サイバー攻撃

沼津リバーサイドホテル不正アクセス宿泊予約者情報流出の可能性

株式会社KTSオペレーションが運営する沼津リバーサイドホテルは、2025年9月8日、宿泊予約情報管理システムに対する不正アクセスを確認し、顧客情報の一部が漏えいした可能性があることを公表しました。

これにより、予約者を狙った不審なフィッシングメールの送信も確認されています。

本記事では、ホテル公式発表をもとに、不正アクセスの発生経緯、確認された影響、そして運営会社による対応と再発防止策について詳しく解説します。

出典:沼津リバーサイドホテル公式

株式会社KTSオペレーションが不正アクセスによる被害を公表

株式会社KTSオペレーションが運営する沼津リバーサイドホテルは、2025年9月8日、同ホテルが利用する宿泊予約情報管理システムに不正アクセスが発生し、予約者の個人情報が漏えいした可能性があることを公表しました。

これにより、一部の顧客にはフィッシングサイトに誘導する不審なメッセージが送信されました。

2025年9月に沼津リバーサイドホテルが不正アクセスを受ける

本件の不正アクセスについて、ホテルが把握している経緯は以下のとおりです。

把握している不正アクセスの時系列
  • 2025年9月4日午前5時30分以降、顧客から「予約確認を求める不審なメッセージが届いた」との報告が寄せられる。
  • ホテルは直ちにシステムのログインパスワードを変更し、調査を開始。
  • 現時点で、宿泊予約情報管理システムへの不正アクセスが原因である可能性が高いと発表。

フィッシングメールによる情報入力の誘導

不正アクセスの結果、顧客には予約確認を装ったフィッシングメールが送信され、氏名や住所などの情報の入力に加え、最終的にクレジットカード情報の入力を求められるケースが確認されています。同ホテルは「これらのメールには一切対応しないように」と呼びかけています。

株式会社KTSオペレーションの対応

不正アクセス発覚後、運営会社である株式会社KTSオペレーションは、以下のような対応を行っています。

不正アクセスへの対応
  • 対象者の特定:不正アクセスの影響を受けた可能性があるのは、2025年9月3日18時までに予約を行った約3,000件。対象は2025年9月2日から2026年9月2日までの宿泊予約者(キャンセル除く)。
  • 漏えい可能性のある情報:氏名、住所、性別、国籍、電話番号、メールアドレス。なお、クレジットカード情報や決済関連情報の漏えいは確認されていない。
  • 再発防止策:セキュリティ専門会社による監査の実施、社内情報管理体制の再構築、従業員教育の徹底、個人情報保護規程の見直しを発表。
  • 専用相談窓口の設置:利用者からの問い合わせ対応窓口を開設。

 

出典:沼津リバーサイドホテル

不正アクセスを受けた場合はフォレンジック調査が有効

不正アクセスが発生した際は、被害範囲や侵入経路を正確に把握しなければ、適切な対応や再発防止策を講じることはできません。そのため、専門的な解析技術を用いるフォレンジック調査の実施が有効です。

フォレンジック調査とは、サイバー攻撃、情報漏えい、データ改ざんなどのセキュリティ関連インシデントが発生した際に、その原因を特定し、被害の範囲や影響を明らかにするための詳細な調査手法です。

もともとフォレンジック調査は、犯罪や事件が起きた時、その現場から犯行の手掛かりとなる「鑑識」を指していました。特にデジタルデータからの証拠収集・分析は「デジタル鑑識」あるいは「デジタル・フォレンジック」とも呼ばれます。

被害発生時にフォレンジック調査が有効な理由は次の通りです。

  • 侵入経路の特定:攻撃者がどこから侵入したかを明確にする
  • 被害範囲の可視化:影響を受けたデータやシステムを把握する
  • 証拠となるデータ保全:法的対応や保険請求に備えて証拠データを安全に保存する
  • 再発防止策の策定:調査結果を基にセキュリティ体制を強化する

インシデントの内容によっては、個人情報保護委員会など特定の機関への報告義務が発生する場合があります。自社のみで調査を行うと、報告書が認められないケースもあるため、第三者機関による調査が一般的です。

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まとめ

沼津リバーサイドホテルにおける不正アクセス事案は、宿泊予約システムを狙った攻撃により、顧客情報が漏えいした可能性があるケースです。

今回の問題は、個人情報が狙われやすい宿泊業界のリスクを示すものであり、利用者に不審メール対応を求めるとともに、企業側も監査や教育を含む徹底した再発防止策を進める必要性が浮き彫りとなりました。

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この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
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累計ご相談件数39,451件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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