テーマパーク「サンリオピューロランド」(東京都多摩市)を運営するサンリオエンターテイメントは2025年8月12日、2025年1月に発生した不正アクセスによって停止していた来場予約などの復旧作業がすべて完了したと発表しました。
攻撃はランサムウェアによるもので、外部の第三者機関と連携した調査で通信ネットワークのセキュリティ体制に不備が見つかりましたが、現時点で情報漏洩は確認されていません。
出典:日本経済新聞
本記事では、公式リリースや報道をもとに、事件の概要をわかりやすく整理して解説していきます。
漏洩した可能性がある個人情報
サンリオエンターテイメントは、2025年1月21日に確認された不正アクセスによる調査の結果、漏洩した可能性がある個人情報について以下のとおり公表しています。
お客様に関する情報
対象: 「ピューロランドファンクラブ」(2024年1月17日終了)に登録していた方
項目: 氏名、性別、生年月日、住所、メールアドレス
対象: 2025年1月20日までにサンリオピューロランド年間パスポートを購入した方
項目: 氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、Sanrio+ID
対象: 2025年1月20日までにハーモニーランド年間パスポートを購入した方
項目: 氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス
対象: サンリオピューロランドゲストセンターに資料請求や拾得物で連絡した方
項目: 氏名、住所、電話番号
お取引様に関する情報
対象: 株式会社サンリオエンターテイメントのお取引先のうち、個人事業主や個人事業所などで、個別に源泉税を控除し支払調書を発行している方
項目: マイナンバーを含むご契約情報
従業員に関する情報
対象: 株式会社サンリオエンターテイメント所属の社員、アルバイト、その他同社と雇用契約のある方(過去在籍者を含む)
項目: マイナンバーを含む契約情報
サンリオの対応状況
サンリオエンターテイメントは、2025年1月21日に発生したランサムウェアによる不正アクセスについて、株式会社サンリオと連携しながら不正通信の遮断やセキュリティ体制の強化を実施してきました。
本事象の発覚直後にはサーバー機器をネットワークから遮断し、外部専門機関と協力して調査・解析を進めた結果、侵入経路はリモートアクセス機器を経由したものであることが判明しています。
同社は、警察および個人情報保護委員会など関係機関に速やかに報告を行い、被害拡大の防止策を講じてきました。
サービスは一時的に停止しましたが、2025年8月1日までに復旧を完了、さらに8月12日には調査終了と再発防止策の実施を公表し、現時点で情報漏洩や不正利用の事実は確認されていないとしています。影響が及ぶ可能性のあるお客様や取引先への通知やサポート対応も継続中です。
可能性のある不正アクセスの手口
今回の不正アクセスでは、リモートアクセス機器の脆弱性が悪用されたことが調査で明らかになっています。一般的に、企業システムに対する不正侵入の手口としては以下のようなものが挙げられます。
Webアプリケーションの脆弱性
ソフトウェアの設計や実装上の不備により、以下のような攻撃が可能になります。
- クロスサイトスクリプティング(XSS)
- クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)
- 不適切なアクセス権限の設定
ネットワークの設定ミス
管理者の設定不備や知識不足によって、セキュリティホールが生まれることがあります。
- デフォルト設定のまま運用
- ファイアウォールの設定不備
- 通信の暗号化が不十分
パッチが適用されていない既知の脆弱性
セキュリティ更新の遅れは攻撃者に狙われやすい要因となります。
- ゼロデイ攻撃の危険性
- 古いソフトウェアやOSの利用
- サードパーティライブラリの脆弱性
- IoT機器のセキュリティ不備
不正アクセスを受けた場合はフォレンジック調査が有効
不正アクセスが発生した際は、被害範囲や侵入経路を正確に把握しなければ、適切な対応や再発防止策を講じることはできません。そのため、専門的な解析技術を用いるフォレンジック調査の実施が有効です。
フォレンジック調査とは、サイバー攻撃、情報漏えい、データ改ざんなどのセキュリティ関連インシデントが発生した際に、その原因を特定し、被害の範囲や影響を明らかにするための詳細な調査手法です。
もともとフォレンジック調査は、犯罪や事件が起きた時、その現場から犯行の手掛かりとなる「鑑識」を指していました。特にデジタルデータからの証拠収集・分析は「デジタル鑑識」あるいは「デジタル・フォレンジック」とも呼ばれます。
被害発生時にフォレンジック調査が有効な理由は次の通りです。
- 侵入経路の特定:攻撃者がどこから侵入したかを明確にする
- 被害範囲の可視化:影響を受けたデータやシステムを把握する
- 証拠となるデータ保全:法的対応や保険請求に備えて証拠データを安全に保存する
- 再発防止策の策定:調査結果を基にセキュリティ体制を強化する
インシデントの内容によっては、個人情報保護委員会など特定の機関への報告義務が発生する場合があります。自社のみで調査を行うと、報告書が認められないケースもあるため、第三者機関による調査が一般的です。

弊社デジタルデータフォレンジック(DDF)では、情報漏えい調査(ダークウェブ調査)、ランサムウェア、サイバー攻撃や不正アクセスの原因特定、被害範囲調査などを実施しています。官公庁、上場企業、捜査機関など、多様な組織のインシデント対応実績があり、相談や見積もりは無料、24時間365日体制でご依頼を受け付けています。
早期対応が被害拡大防止の鍵となりますので、まずはご相談ください。
当社は累計約3.9万件ものサイバーインシデント対応実績があり、情報漏えいを引き起こさないための対策方法など豊富な知見を有しています。当社のサイバーセキュリティ専門家が、事前の予防から万が一の対応まで徹底サポートいたします。
24時間365日で無料相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
✔どこに依頼するか迷ったら、相談実績が累計39,451件以上(※1)のデジタルデータフォレンジック(DDF)がおすすめ
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✔相談からお見積まで完全無料
※1 累計ご相談件数39,451件を突破(期間:2016年9月1日~)
※2 データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと
第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(集計期間:2007年~2020年)
まとめ
今回は、サンリオエンターテイメントにおける不正アクセスと情報漏洩の可能性について整理しました。
調査ではリモートアクセス機器の脆弱性を突かれたことが要因とされ、外部専門機関の協力を得て再発防止策が実施されています。
現時点で情報の不正利用は確認されていないものの、企業にとってセキュリティ体制の強化が喫緊の課題であることが改めて示された事例といえます。
不正アクセスによる情報漏えいやその対応方法については、関連する解説記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご参照ください。
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