リモートデスクトップ(RDP: Remote Desktop Protocol)は、社内外からサーバーや業務端末にアクセスできる非常に便利な機能ですが、その利便性の裏側には大きなセキュリティリスクが潜んでいます。
攻撃者はRDPを狙い、パスワード総当たりや脆弱性攻撃を仕掛け、企業ネットワークへ不正侵入するケースが後を絶ちません。
さらに、一度侵入を許してしまえば、ランサムウェア感染、機密情報の窃取、踏み台攻撃による被害拡大といった甚大な損害につながる恐れがあります。
本記事では、RDP経由で発生する代表的な不正アクセス手口とその実例、効果的なセキュリティ対策、そして侵入の痕跡や被害範囲を調査する際に必要な「フォレンジック調査」の重要性について、専門的な視点から解説します。
目次
リモートデスクトップ経由での不正侵入手口
サイバー攻撃者は、RDP接続機能の脆弱性や設定ミスを突いて、ネットワーク内部への侵入を図ります。
- 総当たり攻撃(ブルートフォース):初期設定のまま公開されたRDPポート(3389番など)に対して、辞書攻撃でログイン情報を割り出す。
- 標的型攻撃:メールなどで取得したID・パスワードを使って不正ログイン。
- RDPの脆弱性悪用:セキュリティパッチ未適用のサーバーに対し、RCE(リモートコード実行)を行う。
- マルウェアによる認証情報窃取:感染端末からブラウザ保存のログイン情報やクッキーを抜き取り、RDP接続に悪用。
- 構成ファイル攻撃:.rdpファイルを細工し、標的の認証情報を外部へ送信。
不正侵入を防ぐためのセキュリティ対策
リモートデスクトップを安全に使うには、設定の見直しとネットワークレベルでの防御が不可欠です。
対策 | 内容 |
---|---|
ポート番号の変更 | RDP標準ポート3389番から別の番号へ変更し、スキャン対象から外す。 |
VPNの併用 | RDPアクセスは社内VPN経由のみに制限し、インターネットには直接公開しない。 |
多要素認証の導入 | ID+パスワードに加え、OTPやFIDO認証を加えて強化。 |
セキュリティソフト(EDR/XDR)導入 | 異常なRDP通信の検知や、マルウェアの早期隔離。 |
アカウント管理の徹底 | 強固なパスワード、不要アカウントの無効化、アカウントロックの設定。 |
RDPの無効化 | 使用していない端末・サーバーはRDP機能自体を停止。 |
定期的なパッチ適用 | RDP関連の脆弱性(例:CVE-2023-24905など)を常に最新状態に保つ。 |
フォレンジック調査の必要性とその手法
不正アクセスが疑われる場合、最も重要なのは「証拠の早期保全」と「痕跡の正確な解析」です。特に以下のような状況では、
- 誰が、いつ、どこから侵入したのかを明らかにする必要がある
- 証拠として裁判や社内調査に提出する必要がある
- 顧客情報など機密データが関与している
といった理由から、デジタルフォレンジック専門会社への相談が不可欠となります。
フォレンジックで調査できる主な項目
- リモート接続ログ(IPアドレス、アカウント、時刻)
- 外部転送の痕跡(FTP/SFTP、クラウドなど)
- マルウェア感染経路・活動ログ
- アカウントの操作履歴や改ざん痕跡
社内や個人でフォレンジック調査を完結させるのは、証拠の観点からリスクが高いため、必ず専門家への相談を推奨します。
自力で対応できない場合はフォレンジック調査の専門業者に依頼する

ハッキングや不正アクセス、ウイルス感染、情報漏えいなどの問題が起きた際、自分だけでの対応が難しいと感じたら、迷わずフォレンジック調査の専門業者に相談しましょう。
どこから侵入され、どんな情報が漏れたのかを正しく把握することが重要です。特に、被害が大きい場合や情報が悪用された疑いがある場合は、専門家の対応によって被害を最小限に抑え、証拠となるデータを確実に残すことができます。
信頼できる業者を選び、早めに動くことが、トラブルを最小限に抑えるポイントです。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
デジタルデータフォレンジックの強み
デジタルデータフォレンジックは、迅速な対応と確実な証拠収集で、お客様の安全と安心を支える専門業者です。デジタルデータフォレンジックの強みをご紹介します。
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官公庁・上場企業・大手保険会社・法律事務所・監査法人等から個人様まで幅広い支持をいただいており、累積39,451件以上(※1)のご相談実績があります。また、警察・捜査機関から累計395件以上(※2)のご相談実績があり、多数の感謝状をいただいています。
(※1)集計期間:2016年9月1日~
(※2)集計機関:2017年8月1日~
国内最大規模の最新設備・技術
自社内に40名以上の専門エンジニアが在籍し、14年連続国内売上No.1のデータ復旧技術(※3)とフォレンジック技術でお客様の問題解決をサポートできます。多種多様な調査依頼にお応えするため、世界各国から最新鋭の調査・解析ツールや復旧設備を導入しています。
(※3)第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2017年)
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まとめ
リモートデスクトップは、業務効率化のために欠かせない仕組みである一方で、セキュリティ対策を怠るとサーバー不正侵入の入り口になってしまいます。
ポートの遮断やVPNの導入、アカウント管理の徹底など、基本的な対策を実施すると同時に、「万が一の侵入」に備えたログ保存・フォレンジック対応体制の整備も不可欠です。
不審な通信履歴や端末挙動に気づいた場合、自力調査に頼らず、速やかに専門機関に連絡しましょう。
よくある質問
対応内容・期間などにより変動いたします。
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