サイバー攻撃

パソコンがハッキングされたか調べる方法7選について専門家が徹底解説

パソコンがハッキングされたか調べる方法を解説

パソコンがハッキングされると、機密情報の盗難、データ改ざん、アカウント乗っ取り、マルウェア感染、情報漏えいなど、犯罪に悪用される可能性があります。とくに次のような症状があらわれた場合、パソコンがウイルス感染したか、第三者にハッキングされた可能性があります。

  • 「パソコンの動作が遅くなった」
  • 「パソコンがクラッシュしたりフリーズしたりする」
  • 「Webカメラなどが勝手に起動する」
  • 「知らない人からのメールが頻繁に届く」
  • 「自分のアカウントに知らない端末がログインしている」

パソコンにこのような症状が見受けられる場合、適切な対処を行わなければ、情報漏洩や金銭被害に発展する恐れがあります。

この記事では、パソコンがハッキングされているか調べる方法について解説しています。社用パソコンがハッキングされた場合の対処法も後半で解説していますので、ハッキング被害を受けた法人様もぜひご覧ください。

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パソコンがハッキングされたか調べる方法7選

パソコンがハッキングされたか調べる方法としては次のものがあります。

①イベントログを確認する(Windows/Mac共通)

ハッキングされた場合、異常なログが記録されていることがあります。この際、イベントログを確認することで、パソコンの動作や、システムに何が起こったかを調べることができます。もし不審なアクティビティが見つかった場合には、適切な対処を行うことが重要です。

以下にWindowsでイベントログを確認する手順を示します。

Windowsのイベントログ確認手順
  1. 「スタートメニュー」をクリックして、「イベントビューアー」を検索。イベントビューアー
  2.  「Windowsログ」をクリックし、表示される「システム」や「セキュリティ」、「アプリケーション」の項目をクリックします。イベントビューアー
  3.  表示されたログを調べ、不審なアクティビティがないか確認します。例えば、システムログには「システム起動」の情報を調べることで、パソコンの起動時について確認できます。
  4. 情報の欄に表示されている「イベントID」をクリックすると、詳細な情報を確認することができます。

ただし、イベントログだけでは具体的な被害は特定できません。正確な解析・調査が必要ならば、フォレンジック調査の専門家に相談する必要があります。

官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデント対応経験をもつデジタルデータフォレンジックでは、法人様は最短30分で無料のWeb面談をご案内いたします。お気軽にご相談ください。

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②不審なファイル・フォルダを検索する

知らないソフトがインストールされていたり、不審なファイルが突然生成されていた場合は、マルウェアやスパイウェアが動作している可能性があります。ファイル名や作成日、更新日を確認することで、異常な操作の痕跡を見つけられる場合があります。

手順
  1. デスクトップや「Program Files」などを手動で確認する
  2. 更新日時の新しい順に並べて、記憶にないファイルを確認
  3. 不審なファイル名は検索エンジンで調べて情報収集

③ネットワーク通信の監視と異常を確認する

パソコンがハッキングされた場合、外部との不正な通信が行われることがあります。そのため、パソコンが接続しているネットワークのトラフィックを監視することが重要です。

手順
  1. Windows:リソースモニターや「netstat」コマンドを使用
  2. Mac:アクティビティモニタまたは「lsof」コマンドを使用
  3. 不審なIPアドレスや通信先があれば記録しておく

バックグラウンドで外部サーバと通信している場合、C2(コマンド&コントロール)通信の疑いがあります。OS標準機能や専用ソフトを使って、どのアプリが外部と接続しているかを確認しましょう。

④CPU・メモリ使用率・プロセスを確認する

お使いのパソコンがハッキングされた場合、いつもと違う動作をしたり、データ使用の急激な増加などの現象がよく見られます。その際、端末の通信異常を確認する、最も簡単な手段が、データ処理・動作を管理する「CPU」のチェックです。

CPUの使用率を確認する方法は以下の通りです。

Windowsの場合

Windowsの場合は、タスクマネージャーでCPUの使用率を確認することができます。

手順は以下の通りです。

  1. タスクバーの何もない部分を右クリックし、表示されるメニューから「タスクマネージャー」をクリックします。
  2. タスクマネージャーが表示されるので「詳細」タブをクリックし、「CPU」欄に表示されているCPU使用率を確認します。

