Chromeの同期機能は便利ですが、Googleアカウントが乗っ取られた場合に被害が一気に拡大するリスクがあります。パスワードや閲覧履歴、ブックマーク、クレジットカード情報などがクラウドに保存され、複数の端末で共有されるのが同期機能の特徴です。
そのため、不正ログインが発生すると、同期されたデータがまとめて盗まれ、他サービスへの「乗っ取り連鎖」につながる恐れがあります。近年は、同期や拡張機能を悪用する「Syncjacking」などの新たな攻撃手法も報告されています。
本記事では、Chrome同期が危険とされる理由、実際の悪用事例、そして安全に使うための設定や緊急時の対処法を専門家の視点で解説します。
目次
Chromeの同期機能とは?
Chromeの同期機能は、Googleアカウントを使ってデバイス間でブックマーク、パスワード、履歴、拡張機能などの設定を自動的に同期できる機能です。例えば、パソコンで保存したパスワードを、スマートフォンやタブレットでも簡単に使用することが可能になります。
Chrome同期はなぜ「危険」と言われるのか?
Chromeの同期機能では、以下のような情報がGoogleアカウントを通じてクラウドに保存・共有されます。
- パスワード
- ブックマーク
- オートフィル情報(住所・クレカなど)
- 閲覧履歴や開いているタブ
- 拡張機能
便利な反面、不正ログインが起きた場合、これらすべてが一瞬で抜かれるリスクがあります。同期されたパスワード経由で、SNS・EC・ネットバンキング・社内クラウドに次々アクセスされる「乗っ取り連鎖」が発生する危険性があります。
Google自身も乗っ取り被害の急増を受け、2023年以降は二段階認証を強く推奨しています。さらに業務とプライベートを混在させたChrome利用が、企業被害を生む温床になっています。
Chrome同期で報告されている主な攻撃手口3つ
Chrome同期機能は、利便性の一方で悪用されるリスクもあります。ここでは、実際に報告されている手口や、想定される攻撃経路について解説します。
Syncjacking(同期を使った新型攻撃)
2025年にセキュリティ研究企業SquareXが公表した「Browser Syncjacking」は、Chrome拡張機能と同期機能を組み合わせて、ブラウザから最終的に端末そのものを乗っ取る高度な攻撃手法です。
- 一見無害なChrome拡張機能をChromeウェブストア経由でインストールさせる
- 拡張機能がバックグラウンドで攻撃者管理のGoogle Workspaceプロファイルに密かにログイン
- 正規のGoogleサポートページを改ざんし「Chrome同期を有効にしてください」と誘導
- 同期が有効になると、保存パスワード・閲覧履歴・タブ・拡張機能が攻撃者側に再現される
- さらに偽のZoom更新などを通じて、ブラウザ制御から端末制御へ発展
この攻撃は必要権限が少なく、ユーザーの操作も最小限で実行されるため、被害者が異常に気づきにくい点が大きな特徴です。結果として、ブラウザ情報の窃取にとどまらず、ファイル操作・マルウェア実行・カメラやマイクの有効化にまで被害が及ぶ可能性があります。
拡張機能を悪用して他端末へ感染
1台で入れた悪質な拡張機能が、同期設定により他端末にも自動インストールされます。マルウェアの感染が社内ネットワーク全体へ広がる事例も報告されています。
私物PCへの同期で業務情報が漏れる
私物PCやスマホで業務用アカウントにログインし、Chrome同期をONにしたままにしていた結果、ブックマークやクラウド情報が私物端末へ流出した実例があります。
Chrome同期で起こりうる被害
Chrome同期が悪用された場合、個人レベルでも企業レベルでも深刻な被害につながる可能性があります。ここでは主な被害例を整理します。
個人情報(パスワード/カード情報)の漏えい
Chromeに保存されたログイン情報・カード情報が攻撃者に渡ることで、SNS・ECサイト・バンキングサービスの乗っ取りが起きる恐れがあります。
>>Chromeにおけるパスワード漏洩とその対策について解説
SNS・通販・バンキングの不正ログイン
- GoogleアカウントからGmail・YouTube乗っ取り
- Amazon、楽天などのECアカウント突破
- PayPay・クレカ明細・ネットバンキングまで被害が拡大
