退職者のパソコンには、不正なデータ持ち出しなどの痕跡が残っている可能性があります。
初期化や再利用の前に、フォレンジック調査で証拠を保全することが重要です。
端末は速やかに回収し、電源を切らず・ネットワークから隔離して保管します。調査では、ディスクの完全コピーを取得し、ログや送信履歴などを分析します。一度初期化されると、証拠は二度と復元できません。
本記事では、退職者のパソコンチェックが重要な理由と、効果的な調査・保全方法を具体的に解説します。
\退職者のPC調査・証拠保全に強い専門チームが対応中/
目次
退職者のパソコン調査でチェックすべきポイント
退職者による情報持ち出しが疑われる場合、次のポイントを中心にフォレンジック調査を進めます。
USBや外部機器の接続履歴
USBメモリや外付けHDDなど、外部デバイスが接続された形跡は、持ち出しの有無を判断する重要な証拠となります。接続時刻や使用ファイルまで確認可能です。
- Windowsのレジストリやイベントログの確認
- 接続履歴・ドライブ名・機器IDを抽出
- 接続タイミングと操作内容の関連性を分析
削除・初期化されたファイルの痕跡
意図的に削除されたファイルも、フォレンジック手法によって復元や痕跡の検出が可能です。特に退職前後で削除されたファイルは注意が必要です。
- 削除済みファイルの復元ソフトによる走査
- ファイル名・削除日時・アクセス者を記録
- ハッシュ値と復元ファイルの整合性を確認
クラウド・メール経由での送信履歴
個人アカウントやクラウドストレージを通じて、社外にデータを持ち出しているケースもあります。履歴確認には専用ツールの活用が有効です。
- ブラウザ履歴・キャッシュの解析
- 送信先メールアドレス・添付ファイルの確認
- 同期アプリのログファイル解析
アクセス・操作ログの分析
フォルダや特定ファイルへのアクセス履歴、コピー・移動・閲覧といった操作の流れを時系列で追跡することで、情報持ち出しの有無を判断できます。
- Windowsの操作履歴やシステムログを抽出
- 重要フォルダへのアクセス時刻を確認
- 操作ログと接続機器・送信履歴を突合
退職者のパソコンの証拠は、初期化前の迅速な保全がカギ
退職後にパソコンを初期化・再利用してしまうと、不正の痕跡や証拠が完全に消失する恐れがあります。
そのため、退職のタイミングで証拠保全を行う体制をあらかじめ整えておくことが重要です。必要に応じてフォレンジック調査を実施することで、不正の有無を客観的かつ科学的に判断できます。
万が一、不正の疑いがある場合は、初期対応を誤る前に、フォレンジック調査の専門会社に相談することが最も確実です。DDFでは、端末の保全から証拠分析まで一貫して対応しています。
\退職者のPCログ・削除ファイル調査に対応/
退職者による情報漏洩は増加している
画像出典:IPA「企業における営業秘密管理に関する実態調査2024」
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開した「企業における営業秘密管理に関する実態調査2024」では、営業秘密の漏えいルートに関する最新の傾向がまとめられています。
この調査結果から明らかになったのは、退職者による情報漏えいの割合が過去に比べて明確に増加しているという事実です。
退職者による漏えいルートの推移
「営業秘密の漏えいが発生したルート」より、以下のように退職者に関連する項目を抜粋しました。
【2020年】
- 中途退職者による漏えい(役員・正社員):36.3%
- 契約満了後・中途退職した契約社員・派遣社員による漏えい:1.8%
- 定年退職者による漏えい:0.9%
- 合計:39.0%
【2024年】
- 中途退職者による漏えい(役員・正社員):17.8%
- 契約満了後・中途退職した契約社員・派遣社員による漏えい:14.6%
- 定年退職者による漏えい:12.0%
- 合計:44.4%
退職者による漏えいは5.4ポイント増加
2020年と2024年を比較すると、退職者に起因する情報漏えいの合計は39.0%から44.4%と5.4ポイント増加しており、明確な上昇傾向が見られます。
とくに「中途退職者(役員・正社員)」による漏えいは単独で36.3%から17.8%に減少しているものの、契約満了後、中途退職した契約社員・派遣社員による漏えいや定年退職者による漏えいが2020年度よりそれぞれ10%以上増加しています。
よって、従来重視されていた正社員・役員のみに対する対策だけで情報漏えい対策は不十分であり、契約社員や派遣社員、定年退職者といったにも、同等の情報管理措置を徹底する必要があることがわかります。
退職時の端末チェックとフォレンジック対応が重要に
このようなデータからもわかるように、退職者による情報漏えいは現在進行形で増加しているリスクです。しかも漏えいは、退職時やその直前に行われるケースが多く、証拠が残っているタイミングも「退職前の端末やアカウントの確認時」が最後のチャンスとなります。
しかし、端末を初期化・再利用してしまえば、その痕跡は二度と取り戻せません。そこで有効なのが、データフォレンジックによる証拠保全・調査体制の整備です。フォレンジック技術を活用することで、以下のような調査が可能になります。
- USB接続履歴やファイルコピーの確認
- クラウド同期・転送履歴の追跡
- 削除されたファイルやチャット・メールの復元
- ログイン記録や操作ログの時系列分析
退職者による情報持ち出しは、今や一部の業種だけの問題ではありません。「退職者の端末チェックをどこまでやるか」ではなく、「証拠をどう残し、万が一の時に備えるか」が企業のリスク対策の分岐点です。
初動でのミスが証拠の消失につながるため、確実な対処には専門会社の支援が不可欠です。
詳しく調べる際はフォレンジック調査の専門会社に相談を
不正アクセス、社内不正、情報持ち出し、職務怠慢のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備での端末の調査・解析、調査報告書の提出ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しておりますので、お気軽にご相談ください。
官公庁・上場企業・捜査機関等まで幅広い調査対応経験を持つ専門の担当とエンジニアが対応させていただきます。
調査の料金・目安について
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
機器を来社お持込み、またはご発送頂ければ、無料で正確な見積りのご提出が可能です。
まずはお気軽にお電話下さい。
【法人様限定】初動対応無料(Web打ち合わせ・電話ヒアリング・現地保全)
❶無料で迅速初動対応
お電話でのご相談、Web打ち合わせ、現地への駆け付け対応を無料で行います(保全は最短2時間で対応可能です。)。
❷いつでも相談できる
365日相談・調査対応しており、危機対応の経験豊富なコンサルタントが常駐しています。
❸お電話一本で駆け付け可能
緊急の現地調査が必要な場合も、調査専門の技術員が迅速に駆け付けます。(駆け付け場所によっては出張費をいただく場合があります)
よくある質問
対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。
もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。


