VPNは、社外から社内ネットワークに安全にアクセスできる便利なツールです。
しかし、一方でVPN自体が不正アクセスの標的になりやすく、企業や個人の重要な情報の流出や、システムの改ざんなどの被害につながる可能性があります。
本記事ではVPNが不正アクセスで狙われる理由や、脆弱性、被害事例について解説します。被害に遭ったときのためにも、ぜひ参考にしてください。
目次
VPNとは何か?
VPN(Virtual Private Network)とは、インターネット上に仮想的に私設ネットワークを設置するためのシステムです。VPNを利用することで、遠隔地にいるユーザーや異なるネットワークに接続しているユーザー間で、まるで同一のネットワークに接続しているかのように安全に通信を行うことが可能になります。
VPNの主な利用シーン
VPNは、遠隔地からの企業ネットワークへの接続、ウェブサイトへの匿名アクセス、地域制限のあるコンテンツへのアクセスなど、様々なシーンで利用されています。
特に近年では、テレワークやリモートワークの普及に伴い、企業ネットワークへの遠隔アクセスツールとしての利用が増えています。
VPN接続の仕組み
VPN接続では、通信データが専用の通信経路(トンネル)を通って転送されます。トンネル内では通信データが暗号化されることから、外部からの傍受や改ざんを防止する効果があります。
しかし、ソフトウェアや設定には、脆弱性が存在する場合があり、それらが悪用されることで「社内ネットワークに不正アクセスされる」「通信内容を傍受される」ことがあります。
重要な情報やシステムを盗み取られる・改ざんされるなどの被害に遭遇した場合、企業は適切な対応を行い、被害の規模や内容を把握する必要があります。また、被害が広範囲に及んでいる場合、早急に被害を食い止めるための対応を講じる必要があります。
なぜVPNが不正アクセスで狙われるのか
VPNが不正アクセスで狙われる主な理由は、以下の3つです。
- 企業や個人の重要な情報にアクセスできるため
- ネットワークの境界に配置されるため、攻撃対象として狙われやすいため
- ソフトウェアの脆弱性や設定ミスにより、攻撃を受けやすいため
企業の重要な情報にアクセスできるため
企業は通常、重要な機密情報やビジネスデータを保有しています。つまり攻撃者がVPNを不正アクセスで狙うのは、重要な情報への不正アクセスが容易になるからです。また、機密情報を盗み取ることで、利益を得たり、企業の運営を妨害する目的なども挙げられます。
ネットワークの境界に配置されるため、攻撃対象として狙われやすいため
VPNはネットワークの境界に配置されることが多いため、認証方式が脆弱であると、攻撃者はブルートフォース(総当たり)攻撃や辞書攻撃などの手法を用いて、認証を突破し、社内ネットワークに直接アクセスする恐れがあります。
社内ネットワークは、インターネットに直接接続されていないため、セキュリティが比較的強固ですが、VPNを突破されると、そのセキュリティが意味をなさなくなってしまいます。
ソフトウェアの脆弱性や設定ミスにより、攻撃を受けやすいため
VPNのソフトウェアには、脆弱性や設定ミスが存在する場合があります。攻撃者は、これらの脆弱性を悪用して、VPNを乗っ取ったり、通信内容を盗聴したりすることができます。
たとえば、VPNへのアクセスには、IDやパスワードなどを利用した認証方式が採用されています。この認証処理において、暗号化方式やアクセス制限の設定を誤ると、攻撃者が認証を突破して、VPNに不正アクセスする可能性があります。VPNを安全に利用するためにも、脆弱性や設定ミスをなくすことが重要です。
VPN機器を狙った具体的な攻撃手法
VPN機器を狙った攻撃手法としては、以下のようなものが挙げられます。
- パスワードの推測(ブルートフォース攻撃など)
- 脆弱性を悪用した攻撃
- フィッシング攻撃
攻撃者は、これらの手口を悪用して、VPN機器を乗っ取ったり、通信内容を傍受したりする可能性があります。もし不正アクセスを受けた場合は、被害を最小限に抑えるためにも、速やかにセキュリティ担当者に報告し、不正アクセスの原因を調査することが重要です。
パスワードの推測(ブルートフォース攻撃など)
VPNへのアクセスには、IDやパスワードなどの認証方式が採用されています。攻撃者は、ブルートフォース(総当たり)攻撃や辞書攻撃を仕掛けたりして、認証を突破してVPNに不正アクセスする可能性があります。
ブルートフォース攻撃は、IDとパスワードの組み合わせをランダムに試行する攻撃手法で、辞書攻撃は攻撃者がリスト(辞書)に登録されているようなパスワードを試行し、認証を突破する攻撃手法です。いずれもパスワードの強度が弱いとクラックされやすいため、強固なパスワードの設定、定期的な変更、多要素認証により被害を防ぐことが重要です。
脆弱性を悪用した攻撃
VPNのソフトウェアや設定には、脆弱性が存在する場合があります。例えばVPNの認証処理に必要な情報が、外部から参照可能な状態で公開されている、あるいは暗号化キーの生成方法に不備があると、攻撃者はこれら情報を悪用して、認証を突破する場合があります。
フィッシング攻撃
攻撃者は、標的のユーザーを騙して、IDやパスワードなどの情報を盗み取るフィッシング攻撃(ユーザーに偽情報を送信し、IDやパスワードなどの情報を盗み取る攻撃)を仕掛けることがあります。
フィッシング攻撃により、VPNのアカウント情報が盗まれると、攻撃者はVPNに不正アクセスして、社内ネットワークに侵入することができます。
不正アクセスによる被害の調査を行う場合、専門業者に相談する

サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア感染のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
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