サイバー攻撃

パソコンを乗っ取る手口を代表的なものからフローまで解説

IPアドレス

パソコンの乗っ取りは、もはや一部のハッカーだけの話ではありません。フィッシング詐欺やマルウェア感染、リモートアクセスツールの悪用など、多種多様な手口が日々進化し、企業だけでなく一般の個人もターゲットにされています。

本記事では、パソコン乗っ取りの代表的な手口とその流れをわかりやすく解説します。どのようにして乗っ取りが始まり、どこで被害が拡大し、どのように悪用されるのか。その全容を把握することで、被害の予防や早期対応に役立ててください。

また、もしすでに「乗っ取られているかもしれない」と感じている場合には、フォレンジック調査会社にすぐに相談しましょう

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パソコンが乗っ取られる主な原因

乗っ取りの背後には、意外な落とし穴が存在します。以下に、代表的な原因を解説します。

フィッシング詐欺による情報搾取

最も多い乗っ取りの原因は、フィッシングメールや偽のログイン画面による個人情報の搾取です。「セキュリティ警告」「パスワード変更が必要です」などと書かれたメールに記載されたリンクをクリックすると、偽サイトに誘導され、ログイン情報を盗まれます。

脆弱性を突いた攻撃

OSやソフトウェアにセキュリティパッチを適用していない場合、脆弱性を狙ったゼロデイ攻撃が行われます。攻撃者は、WindowsやWebブラウザなどに存在する既知のセキュリティホールから侵入してきます。

マルウェア感染

不正なサイトを閲覧したり、怪しいファイルを開いた際に、バックドア型のマルウェアがこっそりインストールされることがあります。感染したPCは遠隔操作され、知らないうちにデータを送信されたり、カメラやマイクを起動されることもあります。

公共Wi-Fiの利用

カフェや空港のフリーWi-Fiは便利ですが、通信が暗号化されていない場合、中間者攻撃により情報が傍受されやすい状況になります。攻撃者は簡単にログイン情報やCookieを盗み出すことが可能です。※VPNの運用を誤ると逆に脆弱性にもなりかねないので注意が必要です。

内部不正(社内犯行)

企業では、社内の従業員による不正アクセスも現実的なリスクです。退職者がアカウントを保持していたり、業務上の権限を悪用して情報を抜き出すケースもあります。証拠保全の観点から、自社での対応はリスクが高く、フォレンジック調査会社への相談が推奨されます。

リモートデスクトップの悪用

リモートワークの普及により、リモートデスクトップ機能を狙った攻撃が増加しています。パスワードが弱かったり、セキュリティ対策が不十分なまま外部から接続可能な状態になっていると、乗っ取りのリスクが高まります。

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パソコン乗っ取りまでの代表的な攻撃フロー

パソコンが乗っ取られるまでには、段階的なプロセスが存在します。単純なウイルス感染ではなく、事前のターゲット選定から不正アクセス、情報の悪用、さらには組織犯罪への加担まで発展するケースも珍しくありません。

Step1:ターゲットの選定

乗っ取り攻撃は無差別なように見えて、実は多くの場合事前にターゲットが選定されています。攻撃者は、セキュリティ意識が低い、脆弱性が多い、あるいは価値のある情報を持っていると判断された端末に照準を合わせます。

具体的なターゲットの選定方法は以下の通りです。

  • OSやソフトウェアが古いPCを自動スキャン:Windows 7や古いブラウザなど。
  • 企業の小規模サーバや中小企業の社員端末:大企業より防御が甘い。
  • メールアドレスやSNSアカウントから人物を特定:簡単なパスワードや使い回しで特定。

最近では、SNS投稿やブログなど公開情報から個人の属性を特定する「オープンソースインテリジェンス(OSINT)」が活用され、標的型攻撃に発展するケースも増えています。

Step2:攻撃の準備(偽装・脆弱性調査)

