標的型攻撃において、ただのマルウェアでは太刀打ちできない高度な侵入手口が使われることがあります。
Plead（PLEAD）は、そうした攻撃の中核を担うバックドア型マルウェアで、中国系APTグループ「BlackTech」が使用しているとされ、日本の組織も複数被害に遭っています。
本記事では、Pleadの特徴、感染経路、観測されている攻撃手法、そして企業として講じるべきセキュリティ対策について詳しく解説します。
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目次
Pleadとは？主な特徴と攻撃の目的
Pleadは、主に機密情報の窃取や端末の遠隔操作を目的としたマルウェアで、標的型攻撃キャンペーンにおいて継続的に使用されていることが確認されています。
- BlackTechが開発・運用するマルウェア
- 日本・台湾の政府機関や民間企業を主な標的としている
- RAT（リモートアクセスツール）として遠隔操作が可能
- WindowsだけでなくLinux版（ELF_PLEAD）も存在
感染手法とマルウェアの挙動
Pleadは複数の感染経路と攻撃技術を持っており、従来のマルウェア対策では見逃される可能性もあります。
感染経路の例
以下が感染経路の例となっています。
- 標的型メールに添付されたDLLやLNKファイル
- クラウドストレージ経由の誘導リンク
- 脆弱性を放置したシステムへの侵入（CVE-2012-0158 など）
- 改ざんされたルータ設定からのリダイレクト
マルウェアの主な機能
以下がマルウェアの主な機能の一覧となっています。
- メモリ上での展開による検知回避
- 端末内ファイル・ドライブ情報の収集
- コマンドシェルの実行、ファイルの操作（アップロード・削除）
- 認証情報の窃取とC2（Command and Control）サーバーとの通信
Pleadの被害とセキュリティへの影響
Pleadによる攻撃は、主に情報漏洩と内部ネットワークへの長期的な潜伏が問題となります。
- 機密ファイルや業務データの外部送信
- PCやサーバへのバックドア設置による常時監視
- 社内ネットワーク内の横展開・感染拡大
- 従業員アカウントの乗っ取り・不正利用
感染を防ぐための実践的な対策
Pleadのような高度な標的型攻撃に備えるには、複数の対策を組み合わせた多層防御が重要です。
- OS・アプリケーションの最新セキュリティアップデート適用
- クラウドストレージやメールのURLリンクを開く前の検証
- 標的型メール訓練・セキュリティ教育の実施
- EDRやSIEMなどによる挙動監視とC2通信の可視化
- 不要なポートやファイル共有の制限
Pleadは一度侵入すると、長期間潜伏し続けるタイプの脅威です
Pleadはマルウェアとしての完成度が高く、感染後に目立った動作をしないため、検知されないまま情報を盗み続けるケースも多くあります。
もし不審な挙動やC2通信の兆候を確認した場合は、速やかに調査・隔離・ログ解析を行い、内部侵害の有無を確認することが重要です。
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