パソコンでサイトを閲覧していると、突然大音量で警告音が鳴り、「トロイの木馬スパイウェアアラート」や「お使いのコンピューターはウイルスに感染しています」といった警告文が表示される場合があります。
また、画面を閉じられず、表示されたサポートセンターの電話番号にかけると、電子マネーでサポート料の支払いを求められたり、リモートソフトのインストールを求められてパソコンを遠隔操作される場合もあります。
本記事ではこのようなサポート詐欺と呼ばれる手口の対処法について解説しています。
目次
パソコンから急に警告音が鳴ったらサポート詐欺の可能性
パソコンの使用中に突然警告音が鳴り、画面に警告メッセージが表示されるのは、サポート詐欺の手口である可能性が極めて高いです。
サポート詐欺では警告画面に表示されたサポートの電話番号に連絡させ、リモートソフトのインストール、カード情報など個人情報の聞き出し、Appleカードなどの電子マネーを使ったサポート料の請求などを行います。
警告文には「トロイの木馬に感染しました」や「ハッキングされています」などウイルス感染やハッキングを示唆する内容が書かれており、大音量の警告音が流れる場合があります。
しかし、実際にこのような警告文が表示されてもパソコンがウイルス感染やハッキングを受けていない場合がほとんどです。
反対にサポートに電話をかけてしまうと、偽のサポートセンターにつながり、遠隔操作するためのリモートソフトのインストールや電子マネーで数十万円以上請求されるいといった被害を受ける場合があります。
パソコンに表示された電話番号に電話した時の注意点
警告音が鳴ったパソコンに表示された電話番号に電話してしまった場合、怪しいと思ったらすぐに電話を切りましょう。
その際に以下の点に注意しましょう。
電子マネーやプリペイドカードを購入しない
警告文の電話番号に電話をかけてしまった場合、トラブルのサポート料金などの口実で、電子マネーやプリペイドカードを購入して番号を教える、またはフォームに番号などを入力するように促されることがあります。
しかし、正規のサービスであれば、電子マネーやプリペイドカードでの支払いを要求することはありません。
一度電子マネーなどを支払ってしまうと、最初は少額でも「入力をミスした」などの口実で、追加の支払いを求められる場合があります。
指示に従ってパソコンにリモートソフトをインストールしない
サポート詐欺のもう一つの手口として、操作を指示するために、リモートソフトなどをパソコンにインストールさせるものがあります。
リモートソフトをインストールされると、画面を監視されたり、勝手にパソコンを遠隔操作されて、パスワードなどを相手に知られてしまう場合があります。
結果的に個人情報の漏えいやパスワードなどの変更などにつながる可能性があるため、電話の指示に従ってソフトウェアをインストールすることは絶対に避けましょう。
誤って指示に従ってリモートソフトなどをインストールしてしまった場合は以下の記事で対処法を詳しく解説しています。
サポート詐欺の電話番号に電話した後の対処法
サポート詐欺の電話番号に電話してしまった場合は、パソコンの状態に応じて、以下の対処法を試してみましょう。
すぐに通話を終了する
サポート詐欺の電話番号にかけてしまった場合、相手の質問には回答せずに、通話をすぐに終了しましょう。通話を終えた後は、電話番号を着信拒否に設定しましょう。
ブラウザを閉じる
ハッキングやウイルス感染を示唆する警告画面がパソコンに表示され、画面が閉じられない場合、以下の手順でブラウザを強制的に閉じることができる場合があります。
- Windowsの場合、Ctrl + Shift + Escキーを押し、タスクマネージャーを開く
- 警告文が出ているブラウザを選択し、「タスクの終了」をクリックして閉じる
- Macの場合はCommand + Option + Escキーを押し、「強制終了」メニューを開く
- 該当のブラウザを選択して「強制終了」をクリックします
このようにブラウザを閉じたら、偽警告が再表示されるのを防ぐために、キャッシュを削除しましょう。偽警告のデータがキャッシュに残ると、ブラウザを再度開いた際に同じ警告画面が再表示される可能性があります。
キャッシュを削除する手順は以下の通りです。
- 画面右上の「︙」をクリックし、「設定」を選択
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「閲覧履歴データの削除」をクリックする
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れ、「データを削除」をクリックする
- 画面右上の「…」をクリックし、「設定」を選択する
- 「プライバシー、検索、サービス」をクリックする
- 「閲覧データをクリア」の設定にある「クリアするデータの選択」をクリック
- 「閲覧データをクリア」で「すべての期間」を選択する
- 「キャッシュされた画像とファイル」の項目をチェックし「今すぐクリア」をクリックする
セキュリティソフトでスキャンする
サポートの電話に従ってリモートソフトなどをインストールしてしまった場合は、パソコンのセキュリティソフトを使ってスキャンをかけましょう。インストールしたソフトに含まれたウイルスや不正な通信などを素早く検出することができる場合があります。
ただし市販のセキュリティソフトでは、リモートソフトやウイルスによって漏洩した情報の有無がわからない場合があります。
銀行やカード会社に連絡する
万が一、電話で個人情報やクレジットカード情報、口座情報などを相手に伝えてしまった場合は、すぐに銀行やカード会社に連絡して口座の凍結やカード利用停止の手続きを行いましょう。迅速に対応できれば不正送金やカードの不正利用を防止できる場合があります。
アカウントのパスワードを変更する
サポートに電話した後にアカウントの不正ログインなどの形跡が見られる場合、メールアドレスやログインIDなどが漏えいした可能性があります。
パスワードが漏えいした可能性がある場合は、速やかにアカウントにログインし、アカウントごとに異なるパスワードを再設定しましょう。
特に、銀行口座やクレジットカードが登録されたアカウントなど、重要なアカウントから優先的に変更することをお勧めします。
警察などの公的機関に相談する
サポート詐欺に遭った場合は、警察などの公的機関に相談しましょう。警察では被害届を提出し、受理されることで捜査が行われ、犯人の逮捕などを行うことができます。
ただし、警察に提出する被害届には証拠が必要となる場合があります。サポート詐欺の画面や不正送金の履歴などを証拠としてまとめておきましょう。
証拠の取得が困難な場合は、民間のフォレンジック調査会社に相談することで、パソコンなどの端末を調査・解析し、公的機関に証拠として提出できる報告書としてまとめてもらえる場合があります。
フォレンジック調査会社に端末調査をしてもらう
「電話の指示に従ってリモートソフトをインストールしてしまった」「電話で個人情報を伝えた後、不正アクセスの通知が増えた」「パソコンが遠隔操作されてパスワードが勝手に変更された」
警告音が鳴ったパソコンの偽警告画面から電話した後にこのような被害が見られる場合、情報漏えいやリモートソフトなどによる不正通信などがないか詳細に端末を調査することをおすすめします。
このような調査は「フォレンジック調査」と呼ばれ、サイバー攻撃などのインシデントの原因究明・証拠保全のため、警察の捜査手法としても採用されています。
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