ターゲットが定まると、攻撃者は侵入のための準備を始めます。主に以下の2つの方法が取られます。

1. フィッシング詐欺の準備

攻撃者は実在するサービス(Amazon、楽天、金融機関など)を装って偽メールや偽サイトを作成し、ユーザーにクリックさせるよう仕掛けます。

  • 「支払い確認」や「不正アクセス」など緊急性を煽る件名
  • 正規のURLを巧妙に偽装したリンク
  • 添付ファイル内にウイルスを仕込む(.doc、.xlsなど)

多くのユーザーは、見慣れた企業ロゴやメールの文面で安心してクリックしてしまいます。

2. 脆弱性スキャンとゼロデイ攻撃

攻撃者は自動ツールを用いて、ターゲットが使用しているOSやブラウザ、アプリケーションのバージョンを調査し、既知の脆弱性(CVE)を悪用しようとします。

中でも「ゼロデイ攻撃(ゼロデイエクスプロイト)」は、開発元がまだ把握していない脆弱性を狙った手口で、ユーザー側で防ぐ手段がないのが恐ろしいポイントです。

例えば以下のようなケースがあります。

  • Windowsのリモートデスクトップ機能(RDP)の未修正脆弱性
  • PDF閲覧ソフトのバッファオーバーフロー
  • 古いWordPressプラグインのSQLインジェクション

このような「見えない攻撃準備」が密かに進んでいることが、乗っ取りの恐ろしさの一因です。

Step3:感染・侵入(マルウェア/フィッシング)

攻撃者は準備が整った段階で、マルウェアの感染またはフィッシングによるアカウント情報の窃取を仕掛けます。ここからが、実際の「侵入」フェーズです。

1. マルウェア感染の代表例

ユーザーがうっかり開いてしまったファイルやリンクから、以下のような悪質ソフトが仕込まれます。

  • トロイの木馬(Trojan):見た目は無害なアプリやファイルとして潜伏
  • バックドア:外部からの不正アクセスを許す抜け道
  • キーロガー:パスワードやクレジットカード番号の入力を記録

2. フィッシングによるログイン情報の窃取

攻撃者が用意した偽ログイン画面に、ユーザーが自らID・パスワードを入力してしまうことで、重要な認証情報が第三者に渡ってしまいます

以下のようなケースは特に注意が必要です。

  • 「あなたのアカウントが停止されます」などの脅し文句
  • 本物そっくりなドメイン(例:amaz0n.co.jp、micros0ft.com)
  • SSL化(https)されていても安心はできない

この段階で一度でも侵入を許してしまえば、攻撃者はそのPC内に自由にマルウェアを展開し、さらなる操作が可能になります。

Step4:乗っ取り完了(遠隔操作)

感染に成功した後、攻撃者はバックグラウンドでPCを遠隔操作できる状態に移行します。これが乗っ取りの「完了」フェーズです。

1. リモートアクセスツール(RAT)の使用

攻撃者は、市販されているリモート操作ツール(TeamViewer、AnyDesk、UltraVNCなど)を悪用することがあります。これらは正規のソフトであるため、セキュリティソフトに検知されづらいのが特徴です。

2. 実際に行われる操作の例

  • パスワード付きファイルや重要文書のコピー
  • ファイルの削除や変更
  • マイク・Webカメラの起動(物理的盗聴)
  • 仮想通貨のマイニングにPCを使用

攻撃者はこれらの操作をユーザーの知らない間に実行し、証拠を消去するためにログも改ざんしていきます。

特にリモート接続が深夜・早朝など不審な時間帯に行われている場合、すぐにネットワークを遮断し、専門機関への相談を検討すべきです。

Step5:情報窃取と悪用

乗っ取られたPC内部の情報は、攻撃者にとっては価値のある資産です。特に企業端末やオンラインバンキングを利用している個人ユーザーは、以下のような機密情報が狙われます。

1. 盗まれる情報の具体例

  • 保存されたID・パスワード(ブラウザ、メーラー、アプリ)
  • クレジットカード情報・銀行口座番号
  • 業務用のファイルや顧客リスト
  • 写真・動画・SNSのDM