社内情報/業務データの外部拡散
同期された業務用ブックマーク・クラウドリンク・ID情報から、社内システムや顧客情報が流出するケースも確認されています。
詳しく調べる際はフォレンジック調査の専門家に相談する
ハッキング、不正アクセス、乗っ取り、情報漏えいのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
フォレンジック調査では、第三者しか行えない客観的な解析で、端末やログに残った痕跡から被害の有無や範囲を正確に特定します。この結果は、警察や弁護士に相談する際の証拠にもなり、安心して次の対応につなげられます。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
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安全にChrome同期を使うための5つのチェックポイント
Chromeの同期機能は、設定と使い方を正しく押さえれば、実用レベルで安全に利用できます。重要なのは、「Googleアカウントの防御」「同期範囲の絞り込み」「拡張機能の管理」の3点です。
1. Googleアカウントを乗っ取られないための基本対策
Chrome同期の安全性は、Googleアカウント自体の強度に大きく依存します。同期を有効にする前に、次の対策を徹底しましょう。
- 強力なパスワードと二段階認証の設定
長く推測されにくいパスワードを設定し、他サービスとの使い回しは避けます。必ず二段階認証(認証アプリやセキュリティキー)を有効にしてください。 - 不審なログイン履歴の定期確認
Googleアカウントの「セキュリティ」から、最近のログイン履歴や接続中の端末を確認し、心当たりのない端末があれば即ログアウトとパスワード変更を行います。
2. Chrome同期で必ず見直すべき設定項目
同期を有効にする際は、「すべてを同期」のまま使うのではなく、必要な項目だけを選択することが重要です。
- 同期内容を絞り込む
パスワードや支払い情報(クレジットカード)は同期せず、ブックマークや設定のみに限定することで、万一の被害を最小限に抑えられます。 - 同期パスフレーズの設定
「同期とGoogleサービス」内の暗号化設定から独自の同期パスフレーズを設定すると、同期データがエンドツーエンドで暗号化され、第三者に中身を読まれにくくなります。 - 共有端末・公共PCでは同期しない
ネットカフェや家族共用PCではChromeにログインせず、やむを得ず使用した場合は作業後に必ずログアウトと閲覧データ削除を行いましょう。
3. 拡張機能・マルウェアによる被害を防ぐ
同期機能と拡張機能はセットで悪用されるケースが多いため、拡張機能の管理は非常に重要です。
- 拡張機能は最小限にする
使っていない拡張機能は削除し、「全サイトの閲覧・変更」など過剰な権限を求めるものは慎重に扱います。 - 提供元が不明・レビューの少ない拡張機能は避ける
同期によって他の端末にも拡散するため、1つの悪意ある拡張機能が複数端末を汚染する可能性があります。 - OS・Chromeを常に最新状態に保つ
定期的なアップデートと、信頼できるセキュリティソフトでのスキャンを習慣化しましょう。
4. 仕事・業務利用時に注意すべきポイント
業務用途でChrome同期を利用する場合は、個人利用以上に慎重な運用が求められます。
- 業務用と私用アカウントを分離する
業務端末では業務用Googleアカウントのみを使用し、私用アカウントと混在させないことが基本です。 - 端末変更・退職時の同期解除
端末交換や退職時には、Googleアカウントのデバイス一覧から古い端末を削除し、すべての端末からログアウトを実行します。
5. 「危険かも」と感じたときの初動対応
少しでも不審に感じた場合は、次の対応を優先してください。
- Googleアカウントのパスワード変更と二段階認証の確認
- セキュリティ診断で不審な端末・アプリ連携の削除
- Chrome同期を一時停止し、保存パスワードや拡張機能を見直す
これらを押さえておけば、Chrome同期の便利さを活かしつつ、リスクを現実的なレベルまで抑えることが可能です。
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