戒告処分は、懲戒処分の一種であり、従業員の問題行為に対して行動の改善を促し、組織の秩序を保つ役割があります。しかし、不当な戒告処分をした場合、労使紛争に発展するケースもあるため、十分な証拠確保が必要になります。
もちろん勤務態度であれば社内でのヒアリングから証拠を確保できます。しかし「データが改ざんされた」「情報が漏えいした」などのトラブルが発覚時、どのように証拠を確保すべきでしょうか?
この記事では、戒告処分がされるケースと、正確な証拠確保の方法、戒告処分の流れについて解説しています。
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目次
戒告処分とは
戒告処分は、従業員の問題行為に対して、厳重注意を言い渡す懲戒処分の一つで、多くの会社で最も軽い処分に分類されています。
戒告処分は労働基準法や労働契約法で定められている物ではないため、内容の詳細は会社の就業規則によって決まっています。
どのような場合に戒告処分となる?
戒告処分が言い渡される可能性として、法律や就業規則、社内ルールに違反した場合や、素行が悪い場合が挙げられます。
会社に与える不利益や損害が小さい場合や、程度が軽い行為だと判断された場合に、戒告処分になることが多いです。
戒告処分になり得るケースとしては、以下が挙げられます。
複数回の無断欠席や遅刻
度重なる欠席や遅刻は会社に不利益を与える行為になるため、戒告処分になる場合があります。
欠席や遅刻の指導を行っても改善が見られない場合、減給や懲戒解雇などのより重い処分になることもあります。
就業上禁止されている兼業や副業を行った
就業規則で兼業や副業が禁止されているにもかかわらず、行っていた場合は戒告処分を受ける可能性があります。
兼業や副業を行う場合、就業規則を確認し、会社の許可を得る必要があります。本業に支障をきたさないように注意が必要です。
会社のデータを勝手に改ざん、変更、削除をした
会社のデータの不正利用があった場合、企業の信用が失墜する可能性に加えて、取引先や顧客に損害を与える可能性があるため、戒告処分よりも厳しい処分が言い渡されることも少なくありません。
企業側は戒告処分をする際、データを改ざん変更された証拠が必要になります。専門業者では、トラブルの調査から、証拠として利用可能な書類の作成まで行うことができます。
これらの調査は機器を解析する必要があり、専門的なノウハウが必須の作業になるため、弁護士では対応外の調査になります。そのため、フォレンジック調査ができる業者に依頼する必要があります。
フォレンジック調査では、戒告処分に必要な証拠を確保でき、被害データの特定できるため、発覚した時点で専門業者に相談し、被害を最小限に抑えるようにしましょう。
機密情報や営業秘密を外部に漏えいした
企業秘密や営業秘密を漏えいした場合、戒告処分を受ける可能性が高く、漏えいした情報の重要度や損害の規模によっては、減給や出勤停止、諭旨解雇などの処分を受けることもあります。
情報が流出した場合、マニュアルや商品の開発方法などの機密情報が流出した場合、競合他社にノウハウを真似されるなどして、競争の低下が起きる可能性があり、会社にも大きな損害が発生してしまうことに注意が必要です。
情報が漏えいした企業は「改正個人情報保護法」によって報告と通知が法人に義務づけられており、違反した企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。法的リスクを抑えるためにも、正確な証拠を確保し、明示する必要があります。
この際、サイバーセキュリティ専門家に相談して解析・調査を行うことをおすすめします。
私たちデジタルデータフォレンジックは、緊急性の高いインシデントにもいち早く対応できるよう24時間365日体制で調査を受け付けており、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験があります。
お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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セキュリティ上の問題が発覚した際の組織における注意点
機密情報が流出した、データが漏えいしたなど、セキュリティ上の問題が発生した場合、企業側は大きな損害が発生したり、民事的責任に問われる可能性があります。
この場合、漏えいや改ざんが起きたデータの特定、流出範囲などの被害状況を把握し、正確な証拠を確保する必要があります。
自社内での証拠確保は難しい
法的措置が必要で、デジタルデータが重要証拠となる場合、データの改ざんの有無を証明できなければ、証拠として認められないことがほとんどです。
専門的なノウハウが無い中で調査を行っても、正確な実態調査・証拠確保は難しいことに加え、自社調査だけでは客観性や正確性が担保できないため、不十分な証拠として扱われる可能性があります。
早期発見が重要/適切な対応を行わないとペナルティも
顧客情報など情報漏えいが疑われる場合、個人情報保護法委員会へ速やかに報告することが求められており、特に重大な個人情報の漏えいがあった場合は、被害者への通知も必要とされています。もし被害が放置されると、さらなる悪影響が生じる可能性があります。