Macの場合

Macの場合、手順は次の通りです。

  1. Finder>「アプリケーション」>「ユーティリティ」>「アクティビティモニタ」 の順序でクリックします。
アクティビティモニター
  1. 画面で各アプリやプロセスのCPU、メモリなどの使用状況が確認できます。CPUの利用率を確認する場合、上部の 「CPU」 ボタンを押します。
  2. 確認したい項目をダブルクリックするとさらに詳しい情報が見られます。

もしインストールした覚えのないソフトウェアが存在し、それがCPUを異常に占有している場合は、パソコンのハッキングやウイルス感染の可能性が考えられます

⑤ オンラインツールでハッキング被害を調べる

オンラインツールの中にはハッキングされている疑いがあるかを確認する方法があります。

「Have I Been Pwned(HIBP)」

ハッキングによって個人情報が漏れていないかを確認する手段の一つに「Have I Been Pwned 」(以下、HIBP)というオンラインツールを利用する方法があります。

Have I Been Pwned?

HIBPは、メールアドレスや電話番号を打ち込むことで、既知のデータ漏えいに自分の個人情報が含まれていないかをチェックすることができます。

最近では、HIBPで検索可能なパスワードとして、FBIが捜査中に入手した流出パスワードも追加されたため、検出精度がより向上したとされています。

この方法では、ハッキングによる情報漏えいを間接的に推測することは出来ますが、確定した事実を特定することはできませんので、具体的な被害の調査については、専門業者まで相談しましょう。

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⑥市販のウイルス対策ソフト・EDRでフルスキャンをかける

市販のセキュリティソフトの中には、パソコンへの不審な挙動を監視したり、不正なハッキングを遮断してくれるものもあります。

パソコンによっては最初から導入されている場合もありますが、新たに導入する際はセキュリティソフトの性能や、料金サービスに応じた機能を確認しましょう。

代表的なセキュリティーソフトの使用方法は以下の通りです。

Windows Defenderを使用する

Windows 10には、Microsoft純正のセキュリティ対策ソフトWindows Defender」が標準搭載されています。

「Microsoft Defender」は、ランサムウェアやトロイの木馬を強力に遮断するため、それ以外のセキュリティソフトはいらない見方もあるほどです。

  1. スタートメニューの「更新とセキュリティ」からWindows セキュリティを起動します
    Windows10
  2. 次に、「ウイルスと脅威の防止」をクリックします
    Windows10
  3. 「クイックスキャン」をクリックし、ウイルススキャンを開始します
Windows10

実行したクイックスキャンの他に、「クイックスキャン」の下にある「スキャンのオプション」をクリックすると、複数のスキャン方法を選択・実行することができます。

  • クイック スキャン
    システム内で脅威が検出されやすいフォルダーをチェックします。
  • フル スキャン
    すべてのファイルと実行中のプログラムをチェックします。
  • カスタム スキャン
    チェックするファイルをカスタムに選ぶことができます。

⑦専門家によるフォレンジック調査を受ける

フォレンジック

Windows Defenderや市販のセキュリティ製品では、ハッキングやマルウェア感染の有無を確認できますが、「何の情報が漏えいしたのか」「どのような感染経路でハッキングされたか」までを調べることは困難です。

セキュリティ製品に頼るだけでは不十分な場合がありますので、ハッキング被害を受けた可能性がある場合は、専門家に相談することが重要です。

この際、被害の範囲や内容を正確に把握することができる「フォレンジック調査」が有効です。

フォレンジック調査とは

フォレンジック調査とは、コンピューターや電子端末上のデータを保全、収集、分析する調査です。警察の捜査の手法にも採用されています。

例えば、フォレンジック調査でパソコンのハッキングを調査した場合、不正アクセスの有無や、マルウェア感染の有無ハッキングの侵入経路個人情報がどの程度の範囲で流出しているかなどを解明することができます。

また、調査会社にフォレンジック調査を依頼すると、詳細な調査結果を知れるだけでなく、調査結果をレポートにまとめてもらえる場合もあります。

フォレンジック調査会社であるデジタルデータフォレンジックでは、3.9万件以上の豊富な相談実績を元に、幅広いインシデントに対応いたします。

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【症状別】ハッキングされている可能性があるサイン一覧

パソコンがハッキングされると現れやすいサインは次のとおりです。

パソコンがハッキングされたときの症状については以下の記事でも紹介していますので是非参考にしてください。

https://digitaldata-forensics.com/column/cyber_security/13543/

パソコンの動作が異常に重くなる・データ通信量が増える

マルウェアに感染した端末や、外部から遠隔操作されている端末では、ユーザーの意図しない形で複数の不正プロセスがバックグラウンドで実行されます。このような不正な活動によって、CPU・メモリといったシステムリソースが大量に消費されるため、パソコンの動作が著しく遅くなったり、フリーズ、クラッシュといった現象が発生することがあります。

