- 社内端末で不審なプロセスや外部通信が確認された
- 感染が疑われるPCの操作履歴や証拠が残っていない
- 外部から侵入された痕跡を特定できない
こうした状況に直面したとき、メモリダンプの解析が不正アクセスの証拠を見つける鍵となります。
メモリ上には、実行中プロセスや通信、コードの断片といった貴重な証拠が一時的に残っています。適切な方法でダンプを取得し、Volatilityなどのツールを使って解析すれば、攻撃者の手口や侵入経路が明らかになることがあります。
不正な操作やマルウェアの活動は、見えないところで進行し、被害が深刻化する前に対応しなければなりません。メモリ解析は、インシデント初動における重要なステップです。
この記事では、Volatilityを用いたメモリダンプの調査方法や注意点、解析の流れを具体的に解説します。
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フォレンジック調査でメモリダンプを解析する方法
Volatilityを活用したメモリ解析では、不正アクセスの手がかりとなる痕跡をメモリ上から抽出できます。下記でその具体的な手順を段階的に紹介します。
メモリダンプの取得する
まずは対象PCから物理メモリ全体をダンプファイルとして取得します。取得に使用される代表的なツールには、FTK ImagerやDumpItなどがあります。
- FTK Imagerなどを外部USBメディアで起動
- 「Capture Memory」を選択して全RAMを取得
- 取得後にMD5/SHA-256でハッシュ値を算出・記録
ダンプファイルの保全と管理を行う
取得したダンプファイルは証拠能力を損なわないよう、書き込み禁止のメディアに保存し、収集者や取得日時などの記録も同時に行います。
- ファイルはリードオンリー設定のメディアに移動
- 取得者・日時・方法を文書で記録
- 社内の証拠管理ルールに基づいて保管
OSプロファイルの確認と設定を行う
Volatilityで解析を始める前に、対象端末のOS情報(Windows 7 64bitなど)を特定し、適切なプロファイルを指定します。
- Volatilityでimageinfoコマンドを実行
- 推奨されるOSプロファイル一覧を確認
- 解析対象に最適なものを選択して設定
Volatilityによる基本解析を行う
Volatilityを使って、実行中プロセスや通信、DLLの状況などを調査。不審なプロセスやマルウェアの痕跡が残っていないか確認します。
- pslistやpstreeでプロセス一覧を取得
- netscanで外部通信の痕跡を確認
- malfindでコードインジェクションを検出
タイムライン分析と不正動作の特定を行う
timelinerなどのプラグインを使い、時系列でプロセスや通信の流れを可視化し、どのタイミングで異常が起きたかを把握します。
- timelinerなどで解析結果を取得
- ログやイベントを時系列で並べる
- 不審なプロセス起動・終了タイミングを特定
証拠抽出と報告書の作成を行う
不正操作の証拠を論理的に整理し、調査報告書としてまとめます。報告書は法的証拠としても活用されます。
- 不正プロセス・通信などを一覧化
- 操作ログ・コード断片・時間軸を整理
- フォーマットに従って報告書を作成・提出
詳しく調べる際はフォレンジック調査の専門家に相談を
メモリダンプの解析は極めて専門的な作業であり、解析ミスによっては証拠が失われるリスクもあります。
不正アクセスやマルウェア感染が疑われる場合、できるだけ早い段階でフォレンジック調査の専門家にご相談いただくことが、被害の拡大を防ぐ最も確実な手段です。

サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア感染のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
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まとめ
フォレンジック調査におけるメモリダンプの解析は、不正アクセスやマルウェア活動の痕跡を突き止めるうえで極めて有効な手段です。正しい手順で取得・保全し、Volatilityなどの専用ツールで調査することで、目に見えない攻撃の証拠を明らかにすることができます。
不審な挙動や情報漏洩の兆候を感じたら、迷わず専門家に相談し、証拠を確実に押さえる行動をおすすめします。
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