情報漏洩

Canvaにおける情報漏洩とその対策を専門家が解説

デザインツールとして多くのユーザーに愛されているCanva。しかし、2019年5月に大規模な情報漏洩事件が発生し、セキュリティ面での脆弱性が浮き彫りとなりました。この記事では、Canvaにおける情報漏洩の原因や影響、そして今後の対策について、サイバーセキュリティの専門家の視点から詳細に解説します。情報漏洩のリスクを最小限に抑え、より安全にCanvaを利用するための具体的な手順も併せて紹介します。

Canvaにおける情報漏洩の概要

Canvaは、使いやすさと幅広いデザイン機能から、個人や企業に広く利用されているオンラインデザインツールです。しかし、2019年5月に発生した情報漏洩事件により、約1億3700万人のユーザーデータが流出し、セキュリティ対策の重要性が再確認されました。この漏洩事件の詳細を理解することで、今後の対策に役立てることができます。

ハッカーによる攻撃

Canvaの情報漏洩事件は、ハッカーによる攻撃が原因とされています。このハッカーは、過去にも他の大手サービスを標的にしており、Canvaもそのターゲットとなりました。攻撃はCanvaのサーバーに対して行われ、1億3900万人のユーザー情報が盗まれました。

出典:Canva

ユーザー名やメールアドレスの流出

情報漏洩によって流出したデータには、ユーザー名やメールアドレスが含まれていました。これにより、フィッシング詐欺やスパムメールの増加など、ユーザーにとって直接的な被害が発生する可能性が高まりました。ユーザー情報の流出は、第三者による悪用のリスクを伴います。

暗号化されたパスワードの漏洩

暗号化されたパスワードも漏洩しました。暗号化されているとはいえ、弱いパスワードの場合、攻撃者によって簡単に解読される恐れがあります。特に、他のサービスで同じパスワードを使い回していたユーザーは、被害が拡大する可能性がありました。

部分的な支払い情報の流出

一部の支払い情報も漏洩したと報告されていますが、Canvaによると、完全なクレジットカード情報は含まれていませんでした。それでも、部分的な情報が漏れることにより、他の手段で不正な取引が行われるリスクが懸念されました。

セキュリティの脆弱性

Canvaのセキュリティインフラには脆弱性があり、これが攻撃を容易にした一因です。セキュリティパッチの適用が遅れていたり、暗号化の強度が不十分であったりしたことが、攻撃の成功につながったと考えられています。

対応の遅れ

漏洩が発覚した際、Canvaは迅速に対応を行いましたが、一部のユーザーからは対応が遅かったとの指摘もありました。特に、パスワードリセットの通知が全てのユーザーに行き渡るまでに時間がかかり、その間にさらなる被害が拡大する可能性がありました。

Canvaから情報漏洩しないための対策

Canvaは漏洩事件後、迅速な対応を行い、ユーザーに対してセキュリティ強化を促しました。具体的な対策としては、パスワードのリセット、二要素認証(2FA)の導入推奨、セキュリティインフラの強化などが挙げられます。これらの対策に加え、ユーザー自身ができる具体的な対策も紹介します。

パスワードの変更と管理

Canvaを利用する際は、定期的にパスワードを変更し、他のサイトと同じパスワードを使用しないことが重要です。パスワード管理ツールを使用することで、強力かつユニークなパスワードを作成・管理できます。

パスワード変更の手順
  1. Canvaにログインし、右上のプロフィールアイコンをクリックします。
  2. 「アカウント設定」から「セキュリティ」タブを選択します。
  3. 「パスワードの変更」をクリックし、新しいパスワードを入力します。
  4. パスワード管理ツールに新しいパスワードを保存し、次回からはこのツールで安全に管理しましょう。

二要素認証(2FA)の設定

二要素認証(2FA)は、パスワードに加えて、スマートフォンなどのデバイスに送られる確認コードを入力することで、セキュリティを強化する方法です。これにより、仮にパスワードが漏洩しても、不正アクセスを防ぐことができます。

二要素認証の設定手順
  1. Canvaの「アカウント設定」から「セキュリティ」タブに移動します。
  2. 「二要素認証を有効にする」をクリックし、スマートフォンに認証アプリをインストールします。
  3. アプリ内でQRコードをスキャンし、表示される認証コードをCanvaに入力します。
  4. 設定が完了すると、次回以降のログイン時に認証コードの入力が必要になります。

フィッシング詐欺への警戒

情報漏洩後、ユーザーにはフィッシング詐欺のリスクが高まります。メールやメッセージで送られてくるリンクや添付ファイルには十分注意し、怪しいメールは開かないようにしましょう。また、公式サイトから直接アクセスすることを心がけてください。

VPNの使用

VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用することで、オンライン通信を暗号化し、セキュリティを強化できます。特に、公共Wi-Fiを利用する際には、VPNを使用することが推奨されます。

※VPNの運用を誤ると逆に脆弱性にもなりかねないので注意が必要です。

セキュリティアップデートの定期的な確認

Canvaやその他のオンラインサービスを利用する際には、常に最新のセキュリティアップデートを適用することが重要です。これにより、既知の脆弱性を悪用されるリスクを減らすことができます。

アップデートの確認手順
  1. 定期的にアプリストアや公式サイトを確認し、最新バージョンにアップデートされているか確認します。
  2. 自動アップデート機能を有効にすることで、常に最新のセキュリティパッチを適用します。
  3. 企業ユーザーはIT管理者に依頼して、社内システム全体のアップデートを確認することが推奨されます。

企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています

2022年4月から改正個人情報保護法が施行されました

個人情報保護法改正2022

2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」では、個人データの漏えい、あるいは漏えいが発生する可能性がある場合、報告と通知が法人に義務付けられました。違反した企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。

もし、マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセス、社内不正、情報持ち出しのような情報セキュリティ上の問題が発生した場合、まずは感染経路や漏えいしたデータの有無などを確認することが重要です。

ただ、調査を行うには、デジタルデータの収集・解析などの専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難なため、個人情報の漏えいが発生した、もしくは疑われる場合は、速やかにフォレンジック専門家に相談し、調査を実施することをおすすめします。

\相談から最短30分でWeb打ち合わせを開催/

情報漏えい調査はフォレンジック調査の専門家にご相談ください

DDF情報漏えいインシデントが発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。

このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備での端末の調査・解析、調査報告書の提出ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。

デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しておりますので、お気軽にご相談ください。

官公庁・上場企業・捜査機関等まで幅広い調査対応経験を持つ専門の担当とエンジニアが対応させていただきます。

よくある質問

調査費用を教えてください。

対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。

土日祝も対応してもらえますか?

可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。

匿名相談は可能でしょうか?

もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。

この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数32,377件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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