特に、アプリケーションをほとんど使用していない状況でもシステム全体が重く感じられる場合、マルウェアの常駐や遠隔操作の可能性を念頭に置くべきです。

また、同様にデータ通信量の異常な増加も注意しましょう。マルウェアに感染した端末は、攻撃者が設置したC2サーバー(Command and Controlサーバー)との通信を繰り返すことで、感染状況の報告や命令の受信、あるいは取得した情報の送信を行う。これにより、ユーザー自身が意図しない通信が継続的に発生し、通常の使用時と比較して通信量が不自然に増加することになる。

さらに、遠隔操作によってボットネットに組み込まれた端末は、DDoS攻撃やスパム送信といった攻撃活動の一部として利用されることもあり、知らないうちに大容量のデータ通信を繰り返すようになります。こうした通信は多くの場合、表面的には検知が難しく、ユーザーが気づく頃にはプロバイダからの警告や通信制限が発生しているケースも少なくありません。

ファイルやデータの消失または改ざん

マルウェア感染や外部からの不正アクセスによって、端末内部のファイルやデータに直接的な影響が及ぶケースも少なくない。特に、情報を破壊・改ざんすることを目的としたマルウェアや、攻撃者が遠隔操作でシステム内部に介入した場合、ファイルの一部または全部が削除される、内容が勝手に書き換えられるといった被害が発生する。

たとえば、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)のように、ユーザーのファイルを暗号化してアクセス不能にした上で、金銭を要求するものが代表的だが、それ以外にも次のようなケースが考えられます。

  • 攻撃の証拠隠滅を目的としたログファイルや履歴の削除
  • 権限昇格や認証回避のための設定ファイル改ざん
  • 業務妨害や混乱を狙った業務データの破壊や改変
  • ファイル名や拡張子の変更による隠蔽行為

このような改ざんや消失は、表面的には「誤操作」や「システム不具合」と誤認されやすいため、異変に気づいた時点でマルウェア感染や不正アクセスの可能性を視野に入れて調査を開始するべきです。

アカウントのパスワードが勝手に変更されてログイン不能になる

これは攻撃者が不正ログインに成功した後、正規ユーザーのアクセスを遮断するためにパスワードや登録情報を書き換えることで引き起こされます。

マルウェア感染やフィッシング、リスト型攻撃(漏洩済みID・パスワードの使い回しを狙う手口)を通じて、認証情報が攻撃者に渡っていることを意味します。
加えて、遠隔操作ツール(RAT)を仕込まれている場合は、ログイン操作そのものを乗っ取られるケースもあります。

特に厄介なのが、パスワードだけでなく、パスワード再設定用のメールアドレスや電話番号までも変更されるパターンです。
この場合、本人による復旧は非常に困難となり、アカウント内のデータ・サービス・連携情報がすべて攻撃者の管理下に置かれる可能性がある。
被害がSNSやクラウドストレージ、業務用アカウントに及んでいれば、個人情報の漏洩や業務停止といった二次被害に直結します

不審な広告やツール、警告ウィンドウが画面に表示される

ハッキングやマルウェア感染によって、本来表示されるはずのない広告バナーや偽の警告ウィンドウ、不審なソフトのインストール通知などが、突然画面に現れることがある。
これらは「アドウェア」や「スケアウェア(偽の警告で不安を煽るマルウェア)」と呼ばれ、ユーザーを騙して不要なアプリをインストールさせたり、金銭や情報を詐取することを目的としている。

例えば、「ウイルスに感染しています」「今すぐ修復が必要です」などと表示され、リンク先に誘導されるパターンや、ブラウザを閉じても何度もポップアップが表示されるような場合は、すでにマルウェアが常駐している可能性が高い
また、勝手にインストールされたツールがシステムに常駐し、正規アプリのように偽装して動作しているケースもあり、放置すればさらに別のマルウェアを呼び込む温床となる

