C&Cサーバ(Command and Control server)は、もともとIoT機器の制御やリモート管理など正規の用途で使われていた仕組みです。しかしサイバー攻撃では、マルウェアに感染した端末を遠隔操作する「司令塔」として悪用されるケースが増えています。
この通信が続くと、外部への情報送信や攻撃の指令が行われ、情報漏えいや被害拡大の恐れがあります。通信の遮断や初動対応を誤ると、原因特定が難しくなることもあります。
感染が疑われる場合は、ログや通信履歴の保全と分析が重要です。専門的な対応が求められる場面では、フォレンジック調査会社への早期相談が有効です。
本記事では、C&Cサーバの基本的な役割や悪用例、感染原因、対処法までをわかりやすく解説します。
目次
マルウェアにおける「悪用されたC&Cサーバー」
本来のC&Cは「正規の遠隔管理」に使われる技術ですが、マルウェアでは以下の3つの目的で悪用されることが一般的です。
マルウェアへの指令送信(コマンドの配布)
攻撃者はC&Cサーバを通じて、感染端末に対し「ファイルを暗号化せよ」「キーボード入力を記録せよ」などのコマンドを送信します。これによりマルウェアはリアルタイムに挙動を変えながら被害を拡大させます。
感染端末からの情報収集(データの受信)
感染した端末は、盗み出した情報(認証情報、個人情報、端末情報など)をC&Cサーバへ送信します。この通信が見つかれば、攻撃の存在や感染の証拠となります。
ボットネットの管理と制御
多数の感染端末(ボット)をC&Cサーバから一斉に制御することで、DDoS攻撃などが実行されます。
>>ボット(ボットネット)とは?感染経路や感染時の対処方法を解説
C&Cサーバの主な悪用例
C&Cサーバは、さまざまなマルウェア攻撃の中核として利用されます。以下は代表的な悪用シナリオです。
DDoS攻撃
複数の感染端末からターゲットサーバへ同時にリクエストを送信し、サービスをダウンさせる攻撃です。C&Cサーバは「攻撃対象」や「開始タイミング」を全端末に一斉指示する役割を持ちます。
>>DDoS攻撃とは?目的・攻撃をされてしまった時の対処法を紹介
情報の窃取
キーロガー機能やスクリーンキャプチャなどで収集した機密情報を、C&Cサーバに送信します。標的型攻撃やスパイウェアでも同様の仕組みが用いられます。
スパムメールの大量配信
感染端末を踏み台にし、迷惑メールを大量送信します。リスト型攻撃(リスト攻撃)と組み合わせて、フィッシングやマルウェアのばらまきに利用されるケースもあります。
ランサムウェアの拡散
最初に1台を感染させた後、C&Cサーバから「横展開」命令を出して社内LANに拡散することで、数十台〜数百台を同時に暗号化する事例があります。拡散先を自動探索する高度なマルウェアも増えています。
>>ランサムウェアに感染したら?被害時の対応・調査方法、実際の被害を画面付きで解説
C&Cサーバが使用する手口
C&C通信を秘匿化するため、攻撃者は多様な隠蔽技術を使います。防御側にとっては通信の検知やログ追跡を困難にする要因です。
隠蔽技術
暗号化通信(HTTPS/Tor)、DNSトンネリング、CDN経由のカモフラージュ、プロキシ経由など多様な手法で検知を回避します。中でもファイルレス攻撃との組み合わせは検出が非常に困難です。
>>ファイルレス攻撃(非マルウェア型攻撃) | 主な感染経路と特徴について解説
リアルタイム管理
C&Cサーバが常時オンラインで監視され、攻撃者がタイミングを見て手動操作するケースもあります。特に標的型攻撃では、管理者が手動でC&C通信を操作して状況を観察することも珍しくありません。
マルウェアによる被害が確認された段階で、専門的な調査によって感染経路や通信履歴を正確に把握する必要があります。状況の悪化を防ぐためには、信頼できるフォレンジック調査会社への早急な相談が強く推奨されます。
C&Cサーバ感染の主な原因
マルウェアがC&Cサーバと通信を行う状態に至るまでには、必ず何らかの初期感染ポイントがあります。以下は代表的な感染経路です。
- 不正なメールの添付ファイルやリンク
- 改ざんされたWebサイトの閲覧
- USBメモリなどの外部記録媒体
- リモート接続の設定不備
- ソフトウェア更新の未実施
- 内部関係者による不正行為
マルウェアによる被害が明らかになった場合には、原因の追跡と感染範囲の特定を行うためには、専門的な知識とツールが不可欠です。信頼できるフォレンジック調査会社への相談が推奨されます。
自力で対応できない場合はフォレンジック調査の専門業者に依頼する
ハッキングや不正アクセス、ウイルス感染、情報漏えいなどの問題が起きた際、自分だけでの対応が難しいと感じたら、迷わずフォレンジック調査の専門業者に相談しましょう。
どこから侵入され、どんな情報が漏れたのかを正しく把握することが重要です。特に、被害が大きい場合や情報が悪用された疑いがある場合は、専門家によるフォレンジック調査を実施することで、被害の拡大を未然に防ぐ有効な対策につながります。
信頼できる業者を選び、早めに動くことが、トラブルを最小限に抑えるポイントです。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
デジタルデータフォレンジックの強み
デジタルデータフォレンジックは、迅速な対応と確実な証拠収集で、お客様の安全と安心を支える専門業者です。デジタルデータフォレンジックの強みをご紹介します。
累計相談件数39,451件以上のご相談実績
官公庁・上場企業・大手保険会社・法律事務所・監査法人等から個人様まで幅広い支持をいただいており、累積39,451件以上(※1)のご相談実績があります。また、警察・捜査機関から累計395件以上(※2)のご相談実績があり、多数の感謝状をいただいています。
(※1)集計期間:2016年9月1日~
(※2)集計機関:2017年8月1日~
国内最大規模の最新設備・技術
自社内に40名以上の専門エンジニアが在籍し、14年連続国内売上No.1のデータ復旧技術(※3)とフォレンジック技術でお客様の問題解決をサポートできます。多種多様な調査依頼にお応えするため、世界各国から最新鋭の調査・解析ツールや復旧設備を導入しています。
(※3)第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2017年)
24時間365日スピード対応
緊急性の高いインシデントにもいち早く対応できるよう24時間365日受付しております。
ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せを開催・即日現地駆けつけの対応も可能です。(法人様限定)自社内に調査ラボを持つからこそ提供できる迅速な対応を多数のお客様にご評価いただいています。
デジタルデータフォレンジックでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。今すぐ専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
C&Cサーバに感染した際の対処法
感染や不正通信の兆候を確認したら、証拠を保持したまま原因の特定と通信遮断を進める必要があります。
- 通信ログの確認と分析
- マルウェアの検出と駆除
- 不審なプロセスの特定
- ファイアウォールとDNSの見直し
- ネットワークの分離と制限
- フォレンジック調査の実施
社内だけで対応を完結させようとすると、証拠となるデータが壊れてしまうリスクがあります。専門会社に任せることで、安全かつ確実な調査が可能になります。




