サイバー攻撃

ディレクトリトラバーサル攻撃とは?侵入経路から対処法まで徹底解説

ディレクトリトラバーサル攻撃により、攻撃者はウェブサーバーやアプリケーションの不適切な設定を利用して、制限されたファイルやディレクトリにアクセスし、機密情報を盗み出すことが可能です。

本記事では、ディレクトリトラバーサルの侵入経路、攻撃の種類、被害を受けた場合の具体的な対処法、そしてフォレンジック調査の重要性について、専門家の視点から詳しく解説します。

ディレクトリトラバーサル攻撃の仕組みと侵入経路

ディレクトリトラバーサル(Directory Traversal)攻撃は、攻撃者がウェブアプリケーションやサーバーのファイルシステムを横断し、本来アクセスできないファイルやフォルダにアクセスできるようにする攻撃手法です。通常、ウェブアプリケーションはユーザーがアクセス可能なディレクトリやファイルを制限していますが、ディレクトリトラバーサルはこれらの制限を回避します。

1. パス・トラバーサル(Path Traversal)

パス・トラバーサルは、攻撃者が「../」といった相対パスを使用して、現在のディレクトリより上位にあるフォルダにアクセスする攻撃です。たとえば、ログインシステムやファイルアップロード機能が不適切に構成されている場合、攻撃者はサーバーの重要なファイル(「/etc/passwd」や「/var/log」など)にアクセスし、機密情報を取得することができます。

2. URLパラメータの操作

ディレクトリトラバーサル攻撃は、URLパラメータを悪用することで実行されることが多いです。たとえば、ウェブサイトが「?file=../../etc/passwd」のようなパラメータを受け入れる場合、攻撃者はこれを利用してサーバー内の機密ファイルにアクセスします。この攻撃は、アプリケーションがパラメータの検証を適切に行わない場合に発生します。

ディレクトリトラバーサル攻撃による症状とリスク

ディレクトリトラバーサル攻撃に成功すると、攻撃者はサーバー内部の重要なファイルや設定ファイルにアクセスできるため、システムの脆弱性が露呈します。これにより、以下のような症状やリスクが発生します。

1. 機密情報の漏洩

攻撃者がパスワードファイルや設定ファイルにアクセスすることで、サーバーの管理情報やデータベース接続情報、APIキーなどの機密情報が漏洩します。これにより、さらなる攻撃やシステム侵入が容易になります。

2. サーバー設定ファイルの改ざん

攻撃者がサーバー設定ファイルにアクセスすると、システム設定を変更したり、バックドアを設置することが可能です。これにより、攻撃者はシステム全体を制御し、リモートアクセスを確保します。

3. 他の脆弱性の悪用

ディレクトリトラバーサル攻撃により、攻撃者はシステム内の他の脆弱性やエクスプロイトを発見することができ、その脆弱性を利用して、さらなる攻撃を仕掛ける可能性があります。これにより、ランサムウェア攻撃やデータの削除、サービス妨害が発生する危険があります。

ディレクトリトラバーサル攻撃を受けた際の対処法

ディレクトリトラバーサル攻撃に対しては、迅速な対応が必要です。以下に、攻撃を受けた際の具体的な対処法を段階的に解説します。

1. 攻撃の検出

まず、ディレクトリトラバーサル攻撃の痕跡を検出することが重要です。ウェブサーバーやアプリケーションのログを確認し、相対パス(../など)を含む不正なアクセスがないかを調べます。検出手順は以下の通りです。

  • ウェブサーバーのアクセスログやエラーログを確認し、異常なパスやパラメータが使用されていないかチェックする。
  • 攻撃の兆候が確認された場合、即座にアクセスを遮断し、追加のセキュリティチェックを実施する。

2. サーバーの隔離

攻撃が検出された場合、攻撃の拡大を防ぐために、最初に行うべきはサーバーの隔離です。感染が広がらないようにネットワークから切り離し、他のシステムに影響を及ぼさないようにします。隔離手順

  • サーバーをネットワークから物理的または論理的に切り離す。
  • バックアップシステムがある場合、隔離したサーバーのデータを即座にバックアップして、証拠を保存する。

3. フォレンジック調査の実施

ディレクトリトラバーサル攻撃を受けた際には、端末のフォレンジック調査を行い、

フォレンジック調査では、攻撃の発生時期や侵入経路、どのファイルやデータが影響を受けたかを特定します。また、攻撃者が設置した可能性のあるバックドアやマルウェアを検出し、証拠を法的に有効な形で保存します。さらに、今後の防御策に役立つ詳細なレポートが提供され、セキュリティ強化の指針となります。

4. サーバーのセキュリティ強化

ディレクトリトラバーサル攻撃を受けた場合、セキュリティの設定を見直し、再度の攻撃を防ぐための措置を講じることが必要です。特に、ファイルのパスに関するバリデーションを強化し、アクセス制限を再設定します。

5. 影響を受けたデータやシステムの復元

攻撃が完了した後は、バックアップを使用して影響を受けたファイルやシステムを復元することが重要です。また、被害の範囲を限定し、再発防止のための監視体制を強化します。

詳しく調べる際はハッキング・乗っ取り調査の専門家に相談する

DDFハッキング、不正アクセス、乗っ取り、情報漏えいのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。

このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。

フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出によって問題の解決を徹底サポートします。

デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。

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ディレクトリトラバーサル攻撃を防ぐための予防策

ディレクトリトラバーサル攻撃を未然に防ぐためには、日常的なセキュリティ対策が不可欠です。以下に、効果的な予防策を紹介します。

1. パラメータの入力値検証

アプリケーションで使用される全ての入力パラメータについて、サーバーサイドで厳密な検証を行うことが必要です。特に、ファイルパスやURLパラメータは相対パスを防ぐためにサニタイズし、不正な文字列やシンボルが含まれていないかを確認します。

2. ファイルアクセス権限の管理

ファイルやディレクトリに対するアクセス権限を最小限に設定し、ウェブアプリケーションが必要とする最小限の権限のみを付与します。また、重要なシステムファイルや設定ファイルはアクセス制限を設け、特定のユーザーやサービスにのみアクセス可能にします。

3. セキュリティパッチの適用

ソフトウェアやオペレーティングシステムの脆弱性を利用したディレクトリトラバーサル攻撃を防ぐためには、定期的にセキュリティパッチを適用し、最新の状態を維持することが重要です。

よくある質問

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対応内容・期間などにより変動いたします。
詳細なお見積もりについてはお気軽にお問い合わせください。
専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算の見積りと納期をお伝えいたします。

土日祝も対応してもらえますか?

可能です。当社は特定の休業日はございません。緊急度の高い場合も迅速に対応できるように、365日年中無休で対応いたしますので、土日祝日でもご相談下さい。

匿名相談は可能でしょうか?

もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。

 

 

この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数32,377件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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