特に注意すべきなのは、「セキュリティソフトを名乗る偽アプリ」や「サポート窓口を装った連絡先」が表示されるタイプだ。
これらはユーザーに電話をかけさせたり、遠隔操作ソフトのインストールを誘導するなど、さらに深刻な侵害につながるルートを開かせようとする

このような不審な表示が出始めた時点で、すでに何らかの不正プログラムが端末内部に入り込んでいる可能性がある。
「たまたま出ただけ」「一度きりだから大丈夫」などと油断せず、速やかにウイルススキャンと不要アプリのチェックを行うことが重要だ。

送り主の不明のメッセージやメールが受信される

送り主が不明のメッセージやメールを受信した場合、フィッシング詐欺やマルウェアの配布を目的としており、リンクをクリックさせたり、添付ファイルを開かせたりすることで、情報漏えいやデータを暗号化するランサムウェアに感染してしまうケースもあり、企業が営業停止に追い込まれるなど被害が甚大となる恐れもあります。

まず送り主のアドレスを確認し、見覚えのないアドレスやドメインであれば破棄しましょう。また、リンクや添付ファイルを絶対にクリックしないように注意してください。これにより、マルウェアのインストールや個人情報の流出を防ぐことができます。

差出人不明のメッセージやメールには、「アカウントが不正使用されています」や「重要な更新があります」など緊急性の高そうな文言が使われます。URLなどに遷移してしまうと本物とそっくりな偽サイトに移動し、被害を受ける可能性があるため、注意しましょう。

同様に、突然パスワードに関するメール2段階認証コードを求めるメールが届いた場合もハッキングによる不正アクセスを受けた可能性があります。誤って権限を許可しないように注意して下さい。

状態表示ランプが点灯し、パソコンが遠隔操作される

iPhoneがハッキングされるリスクとは?

パソコンがハッキングされると、ハッカーが遠隔操作を行い、個人情報の収集や監視、不正アクセスなどを行う可能性があります。この時、パソコンを操作していないにも関わらず、状態表示ランプと呼ばれる、パソコンの状態を示すランプが点灯することがあります。

その他にも勝手にWebカメラが動作するなど、不自然な動作が頻繁にみられる場合は、パソコンの動作を監視するスパイウェアのインストールなどに感染している可能性があります。

パソコンが遠隔操作された時の対策・対処法は?乗っ取りの手口や調査方法も徹底解説>

パソコンのセキュリティソフトから警告を受ける

パソコンのセキュリティソフトが不正アクセスやマルウェアの存在を検出した際に警告が表示されることがあります。警告文には、ウイルス感染の疑い、スパイウェアの検出、不正アクセスなどが含まれることが多いです。

パソコンにインストールしたセキュリティソフトからの警告は無視せず、システム全体をスキャンし、検出されたマルウェアなどを削除しましょう。

なお、セキュリティソフトの警告の中には偽警告(フェイクアラート)と呼ばれるタイプのものもあります。

偽警告文の例

以上の偽警告文は全て偽物のため、警告文の誘導に従ってはいけません。

利用した覚えのないサービスの請求や設定の変更通知が来る

利用した覚えのないサービスの請求や設定の変更通知がパソコンに届いた場合、パソコンに保存した個人情報やクレジットカード情報が盗まれ、不正利用された可能性があります。

クレジットカードなどの不正利用や、端末の設定が勝手に変更された場合、クレジットカード会社や銀行の窓口に相談したり、自分のアカウントにログインして速やかにパスワードを変更しましょう。

知人や警察から個人情報が流出していると伝えられる

パソコンがハッキングされて個人情報が流出すると情報が悪用され、詐欺やなりすましが行われることがあります。

具体的には、被害者のメールアドレスを使用して知人にフィッシングメールを送信したり、SNSアカウントを乗っ取り、本人になりすまして発信を行うケースが考えられます。こうした不審なメッセージを受け取った知人本人や、捜査を行った警察によって情報流出が判明することがあります。

個人情報が流出するとどうなるのか?被害と対策について調査会社が解説>

このように第三者から情報漏洩の事実を知った場合、再発防止を防ぐために、一度端末に不正アクセスや情報漏洩がないか調査するとよいでしょう。専門家によるフォレンジック調査なら、不正通信の有無端末からの情報漏洩の有無マルウェア感染の有無など詳細な調査を行うことが可能です。

