セキュリティ対策

企業がセキュリティ対策を考えるときに欠かせない3つのリスク観点

Webサイトのセキュリティ診断を行っている調査員の手元

企業のセキュリティ設計において、「どこにどんなリスクがあるのか」を正しく捉えることは極めて重要です。単にセキュリティ製品を導入するだけでは、本質的なリスク対策にはつながらず、抜け漏れや過剰投資が生じることもあります。

特に近年は、クラウド移行やサプライチェーン依存が進み、想定すべきリスクはシステム面にとどまらず、事業継続や法令対応まで広がっています。こうした状況で、リスクの全体像を把握しないまま設計を進めることは危険といえるでしょう。

そこで本記事では、企業がセキュリティ対策を検討する際の「目的」を整理するための3つのリスク観点を軸に解説します。あわせて、特定したリスクを具体的に評価・分析するための補助的な視点(評価手法)も紹介し、判断に役立つ考え方をわかりやすく整理します。

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セキュリティにおける「リスク」とは何か

セキュリティにおけるリスクとは、将来起こりうる事故・攻撃・障害などによって「企業が損害を受ける可能性」を指します。リスクは単なる不安や不確実性ではなく、「発生する可能性 × 発生したときの影響の大きさ」で評価される具体的な指標です。

たとえば、重要な顧客データが外部に漏えいする可能性や、業務システムが使えなくなることで取引が滞るといった事態がリスクとして考えられます。

つまり、セキュリティ対策の目的は「リスクをゼロにする」ことではなく、想定されるリスクを特定し、優先順位をつけて適切に管理することにあります。

なぜセキュリティ対策は「リスク観点」から考える必要があるのか

セキュリティ対策を考えるとき、「どのツールを使うか」「どこに導入するか」から検討を始めてしまうと、本質的な課題を見落とすことがあります。なぜなら、企業ごとに抱えるリスクの性質や優先度は異なるからです。

そのため、まずは「自社にとってのセキュリティリスクは何か」を観点ごとに整理することが重要です。一般にリスクは「発生する可能性」と「発生した場合の影響度」の組み合わせで評価されます。

この2軸で整理したリスクマトリクスを用いることで、優先的に対応すべきリスクと、許容・監視すべきリスクを可視化でき、予算や人材、技術投資の判断が行いやすくなります。

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企業がセキュリティ対策を考える際に重要な3つのリスク観点

セキュリティリスクを評価・整理するうえで、以下の3つの観点がよく使われます。どの観点を重視するかによって、対策の内容や投資の方向性が大きく変わってきます。

システムリスクの観点

ITシステムやネットワークの脆弱性、構成ミス、検知不足といった技術的な不備が原因で発生するリスクです。外部からの攻撃や内部不正により、システム停止やデータ改ざんが生じる可能性があります。

近年では、クラウド環境の設定不備(公開設定の誤り等)による意図しない情報公開も、この観点に含まれます。

この観点では、例として次のような取り組みが検討されることがあります。

  • SKYSEAやDDEによるログの一元管理
  • SOC(セキュリティ監視センター)の導入による異常検知の強化
  • 定期的なペネトレーションテストや脆弱性診断の実施
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事業継続リスクの観点

システム障害や攻撃によって事業が停止するリスクを指します。基幹システムや受発注システムの停止は、顧客や取引先に直接的な影響を及ぼします。

加えて、委託先やサプライチェーン上の企業がサイバー攻撃を受けた結果、自社サービスが停止するケースも、事業継続リスクとして考慮する必要があります。

  • イベント検知・ログ監査の体制整備
  • 社内訓練やセキュリティ演習の定期実施
  • クラウド環境の可用性チェックと冗長化設計
  • 社員への継続的なセキュリティ教育
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個人情報保護法やGDPRなどの法令違反、ガイドライン未対応、規定違反により、罰則や行政処分、信用毀損を招くリスクです。

とくに、委託先を通じた個人情報漏えいが発生した場合でも、委託元である企業が監督義務を問われる点には注意が必要です。

  • クラウドベンダー選定時に、GDPR等の法令適合性を確認
  • アクセスログ・監査ログの保管体制の強化
  • EDR(エンドポイント監視)ツールの導入による不正検知(例:SentinelOne)
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リスクを評価するための3つの補助的な視点

