フォレンジック

デジタルフォレンジックにおけるハッシュ値の重要性について

セキュリティ

デジタルフォレンジックにおいて「ハッシュ値」は、証拠データの保全やデータ改ざん検知の中核を担う技術です。
特にサイバー犯罪や社内不正調査、ランサムウェア被害などでデジタル証拠の真正性を証明するためには、ハッシュ値の理解と正しい活用が不可欠です。

この記事では、「ハッシュ値とは何か?」という基礎から、「フォレンジック調査での実践的な活用方法」まで、初心者にもわかりやすく詳しく解説します。

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ハッシュ値の基本知識

ハッシュ値とは何か?なぜ改ざん検知に役立つのか?その仕組みと役割を解説します。

ハッシュ関数の仕組み

ハッシュ関数とは、任意の長さのデータを固定長の文字列に変換する数学的処理です。たとえば、100MBのファイルであっても、SHA-256で変換すれば常に「64文字」のハッシュ値になります。

不可逆性と一意性の意味

ハッシュ関数には以下の性質があります。

  • 不可逆性:ハッシュ値から元データを逆算することができません。
  • 一意性(衝突耐性):異なるデータから同じハッシュ値が生成されにくい構造です。

これにより、「改ざんされていない証明」「ファイル同一性の担保」が可能になります。

なぜハッシュ値が証拠として重要なのか

デジタルフォレンジックでは、「複製ファイルと原本が同一であるか」の確認が極めて重要です。たとえば不正調査のために社内PCをコピーした場合、取得時と解析時のハッシュ値が一致することで、証拠性が維持されます

代表的なハッシュ関数(MD5、SHA-1、SHA-256)

以下が主要なハッシュ関数とその評価です。

  • MD5:かつて広く使われていましたが、衝突が発見されており現在は非推奨
  • SHA-1:Googleが衝突例を公開。証拠性が求められる用途では使用すべきでない
  • SHA-256:現在最も推奨されるハッシュ関数。フォレンジックツールでも広く採用。

証拠の整合性と照合手順

フォレンジック調査では、コピーしたHDDイメージの整合性を必ず確認します。代表的なツール「FTK Imager」や「EnCase」では、以下の手順でハッシュ値の確認が可能です。

  1. ソースデバイスをFTK Imagerに接続する。
  2. 「Create Disk Image」を選択し、保存先を指定。
  3. オプションで「SHA-256」「MD5」の同時生成を指定。
  4. イメージ生成後、ハッシュ値を保存し、原本と照合。

ハッシュ値を使った改ざん検出の実例

仮に調査中のファイルが不正に書き換えられた場合、ハッシュ値を照合すれば一目で違いを検出できます。

WindowsやmacOSでファイル改ざんを確認するには、以下のコマンドが使用できます。

  1. Windows:「CertUtil -hashfile C:\sample.txt SHA256」
  2. macOS:「shasum -a 256 sample.txt」
  3. 改ざん前後のファイルでハッシュ値が一致しなければ、変更された証拠。

フォレンジック調査時のハッシュ活用法

実際にサイバー犯罪や社内不正が起きた際、ハッシュ値はどのように調査・証拠化に使われるのでしょうか?ここでは具体的な活用シナリオを解説します。

証拠ファイルの複製時に使う

調査対象となるPCや外付けHDDの中身をイメージコピーする際、必ず「取得前」「取得後」のハッシュ値を記録します。これにより証拠改ざんの疑いを否定できます。

USBやメール添付ファイルの改ざん検出

USBメモリ経由で社内情報が持ち出された場合、持ち出し前のファイルと、外部に送信されたファイルを比較することで、情報漏洩か、操作ミスかを明確にできます。

ログファイルの整合性検証

システムログやアクセス履歴などのファイルは、改ざんのリスクが高いため、定期的にハッシュ値を記録し、後日差分をチェックすることで不正操作を特定できます。

フォレンジックツールの自動照合機能

EnCase、FTK Imager、X-Waysなどの主要ツールでは、ディスク取得時にハッシュ計算を自動実行し、後から改ざんがあったかどうかも自動検出できます。

ランサムウェア感染後のデータ検証

暗号化されたファイルが「本当に元のファイルと同一か?」を確認するには、感染前後のハッシュ照合が有効です。照合不能な場合、暗号化または改ざんされたと判断できます。

証拠として裁判で使用する際の注意点

裁判で提出される電子証拠では、取得手順とともに「ハッシュ値の一貫性」が証拠能力を支えます。個人が勝手に取得・解析したデータでは、裁判で認められない場合もあるため注意が必要です。

警察・裁判が関わる場合は専門のフォレンジック調査を

ランサムウェアや社内不正、横領・詐欺・情報漏洩などが関係するインシデントでは、社内での対応は証拠能力の面で極めてリスクが高いです。

その理由は以下の通りです。

  • 証拠保全が不適切だと、裁判で証拠として採用されない可能性がある
  • 誤ったツール使用により、証拠そのものが破壊されるリスク
  • データの取得・解析は専門的知識と書き込み防止技術が必要

デジタルフォレンジック調査会社であれば、以下の手順に沿って安全かつ証拠性を担保した対応が可能です。

適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。

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当社では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。

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デジタルデータフォレンジックの強み

デジタルデータフォレンジックは、迅速な対応と確実な証拠収集で、お客様の安全と安心を支える専門業者です。デジタルデータフォレンジックの強みをご紹介します。

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デジタルデータフォレンジックでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。今すぐ専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。

まとめ:ハッシュ値の理解がフォレンジック成功の鍵

ハッシュ値は、単なる技術用語ではありません。証拠を守り、真実を明らかにするための最重要要素です。

万が一、情報漏洩・マルウェア感染・内部不正などのインシデントが起きた場合、まずは専門のフォレンジック調査会社に相談し、証拠保全とハッシュ検証から着手することを強くおすすめします。

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