フォレンジック

ネットワークフォレンジックとは?必要性や出来ること・活用事例を解説

内的要因

サイバー攻撃がランサムウェアやDDoS攻撃、生成AIの悪用など、ますます高度化する中で、企業のインシデント対応の重要性は一層高まっています。

特に、ネットワークフォレンジックは攻撃被害の後に、攻撃者の行動を追跡し、その原因を特定するために欠かせない手法です。迅速な対応を行うことで、被害の拡大を防ぎ、再発防止にもつながります。

ネットワークフォレンジックは、ネットワーク上のログや通信データを収集・解析し、インシデントの実態を把握するために用いられる技術です。攻撃が発生した際、どのような手順で対応すべきかを知ることが重要です。

この記事では、ネットワークフォレンジックの特徴や対応方法、作業の流れについて解説します。

ネットワークフォレンジックとは

ランサムウェアとはネットワークフォレンジックは、ネットワーク上のログや通信データ(パケット)を収集し、インシデントの実態を調査する手法です。

これにより、迅速な対応が可能となり、例えば侵入経路の遮断や感染端末の隔離、行政機関への報告など、複雑な対策を効率的に実施できます。ほか、企業のネットワークに不正アクセスがあった場合など、ネットワークフォレンジックは、侵害されたデータやシステムを特定し、原因を追求するために活用されます。

弊社デジタルデータフォレンジックでは、認定資格者のフォレンジックエンジニアが社内に在籍し、高度な解析によって官公庁・上場企業をはじめ、法人・個人問わず幅広いインシデントの実態解明を行っています。

いつでも対応できるよう、24時間365日体制で受け付けておりますので、まずはご相談ください。

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コンピュータフォレンジックとの違い

「ネットワークフォレンジック」と「コンピュータフォレンジック」は、いずれも「デジタルフォレンジックの一部ですが、対象とする範囲が異なります。

  • 「ネットワークフォレンジック」は、ネットワーク上の異常や不正行為を検出し、インシデントの実態を追跡調査する手法です。
  • 「コンピュータフォレンジック」は、個別のデジタルデバイス(HDD、USBメモリ、スマートフォンなど)から不審なファイルや操作履歴などを収集し、インシデントの実態を調査する手法です。

両者は相互に補完し合っており、例えばネットワークフォレンジックでインシデントの原因を特定した後、その被害源となった端末をコンピュータフォレンジックで調査する流れが一般的です。

デジタルフォレンジックの詳細についてはこちら

ネットワークフォレンジックの手順

ネットワークフォレンジックは、基本的に以下の流れで行います。また弊社での調査期間は最短数日~。駆け付け対応や、お急ぎの場合は特急対応も可能です。

①原因究明

パケットの解析やログの確認を通じて、発生したインシデントの詳細を把握し、原因を特定する準備を行います。

②データの解析/分析

収集したデータを解析し、証拠となる情報を抽出します。データが暗号化されていたり消去されていた場合には、データ復元技術を用いて復旧します。

③報告書の作成と法的対応

収集した証拠や調査結果をもとに報告書を作成します。この報告書は、企業内部での対応や、法的手続きに必要な資料として活用されます。必要に応じて、警察や法的機関に報告します。

④事後対応とセキュリティ強化

インシデント後、同様の攻撃が再発しないように、ネットワークのセキュリティを強化します。脆弱性を修正し、再発防止策を実施することで、将来の攻撃に備えます。

ネットワークフォレンジックの必要性

ネットワークフォレンジックは、ネットワークを通じて発生したセキュリティインシデントを特定し、詳細に調査するための不可欠な手段です。

サイバー攻撃が頻発し、攻撃手法が日々高度化する中で、ネットワークフォレンジックの重要性は一層高まっています。

以下に、ネットワークフォレンジックがなぜ重要かを説明します。

必要な理由
  1. サイバー攻撃の特定と分析

    ネットワークフォレンジックを使用することで、DoS攻撃やマルウェアの拡散などのサイバー攻撃の発生源や経路を特定できます。特定することにより、迅速な対応が可能になり、今後のセキュリティ対策に役立つデータを収集できます。
  2. 証拠の収集

    ネットワークフォレンジックは、ログやパケットキャプチャを用いて法的証拠を収集します。ネットワークフォレンジックにより企業内調査や法的な捜査において重要なデジタル証拠を確保できます。
  3. 不正アクセスの監視

    不正アクセスや内部からの情報漏洩を早期に検出し、データのアクセス履歴や経路を調査することで、どのデータが不正に取り出されたのかを特定できます。
  4. インシデント対応の向上

    インシデント発生時、ネットワーク上で起きた事象を調査することで、被害範囲を迅速に特定し、効果的に問題を修正することができます。インシデント対応が効率化され、速やかな対処が可能となります。
  5. 監査とコンプライアンスの遵守

