社内不正・労働問題

社長が横領していた場合の対応は?罪に問われるケースから横領が発覚した際の流れまでを徹底解説

社長であっても、会社のお金を私的に使用した場合は横領にあたるのでしょうか?

社長と会社は別個の法人格であるため、株主が社長一人の場合でも私的な使用は業務上横領となり、民事または刑事責任が発生します。

被害額が大きく、損害賠償請求や刑事責任を追及したい場合は、横領の事実を裏付ける客観的証拠を確保する必要があります。

この記事では、社長による横領の処罰の内容から、民事・刑事責任を追及したい場合に必要な証拠確保の方法までを紹介しています。

 \相談から最短30分でWeb打ち合わせを開催/

社長が自社の資金を横領することは罪になるのか

社長が自身の会社のお金を私的に使い込んだ場合も横領罪となります。

私的に使用した場合は横領罪となる

法律上、社長という「個人」と、会社である「法人」は別個の法人格であるため、会社の財産を社長が勝手に利用・処分した場合は、業務上横領罪に問われます。

会社のお金は自己が管理する「他人のお金」という扱いになるため、私用で利用すると業務上横領となり、成立した場合には「10年以下の懲役」が科されることになります。

また、社長が着服した現金は会社の損害となるため、株式会社に対して生じた損害を賠償する任務懈怠責任(423条1項)を負う可能性もあります。

株主が社長のみであっても横領罪とみなす

株主が社長一人のみの会社であったとしても、個人と法人という別個の法人格であることに変わりはないため、業務上横領罪になります。

被害規模が大きい場合、刑事責任にあたる特別背任罪(会社法960条、961条)が科される場合があり「10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はその両方」と、厳しいものになっています。

しかし、民事上の責任の場合は逃れることができる場合があります。会社に対する役員の責任は、出資者または所有者が保持しており、会社に与えた損害は株主の同意があれば免除することができます。

株主代表訴訟は株主が一人であっても提起できるため、株主が社長のみの場合、社長自身が責任を免除して民事上の責任を逃れることができます。

刑事責任の場合は、民事責任とは異なり、私人の取り決めでも公法上の刑事罰は免れることはできません。

会社を破産させた場合、経営者個人が刑事責任を負う場合がある

会社を経営する中で横領を行っていた場合、業務上横領罪や特別背任罪が成立し、これらの罪は会社が破産するかどうかに関わらず科されることになります。

これに対し、破産法に規定されている犯罪行為に「詐欺破産罪(破産法265条)」があります。

また、会社の財産を少しでも手元に残そうと、裁判所に知られないように財産を隠しや虚偽の財産譲渡の契約書の作成を行うと、詐欺破産罪についても罪に問われる場合があります。

横領した従業員を告訴・告発する方法と必要な証拠の集め方について専門会社が解説従業員の横領が疑われ、横領金の返済や犯人の逮捕を希望する場合、警察や裁判を巻き込む事態に発展する場合がありますが業務上横領を企業が告発するには確固たる証拠が必要です。 24時間365日受付/法人様は最短30分で初動対応打合せ/即日現地駆けつけも可能。デジタルデータフォレンジック(DDF)は、官公庁・上場企業・捜査機関・法律事務所等で実績多数!累積32,377件以上のご相談実績をもとに、インシデント原因や被害状況などスピーディーに調査します。 ...

横領が疑われる場合の流れ

経理担当や従業員に限らず、社長であっても横領した場合は刑事告訴、または民事上の責任である損害賠償を請求することができます。

責任の追及、または提起したい場合は、十分な証拠や横領の事実、被害額の確認と証拠が必要になるため、以下の流れを抑えるようにしましょう。

横領の事実関係を調査する

社長による横領が疑われる場合は、横領の有無と被害額の確認が必要になり、主に行う調査としては以下の物が挙げられます。

  • 領収書や帳簿の裏取り
  • 防犯カメラの記録
  • 取引先や従業員への聞き取り
  • パソコン内の情報やメールの履歴

パソコン内の情報やメールの履歴など、データに関する証拠はプライバシー侵害や、既に削除されているなど、調査をするにあたって問題が多く、個人での証拠収集が難しいとされています。

この場合、法的に正しい手段で調査できるフォレンジック調査に依頼することで、端末からデータを解析から正確な証拠を確保でき、裁判所にも提出できる書類の作成まで行うことができます。

個人のみの調査では、客観性と正確性が担保できず、不十分な証拠になる可能性があるため、データ関係の証拠は調査会社に依頼するようにしましょう。

横領した本人に確認する

事実関係の調査と証拠の確保がある程度進んだら、横領している疑いのある社長本人に事情の聞き取りを行います。

この際、聴取事項はあらかじめ準備しておき、目的を明確にするようにしましょう。聴取事項としては以下の物があります。

  • 横領した事実を認めるか
  • 横領の内容と手段、使途
  • 返済の意思があるか、返済方法について
  • 横領の協力者がいるか、被害者が社外にもいるか

聴取役と記録役の最低2名で行い、対象者の発言は全て記録するようにしましょう。

しかし、証拠が全くない中での尋問は、横領を認めない可能性があるだけでなく、共犯者によって証拠隠滅がされるリスクがあるため、調査会社に依頼して先に証拠を確保しておきましょう。

また、データが改ざん・削除されているといった場合でも、対応実績が豊富な専門家であれば、調査できる可能性が十分にあります。証拠確保の方法は、以下の記事も参考にしてみてください。

削除済みデータを解析・復元して「証拠能力」を持たせる証拠復元方法を解説この記事では、デジタル機器内にある改ざんの痕跡や削除データを証拠として復元する特殊技術について紹介します。デジタルデータフォレンジックでデジタル機器内のログ調査を行い、証拠復元に貢献します。365日年中無休・相談見積無料。累計ご相談件数3.2万件以上。...

