたりする可能性が高く、セキュリティ上のリスクが大きいです。
一方で、強力なパスワードを設定することで、アカウントの安全性を向上させることができます。強力なパスワードの特徴としては、次のとおりになります。
- 長い:内閣サイバーセキュリティセンターによると、パスワードは10文字以上で、大文字、小文字、数字、記号を組み合わせて使用する必要があります。
- 複雑:パスワードは、単語やフレーズではなく、ランダムな文字の組み合わせで構成する必要があります。
- ユニーク:パスワードは各アカウントに異なるものを使用する必要があります。
なお、強力なパスワードを生成する場合、オンラインのパスワード生成ツールを使用すると、強力かつユニークなパスワードを生成できます。
フィッシング
フィッシングは、ハッカーが偽のウェブサイトや電子メール(偽SMSや偽メール)を用いて、ユーザーから個人情報やログイン情報を詐取する手法です。
入力に限らずリンクや添付ファイルをクリックするとマルウェアがインストールされる恐れもあるため、メールの送信元とリンクをクリックする前に、メールに注意してください。
悪意のソフトウェア(マルウェア)のインストール
フィッシング詐欺でインストールされたソフトウェアには悪意のあるプログラムやマルウェアが含まれることがあり、機密情報が盗まれたり遠隔操作される恐れがあります。
例えば、「スパイウェア」は個人情報を盗むため、「ボットネット」は攻撃者が複数のパソコンをコントロールするために使用されます。そのため、フィッシング詐欺でインストールされたソフトウェアに注意し、被害の調査を実施する必要があります。
このさいハッキング調査の専門家は、以下のことを調査することができます。
- 漏えいしたデータ
- 遠隔操作の被害範囲
- 脆弱性の存在場所
私たちデジタルデータフォレンジック(DDF)には、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験がある専門エンジニアが40名以上在籍しており、24時間365日体制で相談や見積もりを無料で受け付けています。まずはお気軽にご相談ください。
個人情報の盗難・金銭被害・スパムメールの拡散
フィッシングサイトで入力した個人情報は、不正利用される恐れがあります。
たとえばクレジットカード番号や有効期限、セキュリティコードなどの情報を入力すると、不正にクレジットカードを使用される可能性があります。
また攻撃者は、盗んだ個人情報を使用して、偽メール(スパムメール)を作成し、関係者に拡散することで、自分だけでなく周囲にまで被害が拡大する恐れがあります。
ソーシャルエンジニアリング
ソーシャルエンジニアリングは、人間の心理的弱点を利用して機密情報を取得するサイバー攻撃の一つです。具体的な手口としては「電話やメールで偽の身分を装って情報を聞き出す」、「他人が操作する画面をのぞき見する」などアナログな手法が含まれます。
マルウェア感染
マルウェア感染は、ハッカーが悪意のあるソフトウェア(マルウェア)を利用してシステムやネットワークに侵入する手法です。
たとえばEmotetやランサムウェアなどのマルウェアは、データ破壊や個人情報の盗難などの被害を引き起こす可能性があります。
ゼロデイ攻撃
ゼロデイ攻撃は、脆弱性が公表された後、パッチが配布されるまでの間、脆弱性を利用して攻撃を行う手法です。このような攻撃は、一般的にマルウェアやスパイウェアを使用して行われることが多く、最新のセキュリティソフトを使用することが重要です。また、脆弱性を最小限に抑えるためにも、常にアップデートやパッチの配布を追跡することが重要です。
よくある質問
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