サイバー攻撃

JAXAがサイバー攻撃により情報漏洩を発表

この記事ではJAXAがサイバー攻撃により情報漏洩を発表した件について手口や対応、専門家の意見までまとめています。
本記事は、プレスリリースや報道記事などの情報をもとに作成しています。

JAXAは2023年に発生した不正アクセスによる情報漏洩への対応状況について、2024年7月5日付けで公式サイトにて発表しました。

この報告で明らかになっている、JAXAが受けたサイバー攻撃の概要は以下の通りです。

出典:JAXA

サイバー攻撃により、JAXAから機密資料を含む1万件以上のファイルが流出

2023年6月、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)は大規模なサイバー攻撃を受け、機密資料を含む1万件以上のファイルが流出しました。この攻撃は複数回発生しており、さらに多くの情報が盗まれた可能性についての調査が2024年7月5日現在進行中です。

JAXAは、2023年の侵入では国家安全保障やロケット技術に関する機密情報は盗まれなかったと述べていますが、JAXA職員および協力会社の従業員約5,000人の個人情報が流出し、JAXA役員のMicrosoft 365アカウントにアクセスするために使用されたと報じられています。

JAXAが攻撃被害を確認したのは最初の攻撃から4ヶ月後

一部報道によると、2023年6月の最初の攻撃から4か月後に警察がJAXAに連絡したことで、サイバー攻撃を受けたことが初めて発覚しました。JAXAが委託した外部調査では、侵入の痕跡やその他の証拠に基づき、中国のハッカー集団の関与が指摘されています。

サイバー攻撃の手口はVPNの脆弱性を悪用したものと判明

複数回における攻撃のいずれのケースでも、ハッカーはVPN(仮想プライベートネットワーク)の脆弱性を悪用し、東京西部にあるJAXA調布航空宇宙センター内の研究ネットワークと業務ネットワークに不正アクセスしたとみられています。JAXAは、ロケットの打ち上げや輸送に使われるネットワークは、今回攻撃を受けた業務ネットワークとは別のものであると主張しています​。

VPNとは「Virtual Private Network」の略称で、「仮想専用通信網」と訳されます。インターネット上でこのVPNを使用して接続することをVPN接続と呼びます。
「カプセル化」などの技術を用いることで、拠点間をいわば仮想の専用線で結び、安全に情報をやり取りすることができるようにする仕組みです。

JAXAに対する過去のサイバー攻撃

JAXAは2016年と2017年にもサイバー攻撃を受けたと発表しています。一連の攻撃はハッカーらが意図的にJAXAを狙ったものであり、警察によると、中国のハッカー集団によるものと判明しています。

さらに機密情報が漏洩する危険性も

2023年の攻撃では個人情報は漏洩しています。JAXA役員のMicrosoft 365アカウントにアクセスするために使用されたと報じられているため、認証情報が洩れている可能性が高いです。

漏洩した情報の中に、権限の強いアカウントの認証情報などが含まれている場合、そのアカウントを利用してさらなるサイバー攻撃の可能性がありますので、一度漏洩した情報からアクセスできる権限の管理、監視はこれまで以上に対策していく必要があります。

また、今回の攻撃はVPNの脆弱性を悪用したものでしたが、弊社で対応してきたランサムウェアの感染経路として最も多いのがVPNの脆弱性によるものです。

VPNは通信の暗号化により安全性の高い通信規格とされてきた一方で、推奨される運用をしなければ簡単に突破されてしまう可能性があります。VPNの脆弱性を解消するためにはVPNのバージョンは常に最新の状態にアップデートしておくことが重要です。

サイバー攻撃の被害に遭った場合は、フォレンジック調査を専門企業に依頼する事をお勧めします。

フォレンジック調査とは

フォレンジック調査とは、サイバー攻撃、情報漏えい、データ改ざんなどのセキュリティ関連インシデントが発生した際に、その原因を特定し、被害の範囲や影響を明らかにするための詳細な調査手法です。

もともとフォレンジック調査は、犯罪や事件が起きた時、その現場から犯行の手掛かりとなる「鑑識」を指していました。特にデジタルデータからの証拠収集・分析は「デジタル鑑識」あるいは「デジタル・フォレンジック」とも呼ばれます。

インシデントが起きた場合、特定の機関に報告義務が発生する場合があります。自社だけの調査では、調査報告をしても認められない場合があり、第三者機関で調査を行うのが一般的です。

私たちデジタルデータフォレンジック(DDF)には、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応実績があり、IPAからも承認を得ています。

相談や見積もりを無料で受け付けています。いつでも対応できるよう、24時間365日体制でご相談を受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

\相談から最短30分でWeb打ち合わせを開催/

 

DDFは累計ご相談件数3.2万件以上のフォレンジック調査サービスです

累計ご相談件数32,377件以上の豊富な実績

まとめ

今回の記事では、2023年に発生したJAXAに対するサイバー攻撃について取り上げました。

サイバー攻撃は、JAXAのような最先端の研究を行う機関だけではなく、一般的な企業も標的にされているので十分な対策をして備えましょう。

関連記事

代表的なサイバー攻撃の種類は?被害事例や対策を専門業者が解説本記事では、代表的なサイバー攻撃の種類や被害事例を紹介しています。サイバー攻撃を受けた可能性が少しでもある場合は、自己判断で対処せず、専門業者に相談しましょう。デジタルデータフォレンジック(DDF)ではサイバー攻撃によるウイルスの感染経路の特定や被害の全容把握が可能です。365日年中無休・相談見積無料。法人個人問わずインシデントに幅広く対応。...
【サイバー攻撃被害事例】攻撃の種類やリスク、対処法を紹介サイバー攻撃のリスクは日々増加しており、個人から大企業まで誰もがその標的になり得ます。この記事では、サイバー攻撃の被害事例から発生するリスク、予防策から対処法までを解説しています。情報漏洩やサービス停止のリスクを防止するようにしましょう。...
ニコニコ動画がランサムウェア感染、サイバー攻撃を受けたらどんな影響・被害が生じるのか解説ニコニコがランサムウェア感染し受けた被害状況や復旧までの見通しを解説。被害に遭った場合は、調査機関にて被害を早急に調査することが重要です。当サービスはデータ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売上No.1、復旧ご相談件数約41万件、データ復旧率95.2%の実力を活かしたフォレンジックサービスを提供しています。...

この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数32,377件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

電話で相談するメールで相談する
フォームでのお問い合わせはこちら
  • 入力
  • 矢印
  • 送信完了
必 須
任 意
任 意
任 意
必 須
必 須
必 須
必 須
必 須
必 須
簡易アンケートにご協力お願いいたします。(当てはまるものを選択してください) 
 ハッキングや情報漏洩を防止するセキュリティ対策に興味がある
 社内不正の防止・PCの監視システムに興味がある