    法的規制や業界基準に基づいて、ネットワークセキュリティを監視し、証拠の提出が求められる場合に対応できます。ネットワークフォレンジックを活用することで、監査要件を満たし、コンプライアンスの遵守が確実に行えます。

これらの理由から、ネットワークフォレンジックは現代のサイバーセキュリティにおいて重要な役割を果たしており、企業のリスク管理やセキュリティ強化に欠かせない手法となっています。

ネットワークフォレンジックで出来ること

主に、ネットワークフォレンジックで出来ることは次のとおりです。

ネットワークフォレンジックで出来ること
  • インシデントの原因究明
  • システムの復旧
  • マルウェア感染・不正アクセスの経路
  • 社内サーバー・内部ネットワークへのハッキング痕跡
  • メールの送受信履歴、閲覧履歴の把握
  • 従業員による情報漏えいの調査

このように、ネットワークフォレンジックでは、インシデントの侵入経路を理解し、今後のセキュリティ対策を行うのにも役立ちます。

ただ、ここで留意しておきたいのは、ネットワークフォレンジックは、通常のセキュリティとは異なり、ネットワークの「防衛」を目的としていないことです。あくまでネットワークフォレンジックは、事後調査や対策に活用できる手段であることを押さえておきましょう。

インシデントの原因究明

インシデント発覚時、企業は個人情報保護法などのコンプライアンスに基づき、迅速に原因究明と問題解決を行うことが求められます。この際、特に有効なのが「ネットワークフォレンジック」です。

ネットワークフォレンジックを活用することで、攻撃者の行動を追跡し、どのように侵入したのか、どのデータが影響を受けたのかを特定できます。ネットワークフォレンジックの手法により、インシデントの範囲を正確に把握し、適切な対応が可能となります。

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システムの復旧

ネットワークフォレンジックを通じて影響を受けたネットワーク機器を特定し、システムを隔離した後に再構築を行うことで、迅速に業務の復旧を実現できます。

ただし、フォレンジック調査には高度な専門技術が求められるため、社内だけで対応するのは難しいこともあります。社内での対応に困難を感じた場合は、専門家との連携をお勧めします。フォレンジックの専門家は、インシデントの原因や範囲を特定し、正式な調査報告書を作成することも可能です。

マルウェア感染・不正アクセスの経路

ネットワーク・フォレンジックでは、通信データやログを分析することで、マルウェア感染や不正アクセスの経路を特定し、不正アクセスの原因となる脆弱性を修正することで、将来の攻撃を防止する事前対策を効率的に行うことができます。

社内サーバー・内部ネットワークへのハッキングの痕跡

ネットワークフォレンジックでは、内部ネットワークへのアクセスログを詳細に分析します。具体的には、不正アクセスされたファイルやディレクトリ、アクセス日時などハッキングの痕跡を追跡し、どのデータやシステムが侵害されたのかを特定します。

メールの送受信履歴、閲覧履歴の把握

ネットワークフォレンジックでは、メールサーバーのログを詳細に分析し、大量の機密データを送信した形跡や、外部への不審な送受信履歴を時系列で把握することが可能です。

従業員が起こした情報漏えいの調査

従業員が機密データや知的財産を外部に送信した、または情報漏えいの疑いがある場合、ネットワークフォレンジックを活用して不正な外部通信を追跡することができます。具体的には、外部接続に使用された通信ログを収集・再構成し、どのデバイスやアカウントが関与したかを詳細に特定することが可能です。

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ネットワークフォレンジックで収集するデータ例

ネットワークフォレンジックで収集されるデータ例は、以下の通りです。これらのデータを基に、ネットワーク上で発生した問題や不正行為を効率的に特定し、分析します。

  • パケットキャプチャ
  • ログファイル
  • DNS(ドメインネームシステム)ログ
  • プロキシサーバーのアクセスログ

これらの情報を分析することで、ネットワーク上の問題を効率的に発見することができます。特に対応実績が豊富なフォレンジック専門業者であれば、上記の情報を速やかに抽出し、被害の具体的状況をスピーディーに特定することができます。

パケットキャプチャ

パケットキャプチャは、ネットワーク上を流れるデータパケットをリアルタイムで取得し、詳細に解析する手法です。これにより、通信内容や通信先、使用されているプロトコル(HTTP、HTTPS、FTPなど)などを確認できます。

ネットワーク上で行われた通信の履歴を分析することで、不正アクセスやデータ漏洩の兆候を検出したり、攻撃の経路を特定することができます。

ログファイル

各種ネットワーク機器(ルーター、サーバー、スイッチ、ファイアウォールなど)のログファイルには、システムへのアクセスや操作の履歴が記録されています。

これらを解析することで、どの端末がいつ、どのサーバーやサービスにアクセスしたか、異常なアクセスや操作があったかを確認できます。不正アクセスの経路や攻撃者の手法を特定するのに有効です。