前述の3つのリスク観点は、企業としてどの領域を優先すべきかという「目的」を整理するための分類です。一方、特定したリスクを具体的に評価・分析するためには、以下のような補助的な視点(評価手法)が有効です。

CIA(機密性・完全性・可用性)の観点

セキュリティリスクを評価するうえで基本となるのが、機密性(Confidentiality)・完全性(Integrity)・可用性(Availability)の3軸です。

  • 機密性:許可されていない人が情報にアクセスできないようにする
  • 完全性:情報が改ざんされておらず、正確であることを保つ
  • 可用性:必要なときに情報やシステムが使える状態を維持する

この3要素は、多くのセキュリティ認証やISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)でも中核的な枠組みとして使われています。

資産・脅威・脆弱性の観点

「何が」「なぜ」「どうやって」リスクにさらされるのかを構造的に捉える方法として、資産・脅威・脆弱性の3点を分けて考える枠組みがあります。

  • 資産:守るべき情報やシステム(例:顧客データ、工場の制御装置など)
  • 脅威:資産に損害を与える要因(例:サイバー攻撃、自然災害、内部不正)
  • 脆弱性:脅威に付け入られる弱点(例:設定ミス、リテラシー不足)

この視点を使うと、リスクの構造を分解して把握しやすくなります。

ビジネスインパクトの観点

経営や事業継続への影響を視野に入れてリスクを評価することも重要です。たとえば、同じサイバー攻撃でも、影響が以下のように異なることがあります。

  • 事業継続への影響:基幹システムの停止などで受発注が止まる
  • 金銭的損失:対応コスト、売上損失、訴訟リスクなど
  • レピュテーション:情報漏えいが報道され、信頼を損なう
  • 法令対応:個人情報保護法などへの違反による行政処分や制裁

このようなインパクトを定量・定性的に評価することで、リスク対策の優先順位をつけやすくなります。

3つのリスク観点を整理することで見えてくる対策の方向性

リスクを分類し、評価軸を明確にすることで、次のような具体的な判断がしやすくなります。

  • システムリスクを重視する場合: 技術的な防御・検知力の強化、監視体制の導入など
  • 事業継続を優先する場合: 冗長化・訓練・BCP策定など体制面の整備が中心に
  • 法令順守を重視する場合: ログ保管・ポリシー整備・EDR導入などが最優先に

こうした方向性を明確にしたうえで対策を選定すれば、過剰投資や偏りのある対策を避けることができます。

リスク整理をセキュリティ体制強化に活かすポイント

ここまで紹介した分類視点を踏まえ、リスク評価・対策の検討においては以下のような点を押さえておくと有効です。

  • 全体把握と優先順位付け: リスクを一覧化し、ビジネスへの影響度と発生確率でスコアリングする
  • 関係者の巻き込み: 情報システム部門だけでなく、経営・法務・人事といった部署も含めた横断的な検討体制を整える
  • PDCAによる継続的改善: 一度対策を講じて終わりではなく、監査ログやインシデント対応の実績から見直しを繰り返す

また、外部専門家による診断やアドバイスを受けることで、視点の偏りや見落としを防ぐことも有効です。

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サイバーセキュリティ対策はデジタルデータフォレンジックへ相談する

サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア感染のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。

特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。

>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説

当社では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。

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デジタルデータフォレンジックの強み

デジタルデータフォレンジックは、迅速な対応と確実な証拠収集で、お客様の安全と安心を支える専門業者です。デジタルデータフォレンジックの強みをご紹介します。

累計相談件数47,431件以上のご相談実績

官公庁・上場企業・大手保険会社・法律事務所・監査法人等から個人様まで幅広い支持をいただいており、累積47,431件以上(※1)のご相談実績があります。また、警察・捜査機関から累計409件以上(※2)のご相談実績があり、多数の感謝状をいただいています。
(※1)集計期間:2016年9月1日~
(※2)集計機関:2017年8月1日~

国内最大規模の最新設備・技術

自社内に40名以上の専門エンジニアが在籍し、17年連続国内売上No.1のデータ復旧技術(※3)とフォレンジック技術でお客様の問題解決をサポートできます。多種多様な調査依頼にお応えするため、世界各国から最新鋭の調査・解析ツールや復旧設備を導入しています。
(※3)第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2023年)

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この記事を書いた人

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エンジニア

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