サイバー攻撃

クラッシーの不正アクセス事件の概要・対処法・再発防止策を解説

クリプトジャッキング

2020年、学校現場で多く利用されていたクラウド型教育プラットフォーム「クラッシー(Classi)」に対して不正アクセスが発生し、約122万人分のID情報と暗号化パスワードが閲覧された可能性があると報じられました。

クラウドサービスは便利である一方、設定不備や認証情報管理の甘さが攻撃の入口となるケースも少なくありません。適切な対応を行うための痕跡が消失する恐れがあるため、早期対応と再発防止策が非常に重要です。

本記事では、クラッシーの不正アクセス事例の概要と、今後の対策として企業や教育機関が取り組むべき防御策・運用方法について解説します。

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クラッシー不正アクセスの概要

2020年4月、教育プラットフォーム「クラッシー」において、第三者による不正アクセスが確認されました。攻撃時間はわずか2時間でしたが、影響範囲は非常に大きく、次のような内容が明らかになっています。

クラッシーで起きた不正アクセスの概要
  • 最大122万人分のIDと暗号化されたパスワードが閲覧された可能性
  • 約2,000件の教員紹介文にも閲覧リスクがあった
  • パスワード自体の平文流出はなかったが、全利用者に変更を促した
  • 直ちにサービス一時停止と外部専門業者による対応を実施

クラッシー不正アクセスの発生原因と考えられるリスク要因

明確な侵入手口は公表されていませんが、以下のようなセキュリティ上の脆弱性が攻撃のきっかけになったと考えられます。

発生原因と考えられるリスク要因
  • ID・パスワードの流出または推測されやすいパスワード設定
  • アクセス制限や監査ログの不備による異常検知の遅れ
  • 権限設定ミスやクラウド設定の公開範囲過剰

クラッシーが講じた初動対応

インシデントを受け、Classi社は以下のような措置を講じました。

クラッシーが講じた初動対応
  • サービス一時停止と社内CSIRTによる初動対応
  • 全利用者に対するパスワード変更の呼びかけ
  • 外部セキュリティ専門企業への調査委託
  • 相談窓口の設置と利用者・関係者への情報開示

クラウド不正アクセスを防ぐための対策

クラウド環境における不正アクセスは、設定ミスや認証情報の管理不備など、基本的な対策の徹底不足から発生するケースが少なくありません。ここでは、被害を未然に防ぐために実施すべき代表的な対策を解説します。

強固なパスワード管理と多要素認証の徹底

パスワードの脆弱性は、最も多く狙われるセキュリティリスクの一つです。短く単純なパスワードや使い回しは、総当たり攻撃(ブルートフォース)や漏洩リストによって容易に突破されるため、強固なパスワードの設定と多要素認証の導入が不可欠です。

固なパスワードの設定と多要素認証の導入手順
  • 英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた12文字以上の複雑なパスワードを設定し、推測されにくい構成にする
  • すべての利用者(管理者・従業員・外部委託者含む)に多要素認証(MFA)を必須化し、パスワード単体での突破を防止
  • パスワードの定期的な更新(例:90日以内)を行い、異なるサービス間での使い回しを禁止
  • パスワードマネージャーの導入により、安全かつ効率的にパスワードを管理

クラウド設定とアクセス権限の最小化

ラウド環境では、一時的な対応として許可された設定が放置され、情報漏洩や不正アクセスの原因となるケースが多く見られます。

そのため、クラウドリソースの公開設定とアクセス権限を最小限に抑えることが重要です。

クラウドの公開設定とアクセス権限を最小限にする方法
  • 不要なパブリック設定(例:S3バケットやCloud Storageの全公開、オープンなAPIエンドポイントなど)を確認し、公開対象を業務上必要な範囲に限定
  • IAMロールやポリシーを見直し、利用者やサービスごとに最小限の操作権限を付与する「最小権限の原則(RBAC:Role-Based Access Control)」を適用
  • 設定の定期的な棚卸(レビュー)を実施し、不要な権限・公開設定を削除。構成変更の履歴(例:CloudTrail、Audit Logs)も併せて管理し、異常な操作を追跡可能にする

ログ管理と外部診断の定期実施

セキュリティ対策では、「被害に気づけること」「第三者視点で弱点を把握すること」が重要です。

手順
  • 管理画面のログイン履歴、操作ログ、APIアクセスなどを常時記録・保存し、SIEMや監視ツールによるログ分析を実施
  • ログイン元のIPアドレス、アクセス時間帯、端末情報の異常を自動で検知しアラートを出す仕組みを導入(例:夜間の海外IPアクセスを即通知)
  • 年1回以上のペネトレーションテスト(疑似攻撃による侵入検査)や外部脆弱性診断を実施し、自社で把握していない設定ミス・リスクを可視化
  • セキュリティベンダーや外部監査人による第三者視点の診断・監査レポートを活用し、経営層や関係部門へのフィードバックに繋げる

専門業者への調査相談

原因不明、または調査範囲が大規模な場合は、適切な対応を行うための痕跡が消失する恐れがあります。専門会社の力を借りることで、より正確かつ迅速な対応が可能になります。

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>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説

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この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

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