OSINT(Open Source Intelligence)とは、公開情報を計画的に収集・分析し、組織の意思決定や安全確保に役立つ価値ある洞察を提供する情報収集・分析技法です。近年では、サイバーセキュリティや企業のリスク管理、マーケティング、法執行、国家安全保障などの多様な分野で活用されており、攻撃者も防御者も両面で利用されています。
この記事では、OSINT(Open Source Intelligence)の一般的なプロセスや注意点、サイバー攻撃者によって悪用されるケース等について解説しています。
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目次
- OSINT(Open Source Intelligence)とは
- OSINT(Open Source Intelligence)の一般的なプロセス
- よく利用されているOSINT(Open Source Intelligence)ツール
- OSINT(Open Source Intelligence)は違法なのか?
- サイバー攻撃者がOSINT(Open Source Intelligence)を悪用するケース
- 情報漏えいが発覚した際の対応
- 企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
- 企業がとるべき情報漏えい対策
- DDFのOSINT(Open Source Intelligence)調査
- OSINT(Open Source Intelligence)調査の費用
- OSINT(Open Source Intelligence)調査は専門業者に相談する
- よくある質問
OSINT(Open Source Intelligence)とは
OSINTとは「Open Source Intelligence(オープンソース・インテリジェンス)」の略称で、本来、軍事の参謀活動の一部として用いられ、国家安全保障や軍事的な戦略決定に活用されていました。
誰もが入手可能な一般公開情報のニュースやテレビ・ラジオ・SNSなど「合法的に入手できる資料」を組み合わせて分析し、情報として活用可能な状態にする手法です。米国国防総省(DoD)によって、「特定の情報要件に対処する目的で、一般に入手可能な情報を収集し、利用し、適切な対象者に適時に普及させた情報」と定義されています。
OSINT(Open Source Intelligence)の一般的なプロセス
OSINTを活用していくためには、まずそのプロセスを十分理解することが必要です。公開情報の収集や分析はあくまでプロセスの一段階であり、それらだけで完結するものではありません。十分計画を行ったうえで、収集した情報を分析し有益な情報(インテリジェンス)に変換するというOSINTの一連のプロセスをインテリジェンスサイクルと呼ばれています。
このサイクルを通じて、単なる情報収集から価値あるインテリジェンスを生み出し、組織のセキュリティ対策やビジネス判断を支えます。また、法律・倫理面の配慮や情報の信頼性検証、継続的なアップデートも重要です。下記で、そのプロセスについて解説していきます。
①調査の計画
自社や組織が直面する課題や脅威を明確化し、どの情報が必要かを特定します。収集の目的や優先順位を設定し、調査範囲と方法を決めます。
②情報の収集
計画に基づき、インターネット、公的データベース、SNS、ニュース、専門ブログなどの公開情報をツールや手技を使って収集します。
③分析のためのデータ処理
収集した大量かつ非構造化データを整形・フィルタリングし、分析しやすい形に変換します。不要なデータの除去や標準化が行われます。
④データの脅威分析
処理された情報を分析し、攻撃パターンや脅威の意図、重要度を評価します。脅威の優先順位づけやリスク評価を行い、実践的な対策案を導き出します。
⑤脅威インテリジェンスの共有
生成したインテリジェンスを関連部門や経営層など意思決定者に適切な形式で提供します。フィードバックを受け、必要に応じてサイクルを繰り返します。
よく利用されているOSINT(Open Source Intelligence)ツール
OSINTを活用し、情報を検索するために一番手軽な手法はツールを使用することです。ここではよく利用されているOSINTツールを紹介します。
- Maltego
ドメイン、IPアドレス、WEBサイト等から組織の関連性を調査するツール。ユーザーインターフェイスをグラフとして可視化できる。 - Spiderfoot
企業や団体の公開情報を取得できるツールです。100以上の公開データソースを自動的に検索し、IPアドレス、ドメイン名、メールアドレス、名前などの情報を収集します。 - Shodan
インターネットに接続されたデバイスを探し出すことが出来る検索エンジンです。不要なポート・サービスが公開されていないか、レスポンスに不要な情報が記載されていないかなど脆弱性を確認できる。 - OSINT Framework:OSINT.Link
公開された情報を収集するのに活用できる。 - Have I Been Pwned
メールアドレスを入力するだけで個人情報の流出を確認できる。 - Firefox Monitor
「Have I Been Pwned」と同様にメールアドレスを入力するだけで個人情報の流出を確認可能。日本語に対応しているため、比較的扱いやすい。 - Talkwalker & HootsuiteのOSINTツール
AIを活用したSNS・ウェブモニタリングに強く、150万以上のサイトと30以上のソーシャルネットワークをリアルタイムで監視し、感情分析やトレンド予測ができます。 - Lenso.ai
AI搭載の顔検索逆転ツールで、画像だけから人物情報を見つけ出し、関連URLの追跡やアラート設定が可能です。 - Hunter
メールアドレス検索専用で、関連企業や個人の名前から正確なメールアドレスを探せます。
これらはそれぞれ特徴が異なるため、調査対象や目的に応じて使い分けるのが一般的です。より広い範囲で精確に調査したい場合は、OSINT調査の実績や経験が豊富で十分な知識を有している専門業者へ依頼することをおススメします。
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OSINT(Open Source Intelligence)は違法なのか?