これらの情報はそのまま金銭的な被害に直結するだけでなく、以下のような2次的な悪用にも繋がります。

2. 窃取情報の悪用事例

  • ダークウェブでの売買(1件数百円〜数万円)
  • なりすましによるフィッシング詐欺の再拡散
  • 業務情報の競合他社への漏洩・転売

一度流出した情報は取り返しがつきません。ログインパスワードの変更、クレカ停止、関係各所への連絡は速やかに行う必要があります。

Step6:踏み台化・スパム拡散

乗っ取られたパソコンは、単なる被害者では終わりません。攻撃者の「道具」として悪用される段階に進みます。

1. スパムメールの大量送信

攻撃者は乗っ取った端末を使って、フィッシングサイトへの誘導リンクを含むスパムメールを大量に送信します。これにより、他の端末も感染させ、被害の連鎖が始まります。

2. 踏み台攻撃としての利用

社内ネットワークに侵入するための「踏み台」として使われることもあります。たとえば、社外から直接アクセスできない企業内サーバーを、まずは社内PCを乗っ取って経由して侵入するのです。

3. ボットネットへの組み込み

攻撃者は複数の乗っ取りPCを束ねてボットネットを構築し、DDoS攻撃や仮想通貨マイニングなど、より大規模な不正行為に利用します。

このような状況になると、本人が知らぬ間に「加害者」として訴えられるリスクもゼロではありません。

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パソコン乗っ取りに使われる代表的な手口

パソコンの乗っ取りは、単なるウイルス感染ではなく、攻撃者の目的に応じて巧妙に仕組まれたさまざまな手口によって行われます。ここでは、実際に多くの被害が報告されている代表的な乗っ取り手口を紹介します。

フィッシング詐欺による認証情報の窃取

最も多い乗っ取り手口がフィッシング詐欺です。攻撃者は有名なサービスを装って偽のメールやSMSを送り、ユーザーに偽サイトでログインさせてIDやパスワードを盗み出します

よく使われる手法

  • 「不正ログインが検出されました」といった緊急性を煽る文言
  • 本物そっくりに作られた偽ログインページ
  • 見た目が似ている偽ドメイン(例:amаzon.co.jp)

リモートアクセスツール(RAT)の悪用

TeamViewerやAnyDeskなどの正規のリモートアクセスツールを悪用して、遠隔からパソコンを不正操作される手口です。RAT(Remote Access Trojan)というマルウェア型もあり、密かにPCに常駐します。

注意すべき症状

  • 勝手にマウスが動いたりウィンドウが開く
  • インストールした覚えのないアプリがある
  • タスクマネージャーで不審なプロセスが動いている

マルウェアによる不正操作

メールの添付ファイルや怪しいWebサイトから感染するマルウェアは、ユーザーに気づかれないままPCを操作するためのツールです。

代表的なマルウェアの種類

  • トロイの木馬:正規のファイルに偽装して潜伏
  • バックドア:外部からのアクセスを可能にする
  • キーロガー:入力された文字を盗み取る

ブラウザハイジャックによる誘導

ブラウザの設定が書き換えられ、見知らぬ検索エンジンや広告ページに飛ばされる手口です。偽の警告画面を表示させてクリックさせることが目的です。

  • 検索結果が知らないサイトに変わる
  • 「ウイルスに感染しました」という偽の警告が頻繁に表示される
  • 広告が頻出し、操作が重くなる

RDP(リモートデスクトップ)を狙った攻撃

Windowsのリモートデスクトップ機能(RDP)を狙う手口です。パスワード総当たり攻撃(ブルートフォース)や、RDPの脆弱性を突いた侵入が行われます。

内部不正・社内からの乗っ取り

社内の人間によって行われる乗っ取りは、外部からの攻撃よりも発見が難しく、深刻な被害につながることがあります。

  • 退職者のアカウントが削除されていない
  • 管理者権限を持つ社員が無断で情報を持ち出す
  • 物理的にUSBやスマホを使ってデータを抜き取る

このような内部犯行は、データの保全のためにもフォレンジック調査が不可欠です。

パソコンの乗っ取りはフォレンジック調査会社に相談

サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア感染のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。

特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。

>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説

当社では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。

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