VPNは、社外から社内ネットワークに安全にアクセスできる便利なツールです。
しかし、一方でVPN自体が不正アクセスの標的になりやすく、企業や個人の重要な情報の流出や、システムの改ざんなどの被害につながる可能性があります。
本記事ではVPNが不正アクセスで狙われる理由や、脆弱性、被害事例について解説します。被害に遭ったときのためにも、ぜひ参考にしてください。
目次
VPNとは何か?
VPN(Virtual Private Network)とは、インターネット上に仮想的に私設ネットワークを設置するためのシステムです。VPNを利用することで、遠隔地にいるユーザーや異なるネットワークに接続しているユーザー間で、まるで同一のネットワークに接続しているかのように安全に通信を行うことが可能になります。
VPNの主な利用シーン
VPNは、遠隔地からの企業ネットワークへの接続、ウェブサイトへの匿名アクセス、地域制限のあるコンテンツへのアクセスなど、様々なシーンで利用されています。
特に近年では、テレワークやリモートワークの普及に伴い、企業ネットワークへの遠隔アクセスツールとしての利用が増えています。
VPN接続の仕組み
VPN接続では、通信データが専用の通信経路(トンネル)を通って転送されます。トンネル内では通信データが暗号化されることから、外部からの傍受や改ざんを防止する効果があります。
しかし、ソフトウェアや設定には、脆弱性が存在する場合があり、それらが悪用されることで「社内ネットワークに不正アクセスされる」「通信内容を傍受される」ことがあります。
重要な情報やシステムを盗み取られる・改ざんされるなどの被害に遭遇した場合、企業は適切な対応を行い、被害の規模や内容を把握する必要があります。また、被害が広範囲に及んでいる場合、早急に被害を食い止めるための対応を講じる必要があります。
被害に遭った場合、早急に適切な対応を行うことが重要
被害に遭った場合、早急に適切な対応を行うことが重要です。対応が遅れると、被害の拡大や再発のリスクが高まります。この場合、自力での対応は困難であることから、サイバーセキュリティ専門家に依頼することが望ましいです。
専門家に依頼することで、以下のメリットがあります。
- 被害の状況や原因を迅速に把握し、適切な対応を実施できる
- 被害の拡大や再発を防止するための対策を講じることができる
専門家に依頼する際は、豊富な実績とノウハウを持つサイバーセキュリティ専門家を選びましょう。
私たちデジタルデータフォレンジックは官公庁、上場企業、捜査機関等含む累計3.2万件の対応経験があります。お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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なぜVPNが不正アクセスで狙われるのか
VPNが不正アクセスで狙われる主な理由は、以下の3つです。
- 企業や個人の重要な情報にアクセスできるため
- ネットワークの境界に配置されるため、攻撃対象として狙われやすいため
- ソフトウェアの脆弱性や設定ミスにより、攻撃を受けやすいため
企業の重要な情報にアクセスできるため
企業は通常、重要な機密情報やビジネスデータを保有しています。つまり攻撃者がVPNを不正アクセスで狙うのは、重要な情報への不正アクセスが容易になるからです。また、機密情報を盗み取ることで、利益を得たり、企業の運営を妨害する目的なども挙げられます。
ネットワークの境界に配置されるため、攻撃対象として狙われやすいため
VPNはネットワークの境界に配置されることが多いため、認証方式が脆弱であると、攻撃者はブルートフォース(総当たり)攻撃や辞書攻撃などの手法を用いて、認証を突破し、社内ネットワークに直接アクセスする恐れがあります。
社内ネットワークは、インターネットに直接接続されていないため、セキュリティが比較的強固ですが、VPNを突破されると、そのセキュリティが意味をなさなくなってしまいます。
ソフトウェアの脆弱性や設定ミスにより、攻撃を受けやすいため
VPNのソフトウェアには、脆弱性や設定ミスが存在する場合があります。攻撃者は、これらの脆弱性を悪用して、VPNを乗っ取ったり、通信内容を盗聴したりすることができます。
たとえば、VPNへのアクセスには、IDやパスワードなどを利用した認証方式が採用されています。この認証処理において、暗号化方式やアクセス制限の設定を誤ると、攻撃者が認証を突破して、VPNに不正アクセスする可能性があります。VPNを安全に利用するためにも、脆弱性や設定ミスをなくすことが重要です。
不正アクセス調査に有効なフォレンジック調査とは
インシデントの被害を最小限に抑えるためには、正確な調査と迅速な対応が必要不可欠です。
専門的なノウハウを持たない中で、個人ないし自社のみで調査を行うと、実態を正確に把握できない可能性が高まるだけでなく、取引先や行政等へ報告が必要な場合、 自社調査のみだと信憑性が疑われ、さらなる信用失墜につながる危険性があります。
もし組織や社内でインシデントが発生した際、調査の実施が未確定の場合でも、まずは信頼性の高いフォレンジック業者に一度相談することをおすすめします。
フォレンジック調査とは、コンピュータやネットワークに保存されたデータやログを分析し、インシデントの原因や経緯、影響範囲を解明する調査手法です。ランサムウェアの感染調査では駆除・隔離に加えて、侵入経路や情報漏えいの有無を確認することができます。
私たちデジタルデータフォレンジックは、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む累計3.2万件の対応経験があり、サイバー攻撃経路や漏えいしたデータを迅速に特定します。