DNS(ドメインネームシステム)ログ

DNSは、ドメイン名をIPアドレスに変換するための仕組みです。DNSログには、どのドメイン名がどのIPアドレスに解決されたか、どのユーザーがどのドメインにアクセスしたかといった情報が記録されます

これにより、不正なドメインへのアクセスやマルウェアが通信しているドメインを特定することができます。また、攻撃者が不正なウェブサイトにアクセスした痕跡を追跡する際に役立ちます。

プロキシサーバーのアクセスログ

プロキシサーバーは、クライアントとインターネットとの間で中継役を果たし、外部との通信を管理・監視します。プロキシサーバーのアクセスログには、ユーザーがどのウェブサイトを訪れたか、どのようなリソースにアクセスしたかが記録されています。

これにより、ユーザーのインターネット使用履歴を追跡でき、不正な外部通信や機密情報の漏洩を検出することが可能です。

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フォレンジックを行う前にやってはいけないこと

フォレンジック調査を円滑に進めるにあたって、以下の行為は絶対に行わないようにしてください。証拠の確保が困難になってしまう恐れがあります。

調査対象機器を使い続ける

「電源の入り切りを繰り返す」「機器を継続して使用し続ける」といった操作を加えると、データ領域の情報が変更され、フォレンジック調査が困難になることがあります。

たとえば、RAM(揮発性メモリ)にはマルウェアの痕跡や暗号解読の鍵などが一時的に保存されることがありますが、機器の電源を切るとこれらのデータは失われてしまいます。

調査を進める際には、ネットワークから切り離し、電源を切らずに機器を保管することが重要です。もしデータを法的な証拠として使用する場合、証拠能力が失われるリスクもあるため、注意が必要です。

市販のソフトやツールなどを試す

端末内で無料のソフトやツールを試すと、大量のデータ領域が書き換えられるため、フォレンジック調査やデータ復旧作業の難易度が上がり、結果として時間やコストが無駄になってしまいます。個人での操作やデータ復旧は避け、専門家に任せるようにしましょう。

ネットワークフォレンジックの事例

ここで実際にいただいたご相談内容をご紹介します。

Emotet(マルウェア)による情報漏洩発生事例

お問い合わせ内容

お客様を名乗ったメールを受信し、添付ファイルを展開しようとしましたが、うまく展開されませんでした。添付ファイルの形式が不明確であり、内容に違和感を覚えたため、送信元を確認したところ、送信元とされるお客様のアドレスではなく、偽のアドレスから送付されていることに気づきました。

その後、翌日には自社のメールアドレスからなりすましメールが勝手に送信されるようになり、さらに、その日以降、一日中数千件もの迷惑メールが自社宛てに届くようになりました。これにより、システムやネットワークに異常を感じ、問題の調査を依頼されました。

調査内容
  • マルウェアスキャン
  • 自動プログラム
  • Emotet感染状況の確認
  • 他端末へのログオン調査
  • 情報漏えいに関するネットワーク調査
最終結果
  • 感染経路の特定
    Emotet感染を確認し、感染経路や被害範囲を特定。
  • 感染の封じ込め
    感染端末を隔離し、感染拡大を防止。
  • 情報漏えいのリスク
    メールデータやブラウザに保存されたアカウント認証情報に漏えいの可能性が発見され、再発防止策を提案。
  • セキュリティ環境の向上
    調査によって被害実態の正確な把握が可能となり、セキュリティ環境向上に貢献。

フォレンジック調査はデジタルデータフォレンジックにお任せください

適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。

>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?

当社では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。

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デジタルデータフォレンジックの強み

デジタルデータフォレンジックは、迅速な対応と確実な証拠収集で、お客様の安全と安心を支える専門業者です。デジタルデータフォレンジックの強みをご紹介します。

累計相談件数39,451件以上のご相談実績

官公庁・上場企業・大手保険会社・法律事務所・監査法人等から個人様まで幅広い支持をいただいており、累積39,451件以上(※1)のご相談実績があります。また、警察・捜査機関から累計395件以上(※2)のご相談実績があり、多数の感謝状をいただいています。
(※1)集計期間:2016年9月1日~
(※2)集計機関:2017年8月1日~

国内最大規模の最新設備・技術

自社内に40名以上の専門エンジニアが在籍し、14年連続国内売上No.1のデータ復旧技術(※3)とフォレンジック技術でお客様の問題解決をサポートできます。多種多様な調査依頼にお応えするため、世界各国から最新鋭の調査・解析ツールや復旧設備を導入しています。
(※3)第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2017年)

24時間365日スピード対応

緊急性の高いインシデントにもいち早く対応できるよう24時間365日受付しております。

ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せを開催・即日現地駆けつけの対応も可能です。(法人様限定)自社内に調査ラボを持つからこそ提供できる迅速な対応を多数のお客様にご評価いただいています。

デジタルデータフォレンジックでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。今すぐ専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。

よくある質問

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対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。

土日祝も対応してもらえますか?

可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。

匿名相談は可能でしょうか?

もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。

この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数39,451件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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