サイバー攻撃

【CVE-2024-21762】Fortinet製品に発見されたゼロデイ脆弱性への対処方法とは

CVE-2024-21762 (2)

VPN機能を提供するFortinet製品は、多くの企業や官公庁で利用されており、その脆弱性が突かれると甚大な影響が想定されます。

2024年2月に公開された「CVE-2024-21762」は、FortiOSおよびFortiProxyに存在するゼロデイ脆弱性であり、既に実際の攻撃で悪用されたことが確認されています。本記事では、この脆弱性の概要、想定されるリスクや攻撃手法、インシデント対応および今後に向けた再発防止策について詳しく解説します。

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脆弱性「CVE-2024-21762」の概要

CVE-2024-21762は、FortinetのSSL-VPN機能に存在する「アウトオブバウンズ書き込み(CWE-787)」の脆弱性です。特定のHTTPリクエストによりメモリ領域が不正に操作され、リモートから任意コード実行(RCE)が可能となります。

認証不要で攻撃が成立する点から、CVSS v3.1で9.8(Critical)に評価され、既に実際の攻撃で悪用されたことも確認されています。

CVE-2024-21762の概要と深刻度

項目 内容
脆弱性種別 アウトオブバウンズ書き込み(CWE-787)
CVSSスコア 9.8(Critical)
攻撃経路 リモート(SSL-VPN経由)
攻撃認証要否 不要
公開日 2024年2月
実際の悪用 確認済み(ゼロデイとして悪用)

影響を受けるソフトウェア/バージョン

製品 影響を受けるバージョン
FortiOS 7.4.0~7.4.2、7.2.0~7.2.6、7.0.0~7.0.13、6.4.0~6.4.14、6.2.0~6.2.15、6.0.0~6.0.17
FortiProxy 7.4.0~7.4.2、7.2.0~7.2.8、7.0.0~7.0.14、2.0.0~2.0.13、1.2.0~1.2.13、1.1.0~1.1.6、1.0.0~1.0.7

 

出典:NVD

脆弱性「CVE-2024-21762」がもたらすリスク

脆弱性「CVE-2024-21762」が放置されることによるリスクは以下の通りです。

外部からの認証不要なリモートコード実行(RCE)

CVE-2024-21762は認証不要で悪用可能なため、攻撃者はユーザー名やパスワードを一切知らずともシステムに侵入できます。細工されたパケットを送信するだけで任意のコードを実行でき、攻撃者はシステム上で自由にコマンドを実行したり、不正なソフトウェアを展開することが可能です。

この性質から、公開されているSSL-VPN環境は攻撃者にとって極めて魅力的な標的となり得ます。結果として、攻撃の成立は即座にシステムの完全な乗っ取りに直結します。

SSL-VPNを経由した社内ネットワークへの侵入

SSL-VPNは本来、リモート環境から安全に社内システムへ接続するための仕組みですが、脆弱性を突かれると攻撃者が正規利用者と同じ入口から社内ネットワークへ侵入可能となります。

その結果、内部システムへの横展開(ラテラルムーブメント)が行われ、ドメインコントローラや重要な業務システムが二次被害に晒されます。VPNを通じたアクセスは多くのセキュリティ境界を越えるため、一度侵入を許すと被害は広範囲に及びます。

顧客情報・社内データ等の漏洩

攻撃者が管理権限を取得すると、保存されている機密情報や顧客データ、社内の通信内容が窃取されるリスクがあります。VPNを通じて利用者がアクセスするデータベースやファイルサーバに直接侵入される可能性もあり、情報漏洩事件につながります。

個人情報保護や取引先への説明責任を考えると、このリスクは組織にとって甚大であり、法的・社会的影響も無視できません。早急な対策が不可欠です。

組織全体への業務影響

攻撃が成功した場合、業務システムが不正操作や停止に追い込まれ、事業継続に大きな支障が出る恐れがあります。VPN経由でのアクセスが封じられると、テレワークや拠点間通信が不能となり、業務停止リスクが顕在化します。

加えて、マルウェア展開やランサムウェア感染によってシステムが暗号化されれば、復旧に多大な時間とコストを要します。BCP(事業継続計画)の観点からも、本脆弱性は組織の存続に直結する深刻な問題です。
「Qilin(Agenda)」ランサムウェアとは:その特徴や感染時の対処方法を解説>

インシデントが疑われる場合の初動対応

インシデントが疑われる場合の初動対応は以下の通りです。脆弱性を狙ったサイバー攻撃が発生した場合は以下の手順で対応してください。

システム隔離・通信遮断

サイバー攻撃が疑われる場合、まずは被害拡大を防ぐために該当システムをネットワークから隔離し、SSL-VPNサービスを停止するなどの即時アクションを取ることが求められます。

この段階での遅れは被害範囲を拡大させるため、迅速な意思決定と実行が必要です。あわせて影響範囲を特定し、他の関連システムへの波及を防止するための通信遮断も行います。

不審な兆候・ログ・アラートの洗い出しポイント

システム隔離後は、攻撃の痕跡を明確にするためにログの解析を行います。具体的には、異常なVPNセッション、想定外の管理者権限アカウント作成、不審な設定変更や外部通信ログが重点確認ポイントです。

IDS/IPSやSIEMのアラート履歴を精査し、侵入経路や活動の痕跡を明らかにすることが重要です。これらの情報は後続のフォレンジック調査や報告に不可欠となります。

専門家に相談する

自社内だけで対応が困難な場合は、フォレンジック調査を専門とするセキュリティ会社に速やかに支援を要請することが推奨されます。フォレンジックとは、サイバー攻撃や不正アクセスが発生した際に、システムやネットワークに残された証拠を収集・分析し、侵入経路や被害範囲を科学的に特定する手法です。

ログ解析、ディスクイメージの取得、メモリ解析などを通じて「何が起きたのか」「どこまで被害が広がったのか」を明確にできます。

フォレンジック会社の専門チームによる調査・封じ込め・復旧支援は、インシデントの長期化を防ぎ、被害を最小限に抑える効果があります。また、得られた分析結果をもとに再発防止策を具体化できるため、組織全体のセキュリティ耐性を高めるうえでも重要です。

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特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。

>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説

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この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数39,451件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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