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パソコンがハッキングされた場合の対処法

症状などからパソコンがハッキングされた可能性がある場合、情報漏えいや盗聴・盗撮の危険性があるため、速やかに以下の手順で対処しましょう。

①ネットワークの遮断(LANケーブル・Wi-Fiの無効化)

ハッキングの疑いがある場合、まず行うべきはネットワークからの切断です。攻撃が続いている状態で接続を維持すると、情報の抜き取りやマルウェアの追加感染が起こる可能性があります。被害の拡大を防ぐには、パソコンをインターネットや社内ネットワークから切り離すことが最優先です。

手順
  1. Wi-Fiを無効にするか、LANケーブルを物理的に外す
  2. Bluetoothやテザリング機能もすべて無効にする
  3. 必要があれば、モバイルルーターや周辺端末の通信も停止

②アカウント(Google、Apple ID等)のパスワード変更

端末がハッキングされた場合、ログイン中のアカウント情報が盗まれている可能性があります。特にGoogleアカウントやApple IDのような統合アカウントは、メール・クラウド・位置情報など多くの機能にアクセスできるため、即時のパスワード変更が求められます。

手順
  1. 安全な別端末から該当アカウントにログイン
  2. すべてのセッションをログアウトし、パスワードを強固なものに変更
  3. 二段階認証(MFA)を有効にし、復旧情報を最新に更新

③ハッキングされた端末のバックアップを行う

調査や復旧を行う前に、現在の状態を保持したバックアップを取っておくことが重要です。操作によって証拠データや感染の痕跡が消えるリスクがあるため、調査に進む場合でも、まず状態を変えずにバックアップを確保しておく必要があります。

手順
  1. 可能であれば、専用ソフトでディスクイメージを取得
  2. 外付けHDDやクローンツールを用いて完全なコピーを作成
  3. バックアップファイルは暗号化し、アクセス制限付きで保管

④フォレンジック調査による原因特定や証拠保全を行う

自力での判断が難しい場合や、被害の全容を明らかにしたい場合は、フォレンジック調査の実施が有効です。ログや端末内部の痕跡を保全・解析することで、攻撃者の侵入経路、アクセス履歴、漏洩した可能性のあるデータなどを明確にできます。

手順
  1. 専門業者に相談し、現状のヒアリングと調査方針を確定
  2. 調査対象のデバイスやアカウントの保全とログ取得を実施
  3. 解析結果をもとに、被害範囲や再発防止策を含む報告書を取得

デジタルデータフォレンジックなら、24時間365日いつでも相談可能です。匿名相談も受け付けておりますので、パソコンがハッキングされたかもしれない場合はぜひご相談ください。

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【法人向け】企業のパソコンのハッキングが疑われた場合の対処法

WindowsとQNAPを標的にするマルウェア「Raspberry Robin」とは? その特徴や対策方法/感染時の対処方法を解説

企業のパソコンでハッキングの被害が疑われる場合、ネットワークを介した数十台規模の感染や、機密情報の漏えいといった社内端末の被害だけではなく、取引先や顧客、株主への説明責任や法的対応まで行う必要があります。

①担当者・上層部に報告する

ハッキングの疑いがある場合は、ITセキュリティチームや上級管理者に迅速に報告し、対応策を講じることが重要です。これが遅れると被害はより拡大し、問題の解決により多くの時間が必要になる可能性があります。なお報告時には、以下の情報を提供することをおすすめします。

  • 攻撃の日時、頻度、および方法
  • 攻撃の種類(例:マルウェア、フィッシング、DDoSなど)
  • 攻撃が発生したシステムの場所、および被害が及んだ範囲
  • その他の関連する情報

以上の情報を提供することで、報告先のチームや担当者は、より適切な対策を講じることができます。また、報告後は、被害の拡大を防ぐために、社内の関係者にも速やかに通知することをお勧めします。

②インシデントレスポンスプランの適用

インシデントレスポンスプランは、インシデント発生時において迅速かつ正確な情報収集を行い、適切に対応するために必要不可欠です。この計画により、調査と対応の手順が明確化され、迅速かつ効果的な対応が行えるようになります。

また、計画は継続的に見直し、改善される必要があります。特に、新しい脅威や攻撃法が現れるたびに、計画の見直しが必要になる場合があります。組織はプランの策定、適用、見直しについて、専門的な知識を持つスタッフを配置することが望ましいでしょう。