緊急性の高いサイバー攻撃被害にも迅速に対応できるよう、24時間365日体制で相談、見積もりを無料で受け付けておりますので、お電話またはメールでお気軽にお問い合わせください。
企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
2022年4月から改正個人情報保護法が施行されました
2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」では、個人データの漏えい、あるいは漏えいが発生する可能性がある場合、報告と通知が法人に義務付けられました。違反した企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。
もし、マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセス、社内不正、情報持ち出しのような情報セキュリティ上の問題が発生した場合、まずは感染経路や漏えいしたデータの有無などを確認することが重要です。
ただ、調査を行うには、デジタルデータの収集・解析などの専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難なため、個人情報の漏えいが発生した、もしくは疑われる場合は、速やかにフォレンジック専門家に相談し、調査を実施することをおすすめします。
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VPN機器を狙った具体的な攻撃手法
VPN機器を狙った攻撃手法としては、以下のようなものが挙げられます。
- パスワードの推測(ブルートフォース攻撃など)
- 脆弱性を悪用した攻撃
- フィッシング攻撃
攻撃者は、これらの手口を悪用して、VPN機器を乗っ取ったり、通信内容を傍受したりする可能性があります。もし不正アクセスを受けた場合は、被害を最小限に抑えるためにも、速やかにセキュリティ担当者に報告し、不正アクセスの原因を調査することが重要です。
パスワードの推測(ブルートフォース攻撃など)
VPNへのアクセスには、IDやパスワードなどの認証方式が採用されています。攻撃者は、ブルートフォース(総当たり)攻撃や辞書攻撃を仕掛けたりして、認証を突破してVPNに不正アクセスする可能性があります。
ブルートフォース攻撃は、IDとパスワードの組み合わせをランダムに試行する攻撃手法で、辞書攻撃は攻撃者がリスト(辞書)に登録されているようなパスワードを試行し、認証を突破する攻撃手法です。いずれもパスワードの強度が弱いとクラックされやすいため、強固なパスワードの設定、定期的な変更、多要素認証により被害を防ぐことが重要です。
脆弱性を悪用した攻撃
VPNのソフトウェアや設定には、脆弱性が存在する場合があります。例えばVPNの認証処理に必要な情報が、外部から参照可能な状態で公開されている、あるいは暗号化キーの生成方法に不備があると、攻撃者はこれら情報を悪用して、認証を突破する場合があります。
フィッシング攻撃
攻撃者は、標的のユーザーを騙して、IDやパスワードなどの情報を盗み取るフィッシング攻撃(ユーザーに偽情報を送信し、IDやパスワードなどの情報を盗み取る攻撃)を仕掛けることがあります。
フィッシング攻撃により、VPNのアカウント情報が盗まれると、攻撃者はVPNに不正アクセスして、社内ネットワークに侵入することができます。
不正アクセス時の対応
不正アクセス時の対応は、以下の7つのステップに分けられます。
- 異常なアクティビティを早期検知し、攻撃元を即座に遮断する
- インシデント対応チームに緊急通知し、迅速な対応を促す
- 影響を受けたシステムやネットワークを隔離して被害拡大を防ぐ。
- 不正アクセスの証拠を確保し、関係機関に提供する。
- 侵害されたシステムを復旧し、バックアップからデータを回復する。
- インシデントを関係者や規制機関に報告し、必要な対策を共有する。
- インシデントの原因となった脆弱性を改善する
①異常なアクティビティを早期検知し、攻撃元を即座に遮断する
不正アクセスの初期段階では、通常とは異なる疑わしいアクティビティが検知されることが多々あります。たとえば、通常とは異なるIPアドレスや端末からのアクセス、ないし通常とは異なる時間帯や頻度でのアクセスなどが、疑わしいアクティビティとして挙げられます。
これは不正アクセスの兆候である可能性が高いため、見逃すことなくすぐに注意を払うことが重要です。この段階で攻撃元を即座に特定し、遮断することで、被害をさらに拡大させることを防ぐことが可能になります。したがって、早期の検知と迅速な対応が不正アクセスによる損害を最小限に抑える鍵となります。
②インシデント対応チームに緊急通知し、迅速な対応を促す
不正アクセスの検知後は、速やかにインシデント対応チームに通知します。インシデント対応チーム(情報システム担当者)は、不正アクセスの状況を把握し、迅速な対応を促す役割を担います。
③影響を受けたシステムやネットワークを隔離して被害拡大を防ぐ。
不正アクセスの影響を受けたシステムやネットワークを特定し、その範囲を把握します。次に、不正アクセスの影響を受けたシステムへのアクセス権を制限することで、攻撃者がシステムにアクセスするのを防ぐことができます。
④不正アクセスの証拠を確保し、関係機関に提供する
不正アクセスの証拠を確保することで、攻撃者の特定や、再発防止に役立てることができます。証拠の確保には、ログの収集や、システムの調査などが有効です。
ただ、膨大なログデータの中から、自力で不正行為を特定するのは難しいため、フォレンジック調査を行うことで、被害状況や情報を正確に把握することをおすすめします。これにより、不正行為の被害を最小限に抑え、適切な対応をとることができる。