特に法人は2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」により、個人データの漏えい、あるいは漏えいが発生する可能性がある場合、報告と通知が法人に義務付けられました。仮に報告義務を怠ったり不適切な対応を行った企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。
したがって、情報漏えいが疑われる場合は、フォレンジック調査によって、適切な対応を行い、被害の早期発見、および全容の解明をおこなうことが重要です。
フォレンジック調査は、デジタル証拠の収集解析を目的とした科学的な調査方法です。どのデータを漏えいさせ、どこまで流出したかを把握し、判決に使用可能な書類の作成、再発防止策を講じることもできます。
ただし、調査を行う場合、法知識や専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難なため、フォレンジック専門家と提携して調査を実施することをおすすめします。
私たちデジタルデータフォレンジックは、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験があり、攻撃に使用された侵入経路や漏えいデータを迅速に特定します。ご相談や詳細な情報については、いつでもお気軽にお問い合わせください。
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戒告処分をする場合の一連の流れ
以下では、戒告処分をする手続きの流れを順番に説明して行きます。
ただし、従業員によるデータトラブルが発生し、戒告処分をするにあたって証拠が必要な場合は、フォレンジック調査ができる専門業者に依頼しましょう。証拠の確保から、判決でも使用できる書類の作成、再発防止に向けた防止策を立てることができます。
戒告自由に該当しているかの確認を行う
戒告処分をする場合、まずは就業規則の「懲戒」の項目を確認し、該当するかどうか確認する必要があります。
戒告処分を検討している場合、以下の項目も確認するようにしましょう。
- 従業員の問題点が懲戒の項目で、戒告処分の項目として挙げられているか
- 自社の就業規則に「戒告」という処分が定められているか
- 自社の就業規則がどのような内容の処分として定められているか
- 始末書の提出を命じる内容になっているか
就業規則が周知されているかについても確認する必要があります。周知されていない場合、裁判所では効力が無いことが多く、戒告処分が無効と判断される可能性があります。
処分理由についての証拠を確保する
戒告処分を行う場合、対象となる問題行動についての証拠を確保する必要があります。
具体的な証拠が無い状態で戒告処分を行うと、客観的に合理的な理由を欠く処分として無効になります。
遅刻や欠席、ハラスメント行為などが理由で戒告処分を行う場合、社内でヒアリングを行うなどして十分な調査を行い、証拠を確保しましょう。
データが漏えいした、改ざんされた場合、端末を解析して証拠を確保する必要があります。自社での調査はコストと時間がかかるうえに、不十分な証拠として扱われるため、専門業者に依頼することをおすすめします。
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弁明の機会を設ける
戒告処分を実施することが決定した場合は、従業員に対して、どのような問題行為に処分を予定しているか具体的内容を告げた上で、従業員の弁明を聞く手続きを行う必要があります。
「弁明の機会の付与」と呼ばれ、戒告処分のような軽い処分を予定している場合でも、従業員に弁明を述べる機会を与える必要があります。
具体的な流れは、以下の通りです。
- 会社から本人に「弁明通知書」を交付して弁明の機会を与える
- 本人から会社に「弁明書」を提出させる
弁明の機会を与えず、戒告処分について訴訟が行われた場合、「言い分も聴かずに懲戒処分をされた」と主張され、処分が無効と判断される理由となるため、注意してください。
処分の内容を確定する
従業員による弁明の内容も加え、最終的に会社として戒告処分するかを確定します。
弁明書の受理から直ちに処分するのではなく、弁明書の内容を十分に検討し、処分を確定するようにしましょう。
戒告処分通知書を交付する
戒告処分が決定したら、従業員に戒告理由が掲載された「戒告所」を交付します。
戒告所の書き方についてはよく調べ、記載事項に漏れが無いように注意しましょう。
従業員に始末書の提出を命じる
就業規則において、あらかじめ始末書の提出を命じている場合は、期限を定めて従業員に始末書の提出を命じる必要があります。始末書の提出期限を戒告書に記載しておきましょう。
社内での公表を検討する
戒告処分を行った場合、社内で公表することを検討しましょう。問題行為を明確にし、適切な処分を行うことで企業秩序を保つ目的があるからです。
しかし、公表についてはトラブルに発展し、名誉棄損にあたる可能性もあります。社内の規律維持の観点から必要な範囲での公表に留め、客観的事実のみを公表するようにしましょう。
確実に調査したい場合は専門業者に依頼する
不正アクセス、社内不正、情報持ち出し、職務怠慢のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備での端末の調査・解析、調査報告書の提出ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しておりますので、お気軽にご相談ください。
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