横領が発覚した場合の対応

横領が発覚、確定した場合は以下の手段を取ることができます。

損害賠償請求

社長が業務上横領をした場合、民事上の責任である損害賠償請求をすることができます。

しかし、業務上横領は他の横領と違い、比較的に被害金額が高額になる傾向があり、回収が難しい場合があります。

この場合、退職金の不支給や、退職後の再就職先で得ている給料の差押えから回収する方法が一般的です。

損害賠償請求を提起する場合、横領した事実を裏付ける証拠が必要になります。関係者の話やデータ履歴など、証拠となるものは全て残しておくようにし、必要な場合は調査会社に相談して証拠を確保するようにしましょう。

刑事告訴

被害額の規模が大きい場合は、刑事告訴に踏み切り、刑事上の責任を追及することも可能です。

刑事告訴とは、被害者が捜査機関に対し、事実を申告して犯人の処罰を求めることを言います。警察署に告訴状を提出することで捜査が開始になりますが、告訴を受理してもらうためには、横領の事実を証明する客観的証拠を提示する必要があります。

自社での調査は客観性が担保されず、受理されない可能性があります。この場合、外部の調査会社と提携することで、専門的な知識に基づいた調査で客観性がある証拠を確保でき、裁判でも使用できる書類の作成まで行うことができます。

個人や自社のみでの客観的な証拠の確保は難しく、膨大なコストと時間が必要になります。横領による被害額が大きい場合は、調査会社に相談し、適切な対処を取るようにしましょう。

\官公庁や上場企業、捜査機関 対応実績対数//

横領の可能性がある場合は専門業者に調査を依頼する

DDF

横領、社内不正、情報持ち出しのような問題が発生した場合、被害の全容漏えいした情報の内容などを正確に把握したうえで、解雇や訴訟を行うことが望ましいです。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。

このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。

デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しておりますので、お気軽にご相談ください。

官公庁・上場企業・捜査機関等まで幅広い調査対応経験を持つ専門の担当とエンジニアが対応させていただきます。

対応機種

対応機種

インシデントが発生した際、フォレンジック調査を行うか決定していない段階でも、今後のプロセス整理のために、まずは実績のある専門会社へ相談することを推奨しています。

取引先や行政に報告する際、自社での調査だけでは、正確な情報は得られません。むしろ意図的にデータ改ざん・削除されている場合は、情報の信頼性が問われることもあります。

インシデント時は、第三者機関に調査を依頼し、情報収集を行うことを検討しましょう。

DDF(デジタルデータフォレンジック)では、フォレンジックの技術を駆使して、法人/個人を問わず、お客様の問題解決をいたします。

当社では作業内容のご提案とお見積りのご提示まで無料でご案内しております。

解析した結果は、調査報告書としてレポートを作成しています。作成した報告書には、調査で行った手順やインシデントの全容などが詳細に記載され、法執行機関にも提出可能です。

調査の料金・目安について

まずは無料の概算見積もりを。専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
機器を来社お持込み、またはご発送頂ければ、無料で正確な見積りのご提出が可能です。
まずはお気軽にお電話下さい。

【法人様限定】初動対応無料(Web打ち合わせ・電話ヒアリング・現地保全)

❶無料で迅速初動対応

お電話でのご相談、Web打ち合わせ、現地への駆け付け対応を無料で行います(保全は最短2時間で対応可能です。)。

❷いつでも相談できる

365日相談・調査対応しており、危機対応の経験豊富なコンサルタントが常駐しています。

❸お電話一本で駆け付け可能

緊急の現地調査が必要な場合も、調査専門の技術員が迅速に駆け付けます。(駆け付け場所によっては出張費をいただく場合があります)

法人様は最短30分でWeb打ち合せ(無料)を設定

無料で初動対応いたします
無料で初動対応いたします

よくある質問

調査費用を教えてください。

対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。

土日祝も対応してもらえますか?

可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。

匿名相談は可能でしょうか?

もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。

 

 

この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数32,377件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

電話で相談するメールで相談する
フォームでのお問い合わせはこちら
  • 入力
  • 矢印
  • 送信完了
必 須
任 意
任 意
任 意
必 須
必 須
必 須
必 須
必 須
必 須
簡易アンケートにご協力お願いいたします。(当てはまるものを選択してください) 
 ハッキングや情報漏洩を防止するセキュリティ対策に興味がある
 社内不正の防止・PCの監視システムに興味がある