OSINTの利用は一般に公開されている情報を収集・分析するため、違法ではありません。ただし、特定の企業(ターゲット)に対しての攻撃行為・スキャンツールを使用し情報を収集する行為は違法となります。
OSINTの対象行為と違法行為の例は以下の通りです。
OSINTの対象行為
- 企業のウェブサイトを閲覧する
- 第三者がスキャンツールを使って収集した情報を公開しているサイトから情報を収集する
- WebサイトからSSL/TLS証明書を取り出し、サブドメインを特定する
- SNSに公開されている企業・従業員情報を収集する
- インタビュー記事や企業のプレスリリースから情報を収集し、ライバル企業の企業戦略を予測する
OSINTの違法行為
以下の行為を許可なく実行した場合は違法になります。
- 企業のウェブサイトに対するブルートフォース攻撃
- 企業のサブドメインに対するブルートフォース攻撃
- スキャンツールを使って直接ターゲット企業から情報を収集する
- 違法な情報源から情報を購入する
ブルートフォース攻撃とは、「ブルートフォースアタック」「総当たり攻撃」「力任せ攻撃」とも呼ばれ、主にパスワードを不正に入手するために用いられます。
パスワードの考えられる全てのパターンを試み、完全に合致する文字列を割り出す手法です。
OSINTの注意点
OSINTを活用する上で、法律やモラルの観点から注意すべき点があります。前提としてOSINTは公開情報から情報を収集する手法ですが、公開されている情報を無制限に利用できるわけではないという事です。
例として、個人情報の利用が挙げられます。SNSの投稿から特定した個人情報は、一般に公開されているものの、許可なく利用して良い訳ではありません。場合によってはプライバシー侵害となり法に触れる可能性があります。
また、SNSに公開されている画像等、著作権により保護されている情報であれば、引用元の引用条件に従う必要があるでしょう。
インターネット上は数多くの情報で溢れていますが、その中にはフェイクの情報も少なくありません。OSINTを活用する際は、正しい情報を適切に判断することが求められます。
OSINTを活用する際は、OSINT調査の実績や経験が豊富で十分な知識を有している専門業者へ依頼することをおススメします。
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サイバー攻撃者がOSINT(Open Source Intelligence)を悪用するケース
OSINTは悪用されるケースもあります。インターネット上に公開されている情報は、サイバー攻撃者が悪意を持ってアクセスすることも可能な為です。
例えば、標的型メールの作成に悪用される場合、標的型メールを正規のメールに擬態させるための情報収集にOSINTが活用できます。
また従業員の個人情報を検索し、社内ネットワークの管理者権限を持っている人物を特定し、標的型攻撃のターゲットとすることが可能です。
OSINTはサイバー攻撃をより巧妙にするための大きな手段となります。

情報漏えいが発覚した際の対応
OSINTで対象の情報が発見された際、「意図して公開している情報かどうか」を判断しましょう。意図せず公開されている情報の場合、企業が管理できていなかったとも言え、攻撃者に悪用されるリスクは高まります。
個人情報の流出を確認した場合、二次・三次被害を防ぐためにも早急に適切な対応を取る必要があります。万が一情報漏えいが発覚した場合は、以下の対応を参考にしてください。
STEP1:メールアドレスとパスワードを変更する
企業で情報漏えいが発覚したら、早急にWebサイトのアカウントなどに使用しているメールアドレスとパスワードを変更しましょう。
また、複数のサイトで同じパスワードの使用は情報が漏えいした際の被害を拡大させてしまうため、サイトごとに異なるパスワードを再設定する必要があります。
STEP2:ログイン履歴を確認する
ログイン履歴の確認が可能な場合は第三者からの不正ログインがないか確認しましょう。
Googleアカウントの場合は[セキュリティ]→[最近のセキュリティ関連アクティビティを確認]で確認可能です。
STEP3:個人情報漏えいに関する実態調査を行う
個人情報の漏えいが発覚した際は、速やかに個人情報保護委員会へ報告し、「何の情報が流出しているのか」「なぜ情報が流出したのか」その実態を調査・報告する義務があります。調査は専門のノウハウが必要であり、調査結果に信頼性を持たせるためにも第三者機関による調査が望ましいでしょう。
企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
2022年4月施行の「改正個人情報保護法」では、財産的被害が生じるおそれのある個人データの漏えい等が発覚した場合、法人に以下の義務が課せられました。したがって、被害調査を行うことは再発防止のためだけでなく、個人情報取扱事業者の義務でもあります。
- 個人情報保護委員会への報告:当該企業は、個人情報保護委員会に漏えいの報告を行う。
