Safariは、Appleの製品ラインナップに組み込まれた標準ブラウザであり、多くのユーザーが日常的に利用しています。しかし、Safariにも情報漏洩やセキュリティの脆弱性が存在することがあります。この記事では、Safariを使用している際に発生する可能性のある情報漏洩について、その原因と対策方法を詳しく解説します。セキュリティ強化を行い、安全なブラウジング体験を確保するための具体的な手順を提供します。
目次
Safariで情報漏洩が発生する原因
Safariにおける情報漏洩は、さまざまな脆弱性や攻撃手法によって引き起こされます。ここでは、代表的な原因をいくつか紹介します。
iLeakage攻撃
iLeakage攻撃は、Spectre型のサイドチャネル攻撃の一種であり、Safariの脆弱性を悪用して機密情報を盗む攻撃です。この攻撃は主に以下のような特徴を持っています。
- Safariをターゲットとする攻撃
- Mac、iPhone、iPadに影響
- パスワードや個人情報の漏洩が発生する可能性
ユーザーが悪意のあるサイトに誘導され、そのサイトが自動的に他のページを開くことで、Safariのレンダリングプロセスの脆弱性を利用して情報が盗み取られます。対策としては、Safariの最新バージョンを利用し、信頼できないサイトへのアクセスを避けることが有効です。
WebKitの脆弱性
SafariはWebKitエンジンを使用していますが、このエンジンに発見されたゼロデイ脆弱性(CVE-2024-23222)は、悪意のあるコードの実行を可能にするものです。影響範囲は以下の通りです。
- iPhones、iPads、Macs、Apple TVsに影響
- 任意のコード実行が可能
この脆弱性を悪用することで、攻撃者はSafariを通じてデバイスにアクセスし、データを盗む可能性があります。WebKitの脆弱性を防ぐためには、Appleが提供する最新のセキュリティアップデートを適用することが必要です。
IndexedDB APIの脆弱性
Safari 15で導入されたIndexedDB APIには、同一オリジンポリシーに違反する脆弱性が発見されています。この脆弱性を利用すると、異なるウェブサイト間でユーザーのデータが漏洩する可能性があります。影響は次の通りです。
- ユーザーのアイデンティティやウェブ履歴が漏洩する可能性
- macOS、iOS、iPadOSに影響
この脆弱性に対処するには、常にブラウザの最新バージョンにアップデートすることが必要です。また、Safariを使用する際は、セキュリティ設定を確認し、不審なサイトへのアクセスを避けましょう。
HM Surf脆弱性
HM Surf脆弱性は、macOSのTransparency, Consent, and Control(TCC)フレームワークに影響を与え、Safariブラウザのディレクトリのプライバシー設定をバイパスするものです。この脆弱性を利用することで、攻撃者は以下のデータにアクセスできます。
- カメラやマイクのデータ
- 位置情報やその他の機密データ
この脆弱性に対する対策は、macOSを最新バージョンにアップデートし、常にSafariのセキュリティ設定を見直すことです。
不正なWebサイトによる攻撃
Safariを使用中に、信頼できないWebサイトにアクセスすると、不正なスクリプトが実行され、ユーザーのデータが盗まれる可能性があります。この問題は、特にフィッシングサイトやマルウェアをホストするサイトで頻繁に発生します。
対策: 不審なリンクをクリックしない、ブラウザのセキュリティ機能を最大限に活用することが重要です。
Safari 情報漏洩に対する具体的な対策方法
Safariにおける情報漏洩を防ぐためには、以下の対策が有効です。これらの対策を実施することで、情報漏洩のリスクを大幅に減らすことができます。
Safariの最新アップデートを適用する
Safariの脆弱性の多くは、Appleによる定期的なセキュリティアップデートによって修正されています。そのため、常に最新のアップデートを適用することが重要です。
- Safariを開き、メニューから「Safariについて」をクリックします。
- 利用可能なアップデートがある場合は、インストールのオプションが表示されるのでクリックします。
- アップデートが完了するまで待ち、Safariを再起動します。
ブラウザのプライバシー設定を強化する
Safariのプライバシー設定を適切に設定することで、情報漏洩のリスクを軽減できます。以下はプライバシー設定の具体的な手順です。
- Safariを開き、メニューから「設定」をクリックします。
- 「プライバシー」タブを選択し、すべてのCookieをブロックするオプションを有効にします。
- 「サイト間トラッキングを防止」を有効にし、不必要なトラッキングを防ぎます。
不審なサイトへのアクセスをブロックする
不正なサイトからの攻撃を防ぐためには、不審なサイトへのアクセスをブロックする設定が必要です。Safariには、これを自動化するための機能があります。
- Safariを開き、メニューから「設定」をクリックします。
- 「セキュリティ」タブを選択し、「詐欺サイト警告」を有効にします。
- 不正なサイトがアクセスを試みた際に警告が表示されるようになります。
セキュリティソフトを使用する
セキュリティソフトを活用することで、Safari上でのマルウェアやウイルスの侵入を防ぎ、より安全にブラウジングできます。常に最新のセキュリティソフトをインストールし、定期的にスキャンを行いましょう。
VPNを利用して通信を保護する
Safariでインターネットに接続する際、VPNを使用することで通信を暗号化し、情報漏洩のリスクを軽減できます。VPNを利用する際は、信頼できるサービスを選び、設定を正確に行うことが重要です。※VPNの運用を誤ると逆に脆弱性にもなりかねないので注意が必要です。
企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
2022年4月から改正個人情報保護法が施行されました
2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」では、個人データの漏えい、あるいは漏えいが発生する可能性がある場合、報告と通知が法人に義務付けられました。違反した企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。
もし、マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセス、社内不正、情報持ち出しのような情報セキュリティ上の問題が発生した場合、まずは感染経路や漏えいしたデータの有無などを確認することが重要です。
ただ、調査を行うには、デジタルデータの収集・解析などの専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難なため、個人情報の漏えいが発生した、もしくは疑われる場合は、速やかにフォレンジック専門家に相談し、調査を実施することをおすすめします。
\相談から最短30分でWeb打ち合わせを開催/
情報漏えい調査はフォレンジック調査の専門家にご相談ください
情報漏えいインシデントが発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備での端末の調査・解析、調査報告書の提出ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しておりますので、お気軽にご相談ください。
官公庁・上場企業・捜査機関等まで幅広い調査対応経験を持つ専門の担当とエンジニアが対応させていただきます。
よくある質問
対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。
もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。