③システムの影響と被害の範囲を評価し、侵入経路を特定

攻撃手法や侵入経路、インシデントの影響範囲を特定することで、インシデントの詳細な調査と報告が可能になり、同様の攻撃を未然に防ぐための対策が打てます。またこれにより、法的手続きや保険請求に対応できます。

ただし、正確にインシデントの影響範囲や侵入経路を特定するには、多様な攻撃手法や脆弱性を理解する必要があります。そしてこれには高度な専門知識が必要です。これらの知識を持たない場合、被害の範囲を正確に評価することが難しいため、より正確かつ確実な調査をおこなう場合は、フォレンジック専門業者に対応を依頼することをおすすめします。

④フォレンジック調査会社に調査を依頼する

ハッキングが発生した場合は、フォレンジック調査の専門家に相談しましょう。

フォレンジック調査の専門家は豊富な知識と経験を持っており、どのデータや情報が漏えいしたか、あるいは被害の度合いを法的に評価し、損害額の評価を行うこともできます。これにより、具体的な被害範囲の把握に貢献できます。

ただし、フォレンジックには専門的スキルと法的知識が要求されるため、ハッキングが疑われる場合は、速やかにフォレンジックの専門家に連絡することが重要です。

私たちデジタルデータフォレンジックは官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験があります。お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

特に次のような疑問がある場合、専門家まで対応を依頼されることをおすすめします。

  • 「漏えいによって個人情報が、どの範囲まで流出したのか?」
  • 「漏えい情報が他の企業や組織にも影響を及ぼすのではないか?」
  • 「インシデントの影響がどれくらい長期間にわたるのか?」
  • 「漏えいした情報が悪用される可能性が知りたい?」
  • 「問題に対して今後どのような対策を取るべきか知りたい」

⑤顧客や関係者への通知と法的対応を行う

ハッキングが発生した場合、関係者に速やかに通知しましょう。通知を怠ると、関係者が情報漏洩の危険性に気づかず、被害が拡大する可能性があります。そのため、通知は遅れることなく、速やかに行われるべきです。

また、通知には適切な方法があります。たとえば、関係者にメールや電話で直接通知することが考えられます。また、社内の掲示板や公式サイトを通じて、関係者に情報を提供することもできます。通知の方法は、情報の重要性や関係者の数に応じて適切に選択するべきです。

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ハッキング被害のよくあるパターンと手口

スマホとパソコン

パソコンやスマートフォンがハッキングされた場合、ユーザーの知らないところで深刻な被害が発生している可能性があります。最近では、気づかないうちに情報が抜き取られていたり、端末が犯罪の中継地点として悪用されていたというケースも少なくありません。

本章では、ハッキング被害の代表的な手口や症状を知り、ハッキングされたかどうかを調べるために注意すべきポイントを解説します。

パスワードクラッキング

パスワードクラッキングとは、何らかの手段で他人のパスワードを不正に入手・解読する攻撃手法です。
攻撃者は辞書攻撃、ブルートフォース攻撃、総当たり攻撃などの手法を用いて、短くて単純なパスワードや過去に流出した情報をもとにアカウントを乗っ取ろうとします。

以下は、攻撃者に狙われやすい弱いパスワードの例です。

弱いパスワードの例
  1. パスワード:パスワードという単語そのものをパスワードにする
  2. 123456:数字の連続した単純なパスワード
  3. abc123:簡単に推測できる英数字のパスワード
  4. qwerty:キーボードの連続する文字列を並べたパスワード
  5. password1:一般的なパスワードで、数字が付いているだけ
  6. 111111:数字の連続した単純なパスワード
  7. admin:システム管理者の名前を使ったパスワード
  8. monkey:一般的な単語を使ったパスワード

パスワードクラッキングが成功すると、メールやクラウド、SNS、社内システムなどへの不正ログインが可能になり、気づかないうちに情報漏えいが発生していることもあります

フィッシング・偽ログインページ

フィッシング攻撃は、正規のサービスを装った偽のメールやWebサイトを使って、ユーザーにIDやパスワード、クレジットカード情報などを入力させる手法です。特に金融機関や大手通販サイトを模倣したフィッシングページがよく使われます。

