SQL(Structured Query Language)とは、データベース管理システムに対して行うデータを操作するための命令文です。攻撃者がウェブアプリケーションのデータベースに悪意のあるSQL文を注入することで、SQLインジェクションが発生します。特にウェブサイトのフォームなど、ユーザー入力を受け付ける箇所が狙われ、重要なデータが漏洩したり、サイトの動作に影響を与えたりする可能性があります。
この記事では、SQLインジェクション攻撃が発生する仕組みや事例、対策方法を紹介しています。
目次
SQLインジェクションの主な被害
SQLインジェクションの主な被害は以下のとおりです。
- webサイトの改ざん
- サービス停止
- 情報漏えい
webサイトの改ざん
攻撃者がウェブサイトの内容を改ざんする可能性があります。正規のログインページに偽のページを上書きし、ユーザーの認証情報を盗むことが目的です。また、ウェブサイトに不適切な内容やリンクを挿入してユーザーを誤解させることもあります。
サービス停止
SQLインジェクション攻撃によりデータベースが破壊されると、ウェブサイトやサービスの正常な機能が停止することがあります。データベースから重要なデータが消去されると、ウェブサイトの復旧に時間がかかり、サービスが停止する可能性があります。
情報漏えい
SQLインジェクションが発生すると、データベースからユーザーの個人情報や機密情報を盗み出すことができます。これにより、ユーザーのプライバシーが侵害されるだけでなく、金融情報やビジネスに関する重要な情報が漏えいし、企業にとって重大な損害となることが考えられます。
また、企業が保有する顧客の個人情報が漏えいした場合、「漏えいした情報の種類」「侵入経路」「漏えい件数」などを調査し、個人情報保護委員会に報告することが法律で定められています。万が一、これに違反した場合、罰金刑が科せられる可能性もあるため注意しましょう。
個人情報の漏えいが発覚した際は、フォレンジック調査が役立ちます。フォレンジック調査とは、コンピューターやネットワーク、その他デジタル機器内のデータを科学的に調査・分析し、サイバー攻撃による被害の全容を明らかにする手法です。これを用いることで、SQLインジェクション攻撃による被害を正確に把握することができます。
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企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
2022年4月から改正個人情報保護法が施行されました
2022年4月に施行された「改正個人情報保護法」では、個人データの漏えい、あるいは漏えいが発生する可能性がある場合、報告と通知が法人に義務付けられました。違反した企業には最大1億円以下の罰金が科せられる可能性もあります。
もし、マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセス、社内不正、情報持ち出しのような情報セキュリティ上の問題が発生した場合、まずは感染経路や漏えいしたデータの有無などを確認することが重要です。
ただ、調査を行うには、デジタルデータの収集・解析などの専門技術が必要です。これは自社のみで対応するのが困難なため、個人情報の漏えいが発生した、もしくは疑われる場合は、速やかにフォレンジック専門家に相談し、調査を実施することをおすすめします。
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SQLインジェクションが発生する仕組み
攻撃者は、脆弱性をもつウェブサイトの入力フォームやURLパラメータなどを通じて、不正なSQL文をウェブアプリケーションに注入します。ウェブアプリケーションがユーザーからの入力を適切に検証せず、データベースにSQL文を送信・実行されると、データの漏えいや改ざんなどの被害が発生する可能性があります。
SQLインジェクションが発生する流れは以下のとおりです。
- 攻撃者が脆弱なウェブアプリケーションを見つける
- 不正なSQL文の作成
- 不正なSQL文の注入
- ウェブアプリケーションがSQL文を処理
- データベースの不正操作
SQLインジェクションの被害事例
SQLインジェクションの被害事例は以下のとおりです。
- 学習塾のメールアドレス流出(2022年)
- 統計数理研究所サーバに対する不正アクセス(2023年)
学習塾のメールアドレス流出(2022年)
株式会社日能研のウェブサーバーに外部からの不正アクセスがあり、メールアドレスが漏洩した可能性があることが判明しました。不正アクセスはSQLインジェクションを利用して行われ、漏洩した可能性のあるメールアドレスは最大280,106件にも及びます。日能研はセキュリティ強化と再発防止に取り組むと共に、個人情報保護委員会と警察に対応を報告しています。
日能研:不正アクセスによるメールアドレス流出の可能性に関するお詫びとお知らせ
統計数理研究所サーバに対する不正アクセス(2023年)
2023年4月3日、統計数理研究所(統数研)のサーバがSQLインジェクション攻撃を受け、2018年度以前に採択された共同研究課題の研究参加者のメールアドレス5527件が流出した可能性があることが判明しました。
攻撃は2月7日と3月16-17日に発生し、サーバの設定に不備があった可能性が考えられます。統数研は、運用システムのセキュリティ対策と監視体制の強化を行い、再発防止に取り組むとともに、影響を受けたユーザーには個別にお詫びを行っています。
統計数理研究所:【情報インシデント】統計数理研究所サーバに対する不正アクセスについて
メールアドレスを含む個人情報が漏えいした場合、情報漏えいの経緯や被害の全容を調査し、個人情報保護委員会に報告する義務があります。
しかし、原因や影響範囲を正確に特定するためには、高度な技術知識が必要で、複雑なシステムや大量のデータが関与している場合、社内の調査で全てを把握するのは困難です。
専門業者であれば、情報漏えいの経緯や被害の全容を正確に調査し、関係機関に報告する際の書類の作成も行うことができます。
SQLインジェクション攻撃の疑いがある場合は専門業者に相談する
マルウェア・ランサムウェア感染、不正アクセス、社内不正、情報持ち出しのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。法人様の場合、ご相談から最短30分で初動対応のWeb打合せも開催しておりますので、お気軽にご相談ください。
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フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
多くのお客様にご利用いただいております
調査会社への相談方法
インシデントが発生した際、フォレンジック調査を行うか決定していない段階でも、今後のプロセス整理のために、まずは実績のある専門会社へ相談することを推奨しています。
取引先や行政に報告する際、自社での調査だけでは、正確な情報は得られません。むしろ意図的にデータ改ざん・削除されている場合は、情報の信頼性が問われることもあります。
インシデント時は、第三者機関に調査を依頼し、情報収集を行うことを検討しましょう。
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SQLインジェクションの対策
SQLインジェクションの対策は以下のとおりです。
- プレースホルダの利用
- エスケープ処理の実施
- 入力データの制限
- 入力データの検証
プレースホルダの利用
プレースホルダは、SQLクエリ内で値を直接書かずに、パラメータとして値を渡す方法です。これにより、SQLインジェクション攻撃を防ぐことができます。プレースホルダを使用すると、データベースエンジンがパラメータを適切にエスケープし、SQLコードとして実行されることを防ぎます。
エスケープ処理の実施
エスケープ処理は、ユーザーからの入力がSQLクエリの一部として誤って解釈されるのを防ぐために使用されます。エスケープ処理を行うことで、特別な意味を持つ文字(例えば、クォートやセミコロン)を無害化し、攻撃者が意図的にSQLクエリを変更するのを防ぎます。
入力データの制限
入力データに制限を設けることで、SQLインジェクションのリスクを減らすことができます。これには、入力されるデータの長さ、タイプ、形式を制限することが含まれます。不適切なデータタイプや予期しない長さのデータを拒否することで、攻撃の可能性を減らすことができます。
入力データの検証
入力されたデータを検証し、予期しないフォーマットや値が含まれていないか確認することが重要です。正規表現や特定の検証ルールを使用して、入力が期待される形式であることを確認します。不正な入力を早期に検出し、処理することで、SQLインジェクションのリスクを低減できます。
よくある質問
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