デジタル遺品

デジタル遺品とは?トラブル例やその対策・対処方法を解説

デジタル遺品とは?放置リスクやロック解除できない時の対処方法

故人のパソコンやスマートフォンに遺された、思い出の写真やデジタル遺品が取り出せない」。そんなトラブルが近年急増しています。

この記事では、持ち主が亡くなった後のデジタル遺品の種類、起こりうるトラブル事例、やってはいけないこと、パスワードが解除できないときの対処法などを解説します。

デジタル遺品とは?

デジタル遺品とは、故人の所有していたデジタル機器などに残された写真やデータのことです。

デジタル遺品には、通常の遺品と違い、あらゆる電子情報が保存されており、その種類はSNSのアカウントからバンキング情報まで非常に多岐にわたります。そのため、取り扱いを誤ると「データが消えてしまった」「家族間で相続トラブルに発展した」ということも珍しくなく、デジタル遺品とは慎重に向き合う必要があります。

デジタル遺品の種類と具体例

デジタル遺品のロック解除の目的は、大きく分けて次の4つに大別されます。

  1. スマホ内の電話帳データ(知人や家族の電話番号や住所、メールアドレス)の取得
  2. 写真や動画などの思い出の品の取り出し
  3. ネット証券の取引やネット銀行の口座の確認
  4. SNSなどの各アカウントサービス

これらデジタル遺品の種類を大きく分けると「オフライン」と「オンライン」に分類できます。オフラインデータは、手元に機器があるため、どのような情報が遺されているかが推測できます。しかし、オンラインデータは視認性が低く、当人しか知りえないネット上での活動形跡やサービスの契約などは、その存在自体を遺族が見落としやすケースが目立ちます

オフラインのデータ

オフラインのデジタル遺品とは、故人が遺した有形メディア上のデータのことです。これらは主に「思い出」や「交友関係」などにまつわるデータとなります。

近年は「スマホを開けなければ周囲に葬儀の連絡すらできない」というパターンも多く、日本デジタル終活協会代表理事の伊勢田篤史弁護士も「これほど『終活」という言葉が浸透しても、実際に終活を行っている人は、ほとんどいないというのが私の実感です」と警鐘を鳴らしています(『週刊朝日』2021年1月15日号より)。

オフラインデータを保存しているメディアには主に次のようなものがあります。

パソコン
・スマートフォン
・外付けHDD
USBメモリ
SDカード
デジカメ
・光学ディスク
・これらメディアに保存された写真、動画、メールアドレス、住所録

なお、デジタル機器に掛けられたパスワードは、基本的に本人以外は解除できないため、故人がIDやパスワードを別紙などに遺していないと、データにアクセスできなくなります。

もし「故人との思い出を発掘したい」「故人の交友関係を把握して葬儀の連絡を取りたい」という場合は、デジタル遺品のサポートを行うフォレンジック専門業者に依頼して機器のロックを解除する必要があります。

オンラインのデータ

オンラインのデジタル遺品とは、インターネットサービスのアカウントに保存された情報です。オンラインデータには主に次のようなものがあります。

ネット口座(電子マネー、ネット銀行、 ネット証券、 FX など)
仮想通貨/暗号資産(ビットコインなど)
SNSアカウント(フェイスブック、ツイッター、mixi)
ネットショッピングのアカウント(Amazonなど)
クラウド上のデータ(Dropbox、Google Driveなど)
動画配信サービスなどのサブスクアカウント(Netflixなど)

これらの多くは「資産」や「契約」など、金銭に関係するサービスと直結しているため、相続および遺産分割協議の対象となるケースが多くあります。
しかし、オンラインデータは目に見えないメディア(アプリケーション)に記録されたデータであるほか、その多くがプライベートな非公開情報であることから見落とされやすく、結果として相続や金銭にまつわるトラブルなどに発展することも決して珍しくありません。

デジタル遺品のオンラインデータにアクセスできない等でお困りの方は専門業者への相談がおすすめです。

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デジタル遺品のトラブル事例

総務省によると、80歳以上でのインターネット利用率は実に57%に達しています。しかし、その一方で、デジタル機器のロックを解除できずに困る遺族も増えています。

当社でも故人が所有していたデジタル端末のパスワード解析をしてほしいという相談が絶えません。深刻なのは、相続財産となるネット銀行口座やオンライン証券の取引の確認です。

この項では、デジタル遺品を放置することで生じるトラブル事例を解説します。

予期しない相続税の課税

総務省の情報通信白書(令和2年/2020年版)によると、60代以上のシニア層でインターネットを利用する目的を「金融取引のため」と15·9%が回答しています。

しかし、インターネット上の財産は、故人が家族にも秘密にしていることが多く、資産状況の整理がなされないまま持ち主が亡くなってしまうと、相続にまつわるトラブルが発生する可能性があります。特にキャッシュレス化が進んだ現在では、ネットバンクのロ座情報やFX株式情報など、金融系のデジタル遺品のトラブルが急増しています。

たとえば故人が保有していた暗号資産や仮想通貨も相続対象となるため、相続人がパスワードを知らず換金できなくても、数百万円単位の相続税が課税されてしまうことがあります

デジタル負債

デジタル遺品には、FX(外国為替証拠金取引)によるマイナス、インターネットローン、未納分の税金などマイナスの財産、いわゆる「負債」も含まれます。

もっとも、多額の負債を相続人が背負わないために、相続放棄を選択することも可能ですが、そもそもデジタル負債の存在、および全容を認知・把握できていないと、相続放棄に支障が出る恐れがあります(これは負債に限らず「財産相続」でも同様です)。