本物そっくりのログイン画面に騙されて入力してしまうと、情報はそのまま攻撃者の手に渡り、なりすまし被害や金銭的な被害に発展する可能性があります。

偽サイトに個人情報を入力してしまった場合の対処法はこちら>

フィッシング詐欺の手口や対策を解説 | 被害時の適切な対処とは?>

マルウェア感染による情報抜き取り

マルウェア(Malicious Software)とは、悪意のあるソフトウェア全般を指します。ウイルス、トロイの木馬、スパイウェア、ランサムウェアなど様々な種類があり、ユーザーが気づかないうちに情報を盗み出す、端末を操作する、破壊するなどの被害をもたらします。

代表的な例が「トロイの木馬」。無害なアプリやファイルを装って拡散され、実行されることで裏で密かに動作します。
このようなマルウェアに感染すると、以下のような情報が抜き取られる危険性があります。

  • SNSやオンラインバンクのログイン情報
  • クレジットカード番号、口座番号
  • メール・チャットの内容や添付ファイル
  • 端末内の業務資料や個人写真などのデータ

特に最近では、スパイウェア(インフォスティーラーなどユーザーの行動を監視するマルウェア)の被害が増加しています。感染が疑われる場合は、専門のフォレンジック調査によりマルウェアの挙動や感染経路を解析することが、被害拡大の防止につながります。

ソーシャルエンジニアリング(なりすましなど)

ソーシャルエンジニアリングとは、技術的な手段ではなく、人間の心理や行動のスキを突いて情報を盗み出す手口です。代表的なものになりすましメール(偽の上司・同僚を装う)や、電話による情報聞き出しなどがあります。

たとえば、信頼できるふりをして「パスワードを教えてほしい」「リンクをクリックして確認して」などと誘導し、本人が自発的に情報を提供してしまうように仕向けるのが特徴です。

このような手口はセキュリティソフトでは防げないため、被害に気づきにくいのが最大の問題点です。

ゼロデイ攻撃

ゼロデイ攻撃とは、ソフトウェアやOSの公開されていない脆弱性(セキュリティホール)を突いた攻撃のことです。開発者がその脆弱性に気づいて修正パッチを出す前に攻撃されるため、被害の予測や防止が非常に困難です。

ゼロデイ攻撃に使われるマルウェアは通常の検知ツールでは発見できないことが多く、感染から発覚まで時間がかかり、深刻な情報漏えいやシステム破壊に繋がることもあります。

ゼロデイ攻撃の手口とリスク、対策の解説はこちら>

パソコンがハッキングされた場合、過去に端末から情報漏えいが発生している場合もあります。アカウントにログインできなくなった不正な請求が記録されている、パソコンが勝手な動作をするといった症状などが見られる場合はハッキング調査で、情報漏洩、ハッキングに使われたマルウェアやアプリなどがないか調査しましょう。

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ハッキングの標的となりやすい業種・業界とは?

特定の業種や業界は、ハッカーにとって魅力的な標的とされることがあります。例えば医療業界などはランサムウェアに感染すると医療行為に支障をきたすため身代金が支払われやすい、といった感じです。

以下に一部の具体的な業種の例を挙げますが、これらに限定されるものではありません。

ハッキングの標的となりやすい業種・業界

金融業界

銀行や保険会社などの金融機関は、大量の金銭的価値や顧客の個人情報を保有しているため、ハッカーにとって魅力的な標的となります。銀行口座情報、クレジットカード情報、取引データなどは、攻撃者にとって貴重な情報です。

医療業界

医療機関は、患者の医療記録や個人情報を保有しており、これらの情報はダークウェブ市場で非常に高い価値を持っています。

また、医療機器や医療システムへの攻撃は重大な影響を及ぼしやすく、それを悪用して身代金を要求するランサムウェアの攻撃も相次いでいます。

テクノロジー企業

ソフトウェア開発企業やテクノロジー企業は、アプリケーションの設計図や、ソフトウェアコードなど、革新的技術や知的財産を数多く保有しているため、ハッカーはこれら企業から機密情報や研究成果を盗み出し、それを競合他社に販売されたりする可能性があります。

政府機関

政府機関は、国家の安全保障や行政活動に関わる重要な情報を保有しています。場合によってハッカーは政府機関を標的にし、機密情報や政府のネットワークに侵入しようとします。

エネルギー産業

電力会社や原子力発電所などのエネルギー産業は、インフラの一部であり、攻撃の標的にされる可能性があります。ハッカーはエネルギー供給の妨害やシステムの制御を狙うことがあります。

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この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数39,451件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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