iPhoneのパスコードを忘れてしまったとき、「大切な写真やLINE履歴が消えてしまうのは絶対に嫌だ…」「初期化なんてしたくない！」と不安になる方は少なくありません。Appleのセキュリティ設計は極めて強固である反面、パスコードを忘れた場合には初期化がほぼ不可避とされています。

本記事では、初期化を避けるために試せる限りの手段と、どうしても初期化が必要になった場合の安全な対処法を、専門的観点から詳細に解説します。

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iPhoneのパスコードを忘れたときにできること

iPhoneのパスコードを忘れた場合に取れる行動について、以下のような方法があります。

パスコードを思い出す努力をする

最も単純ですが、最も重要なのがこの方法です。というのも、Apple公式でも「思い出す以外に方法はない」と案内されているほどです。iPhoneには「何度でも試せる」ように思えてしまいますが、間違った入力を繰り返すと最悪の場合、iPhoneのデータがすべて消去される自動消去設定が作動する可能性があります。

Touch IDやFace IDでロック解除を試みる

指紋認証や顔認証を設定している場合、条件付きでiPhoneのロック解除が可能です。ただし、この方法には制限があります。

Face IDやTouch IDでは、再起動後や一定時間が経過した後など、必ずパスコードが求められる場面が存在します。それでも短時間のうちであれば、一時的なアクセスが可能です。

iOS 17以降のパスコードリセット機能を確認する

iOS 17から追加された新機能として、「古いパスコードを使って再設定ができる猶予期間」が設けられました。これは、「最近変更したパスコードを忘れてしまった」ケースに限定されます。

この機能は、一定時間内（72時間以内）であれば、前のパスコードを入力して新しいパスコードをリセットできるという仕組みです。

初期化せずに解除できるという業者・裏技に注意

ネット上では、「裏技」「特殊なツール」「解除代行業者」などが多数存在しますが、公式サポートでは一切認められていません。また、不正なツールを使うことは違法となる可能性もあります。

こうした業者に依頼してしまうと、
・iPhoneの情報が盗まれる
・金銭トラブルに巻き込まれる
・最悪の場合、iPhoneが使えなくなる
といったリスクが生じます。

セキュリティの観点からも、安易に第三者にiPhoneを預けることは極めて危険です。

 

初期化前に必ずバックアップを確認

もし初期化が避けられない状況であっても、事前にiCloudやパソコン（Finder/iTunes）にバックアップがあれば、データをほぼ元通りに復元できます。

バックアップを確認するには以下の手順を実行してください。

また、MacやWindowsに接続していた場合はFinderまたはiTunesにて「このコンピュータにバックアップ」が設定されていたかを確認しましょう。

どうしても初期化が必要になった場合の手順

初期化は、Appleが公式に推奨する唯一の方法ですが、適切に進めることでデータの損失を最小限に抑えることができます。

初期化は主に「リカバリーモード」を用いて行います。

復元後は、「iCloudバックアップ」または「このコンピュータから復元」を選び、初期化前のデータを戻すことができます。

フォレンジック調査会社への依頼という選択肢

どうしても初期化したくない場合、または証拠保全が必要な業務端末や重要なデータが含まれている場合には、フォレンジック調査会社への依頼が現実的な選択肢です。

企業・自治体・法務分野ではすでに標準化された対応であり、iPhoneのロック状態であっても、データ抽出・アクセス経路の調査・パスコードの検出を正規手順で行える高度な技術を持つ調査機関があります。

社内や個人でフォレンジック調査を完結させるのは、証拠の観点からリスクが高いことを強調したうえで、次のような条件に該当する場合は専門会社への相談を推奨します。

このような場合、データの保全性・証拠能力を損なわないことが最優先です。

実績のあるフォレンジック調査会社に依頼することで、Appleのセキュリティ仕様を前提とした正規手順で、安全かつ合法的にデータへアクセスできる可能性があります。

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まとめ

iPhoneのパスコードを忘れた場合、現状のAppleの仕様では初期化せずに解除する方法は公式には存在しません。ただし、以下のような対応をとることで、被害を最小限に抑えることが可能です。

個人情報や業務データの損失を防ぐためにも、初期化に至る前に試せる手段はすべて確認しましょう。そして、専門性が求められる状況では、実績のある調査会社への相談が最も安全で確実な方法となります。