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⑤侵害されたシステムを復旧し、バックアップからデータを回復する。
侵害されたシステムを復旧し、バックアップからデータを回復することで、被害を最小限に抑えることができます。ただし、フォレンジック調査を行う場合、侵入形跡が消えてしまう恐れがあるため、システムの初期化や復旧作業は、調査の完了後に行う必要があります。
⑥インシデントを関係者や規制機関に報告し、必要な対策を共有する。
インシデントを関係者や規制機関に報告することで、必要な対策を共有することができます。報告には、インシデントの概要や、被害状況、原因の分析などが含まれます。
特に情報漏えいが発生した場合、個人情報取扱事業者は速やかに個人情報保護委員会に報告を行うことが義務付けられています。
⑦インシデントの原因となった脆弱性を改善する
インシデント原因となった脆弱性を改善することで、不正アクセスなど再発を防止することができます。脆弱性の改善には、ソフトウェアや設定のアップデート、セキュリティ対策の強化などが有効です。
不正アクセス時の対応は、迅速かつ適切に行うことが重要です。また、不正アクセスの被害を最小限に抑えるためにも、事前に対策を講じておくことが重要です。
不正アクセスによる被害の調査を行う場合、専門業者に相談する
マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセスのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しておりますので、お気軽にご相談ください。
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フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
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不正アクセス調査会社への相談方法
インシデントが発生した際、フォレンジック調査を行うか決定していない段階でも、今後のプロセス整理のために、まずは実績のある専門会社へ相談することを推奨しています。
取引先や行政に報告する際、自社での調査だけでは、正確な情報は得られません。むしろ意図的にデータ改ざん・削除されている場合は、情報の信頼性が問われることもあります。
インシデント時は、第三者機関に調査を依頼し、情報収集を行うことを検討しましょう。
DDF(デジタルデータフォレンジック)では、フォレンジックの技術を駆使して、法人/個人を問わず、お客様の問題解決をいたします。
当社では作業内容のご提案とお見積りのご提示まで無料でご案内しております。
解析した結果は、調査報告書としてレポートを作成しています。作成した報告書には、調査で行った手順やインシデントの全容などが詳細に記載され、法執行機関にも提出可能です。
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調査の料金・目安について
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専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
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緊急の現地調査が必要な場合も、調査専門の技術員が迅速に駆け付けます。(駆け付け場所によっては出張費をいただく場合があります)
VPNの脆弱性を防ぐための対策とは
VPNの脆弱性を防ぐための対策は次のとおりです。
- 最新バージョンへのアップデートを速やかに実施する
- 脆弱性情報を定期的に確認する
- VPNの設定を適切に行う
- 多要素認証を導入する
最新バージョンへのアップデートを速やかに実施する
VPNのソフトウェアや設定には、常に脆弱性が存在する可能性があります。そのため、最新バージョンへのアップデートを速やかに実施することで、脆弱性を修正し、攻撃のリスクを低減することができます。
脆弱性情報を定期的に確認する
VPNの脆弱性は、JPCERT/CCやベンダーなどからの情報提供によって公開されます。脆弱性情報を定期的に確認することで、脆弱性が存在するかどうかを把握し、適切な対策を講じることができます。
VPNの設定を適切に行う
VPNの設定には、セキュリティを強化するための設定項目が多数あります。これらの設定を適切に行うことで、セキュリティを強化し、攻撃のリスクを低減することができます。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 強力なパスワードを設定する
- 暗号化方式を最新のものにする
- アクセス許可を適切に設定する
多要素認証を導入する
多要素認証とは、パスワードに加えて、別の認証要素(生体認証やワンタイムパスワードなど)を組み合わせて認証を行う仕組みです。多要素認証を導入することで、パスワードのみの認証よりもセキュリティを強化することができます。
これらの対策を講じることで、VPNの脆弱性を防ぎ、セキュリティを強化することができます。
よくある質問
対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
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可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。
もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。