「DNSサーバーは応答していません」というエラーメッセージが表示された場合、インターネットへの接続に問題がある可能性があります。このエラーは、ユーザーが入力したドメイン名（例：www.example.com）が正しいIPアドレスに変換されず、Webページにアクセスできないことを示します。原因は、DNSサーバーの設定ミスや通信障害から、DNSハイジャックやサーバー攻撃といったサイバー攻撃までさまざまです。

本記事では、考えられる原因ごとに詳細な解決策を紹介します。

「DNSサーバーは応答していません」表示された場合の対処法

インターネットの使用中に「DNSサーバーは応答していません」と表示された場合、以下の方法で状態を回復させましょう。

1. ネットワーク環境を確認する

「DNSサーバーは応答していません」というエラーの原因が、ネットワークやルーターの一時的な不具合であることもあります。まず、基本的な環境を確認しましょう。

1. Wi-Fiや有線接続が正常に接続されているか確認します。
2. インターネットに接続できない場合は、ルーターの再起動を行います。
3. ルーターの電源を切り、30秒ほど待ってから再び電源を入れます。
4. ルーターやモデムのLEDランプが通常通り点灯しているか確認します。異常がある場合、プロバイダに問い合わせましょう。

これで解決しない場合は、パソコンやスマートフォンのDNS設定を見直す必要があります。

2. DNSサーバーの手動設定を確認・変更する

デバイスが使用するDNSサーバーの設定が誤っていると、インターネットに接続できなくなります。以下の手順でDNSサーバーを手動で設定し、問題の解決を試みましょう。

Windowsの場合

1. 「コントロールパネル」を開き、「ネットワークとインターネット」→「ネットワークと共有センター」を選択します。
2. 左メニューから「アダプターの設定の変更」をクリックし、使用しているネットワーク（Wi-Fiまたは有線）を右クリックします。
3. 「プロパティ」を選択し、「インターネット プロトコル バージョン4（TCP/IPv4）」をダブルクリックします。
4. 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」にチェックを入れます。
5. GoogleのDNSサーバーを使用する場合、「8.8.8.8」および「8.8.4.4」を入力します。
6. 「OK」をクリックして変更を保存し、インターネットに接続できるか確認します。

Macの場合

1. 「システム環境設定」を開き、「ネットワーク」をクリックします。
2. 接続中のネットワークを選び、「詳細」をクリックします。
3. 「DNS」タブを開き、左下の「+」ボタンを押して「8.8.8.8」および「8.8.4.4」を追加します。
4. 「OK」をクリックし、再びインターネットに接続できるか確認します。

3. キャッシュのクリアとDNSフラッシュを実行する

DNSキャッシュが古くなったり、誤った情報を保持している場合も、このエラーが発生します。キャッシュのクリアとDNSフラッシュを実行することで解決できることがあります。

WindowsでのDNSフラッシュ

1. 「スタートメニュー」を右クリックし、「Windowsターミナル（管理者）」を選択します。
2. 「ipconfig /flushdns」入力して、DNSキャッシュをクリアします。
3. 「成功しました」と表示されたら、ブラウザを再起動してアクセスを試みます。

MacでのDNSフラッシュ

1. 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」を開きます。
2. 「sudo killall -HUP mDNSResponder」コマンドを入力し、DNSキャッシュをクリアします。
3. パスワードを求められた場合は、Macの管理者パスワードを入力します。
4. ブラウザを再起動し、Webページにアクセスできるか確認します。

4. DNSを変更する

「DNSサーバーは応答していません」というエラーが、DNSハイジャックによるものだった場合、迅速な対応が必要です。攻撃者がDNSレコードを不正に書き換えると、ユーザーは偽のサイトに誘導される可能性があります。DNSを変更する手順は以下の通りです。

1. ドメイン管理サービスにログインし、DNSレコードを確認します。
2. 不正な変更がないか確認し、問題があれば正しいIPアドレスに戻します。
3. ドメインレジストラに連絡し、サポートを受けます。
4. DNSの変更が即座に反映されない場合は、TTL（Time To Live）値を確認し、必要に応じて短縮します。
5. 不正アクセスを防ぐため、二段階認証を有効化しましょう。

5. ルーターのセキュリティを強化する

家庭内やオフィスのルーターが攻撃に遭うと、DNS設定が書き換えられることがあります。これを防ぐためには、ルーターのセキュリティを強化する必要があります。

ルーターのセキュリティ強化手順：

1. ルーターの管理画面にログインし、初期設定のパスワードを変更します。
2. ファームウェアを定期的に更新し、最新のセキュリティパッチを適用します。
3. 外部からの不正アクセスを防ぐため、リモート管理機能を無効化します。
4. 家庭やオフィスのWi-Fiに強力なパスワードを設定し、WPA3などの最新の暗号化方式を使用します。

6. フォレンジック調査を行う

DNSハイジャックや他の攻撃が原因の場合、フォレンジック調査を実施し、攻撃の経路を特定する必要があります。

フォレンジック調査とは電子端末内のデータ、ログ、アプリの使用履歴などを詳細に調査し、攻撃の痕跡などを特定します。収集したデータは、その後の分析のために保存され、改ざんや損失を防ぐために慎重に扱われます。

そして、収集した証拠を分析することで、攻撃の手法や経路を明らかにします。この分析により、攻撃者がどのようにしてデバイスに侵入し、どのデータが危険にさらされたのかを把握します。また、攻撃の目的や意図を理解することも可能です。このような情報は、今後のセキュリティ対策を講じる際の重要な指針となります。フォレンジック調査の進め方は以下の通りです。

1. システムを停止し、ログを含む証拠データを外部ストレージに保管します。
2. DNSサーバーやWebサーバーのアクセスログを取得し、改ざんが行われた時期を特定します。
3. フォレンジック専門会社に相談し、証拠の解析と調査を依頼します。
4. 調査結果に基づき、再発防止策を策定します。

詳しく調べる際はフォレンジック調査の専門家に相談する

ハッキング、不正アクセス、乗っ取り、情報漏えいのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。

このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。

フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出によって問題の解決を徹底サポートします。

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