パソコンが以下のいずれかの状態から動作を再開したタイミングを「起動時間」と呼びます。
- 電源オフ状態からの通常起動
- OSの再起動(リブート)
- スリープや休止状態からの復帰
パソコンの起動時間や使用履歴を確認する場面として、社内での不正操作、想定外のトラブル発生時、あるいは勤務実態の調査など、客観的な行動履歴を把握する必要があるとき、起動・終了の正確な時刻情報は極めて重要な手がかりになります。
本記事では、パソコンの起動時間の確認方法、さらに調査時に注意すべきポイントまで、専門的な視点からわかりやすく解説します。調査ミスや証拠消失を避けるためにも、ぜひ一通りご確認ください。
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パソコンの起動時間の把握が必要な理由
パソコンの起動時間の把握が必要な理由は以下の通りです。
パソコンに発生した障害の原因特定につながるため
PCの起動・再起動のタイミングは、システムトラブルの初動分析において極めて重要な手がかりとなります。
たとえば「業務開始時にアプリケーションが起動しない」「特定の時間帯に強制再起動が発生していた」といったケースでは、起動履歴と突き合わせることで、ソフトウェア更新、電源障害、ハードウェア異常などの原因を早期に特定することが可能になります。
パソコンの利用実態・勤務状況が可視化できるため
企業における端末管理においては、起動時間をもとに従業員のPC利用実態を把握することができます。特に在宅勤務やフレックス制度が浸透する中で、「いつ業務端末が使用されているか」の記録は、勤怠管理や生産性分析の補完データとしても活用されています。
これは勤務時間外での端末利用の有無が、情報漏洩リスクや不正操作の兆候検知にもつながるためです。
不正アクセスや社内不正の証拠となることがあるため
起動時間の記録は、不正アクセスのようなサイバー攻撃や社内不正といった事案でOSの起動ログが時系列分析の中心的データとなります。
- 深夜帯の端末起動とUSB接続ログの一致
- 不審な再起動とマルウェア挙動の関連性
- 退職者のアカウントが端末をリモート起動していた痕跡
このように、端末の利用状況を時系列で正確に把握することは、不正アクセスや情報漏洩の兆候を検知・追跡するうえで不可欠です。起動時間の記録は、システムの内部状態が自動的に記録するため、改ざん耐性が高く、他ログと突き合わせることで信頼性の高い証拠となります。
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パソコンの起動時間の確認方法
パソコンの起動時間の確認方法は以下の通りです。
タスクマネージャーで稼働時間をチェックする
Windowsでは「Ctrl+Shift+Esc」を押して現れるタスクマネージャーの「パフォーマンス」タブで、現在の稼働時間(アップタイム)を確認可能です。
ただし、この方法でわかるのは「今現在の稼働時間」です。再起動するたびにリセットされるため、直近の稼働時間しか分からないことに注意しましょう。
コマンドプロンプト(systeminfoコマンド)で確認
以下の手順で、最後の起動時間を取得できます。
- [Windows]キーを押し「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを起動
- 「systeminfo」と入力してEnterキーを押す
- 表示された情報の中にある「システム起動時間」を確認
ただし、この方法も「現在の起動時刻」のみで、履歴までは取得できません。
イベントビューアーから確認する
最も信頼性が高いのがイベントビューアーによる調査です。Windowsの内部イベントログを分析することで、起動・終了・ログオンなどの時刻履歴を詳細に確認できます。
イベントビューアーからは以下のような情報を取得できます。
- 電源投入やシャットダウンの正確な時刻
- システムエラーによる強制終了
- ユーザーアカウントのログオン・ログオフ
イベントビューアーを使った詳細な起動時刻・シャットダウン時刻の確認方法は以下の通りです。
- 「スタートメニュー」開く
- 「eventvwr」と入力してEnterキーを押す
- 「Windowsログ」→「システム」の順に開く
- パソコンの起動・シャットダウン関連イベントを絞り込む
- システムログを右クリックして「現在のログのフィルター」を選択
- 表示されたイベントを確認する

【補足】イベントIDの意味
イベントビューアーの「Windowsログ」から「システム」を開くと、イベントID付きの履歴が表示されます。以下に主なIDと意味を紹介します。
イベントID | 意味 |
---|---|
6005 | 「イベントログサービスが開始された」=PCの起動を示す(準起動ログ) |
6006 | 「イベントログサービスが停止した」=PCのシャットダウン |
6008 | 「正常にシャットダウンされなかった」=異常終了の可能性あり |
6013 | 「システムの稼働時間」=Uptime(起動してからの経過時間) |
12 | 「OS起動が開始された」=カーネルブート開始(より精密な起動情報) |
13 | 「OSがブートされた」=カーネルブート成功(OS起動完了) |
1(Kernel-General) | 「システムの起動」時のログ(Windows 10以降の新しいログ) |
これらを活用し、調査対象の期間や時刻を特定できます。

パソコンの起動・終了履歴調査の注意点
パソコンの起動・終了履歴を調査する場合、以下の点に注意しましょう。
ログの保存期間超過によるデータ上書き・消失に注意する
ログは一定期間経過すると自動で上書きされる場合があり、過去の情報が消えてしまうリスクがあります。調査が必要になったらできるだけ早くログをバックアップする必要があります。
システム時刻の改ざんに注意する
悪意あるユーザーが意図的にシステム時刻を変更し、証拠隠滅を図るケースが存在も存在します。ログの時系列に不自然な矛盾や、イベントIDの順序が前後している場合は、改ざんの可能性を考慮しましょう。
ただし、NTP(時刻同期設定)の不備やシステムクロックの不具合によっても時刻の乱れは発生するため、状況を総合的に判断する必要があります。
調査ログが改ざんされないよう注意する
調査対象のログを直接操作すると証拠価値が失われる可能性がある。そのため、調査用の媒体にエクスポートし、元データを変更しないことが基本である。必要に応じて調査対象PCをネットワークから隔離し、フォレンジック手法に基づいてデータ保全を行うのが望ましい。
証拠能力の高いデータを取得・維持するには、専門家によるフォレンジック調査が有効である。
フォレンジックとは、電子データを改ざんリスクを最小化しつつ正確に取得・解析する手法であり、以下のような対応が可能となる。
- イベントログ改ざんの痕跡特定
- 削除されたログの復元
- ディスクイメージの完全複製とハッシュ値による証拠保全
社内不正や労務トラブル、訴訟リスクが絡むケースでは、専門業者との連携によるフォレンジック調査の導入を検討しましょう。
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