サブスクリプション契約に関するトラブル

サブスクリプションサービスの契約は自動更新が多く、故人が生前に解約していなければ、サービスを使用していなくても、銀行口座から金銭が引き落とされ続けてしまいます。

もし故人が利用していたサービスを把握できず、解約できない場合、故人のクレジットカードや銀行口座を凍結することで対応できます。ただし、クラウドサービスなどを故人が利用していた場合、そこに保存されていたデータ(電子書籍、音楽データ、今まで撮りためた写真・動画・書類データなど)は削除される恐れがあるため注意しましょう。

SNSアカウントの悪用

SNSの利用者が亡くなった後、アカウントを長期間放置していると乗っ取られ、悪意のある投稿をされたり、なりすましによってアカウントが荒らされることがあります。また、SNSに登録されていたIDやパスワードが流出すると、他のサービスにも被害が及ぶ恐れがあります。

そのため故人のSNSは、「削除」するか、故人の思い出を留めるツールとして定期的にログインする「追悼アカウント」にするか取り決めを設けることが重要です。

葬儀の招待が出来ない

現代はスマホの電話長(連絡先)で友人などの連絡先を管理していると思われますが、そちらにアクセスすることができなくなってしまうと葬儀の連絡をできなかったというトラブルも最近ではよく聞く話になりました。

デジタル機器の生前整理

デジタル機器の生前整理として下記のことを行うことをおすすめします。

各デジタル機器等のパスワード共有

デジタル遺品の問題は、企業の活動の観点でも業務に支障が出る恐れがあります。

なので、デジタル遺品の存在とその遺品のアクセス方法について家族などに伝えることが重要です。

しかし、パスワード共有は最低限の対策に過ぎなく、パスワード以外にも、重要なデータの保存場所など重要なデータのみリストにまとめるなどして日頃その機器にアクセスしない人がアクセスしてもわかりやすいようにしておくことが理想と言えるでしょう。

ノート等にパスワード類を書き留める

もちろん生前からパスワードを知られたくないと思う方も多くいると思われます。

そういった場合には、遺書やメモなどに先ほどと同じようにパスワードや重要なデータの保存場所などを書いて、遺品整理の際に触れるであろう通帳などの普段から持ち歩かず自宅で保管しているものに挟む等して保管しておくことが重要です。

生前整理ができておらず、デジタル遺品のトラブルでお困りの方は、DDFへご相談ください。DDFは相談見積を無料で行っており、対応時間も24時間365日対応可能です。

やってはいけないこと

デジタル遺品を扱うにあたって以下のことは絶対に避けましょう。

デジタル機器を独断で売却・廃棄・譲渡する

デジタル遺品に遺されたデジタルデータには、相続財産の対象になるものがあります。このような場合、相続人同士で分配を決める必要がありますが、独断で機器を売却・廃棄・譲渡すると、相続人が本来受け取れたはずの資産が散逸・滅失し、最悪の場合、感情のもつれから家庭内紛争や遺産分割調停手続に発展する恐れがあります

自力でのロック解除は避ける

デジタル遺品を独断でロック解除するのは控えましょう。パスワードには入力上限があり、連続で入力ミスすると設定次第で工場出荷時に戻ってしまうことがあるからです。(工場出荷時に戻ってしまうと、高度な復旧技術を持つ専門業者でも対応できなくなります)

また相続人全員の同意が取れてない状況で、パスロックを解除を試みると、相続人の意思の疎通を欠くことになり、家庭内紛争に発展する恐れがあります

デジタル遺品でお困りならDDFへ

ロック解除は個人で行わず、デジタル遺品整理の専門業者に対応を依頼しましょう。ロックがかかった機器から無理やりデータを取り出そうとすると、解除が不可能になったり、データが消えてしまうこともあります。

当社デジタルデータフォレンジック(DDF)では、パスワード解除や壊れた機器からのデータ復元などを含めて、故人が遺したデジタル機器をすべて調査し、必要なデータを抽出・整理してご遺族にお届けします。

さらに当社では、事件現場に遺されたデジタル遺留品調査、および報告書作成も行っており、警視庁だけでなく、さまざまな捜査機関からもご依頼を頂いております。遺品の調査や事件・事故などでデジタル機器の調査が必要な際は、ぜひご相談ください。

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対応機種

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フォレンジック調査会社への相談方法

インシデントが発生した際、フォレンジック調査を行うか決定していない段階でも、今後のプロセス整理のために、まずは実績のある専門会社へ相談することを推奨しています。

取引先や行政に報告する際、自社での調査だけでは、正確な情報は得られません。むしろ意図的にデータ改ざん・削除されている場合は、情報の信頼性が問われることもあります。

インシデント時は、第三者機関に調査を依頼し、情報収集を行うことを検討しましょう。

DDF(デジタルデータフォレンジック)では、フォレンジックの技術を駆使して、法人/個人を問わず、お客様の問題解決をいたします。

当社では作業内容のご提案とお見積りのご提示まで無料でご案内しております。

解析した結果は、調査報告書としてレポートを作成しています。作成した報告書には、調査で行った手順やインシデントの全容などが詳細に記載され、法執行機関にも提出可能です。

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フォレンジック調査の料金・目安について

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この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数32,377件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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