サイバー攻撃

都立高校に講師がサポート詐欺被害、生徒の情報が流出か

本記事では、都立高等学校講師が自宅で、私物パソコンを使用中に「サポート詐欺」の被害に遭い、同パソコン内に保存されていた生徒個人情報(326名分)が流出した可能性がある件について、公式リリースや報道記事を参考に専門家目線で解説しています。

出典:東京都教育委員会

自宅で私物パソコンを使用中「サポート詐欺」の被害にあう

2024年7月28日(日)の午前中に、講師が自宅で私物パソコンを使用中、警告音とともに、「パソコンが狙われている」と表示されたそうです。

講師は、表示されていた電話番号に電話をかけたところ、電話の相手からパソコンの操作の指示をされ従いました。

指示に従った結果、パソコンが遠隔操作されたようです。

さらに、講師は口座のある銀行のWebページにアクセスするように指示を受け、当該銀行口座残高を確認されたのちに、相手から電話を切断されたとのこと。

同月30日(火)に午後4時頃、同講師は勤務校の一校に連絡し、状況を伝え、学校が事実関係を確認したと発表されています。

講師の私用パソコンには、生徒のデータが保存されていた

2024年8月2日(金)に当該勤務校において再度詳細に確認したところ、3校計326名の生徒の氏名、成績等のデータが当該パソコンに保存されていることが判明したことが発表されています。

事故後の対応

当該勤務校及び講師の事故後の対応は以下のとおりです。

  1. 2024年7月30日に講師は警察に相談するとともに、当該パソコンのインターネット接続を遮断。
  2. 2024年8月2日に当該パソコンの初期化。
  3. 流出の可能性のある保護者に対して、それぞれ学校から事故に係る説明・謝罪。

インターネットで横行する様々な詐欺について

インターネット詐欺では、金銭だけでなく、クレジットカードやパスワードに紐づく個人情報も狙われます。手口にはフィッシング詐欺、サポート詐欺、オンラインショッピング詐欺などがあります。

ネットサーフィン中にいきなり爆音のサイレンとともに警告文が現れたり、連絡できる時間に制限時間を設けてユーザーを焦らせるなど、心理的な隙をついた手口のため、詐欺と気付いた頃には遅かったという場合もあります。

インターネット詐欺の被害に遭ったなど相談したい場合は、相談窓口もあるので参考にしてください。

>インターネット詐欺被害の相談窓口について徹底解説

詐欺に気付くためには、手口を知ってリテラシーを向上させることが一番です。インターネット詐欺についてそれぞれ詳しく解説している記事も合わせてお読みください。

>サポート詐欺とは?手口や警告画面をクリック・電話した際の対処法

>ビジネスメール詐欺とは?手口から対策まで専門家が徹底解説

>フィッシング詐欺の手口や対策を解説 | 被害時の適切な対処とは?

学校等における個人情報の取り扱いの脆弱な点

再発防止策として、学校等における個人情報等の取扱いや適正な管理について、再度周知徹底を行うと発表もありましたが、ここが課題であることは紛れもない事実でしょう。

学校等で個人情報が漏洩・紛失することは珍しくなく、2024年9月1日時点で、東京都立の学校で2024年に発表された個人情報漏洩は、9件ありました。

出典:報道発表資料

この9件という数字は東京都立だけで、市立、県立などのほかの公立校や、市立の学校は含まれていません。

全国の学校を考えれば、個人情報の漏洩はもっと起きていると考えられ、国や自治体規模で情報の取り扱いに対しての問題点が浮き彫りになってきています。

個人情報保護法による報告義務について

2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」では、情報漏えいが発生した際に、企業は個人情報保護委員会へ2回報告する義務があります。

それぞれ報告内容と報告期限が定められているため、注意しましょう。違反した企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。

>【最新】個人情報漏えい時における対応方法とフォレンジック調査について紹介

フォレンジック調査とは

フォレンジック調査とは、サイバー攻撃、情報漏えい、データ改ざんなどのセキュリティ関連インシデントが発生した際に、その原因を特定し、被害の範囲や影響を明らかにするための詳細な調査手法です。

もともとフォレンジック調査は、犯罪や事件が起きた時、その現場から犯行の手掛かりとなる「鑑識」を指していました。特にデジタルデータからの証拠収集・分析は「デジタル鑑識」あるいは「デジタル・フォレンジック」とも呼ばれます。

インシデントが発生した場合、内容によっては特定の機関への報告義務が生じることがあります。自社のみで調査を行った場合、報告書の内容が認められないケースもあり、第三者機関による調査が一般的です。

私たちデジタルデータフォレンジック(DDF)は、官公庁、上場企業、捜査機関など、多様な組織のインシデント対応を行ってきた実績があります。

相談や見積もりは無料で、24時間365日体制でご依頼を受け付けています。早期対応が被害拡大防止の鍵となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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DDFは累計ご相談件数3.9万件以上のフォレンジック調査サービスです

累計ご相談件数39,451件以上の豊富な実績

まとめ

今回の記事は、都立高等学校講師の私物パソコンを使用中に「サポート詐欺」の被害に遭い、保存されていた生徒個人情報が流出した件について書かせてもらいました。

個人情報の取り扱いやサポート詐欺について詳しく解説している記事も市で紹介しているのでお読みください。

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この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数39,451件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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