- 当該個人に対する通知:当該企業は、個人情報漏えいの被害を受けた個人に通知を行う。
仮に措置命令違反や個人情報の不正流用が発生した場合、最高で1億円の罰金が科せられる可能性もあります。したがって、情報漏えい時、どの情報が、どのように漏えいしたのかを調査し、今後の対応や予防策を考える必要があります。

ただし、被害の調査を行う場合、法的知識や専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難であるため、フォレンジック専門家と提携して調査することをおすすめします。
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企業がとるべき情報漏えい対策
OSINTを活用し、情報が漏えいしていない事を確認できたとしても、今後も被害にあわないとは言えません。組織を守るため、企業は常に情報漏えい対策を心掛ける必要があります。
企業がとるべき情報漏えい対策は以下を参考にしてください。
定期的なOSやソフトウェアのアップデートを実施する
WindowsやMacなどOSやソフトウェアのアップデートは定期的に行いましょう。OSを含めたソフトウェアのアップデートでは基本的に以下の2点が実施されます。
- 新しい機能の追加や強化
- セキュリティ上の問題点や不具合の修正
古いバージョンを使い続けていると、セキュリティの脆弱性を悪用され、サイバー攻撃を受ける可能性が高まります。新しいバージョンが公開されたら都度アップデートを実施しましょう。
複雑なID・パスワードを設定する
簡単なID・パスワードは特定されて悪用されるリスクが非常に高いです。企業は従業員のID・パスワードを「ランダムな大文字と小文字を混ぜた英数字8桁以上」の難易度に設定するよう運用してください。
簡単なID、パスワードを利用してしまうと「ブルートフォース攻撃」による特定が容易となってしまいます。ブルートフォース攻撃とは、任意の文字を次々に入力し、パスワードを特定する手法です。
公開しているファイルのプロパティに個人情報が載ってないか確認する
作成した文書等を保存した際、プロパティにアカウントのユーザー名が載る場合があります。そのままWeb上へ掲載すると作成者の個人名が公開されてしまいます。
Web上へファイルを公開する際は、公開前にファイルの[プロパティ]を開き[作成者]欄に個人名が載っていないかを確認しましょう。
SNSに企業内部の情報がわかるような投稿をしない
広報用に運用しているSNSアカウントをはじめ、従業員の個人アカウントにおいてもセキュリティ対策は重要です。
企業や業務の機密情報を意図せず公開してしまい、写真等からパスワードが推測されてSNSアカウントが不正ログインされるケースもあります。
DDFのOSINT(Open Source Intelligence)調査
DDFのOSINT調査では、ダークウェブを含めたインターネット上に漏えいした情報を早期発見し、個人情報・企業情報を悪用され不正アクセス等の二次被害にあうリスクを管理します。
- どこにデータが漏えいしたのか
- なぜデータが漏えいしたのか
- 何のデータが漏えいしたのか
上記を調査し、明らかになった情報漏えいの実態と今後の対応・対策方法をわかりやすく報告したレポートをご納品いたします。
調査可能項目
DDFのOSINT調査では、以下の項目に対して情報漏えいの実態を調査することが可能です。
- メールアドレス
- IPアドレス
- ドメイン
- URL
- 電話番号
ご報告
OSINT調査実施後、調査結果と今後推奨する対応をまとめた報告書をご納品します。ご報告内容は以下を参考にしてください。
ご報告内容
- 調査概要(日程・対象・結果)
- 調査結果の詳細(スクリーンショット付きで説明)
- 対応すべき事項
- 推奨対応事項(具体的な推奨内容)
- 留意事項(その他留意点についての説明)
OSINT(Open Source Intelligence)調査の費用

ペネトレーションテストの費用はIPアドレス数・期間等によって変動いたします。専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。
まずはお気軽にお電話下さい。
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OSINT(Open Source Intelligence)調査は専門業者に相談する

サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア感染のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
当社では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
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