WordPressサイトの情報漏洩は、企業の信用を失う重大なインシデントとなり得ます。特に、個人情報や機密情報が漏洩した場合、その影響は深刻です。本記事では、WordPressサイトにおける情報漏洩のリスクと、それに対する具体的な対策について詳しく解説します。サイト運営者の皆様は、常にリスクを意識し、適切な対策を講じる必要があります。
目次
WordPressにおける情報漏洩の主な原因
WordPressサイトで情報漏洩が発生する原因は多岐にわたります。以下では、代表的な原因とその対策について解説します。
脆弱性の悪用
WordPressやそのプラグイン、テーマには、脆弱性が見つかることがしばしばあります。攻撃者はこれらの脆弱性を悪用し、サイトのデータベースに不正にアクセスすることが可能です。特に、プラグインの更新を怠っていると、攻撃者に容易に付け入られる隙を与えてしまいます。
脆弱性を悪用されないための対策
- WordPress本体、プラグイン、テーマを定期的に更新する。
- 使用していないプラグインやテーマは削除する。
- 公式のリリースのみをインストールする。
不正アクセス
不正アクセスにより、WordPressの管理画面に侵入されることで、保存されている個人情報や顧客データが漏洩する危険があります。特に、推測しやすいパスワードや多要素認証を導入していない場合、このリスクは高まります。
不正アクセスを防ぐための対策
- 強力なパスワードを設定し、二段階認証を有効にする。
- 管理画面へのアクセスをIPアドレスで制限する。
- ログイン試行回数の制限を設定し、不正なログインを防ぐ。
マルウェア感染
WordPressサイトがマルウェアに感染すると、サイト上の情報が外部に送信されるリスクがあります。マルウェアは多くの場合、不正なプラグインやスクリプトを介して侵入します。
マルウェア感染を防ぐための対策
- セキュリティプラグインを導入し、サイトのスキャンを定期的に実行する。
- 公式のプラグインのみを使用し、不明なソースからのダウンロードは避ける。
- ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)を使用して攻撃をブロックする。
設定ミス
WordPressの設定ミスによって、本来非公開であるべき情報が公開されてしまうことがあります。例えば、アクセス制御が不適切な場合、攻撃者が重要なデータにアクセスすることが可能です。
設定ミスを防ぐための対策
- 管理者権限を持つユーザーを最小限にし、不要な権限を削除する。
- サイト全体にSSL/TLSを導入し、通信を暗号化する。
- 重要なディレクトリやファイルのアクセス権を適切に設定する。
WordPressサイトの情報漏洩を防ぐための対策
情報漏洩を未然に防ぐためには、いくつかの基本的な対策を講じる必要があります。以下に、WordPressサイトの情報漏洩を防ぐための具体的な対策をまとめました。
最新版の維持
WordPressコア、プラグイン、テーマを常に最新版に保つことは、脆弱性を悪用されないための基本的な対策です。古いバージョンには既知の脆弱性が残っていることが多く、攻撃者にとって格好の標的となります。
WordPressの最新版を維持する方法
- WordPress管理画面にログインし、「更新」セクションに移動する。
- 利用可能な更新が表示されている場合は「今すぐ更新」をクリックする。
- プラグインやテーマについても同様に、利用可能な更新を適用する。
強力な認証
認証の強化は、WordPressサイトのセキュリティを高めるための重要なステップです。特に、複雑なパスワードの使用や二段階認証の導入により、不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。
強力な認証を導入する方法
- パスワードを12文字以上の英数字と記号の組み合わせで設定する。
- 二段階認証プラグイン(例:Google Authenticator)をインストールする。
- パスワード管理ツールを利用し、複雑なパスワードを安全に保管する。
アクセス制限の強化
WordPressの管理画面へのアクセスを制限することで、攻撃者がログインページに到達することを防ぎます。特に、IP制限を行うことで、特定のネットワークからのみ管理画面にアクセス可能にすることができます。
アクセス制限を強化する方法
- .htaccessファイルを編集し、特定のIPアドレスのみアクセスを許可する設定を追加する。
- セキュリティプラグインを使用し、アクセス制限を簡単に設定する。
- 不要なユーザーアカウントを削除し、権限を最小限にする。
脆弱性診断の実施
定期的に脆弱性診断を行うことで、潜在的なリスクを事前に発見し、対処することが可能です。診断は、セキュリティプラグインや専門のセキュリティツールを利用して実施することが推奨されます。
脆弱性診断を行う方法
- WordPressセキュリティプラグイン(例:Wordfence)をインストールする。
- プラグインのスキャン機能を使い、定期的にサイト全体をスキャンする。
- 検出された脆弱性については速やかに対処する。
バックアップの取得
情報漏洩が発生した場合に備え、定期的にバックアップを取得することが重要です。バックアップがあれば、被害を最小限に抑えつつ迅速に復旧することが可能です。
バックアップを取得する方法
- バックアッププラグイン(例:UpdraftPlus)をインストールする。
- 自動バックアップのスケジュールを設定し、定期的にデータを保存する。
- バックアップデータをクラウドストレージや外部ドライブに保存する。
セキュリティプラグインの活用
セキュリティプラグインを活用することで、WordPressサイトに対する攻撃を効果的に防ぐことができます。例えば、WAF機能を持つプラグインを導入することで、悪意のあるアクセスを事前にブロックできます。
セキュリティプラグインを活用する方法
- WordPress管理画面から「プラグイン」>「新規追加」に移動する。
- 「Wordfence」や「Sucuri Security」などのセキュリティプラグインを検索し、インストールして有効化する。
- 設定画面からWAF機能を有効にし、攻撃の監視と防止を行う。
企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
2022年4月から改正個人情報保護法が施行されました
2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」では、個人データの漏えい、あるいは漏えいが発生する可能性がある場合、報告と通知が法人に義務付けられました。違反した企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。
もし、マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセス、社内不正、情報持ち出しのような情報セキュリティ上の問題が発生した場合、まずは感染経路や漏えいしたデータの有無などを確認することが重要です。
ただ、調査を行うには、デジタルデータの収集・解析などの専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難なため、個人情報の漏えいが発生した、もしくは疑われる場合は、速やかにフォレンジック専門家に相談し、調査を実施することをおすすめします。
\相談から最短30分でWeb打ち合わせを開催/
情報漏えい調査はフォレンジック調査の専門家にご相談ください
情報漏えいインシデントが発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備での端末の調査・解析、調査報告書の提出ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しておりますので、お気軽にご相談ください。
官公庁・上場企業・捜査機関等まで幅広い調査対応経験を持つ専門の担当とエンジニアが対応させていただきます。
よくある質問
対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。
もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。